ライオンズマンションとは?ブランドの概要と歴史
「ライオンズマンション」という名前を聞いたことがある方は多いでしょう。マンション購入や賃貸を検討する際に、「ライオンズマンションの評判はどうなのか」「資産価値は保たれるのか」「危ないという噂は本当か」と不安を感じている方もいるかもしれません。
この記事では、ライオンズマンションのブランド特性、評判、資産価値、購入・賃貸時の注意点を、業界データを元に解説します。「危ない」「やばい」と言われる理由も含め、公平に情報を提示します。
この記事のポイント
- ライオンズマンションは大京グループが展開し、累計供給戸数350,186戸(~2023年12月)で業界1位のブランド
- ブランド認知度52.3%で業界トップ、2023年4月に「THE LIONS」へリブランディング
- 立地が良いため資産価値が落ちにくいが、個別物件により品質・管理状態が大きく異なる
- 「危ない」という噂は歌舞伎町の特定物件に起因する誤解で、全物件に当てはまるわけではない
大京グループが展開するマンションブランド
ライオンズマンションは、大京(オリックスグループ)が1968年から展開するマンションブランドです。大京は日本の分譲マンション業界の草分け的存在で、50年以上の歴史を持ちます。
ライオンズマンションは、全国の主要都市を中心に開発され、多くの物件が駅近・都心部に位置しています。
累計供給戸数350,186戸(~2023年12月)
2023年12月までに累計350,186戸を供給し、業界NO1の実績を持ちます。この数字は、野村不動産の「プラウド」、三井不動産レジデンシャルの「パークホームズ」等の他ブランドを大きく上回ります。
大量供給によるスケールメリットを活かし、コストを抑えた価格設定が可能となっています。
2023年4月のリブランディング(「THE LIONS」へ)
2023年4月、55年の歴史を持つ「ライオンズマンション」から「THE LIONS」へとリブランディングされました。これは、ブランドイメージを刷新し、より高級感を打ち出すための戦略です。
ただし、既存の「ライオンズマンション」物件の名称は変更されておらず、新築物件から「THE LIONS」ブランドが使用されています。
ブランド認知度52.3%で業界1位(2024年5月調査)
2024年5月の調査で「知っているマンションブランド」として52.3%の認知度を獲得し、業界1位となりました。これは、長年の供給実績と広告活動により、高い知名度を確立していることを示しています。
ライオンズマンションの特徴と強み
立地の良さ(駅近・都心部中心の開発)
ライオンズマンションの最大の特徴は、立地の良さです。駅から徒歩10分以内の物件が多く、主要都市の都心部を中心に開発されています。
立地が良いため、資産価値が落ちにくく、賃貸に出す際も借り手が見つかりやすいというメリットがあります。
耐久性・耐震性(200年住める住宅づくり)
大京は「200年住める住宅づくり」を目指しており、耐久性・耐震性に優れた構造を採用しています。多くの物件が鉄筋コンクリート造(SRC造)で、地震に強い設計となっています。
ただし、古い物件(特に1980年代以前)は、現在の耐震基準を満たしていない場合があるため、購入前に耐震診断の有無を確認することが重要です。
住宅性能評価書の導入(2000年から)
2000年から住宅性能評価書を導入しています。住宅性能評価書は、第三者機関が住宅の性能を評価した書類で、耐震性、省エネ性、バリアフリー性などが客観的に評価されます。
これにより、物件の品質が明確化され、購入者が安心して選べる環境が整っています。
大京アステージによる管理体制(539,263戸管理)
ライオンズマンションの管理は、主に大京アステージと穴吹コミュニティの2社が担当しています。2024年5月時点で539,263戸を管理しており、業界最大規模です。
管理受託戸数が多いことは、ノウハウの蓄積とスケールメリットを活かした効率的な管理が期待できることを意味します。
清掃・防犯体制・共用部メンテナンスの丁寧さ
