マンションで安い光回線の選び方・導入済み物件のメリットを解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/18

マンションで安い光回線の選び方とは

マンションでインターネット回線を契約する際、「どの光回線が安いのか」「光回線導入済みマンションのメリットは何か」「速度は遅くならないのか」と悩む方は少なくありません。

この記事では、マンション向け光回線の料金比較、光回線導入済みマンションのメリット・デメリット、配線方式と速度の関係、契約時の注意点を、主要通信事業者の公式料金表や通信品質調査データを元に解説します。

初めて光回線を契約する方でも、自分に合った光回線を見極められるようになります。

この記事のポイント

  • マンション向け光回線は戸建てタイプより月額500~1,500円安い。集合住宅プランを選ぶことでコスト削減可能
  • 光回線導入済みマンションなら工事不要(無派遣工事)で開通が早く、初期費用を削減できる
  • スマホとのセット割を活用することで、ドコモならドコモ光、auならauひかり、ソフトバンクならソフトバンク光で割引が受けられる
  • 2年間の実質総額で比較すると、NURO光が実質月額1,396円、GMOとくとくBB光が3,773円など(2025年11月時点)
  • 配線方式により速度が大きく異なる:光配線方式(最大1~10Gbps)、LAN方式(最大100Mbps~1Gbps)、VDSL方式(最大100Mbps)

マンション向け光回線の種類と料金比較(2025年最新)

戸建てタイプとマンションタイプの違い(月額500~1,500円の差)

光回線には、戸建て向けの「戸建てタイプ」と、マンション・アパート向けの「マンションタイプ(集合住宅プラン)」があります。

タイプ 対象 月額料金(目安) 配線方法
戸建てタイプ 一戸建て住宅 5,000~6,500円 直接光ファイバーを引き込む
マンションタイプ マンション・アパート 3,500~5,000円 共用部まで光回線を引き、各部屋で分配

価格差の理由:

  • マンションタイプは共用部まで光回線を引き、各部屋で分配するため、1戸あたりのコストが低い
  • 戸建てタイプは個別に光ファイバーを引き込むため、コストが高い

: 戸数の少ない(4~6戸)集合住宅では「マンファミ」として戸建てタイプを契約する場合があります。

主要プロバイダーの料金比較(NURO光、GMOとくとくBB光、BIGLOBE光等)

2025年11月時点の主要プロバイダーのマンション向け月額料金は以下の通りです。

プロバイダー 月額料金 回線種別 特徴
NURO光 2,090~2,750円 独自回線 高速(最大2Gbps)、対応物件に限る
GMOとくとくBB光 3,773円 光コラボ 格安SIM利用者におすすめ
BIGLOBE光 4,378円 光コラボ auスマホとのセット割あり
ドコモ光 4,400円 光コラボ ドコモスマホとのセット割あり
ソフトバンク光 4,180円 光コラボ ソフトバンクスマホとのセット割あり
enひかり 3,520円 光コラボ 2025年8月から工事費無料化

(注: 料金は2025年11月時点の標準プランです。最新情報は各プロバイダー公式サイトでご確認ください)

2年実質月額で比較(キャッシュバックを含む)

キャッシュバックを含めた2年間の実質月額で比較すると、以下のようになります。

プロバイダー 2年実質月額 内訳
NURO光 1,396円 キャッシュバック151,300円相当を含む
GMOとくとくBB光 3,773円 キャッシュバック5,000円程度を含む
enひかり 3,520円 工事費無料(2025年8月~)

重要: キャッシュバックには受取条件(オプション加入必須、受取手続き期限等)があるため、詳細を必ず確認してください。

スマホセット割の活用方法

スマホと光回線を同じ会社で契約すると、スマホ料金が割引されます。

スマホキャリア おすすめ光回線 割引額(月額)
ドコモ ドコモ光 最大1,100円/台
au auひかり、BIGLOBE光 最大1,100円/台
ソフトバンク ソフトバンク光、NURO光 最大1,100円/台
格安SIM GMOとくとくBB光、enひかり セット割なし(光回線の安さで勝負)

