マンションと一軒家、どちらを選ぶべきか
住宅購入を検討している方の中には、「マンションと一軒家、どちらが自分に合っているのか」「価格や維持費の違いは?」「将来の資産価値はどうなるのか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
マンションと一軒家にはそれぞれメリット・デメリットがあり、ライフスタイルや家族構成により最適な選択肢は異なります。この記事では、SUUMOや住まいサーフィン等の公式情報を元に、マンションと一軒家の比較を解説します。
この記事を読むことで、購入価格・維持費・資産価値・ライフスタイル別の選び方を具体的に把握できるようになります。
この記事のポイント
- 首都圏の購入価格はマンション約8,000万円、一戸建て約4,800万円とマンションが1.7倍高い
- 30年間の維持費はマンション約1,500万円、一戸建て約1,000万円とマンションの方が年20万円程度高い
- マンションは駅近・セキュリティが強み、一戸建ては広さ・静かさ・自由度が強み
- 2025年、首都圏のマンション価格は9,165万円に高騰、一戸建て成約件数が前年比+216.6%と急増
- ライフスタイル・家族構成により最適な選択肢は異なる
購入価格と維持費の比較
マンションと一戸建ての購入価格と維持費には大きな違いがあります。
(1) 首都圏の購入価格差(マンション約8,000万円 vs 一戸建て約4,800万円)
SUUMOによると、首都圏の新築住宅の平均価格は以下の通りです。
| 項目 | マンション | 一戸建て | 差額 |
|---|---|---|---|
| 平均購入価格 | 約8,000万円 | 約4,800万円 | +3,200万円 |
| 専有面積 | 約61㎡ | 約115㎡ | +54㎡ |
| ㎡単価 | 約131万円/㎡ | 約42万円/㎡ | - |
マンションは一戸建てより購入価格が高い一方で、専有面積は約半分です。ただし、マンションは駅近の利便性が高い立地に建てられることが多く、立地の違いも価格差の要因となっています。
2025年の価格動向:
住まいの情報館によると、2025年の首都圏新築マンション価格は9,165万円、東京23区では1.32億円と高騰しています。この価格高騰により、一戸建て市場へのシフトが加速し、新築一戸建ての成約件数が前年比+216.6%と急増しました。
(2) 30年間の維持費シミュレーション(マンション約1,500万円 vs 一戸建て約1,000万円)
住まいサーフィンによると、30年間の維持費は以下の通りです。
マンションの維持費(30年間):
| 項目 | 月額 | 30年間総額 |
|---|---|---|
| 管理費 | 約1.5万円 | 約540万円 |
| 修繕積立金 | 約1.5万円(築年数とともに増額) | 約700万円 |
| 固定資産税・都市計画税 | 約1万円 | 約360万円 |
| 合計 | 約4万円 | 約1,500万円 |
一戸建ての維持費(30年間):
| 項目 | 年額 | 30年間総額 |
|---|---|---|
| 外壁・屋根修繕 | - | 約400万円(10-15年ごと) |
| 設備交換(給湯器等) | - | 約200万円 |
| 固定資産税・都市計画税 | 約13万円 | 約390万円 |
| 合計 | 約33万円 | 約1,000万円 |
マンションは管理費・修繕積立金が毎月固定で発生するため、年間約48万円(月4万円)の維持費がかかります。一方、一戸建ては年間約33万円の維持費で済みますが、大規模修繕(外壁・屋根等)を自己手配する必要があり、計画的な資金準備が必要です。
利便性・セキュリティ・騒音の違い
マンションと一戸建てには、住環境の面でそれぞれ異なる特徴があります。
(1) マンションの強み(駅近・オートロック・管理の楽さ)
モゲチェックによると、マンションには以下の強みがあります。
マンションのメリット:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 駅近の利便性 | 駅徒歩10分以内の物件が多く、通勤・通学が便利 |
| セキュリティ | オートロック、管理人常駐、監視カメラがあり安心 |
| 管理の楽さ | 共用部の清掃・メンテナンスは管理会社が対応 |
| ゴミ出し | 24時間ゴミ出し可能な物件が多く、曜日を気にせず便利 |
| 防犯性 | 上層階では侵入リスクが低く、一戸建てより防犯性が高い |
マンションのデメリット:
- 騒音トラブル(上下階・隣室からの生活音)