大京アステージの管理は、清掃や防犯体制、共用部のメンテナンスが丁寧との評価があります。定期的な巡回点検や、管理組合へのサポート体制が整っています。
ただし、管理組合の活動状況や理事長の質により、管理の質が左右される点には注意が必要です。
ライオンズマンションの評判と資産価値
「住んでみたいマンションブランド」1位(北海道・中部・中国地域)
北海道・中部・中国地域で「住んでみたいマンションブランド」1位を獲得しています。これは、長年の実績と立地の良さが評価されていることを示しています。
一方で、東京・大阪等の大都市圏では、他の高級ブランド(プラウド、パークホームズ等)の人気も高く、地域により評価が異なる点に注意が必要です。
立地が良いため資産価値が落ちにくい
ライオンズマンションは、駅近・都心部中心の立地のため、資産価値が落ちにくい傾向があります。立地は不動産価値を決める最も重要な要素の一つであり、交通の便が良い物件は需要が安定しています。
ただし、築年数が古い物件(特に1980年代以前)は、設備の老朽化や修繕積立金の不足リスクがあるため、購入前に確認が必要です。
2024年10月時点の平均販売価格1,862万円(築28年平均)
2024年10月時点の中古市場における平均販売価格は1,862万円(築28年平均)です。平米単価は23万円で、他のブランドマンションと比較してやや低めの価格帯となっています。
これは、築年数が古い物件が多いことと、大量供給によるコスト削減が価格に反映されているためです。
平米単価23万円(中古市場)
平米単価23万円は、東京都心部の高級マンション(平米単価50-100万円以上)と比較すると手頃な価格です。ただし、立地や築年数により大きく変動するため、個別物件の評価が重要です。
個別物件により品質・管理状態が大きく異なる
ライオンズマンションはブランド名であり、個別物件の品質・管理状態は大きく異なります。全国で6,000以上の物件があり、築年数、管理組合の活動状況、修繕履歴により、住み心地や資産価値は大きく左右されます。
購入・賃貸時は、ブランド名だけで判断せず、個別物件の状態を必ず確認しましょう。
「危ない」という噂の真相と購入時の注意点
「危ない」という噂は歌舞伎町の特定物件に起因する誤解
「ライオンズマンションは危ない」という噂がありますが、これは歌舞伎町の築44年物件に起因する誤解です。一部の物件が治安の悪いエリアに立地していることや、管理状態が悪い物件があることから、ブランド全体が「危ない」と誤解されているケースがあります。
しかし、全国6,000以上の物件があり、全てが問題を抱えているわけではありません。
全国6,000以上の物件があり、全てが問題を抱えているわけではない
ライオンズマンションは、累計350,186戸を供給し、現在も全国で6,000以上の物件が存在します。その中には、優良な管理状態の物件も多数あります。
特定の物件の問題をブランド全体に一般化することは適切ではなく、個別物件の評価が重要です。
価格が安い理由(大量供給によるコスト削減、築年数の古い物件が多い)
ライオンズマンションの価格が他ブランドと比較して安い理由は、以下の通りです。
- 大量供給によるコスト削減: 累計350,186戸の供給実績により、スケールメリットを活かした価格設定が可能
- 築年数の古い物件が多い: 1968年から供給開始しており、築40年以上の物件も多い
ただし、相場より安い物件は、何か問題がある可能性があるため、内見時に要確認です。
古い物件の設備老朽化・修繕積立金不足リスク
築年数が古い物件は、以下のリスクがあります。
- 設備の老朽化: 給排水管、電気設備、エレベーター等が劣化している可能性
- 修繕積立金の不足: 大規模修繕に必要な資金が不足し、追加負担が発生する可能性
購入前に、修繕履歴と修繕積立金の状況を管理組合に確認することが重要です。
管理組合の活動状況と理事長の質の重要性
分譲マンションの管理は、管理組合(区分所有者全員で構成される組織)が主体となって行います。管理組合の活動が活発で、理事長が有能な場合、管理の質は高まります。