: 家族全員のスマホ料金が割引される場合もあるため、家族構成により最適な光回線が異なります。

光回線導入済みマンションのメリット・デメリット

メリット:工事不要または簡易工事で開通、初期費用削減、安定・高速通信

光回線導入済みマンションの主なメリットは以下の通りです。

メリット1: 工事不要または簡易工事で開通

  • 光コンセントが部屋に設置済みなら、無派遣工事(工事業者の訪問なし)で開通可能
  • 自分で機器(ONUやルーター)を接続するだけで利用開始
  • 開通までの期間が短い(数日~1週間程度)

メリット2: 初期費用削減

  • 工事費が削減または不要(無派遣工事の場合、2,200円程度)
  • 新規工事(光ファイバーの引き込み)の場合、工事費は15,000~40,000円かかる

メリット3: 安定・高速通信

  • 光ファイバーによる安定・高速通信が可能
  • プロバイダーは自分で選べる(導入済み回線を活用)

デメリット:プロバイダー選択の制限、共用回線による速度低下の可能性

デメリット1: 共用回線による速度低下の可能性

  • マンションタイプは共用部まで光回線を引き、各部屋で分配するため、同時利用者が多いと速度が低下する可能性がある
  • 特にピーク時間帯(20~24時)は混雑しやすい

デメリット2: プロバイダー選択の制限(インターネット無料マンションの場合)

  • 「インターネット無料」マンションでは、プロバイダー・プランが指定されており、自分で選べない
  • 速度・品質が低い場合でも、変更できない

光コンセントの確認方法

光回線導入済みマンションかどうかは、部屋に「光コンセント」があるかで確認できます。

光コンセントの種類:

  • 一体型: 電源コンセントと一体になったタイプ
  • 分離型: 独立した差込口として設置されているタイプ

確認方法:

  • 部屋の壁面に「光」または「光コンセント」と記載された差込口がある
  • 不動産会社または大家に「光回線導入済みか」を確認する

インターネット無料マンションの注意点(速度が遅い、セキュリティリスク等)

「インターネット無料」マンションは一見魅力的ですが、以下の注意点があります。

注意点1: 速度が遅い

  • 32戸で共用回線を分配すると、1戸あたり31Mbps程度になる場合がある
  • リモートワーク、オンラインゲーム、動画視聴には不向きな場合がある

注意点2: プロバイダー・プラン選択不可

  • 速度・品質が低くても、自分でプロバイダーを変更できない

注意点3: 実は家賃・共益費に含まれている可能性

  • 「無料」ではなく、家賃・共益費に上乗せされている場合がある

注意点4: セキュリティリスク

  • 共用回線のため、セキュリティ対策が不十分な場合がある
  • VPN利用等の自己防衛が必要

安い光回線の選び方:料金 vs 速度のバランス

2025年おすすめの安い光回線(NURO光:実質月額1,396円、enひかり、GMOとくとくBB光等)

2025年11月時点でおすすめの安い光回線は以下の通りです。

1位: NURO光

  • 2年実質月額: 1,396円(キャッシュバック151,300円相当を含む)
  • 最大速度: 2Gbps(独自回線)
  • 注意: 対応マンションに限る。NURO光設備が導入されている物件のみ

2位: enひかり

  • 月額料金: 3,520円
  • 特徴: 2025年8月から工事費無料化。初期費用を抑えやすい
  • 回線種別: 光コラボ

3位: GMOとくとくBB光

  • 月額料金: 3,773円
  • 特徴: 格安SIM利用者におすすめ。スマホセット割がなくても安い
  • 回線種別: 光コラボ

光コラボ vs 独自回線の比較

種別 内容 代表例 メリット デメリット
光コラボ NTTのフレッツ光回線を借りて提供 ドコモ光、ソフトバンク光、BIGLOBE光 対応エリアが広い、選択肢が多い 混雑時に速度が低下しやすい
独自回線 自社で敷設した光回線 NURO光、auひかり 高速、混雑しにくい 対応エリアが限られる

キャッシュバックの受取条件と期限

キャッシュバックには以下の条件があるため、注意してください。

よくある条件:

  • オプション加入必須(ひかりTV、電話サービス等)
  • 受取手続きが必要(契約から6ヶ月後にメールで案内等)
  • 受取期限がある(案内メールから30日以内等)
  • 一定期間の継続利用が必要(24ヶ月以内に解約すると返金義務等)

