賃貸仲介大手の特徴とは?サービス比較・選び方・注意点を解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/24

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大手賃貸仲介会社とは?特徴と市場での位置づけ

賃貸物件を探す際、「大手仲介会社と地域密着型、どちらを選ぶべきか」と迷う方は少なくありません。

この記事では、大手賃貸仲介会社の特徴、サービス内容、手数料の仕組み、利用時の注意点を解説します。

仲介手数料の法律上の上限や割引サービスの活用方法、おとり物件の見分け方など、実用的な判断基準を提示しますので、自分に合った賃貸仲介会社を選ぶための参考にしてください。

この記事のポイント

  • 大手賃貸仲介会社は全国展開により豊富な物件数と店舗ネットワークを持つ
  • 仲介手数料の法律上の上限は家賃1ヶ月分+消費税、相場は家賃0.5~1ヶ月分
  • 直営店とフランチャイズ店で仲介手数料やサービス内容が異なる場合がある
  • おとり物件や店舗による対応品質のばらつきに注意し、初期費用の総額で比較することが重要

(1) 大手賃貸仲介会社の定義と全国展開の仕組み

大手賃貸仲介会社とは、全国規模で店舗を展開し、豊富な物件情報を持つ賃貸不動産仲介会社です。

主な特徴:

  • 店舗数の多さ: 全国に数百店舗を展開し、どの地域でもサービスを受けられる
  • 物件数の豊富さ: 全国ネットワークにより、幅広いエリアの物件情報にアクセス可能
  • サービスの標準化: 全国一律のマニュアルで、一定の品質を保つ
  • 24時間対応サポート: コールセンターによる入居後のトラブル対応

例えば、エイブルは829店舗(直営441店、ネットワーク373店、海外15店)を展開し、累計約645万件の賃貸仲介実績を持つ業界大手です(2025年2月時点)。

(2) 直営店とフランチャイズ店の違い

大手賃貸仲介会社には、直営店とフランチャイズ店(ネットワーク店)があります。

項目 直営店 フランチャイズ店
運営主体 本部が直接運営 加盟店が運営
仲介手数料 本部の方針に従う(例:家賃の55%) 加盟店が独自に設定(例:家賃の110%)
サービス品質 統一されている 店舗により異なる可能性
割引サービス 適用される 適用されない場合がある

見分け方:

店舗名に「ネットワーク」が付く場合、フランチャイズ店です(例:「エイブルネットワーク〇〇店」)。契約前に店舗種別を確認してください。

大手賃貸仲介会社のサービス内容と手数料

(1) 仲介手数料の仕組みと法律上の上限(家賃1ヶ月分+消費税)

仲介手数料とは、不動産会社に支払う手数料です。宅地建物取引業法により、上限が定められています。

法律上の上限:

仲介手数料の上限 = 家賃1ヶ月分 + 消費税

例えば、家賃10万円の物件の場合、仲介手数料の上限は110,000円(10万円+消費税10,000円)です。

2024年7月の法改正:

長期空き家物件(3ヶ月以上空室の物件)は、仲介手数料の上限が家賃2ヶ月分+消費税に引き上げられました。これは、空き家問題の解決を促進するための特例措置です。

(2) 仲介手数料の相場(家賃0.5~1ヶ月分)

法律上の上限は家賃1ヶ月分+消費税ですが、実際の相場は家賃0.5~1ヶ月分+消費税です。

仲介手数料の相場:

会社のタイプ 仲介手数料の目安
大手直営店 家賃の55%~110%
フランチャイズ店 家賃の110%
地域密着型 家賃の110%
仲介手数料無料の会社 0円

直営店では仲介手数料を半額(家賃の55%)にする会社もあります。例えば、エイブル直営店の仲介手数料は家賃の55%(税込)です。

(3) 割引サービス(学生割、リピート割等)の活用

大手賃貸仲介会社では、割引サービスを提供している場合があります。

割引サービスの例:

  • 学生割: 学生証の提示で仲介手数料を割引(5~10%程度)
  • リピート割: 過去に利用したことがある場合の割引
  • 女子割: 女性限定の割引サービス
  • 早期契約割: 契約を急ぐ場合の割引

複数の割引を組み合わせることで、最大30%割引になる場合もあります。契約前に割引サービスの有無を確認してください。

(4) 24時間対応サポート等の付帯サービス

大手賃貸仲介会社では、入居後のサポート体制が充実しています。

付帯サービスの例:

  • 24時間対応コールセンター: 管理物件のトラブル(水漏れ、鍵紛失等)に対応
  • オンライン契約: 店舗に行かずに契約手続きが可能
  • 引越業者紹介: 提携業者による割引サービス
  • 火災保険加入サポート: 契約時に火災保険の加入をサポート

大手賃貸仲介会社と地域密着型の違い

(1) 物件数・店舗数の違い

項目 大手賃貸仲介会社 地域密着型
店舗数 全国数百店舗 1~数店舗
物件数 全国ネットワークで豊富 地域内に特化
対応エリア 全国 特定の市区町村

大手は物件数が多い一方、地域密着型は地域情報に詳しいという強みがあります。

(2) サービスの標準化と対応の柔軟性

大手賃貸仲介会社:

  • サービスが標準化され、どの店舗でも一定の品質
  • マニュアル通りの対応で、柔軟性に欠ける場合がある

地域密着型:

  • 顧客の個別事情に応じた柔軟な対応
  • 担当者によって対応品質にばらつきがある可能性

(3) 初期費用・手数料体系の違い

初期費用の構成:

  • 仲介手数料: 家賃0.5~1ヶ月分+消費税
  • 敷金: 家賃1~2ヶ月分(退去時の原状回復費用に充当)
  • 礼金: 家賃0~2ヶ月分(貸主への謝礼、返還されない)
  • 前家賃: 契約開始月の家賃
  • 火災保険料: 15,000~20,000円/年

大手直営店は仲介手数料が安い傾向がありますが、オプション商品(消臭・抗菌サービス、24時間サポート等)で初期費用が高くなる場合があります。総額で比較してください。

大手賃貸仲介会社利用時の注意点とチェックポイント

(1) おとり物件(景品表示法違反)に注意

おとり物件とは、既に成約済みにもかかわらず、集客目的で掲載され続けている物件です。景品表示法違反に該当します。

おとり物件の見分け方:

  • 物件問い合わせ時に「内見できるか」を確認
  • 複数のサイトで同じ物件を確認(掲載状況が異なる場合は注意)
  • 好条件すぎる物件は疑う(相場より大幅に安い等)

過去に景品表示法違反で行政処分を受けた会社もあるため、国土交通省ネガティブ情報検索システムで過去の行政処分歴を確認することを推奨します。

(2) 店舗による対応品質のばらつき

大手賃貸仲介会社でも、店舗によって対応品質にばらつきがあるとの口コミが多数あります。

確認方法:

  • 口コミサイト(みん評、Google口コミ等)で店舗別の評価を確認
  • 複数の店舗に問い合わせて対応を比較
  • 実際に店舗を訪問して雰囲気を確認

(3) オプション商品の必要性を確認

契約時に提案されるオプション商品の必要性を慎重に判断してください。

よくあるオプション商品:

  • 消臭・抗菌サービス: 15,000~30,000円
  • 24時間サポート: 10,000~20,000円/年
  • 鍵交換費用: 10,000~20,000円

判断基準:

  • 必須ではないものは断る(任意加入が原則)
  • 費用対効果を考える
  • 他社のサービスと比較する

(4) 初期費用の総額を比較する(仲介手数料だけでなく)

仲介手数料が安くても、オプション商品や礼金・敷金で初期費用が高くなる場合があります。

初期費用の総額例(家賃10万円の物件):

項目 A社(仲介手数料半額) B社(仲介手数料1ヶ月分)
仲介手数料 55,000円 110,000円
敷金 100,000円 100,000円
礼金 100,000円 0円
前家賃 100,000円 100,000円
火災保険 20,000円 15,000円
オプション 30,000円 0円
合計 405,000円 325,000円

この例では、A社の仲介手数料は安いですが、総額ではB社の方が8万円安くなっています。

(5) 国土交通省ネガティブ情報検索システムで過去の行政処分を確認

国土交通省のネガティブ情報等検索システムで、不動産会社の過去の行政処分歴を確認できます。

確認すべき処分:

  • 業務停止命令: 重大な違反行為により営業を一定期間停止
  • 景品表示法違反: おとり物件等の不当表示
  • 不正請求: 不当な費用請求

近年の重大な処分歴がある場合は、慎重に判断してください。

賃貸物件探しのコツ:初期費用を抑える方法

(1) 複数の仲介会社を比較する

同じ物件でも、仲介会社により初期費用が異なる場合があります。複数の会社で見積もりを取り、総額を比較してください。

比較のポイント:

  • 仲介手数料
  • 敷金・礼金
  • オプション商品の有無
  • 火災保険料

(2) 敷金・礼金ゼロ物件を探す

敷金・礼金ゼロ物件は、初期費用を大幅に抑えられます。

注意点:

  • 退去時の原状回復費用が別途請求される場合がある
  • 家賃が相場より高く設定されている場合がある
  • 契約条件をよく確認する

(3) フリーレント物件を活用する

フリーレント物件は、入居後の一定期間(1~2ヶ月)の家賃が無料になります。

メリット:

  • 初期費用を抑えられる
  • 引越費用に余裕ができる

注意点:

  • 最低入居期間(1~2年)が設定されている場合がある
  • 期間内に退去すると違約金が発生する

(4) 仲介手数料の交渉ポイント

仲介手数料は交渉の余地がある場合があります。

交渉のタイミング:

  • 閑散期(6~8月、11~12月)に契約する
  • 長期入居の意思を示す
  • 即決する意思を示す

交渉の方法:

  • 「他社では仲介手数料が安い」と伝える
  • 「総額でいくらまで抑えたい」と希望を伝える

まとめ:自分に合った賃貸仲介会社の選び方

大手賃貸仲介会社は、全国展開により豊富な物件数と店舗ネットワークを持つ一方、直営店とフランチャイズ店で仲介手数料やサービス内容が異なる場合があります。

仲介手数料の法律上の上限は家賃1ヶ月分+消費税、相場は家賃0.5~1ヶ月分です。割引サービスを活用することで、初期費用を抑えられます。

利用時は、おとり物件、店舗による対応品質のばらつき、オプション商品の必要性に注意し、初期費用の総額で比較することが重要です。

物件数・店舗数を重視するなら大手、きめ細かい対応や地域情報を重視するなら地域密着型を選び、自分のニーズに合った賃貸仲介会社を選びましょう。

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よくある質問

Q1大手賃貸仲介会社の仲介手数料の相場は?

A1家賃0.5~1ヶ月分+消費税が相場です。法律上の上限は家賃1ヶ月分+消費税(宅地建物取引業法により規定)。直営店では家賃の55%程度に割引する会社もあります。フランチャイズ店は家賃の110%(1ヶ月分+消費税)が一般的です。学生割、リピート割等の割引サービスを活用することで、さらに安くなる場合があります。

Q2直営店とフランチャイズ店はどう違う?

A2直営店は本部が運営し、サービスが統一されています。フランチャイズ店(ネットワーク店)は加盟店が運営し、仲介手数料や対応品質が異なる場合があります。例えば、直営店の仲介手数料が家賃の55%でも、フランチャイズ店では110%の場合があります。店舗名に「ネットワーク」が付く場合はフランチャイズ店です。契約前に店舗種別を確認することを推奨します。

Q3おとり物件とは何?どう見分ける?

A3既に成約済みなのに集客目的で掲載されている物件で、景品表示法違反に該当します。見分け方は、物件問い合わせ時に「内見できるか」を確認する、複数サイトで同じ物件を確認する(掲載状況が異なる場合は注意)、好条件すぎる物件は疑う(相場より大幅に安い等)などです。国土交通省ネガティブ情報検索システムで過去の行政処分歴を確認することも有効です。

Q4初期費用を安くする方法は?

A4仲介手数料の安い会社を選ぶ、敷金・礼金ゼロ物件を探す、フリーレント物件を活用する、不要なオプション商品を断る、複数社で総額を比較することが重要です。仲介手数料だけでなく、敷金・礼金・オプション商品を含めた初期費用の総額で比較してください。閑散期(6~8月、11~12月)に契約すると、仲介手数料の交渉がしやすい傾向があります。

Q5大手と地域密着型、どちらがおすすめ?

A5物件数・店舗数を重視するなら大手、きめ細かい対応や地域情報を重視するなら地域密着型がおすすめです。大手は全国ネットワークで豊富な物件情報にアクセスでき、サービスが標準化されています。地域密着型は地域情報に詳しく、顧客の個別事情に応じた柔軟な対応が可能です。自分のニーズ(物件数重視か対応重視か)に応じて選ぶことを推奨します。

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Room Match編集部

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