低い土地とは?購入を検討する理由
低い土地とは、周辺の道路や隣地よりも標高が低い土地のことです。価格が手頃なため、予算を抑えて土地を購入したい方の選択肢の一つとなっています。しかし、排水や日当たり、災害リスクなどの問題を抱えているケースもあります。
この記事のポイント
- 低い土地は周辺相場より10-20%程度安い傾向がある
- 日当たり・排水・浸水リスクなどのデメリットが存在する
- 盛り土工事の費用相場は1㎥あたり6,000-15,000円
- ハザードマップや地形分類図で災害リスクを事前確認することが重要
- 対策費用が高額になると、総額では割高になる可能性がある
(1) 低い土地の定義
低い土地とは、周辺の道路や隣地よりも標高が低い土地のことです。具体的には以下のようなケースがあります。
- 道路より1-2m低い位置にある土地
- 周辺の土地よりも低い場所にある土地
- 河川や海より低い標高の土地
こうした土地は、雨水が流れ込みやすく、排水や浸水対策が必要になる場合があります。
(2) 低い土地が注目される理由(価格面)
低い土地が注目される最大の理由は、価格の安さです。周辺相場より10-20%程度安い傾向があるため、予算を抑えて土地を購入できる可能性があります。
(出典: 建築家紹介センター)
ただし、価格が安い分、盛り土や地盤改良、排水設備の工事が必要になるケースが多く、総額では割高になる可能性があるため、事前に見積もりを取ることが重要です。
低い土地のメリット
低い土地には、価格面を中心にいくつかのメリットがあります。購入前にメリットを理解し、自分の状況に合った選択をすることが大切です。
(1) 価格が10-20%安い(周辺相場との比較)
低い土地の最大のメリットは、周辺相場より10-20%程度安い価格で購入できることです。
価格が安い理由:
- 日当たりが悪い
- 排水に問題がある
- 浸水リスクがある
- 盛り土や地盤改良が必要
これらのデメリットがあるため、価格が低く設定されています。予算を抑えて土地を購入し、対策費用を見込んだ上で購入を検討する方に適しています。
(出典: 建築家紹介センター)
(2) 騒音が抑えられる可能性
道路より低い位置にある土地の場合、道路からの騒音が抑えられる可能性があります。特に交通量の多い道路に面した土地では、低い位置にあることが騒音対策として機能する場合があります。
ただし、プライバシーの確保が難しくなる点には注意が必要です。
(3) 広い土地を取得しやすい
低い土地は価格が安い分、同じ予算でより広い土地を取得できる可能性があります。広い敷地を活用して、ゆとりのある住まいづくりを実現したい方に適しています。
低い土地のデメリットとリスク
低い土地には、価格面のメリットがある一方で、いくつかのデメリットとリスクがあります。購入前に必ず確認しておくべきポイントを解説します。
(1) 日当たりが悪い(道路より1-2m低い場合)
道路より1-2m低い土地は、日光が入りにくく、日当たりが非常に悪くなります。
影響:
- 室内が暗くなる
- 洗濯物が乾きにくい
- 冬場の寒さが厳しくなる
日当たりを改善するには、建物の配置を工夫したり、窓の位置を高くしたりする必要があります。
(出典: 建築家紹介センター)
(2) 水はけが悪く、雨水が溜まりやすい
低い土地は周囲から雨水が流れ込むため、水はけが悪く、雨水が溜まりやすくなります。
影響:
- 庭に水が溜まる
- 湿気が溜まりやすい
- カビやダニが発生しやすい
水はけを改善するには、雨水浸透桝の設置や適切な水勾配の確保が必要です。
(出典: エリアリンク)
(3) 洪水・内水氾濫による浸水リスク
低い土地は、洪水や内水氾濫による浸水リスクが高くなります。特に河川や海より低い土地は、大雨時に水が流れ込みやすいため注意が必要です。
リスク:
- 洪水による浸水
- 内水氾濫(排水が追いつかず水が溜まる)
- 床下浸水・床上浸水
浸水リスクは自治体のハザードマップで必ず確認してください。
(出典: ノークホームズ)
(4) 地盤が軟弱(液状化リスク)
低い土地は、埋立地や元水田など、地盤が軟弱なケースが多く、液状化リスクがあります。
液状化とは: 地震時に地盤が液体状になる現象。地下水位が高い砂状地盤で発生しやすい。
影響:
- 建物が傾く
- 地盤沈下が起きる
- 地震時の揺れが大きくなる
地盤が弱い場合は、地盤改良工事が必要になります。
(出典: ウィザースパーク)
(5) 排水設備がポンプアップ方式になる可能性
排水管が土地よりも高い位置にある場合、ポンプアップ方式の排水設備が必要になります。
ポンプアップ方式とは: 排水を一度タンクに溜め、ポンプで排水管まで押し上げる仕組み。
デメリット:
- 設置費用がかかる
- 電気代がかかる
- 停電時に排水できない
購入前に排水の仕組みを必ず確認してください。
(出典: ナカジツ)
(6) プライバシーの確保が難しい
道路より低い土地は、道路から家の中が見えやすく、プライバシーの確保が難しくなります。
対策:
- 外階段を設置し、道路レベルに玄関を配置
- フェンスや植栽で視線を遮る
- 窓の位置を工夫する
こうした対策には追加費用がかかります。
(7) 湿気が溜まりやすい
低い土地は湿気が溜まりやすく、カビやダニが発生しやすくなります。
対策:
- 地盤検査を実施し、適切な基礎工事を行う
- 床下換気を確保する
- 除湿設備を設置する
湿気対策は建物の耐久性を保つためにも重要です。