重要: キャッシュバックの受取を忘れると、実質月額が大幅に上がります。必ず受取手続きの期限をカレンダーに登録してください。

格安SIM利用者におすすめの光回線

格安SIM(楽天モバイル、ahamo、povo、LINEMO等)を利用している場合、スマホセット割がないため、光回線の月額料金が安いプロバイダーを選ぶことが重要です。

おすすめ:

  • GMOとくとくBB光: 月額3,773円
  • enひかり: 月額3,520円
  • BB.excite光: 月額3,850円(2025年10月全面リニューアル、IPv6 IPoE対応)

配線方式(光配線・VDSL・LAN)と速度の関係

光配線方式:最大1~10Gbps(最速)

光配線方式は、共用部から各部屋まで光ファイバーで配線する方式です。

特徴:

  • 最大速度: 1~10Gbps
  • 最も高速な配線方式
  • 新築マンションや築浅物件に多い

VDSL方式:最大100Mbps(電話線利用で遅い)

VDSL方式は、共用部から各部屋まで電話線(メタルケーブル)で配線する方式です。

特徴:

  • 最大速度: 100Mbps
  • 電話線を利用するため、速度が制限される
  • 築古マンションに多い

注意: リモートワーク、オンラインゲーム、4K動画視聴等には不向きな場合があります。

LAN方式:最大100Mbps~1Gbps(中間)

LAN方式は、共用部から各部屋までLANケーブルで配線する方式です。

特徴:

  • 最大速度: 100Mbps~1Gbps
  • 光配線方式とVDSL方式の中間
  • 一部のマンションで採用

配線方式の確認方法と変更可能性

確認方法:

  • 不動産会社または大家に確認する
  • プロバイダーに問い合わせる(住所を伝えると配線方式を教えてくれる)
  • 光コンセントの有無で推測(光コンセントがあれば光配線方式の可能性が高い)

変更可能性:

  • VDSL方式から光配線方式への変更は、マンション全体の工事が必要なため、個人では難しい
  • 管理組合に働きかけて、マンション全体で光配線方式への切り替えを検討することは可能

契約時の注意点とインターネット無料マンションの落とし穴

大家・管理会社への許可が必須(賃貸の場合)

賃貸マンションで新規に光回線を引く場合、大家・管理会社の許可が必須です。

理由:

  • 光ファイバーの引き込み工事で、壁に穴を開ける可能性がある
  • 無断で工事を行うと、契約違反となり、退去時に原状回復費用を請求される可能性がある

確認事項:

  • 工事内容(壁に穴を開けるか、既存の配管を利用するか)
  • 退去時の原状回復義務(光ファイバーを撤去するか、残すか)

インターネット無料マンションの速度・品質に注意

「インターネット無料」マンションは、以下の点に注意してください。

速度が遅い理由:

  • 1本の回線を複数戸で共用するため、同時利用者が多いと速度が低下する
  • 例: 1Gbpsの回線を32戸で共用すると、1戸あたり31Mbps程度

品質の懸念:

  • プロバイダーの選択肢がないため、速度・品質が低くても改善できない
  • セキュリティ対策が不十分な場合がある

プロバイダー・プラン選択不可の制約

「インターネット無料」マンションでは、プロバイダー・プランが指定されており、自分で選べません。

影響:

  • 速度が遅くても、他のプロバイダーに変更できない
  • オプションサービス(固定IPアドレス、セキュリティソフト等)が利用できない場合がある

実は家賃・共益費に含まれている可能性

「インターネット無料」と謳っていても、実は家賃・共益費に上乗せされている場合があります。

確認方法:

  • 同じエリアの類似物件と家賃を比較する
  • 家賃が相場より月3,000~5,000円高い場合、インターネット料金が含まれている可能性がある

リモートワーク・オンラインゲームには不向きな場合も

「インターネット無料」マンションの回線速度は、リモートワーク、オンラインゲーム、4K動画視聴等には不向きな場合があります。

用途別の推奨速度:

  • メール・Webブラウジング: 1~10Mbps
  • 動画視聴(HD画質): 5~25Mbps
  • リモートワーク(ビデオ会議): 10~30Mbps
  • オンラインゲーム: 30~100Mbps以上
  • 4K動画視聴: 25~50Mbps以上