- 管理組合の規約による制限(ペット飼育・リフォーム・民泊等)
- 修繕積立金の値上げリスク(築年数とともに増額される傾向)
(2) 一戸建ての強み(広さ・静かさ・自由度)
モゲチェックによると、一戸建てには以下の強みがあります。
一戸建てのメリット:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 広さ | 専有面積約115㎡と、マンション(約61㎡)の約2倍 |
| 静かさ | 独立構造で隣家と距離があり、騒音トラブルが少ない |
| 自由度 | リフォーム・増築・ペット飼育等の制約が少ない |
| 駐車場 | 敷地内に駐車場があり、別途料金が不要 |
| 庭 | 庭付き物件が多く、ガーデニングやBBQ等が楽しめる |
一戸建てのデメリット:
- 駅から遠い物件が多い(徒歩15-20分以上)
- セキュリティが弱い(一階部分への侵入リスク)
- 外壁・屋根等の大規模修繕を自己手配する必要がある
資産価値の維持と将来性
住宅購入は資産形成の側面もあり、将来の資産価値を考慮することが重要です。
(1) 駅近マンションの資産価値維持傾向
SUUMOによると、駅近・人気エリアのマンションは資産価値が維持されやすい傾向があります。
マンションの資産価値:
- 駅近の立地価値: 駅徒歩5-10分の物件は需要が高く、売却・賃貸時に有利
- 築年数の影響: 築20年を超えると価値が下がるが、駅近物件は相対的に維持されやすい
- リセールバリュー: 人気エリアのタワーマンションは購入価格を上回るケースもある
注意点:
- 管理状態が悪いマンション(修繕計画が不十分、管理費滞納が多い等)は資産価値が大きく下がる
- 築30年を超えると建替え問題が浮上し、合意形成が困難になる場合がある
(2) 一戸建ては土地が残るメリット
ノムコムによると、一戸建ては建物が減価しても土地が残るメリットがあります。
一戸建ての資産価値:
- 土地の価値: 建物は築20年でほぼ無価値になるが、土地は残る
- 地価上昇の恩恵: 人気エリアでは地価上昇により資産価値が維持・上昇する
- 建替えの自由度: 土地を所有しているため、建替え・売却の自由度が高い
注意点:
- 地方や郊外では地価が下落し、資産価値が大きく減る可能性がある
- 空き家化すると維持管理費がかさみ、売却も困難になる
ライフスタイル・家族構成別の選び方
マンションと一戸建てのどちらを選ぶかは、ライフスタイルや家族構成により判断が分かれます。
(1) 共働き・単身・DINKS向けの判断基準
マンションが向いている方:
- 通勤時間を短くしたい(駅近重視)
- 家事・メンテナンスの手間を減らしたい
- セキュリティを重視する(女性の一人暮らし等)
- 将来転勤の可能性がある(売却・賃貸しやすい)
一戸建てが向いている方:
- 広い居住空間が欲しい(テレワーク専用部屋等)
- 車を所有しており、駐車場代を節約したい
- ペットを飼いたい(大型犬等)
- 趣味のスペースが欲しい(ガレージ、楽器演奏等)
(2) 子育て世帯・シニア世帯向けの判断基準
マンションが向いている方:
- ワンフロアで生活が完結(シニア世帯にバリアフリー)
- エレベーター完備(階段の上り下りが不要)
- 子育て世帯向け設備(キッズルーム、公園が近い等)
- 管理・メンテナンスの負担を減らしたい(シニア世帯)
一戸建てが向いている方:
- 子どもがのびのび遊べる庭が欲しい
- 子どもの足音・遊び声を気にせず生活したい
- 将来、親との同居・二世帯住宅を検討している
- 子育て後、リフォームして終の棲家にしたい
まとめ:自分に合った住まいを選ぶポイント
マンションと一戸建てにはそれぞれメリット・デメリットがあり、どちらが良いかは個人のライフスタイルや家族構成により異なります。
購入価格は首都圏でマンション約8,000万円、一戸建て約4,800万円とマンションが高額ですが、30年間の維持費はマンション約1,500万円、一戸建て約1,000万円とマンションの方が年20万円程度高くなります。
マンションは駅近・セキュリティ・管理の楽さが強み、一戸建ては広さ・静かさ・自由度が強みです。資産価値は駅近マンションが維持されやすく、一戸建ては土地が残るメリットがあります。
2025年はマンション価格が高騰(首都圏9,165万円)しており、一戸建て市場へのシフトが加速しています。住宅購入は人生最大の買い物であり、専門家(ファイナンシャルプランナー、宅建士)への相談を推奨します。ご自身のライフスタイル・家族構成・予算に合わせて、最適な選択をしましょう。