低い土地の対策方法と費用相場
低い土地のデメリットを解消するには、盛り土や地盤改良、排水設備の改善などの対策が必要です。各対策の費用相場を把握し、総額を見積もることが重要です。
(1) 盛り土工事の費用相場(1㎥あたり6,000-15,000円)
盛り土工事とは、低い土地を高くするために土砂を盛る工事のことです。
費用相場:
- 1㎥あたり6,000-15,000円
- 100坪の田んぼを宅地化する場合、総額5-6百万円程度
費用の内訳:
- 土砂の購入費
- 運搬費
- 盛り土工事費
- 転圧(地盤を固める)費用
土地の状態により費用が大きく変動するため、複数業者から見積もりを取ることを推奨します。
(出典: 鬼丸ハウス)
(2) 地盤改良の費用と必要性
地盤が軟弱な場合、地盤改良工事が必要になります。
地盤改良の費用相場:
- 50-100万円程度(一般的な住宅の場合)
地盤改良の方法:
- 表層改良(軟弱地盤の表層を固める)
- 柱状改良(地中にセメント柱を造る)
- 鋼管杭(鋼管を地中に打ち込む)
地盤検査の結果に基づいて、適切な工法を選択してください。
(3) 排水設備の改善(雨水浸透桝・水勾配)
水はけを改善するには、以下の対策が有効です。
簡易的な対策:
- 雨水浸透桝の設置
- 砂利を敷く
- 水勾配を確保する
根本的な対策:
- 排水管の敷設
- ポンプアップ方式の排水設備
簡易的な対策であれば数十万円、根本的な対策には100万円以上かかる場合があります。
(出典: エリアリンク)
(4) 外階段・外構工事の追加費用
道路より低い土地の場合、外階段や外構工事の追加費用がかかります。
費用の目安:
- 外階段: 50-100万円程度
- フェンス・植栽: 30-50万円程度
プライバシー確保のための対策として、こうした費用も見込む必要があります。
(5) 費用を抑えるコツ
対策費用を抑えるには、以下の方法があります。
- 複数業者から見積もりを取る: 価格競争により費用を抑えられる
- 必要最小限の対策に絞る: 優先順位をつけて対策を実施
- 補助金・助成金の活用: 自治体によっては耐震・防災関連の補助金がある
事前に専門家(建築士、地盤調査会社等)に相談し、適切な対策を検討してください。
購入前に必ず確認すべきポイント
低い土地を購入する前に、災害リスクや地盤の状態を必ず確認してください。以下のポイントをチェックすることで、リスクを把握できます。
(1) ハザードマップの確認方法
ハザードマップとは、自治体が作成する災害リスクを示す地図のことです。洪水・土砂災害・地震などのリスクを確認できます。
確認方法:
- 自治体のウェブサイトで「ハザードマップ」を検索
- 国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」を利用
特に河川や海より低い土地は、洪水・内水氾濫のリスクが高いため、必ず確認してください。
(出典: ノークホームズ)
(2) 地形分類図(国土地理院)の活用
地形分類図とは、国土地理院が提供する地形の成り立ちを示す地図のことです。
確認できる情報:
- 低地・台地・山地などの地形
- 埋立地・元水田などの土地の成り立ち
- 液状化リスク
国土地理院の「地理院地図」で無料で確認できます。
(出典: ウィザースパーク)
(3) 地盤検査の実施
地盤検査とは、地盤の強さを調べる調査のことです。購入前に実施することで、地盤改良の必要性と費用を把握できます。
地盤検査の費用:
- 5-10万円程度
地盤検査を実施せずに購入すると、後から高額な地盤改良費用が発生するリスクがあります。
(4) 地名による地盤の弱さの判別
地名に「さんずい(水、沢、池等)」「田」「谷」などの文字が含まれている場合、地盤が弱い可能性があります。
地盤が弱い可能性がある地名の特徴:
- 水に関する文字(川、沢、池、沼等)
- 田に関する文字(田、谷等)
- 低地を示す文字(下、底等)
こうした地名の土地を購入する場合は、必ず地盤検査を実施してください。
(出典: レフトハウジング)
(5) 排水の仕組みの確認
購入前に、排水管が土地よりも高い位置にあるか確認してください。排水管が高い位置にある場合、ポンプアップ方式の排水設備が必要になります。
確認方法:
- 売主や不動産会社に排水の仕組みを確認
- 現地で排水管の位置を確認
ポンプアップ方式の場合、設置費用と電気代がかかります。
(6) 周辺の浸水履歴の調査
過去に浸水被害があった土地は、今後も浸水リスクが高い可能性があります。
調査方法:
- 自治体の防災課に問い合わせ
- 近隣住民にヒアリング
- 過去のニュース記事を検索
浸水履歴がある土地は、ハザードマップと合わせて総合的に判断してください。
まとめ:低い土地の購入判断基準
低い土地は、周辺相場より10-20%程度安い価格で購入できるメリットがありますが、日当たり・排水・浸水リスク・地盤の弱さなどのデメリットも存在します。
盛り土工事の費用相場は1㎥あたり6,000-15,000円で、100坪の田んぼを宅地化する場合は総額5-6百万円程度が目安となります。対策費用が高額になると、総額では割高になる可能性があるため、事前に見積もりを取ることが重要です。
購入前に、ハザードマップや地形分類図で災害リスクを確認し、地盤検査を実施してください。専門家(地盤調査会社、建築士等)に相談しながら、無理のない購入判断を行いましょう。