重要: 用途に応じて、必要な速度を確認してください。

まとめ:あなたに合った光回線を選ぶために

料金だけでなく速度・サポートも考慮

光回線を選ぶ際は、料金だけでなく、速度・サポート体制も考慮してください。

比較項目:

  • 月額料金(2年実質月額で比較)
  • 最大速度(配線方式により異なる)
  • サポート体制(電話サポート、チャットサポート等)
  • キャッシュバックの受取条件

スマホセット割で実質コストを削減

スマホと光回線を同じ会社で契約することで、スマホ料金が月額最大1,100円割引されます。

家族全員のスマホ料金が割引される場合:

  • 家族4人でドコモを利用している場合、ドコモ光を契約すると、月額最大4,400円(1,100円×4人)割引
  • 光回線の月額料金(4,400円)がスマホセット割でほぼ相殺される

配線方式を確認して速度を見極める

マンションの配線方式により、最大速度が大きく異なります。

配線方式 最大速度 推奨用途
光配線方式 1~10Gbps すべての用途に対応
LAN方式 100Mbps~1Gbps リモートワーク、動画視聴等に対応
VDSL方式 100Mbps メール・Webブラウジング等に適する

重要: VDSL方式のマンションで高速通信が必要な場合、光配線方式への変更をマンション全体で検討するか、他の通信手段(ホームルーター、モバイルWi-Fi等)を検討してください。

マンションで光回線を契約する際は、料金、速度、配線方式を総合的に判断し、自分の用途に合った光回線を選びましょう。

よくある質問

Q1マンションで安い光回線はどれですか?

A12025年11月時点で、NURO光(2年実質月額1,396円、キャッシュバック151,300円相当を含む)、GMOとくとくBB光(月額3,773円)、enひかり(月額3,520円、工事費無料化)が安いです。ただし、NURO光は対応マンションに限られます。スマホセット割も活用することで、ドコモならドコモ光、auならauひかり、ソフトバンクならソフトバンク光で実質コストを削減できます。最新情報は各プロバイダー公式サイトでご確認ください。

Q2光回線導入済みマンションとは何ですか?

A2光コンセントが部屋に設置済みで、工事不要または簡易工事(無派遣工事)で光回線を開通できるマンションです。工事業者の訪問なしで、自分で機器(ONUやルーター)を接続するだけで利用開始できます。初期費用が削減でき(工事費2,200円程度)、開通までの期間が短い(数日~1週間程度)というメリットがあります。光コンセントの有無は、部屋の壁面に「光」または「光コンセント」と記載された差込口があるかで確認できます。

Q3マンションの光回線は遅くなりますか?

A3マンションタイプは共用部まで光回線を引き、各部屋で分配するため、同時利用者が多いと速度が低下する可能性があります。特にVDSL方式(電話線利用)は最大100Mbpsに制限されます。配線方式により速度が大きく異なるため、確認が重要です。光配線方式(最大1~10Gbps)、LAN方式(最大100Mbps~1Gbps)、VDSL方式(最大100Mbps)の順に高速です。不動産会社または大家に配線方式を確認してください。

Q4インターネット無料マンションのデメリットは何ですか?

A4インターネット無料マンションの主なデメリットは、速度が遅い(32戸で共用すると1戸あたり31Mbps程度)、プロバイダー・プラン選択不可(速度・品質が低くても変更できない)、実は家賃・共益費に含まれている可能性がある、セキュリティリスク(共用回線のためセキュリティ対策が不十分な場合がある)、リモートワーク・オンラインゲームには不向きな場合がある、といった点です。用途に応じて必要な速度を確認してください。

Q5光回線の配線方式の違いは何ですか?

A5光配線方式は共用部から各部屋まで光ファイバーで配線し、最大1~10Gbpsの高速通信が可能です。VDSL方式は共用部から各部屋まで電話線(メタルケーブル)で配線し、最大100Mbpsに制限されます。LAN方式は共用部から各部屋までLANケーブルで配線し、最大100Mbps~1Gbpsです。配線方式により速度が大きく異なるため、不動産会社または大家、プロバイダーに確認してください。VDSL方式のマンションで高速通信が必要な場合、マンション全体で光配線方式への変更を検討するか、他の通信手段を検討してください。

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Room Match編集部

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