一方で、管理組合が機能していない物件では、共用部分のメンテナンスが不十分になる可能性があります。購入前に、管理組合の活動状況や総会の議事録を確認することをお勧めします。
購入前に確認すべき事項(管理状態・修繕履歴・管理組合の活動)
購入前に確認すべき事項は以下の通りです。
- 管理状態: 共用部分の清掃状況、設備のメンテナンス状況
- 修繕履歴: 過去の大規模修繕の実施時期と内容
- 修繕積立金: 現在の積立状況と、今後の大規模修繕に必要な金額
- 管理組合の活動: 総会の開催頻度、議事録の内容、理事長の方針
- 耐震診断: 1981年以前の建物は旧耐震基準のため、耐震診断の有無を確認
これらを専門家(宅地建物取引士等)と一緒に確認することで、失敗を避けられます。
エリア別のライオンズマンション物件紹介
栄エリア(名古屋市中区、1981-1983年築が中心)
栄エリアのライオンズマンションは、1981年築と1983年築の物件が中心です。栄駅から徒歩7分前後の好立地に位置しています。
- ライオンズマンション栄: 1981年5月築、12階建てSRC造、栄駅から徒歩7分
- ライオンズマンション栄第3: 1983年3月築、10階建て54戸、同エリアに所在
築40年前後の建物のため、設備の老朽化や修繕積立金の状況を確認することが重要です。
歌舞伎町エリア(築44年前後の物件あり)
歌舞伎町エリアには、築44年前後の古い物件が存在します。「危ない」という噂の一因となった物件も、このエリアに位置しています。
歌舞伎町は治安の面で懸念があるエリアですが、立地(新宿駅近)としての利便性は高いため、賃貸需要は一定程度あります。購入・賃貸時は、周辺環境を十分に確認しましょう。
渋谷・中目黒エリア
渋谷・中目黒エリアにも複数のライオンズマンションが存在します。これらのエリアは東京都心部の人気エリアで、資産価値が落ちにくい傾向があります。
ただし、築年数が古い物件も多いため、個別物件の状態を確認することが重要です。
那覇市の新築物件(2026年6月完成予定)
2026年6月、那覇市で新築「ザ・ライオンズ那覇新都心」が完成予定です。12階建て22戸の物件で、「THE LIONS」ブランドとしての新築物件となります。
新築物件は、最新の設備・耐震基準を満たしており、今後数十年にわたり安心して住める可能性が高いです。
エリアによる築年数・価格帯の違い
ライオンズマンションは、エリアにより築年数・価格帯が大きく異なります。
- 東京都心部(渋谷・新宿等): 築30-40年の物件が多く、価格は3,000-5,000万円前後
- 地方都市(名古屋・福岡等): 築20-40年の物件が多く、価格は1,000-3,000万円前後
- 新築物件(那覇等): 価格は4,000-6,000万円前後(立地・規模により変動)
エリアごとの市場動向を確認し、適正価格で購入・賃貸することが重要です。
まとめ:ライオンズマンションが向いている人
ライオンズマンションは、大京グループが展開する累計供給戸数350,186戸の業界1位ブランドです。立地が良いため資産価値が落ちにくく、大京アステージによる管理体制が整っています。
一方で、築年数が古い物件が多く、個別物件により品質・管理状態が大きく異なります。「危ない」という噂は歌舞伎町の特定物件に起因する誤解ですが、購入・賃貸時は管理状態・修繕履歴・管理組合の活動状況を必ず確認しましょう。
ライオンズマンションが向いているのは、以下のような方です。
- 駅近・都心部の立地を重視する方
- 大手ブランドの安心感を求める方
- コストパフォーマンスを重視する方(他ブランドより安い価格帯)
- 築年数が古くても管理状態が良ければ気にしない方
一方で、以下のような方には、他のブランドマンションや新築物件の方が適している可能性があります。
- 最新の設備・デザインを求める方
- 築浅物件(築10年以内)を希望する方
- 修繕積立金の不足リスクを避けたい方
物件購入・賃貸は大きな決断です。信頼できる不動産会社や宅地建物取引士に相談しながら、自分のライフスタイルや予算に合った物件を選びましょう。
