ラサール不動産投資顧問とは|不動産投資運用会社の概要
不動産投資に関心を持つ際、「ラサール不動産投資顧問とはどのような会社なのか」「個人投資家でも投資できるのか」「J-REITとの関係は何か」と気になる方は少なくありません。
この記事では、ラサール不動産投資顧問の会社概要、事業内容、運用実績、J-REITとの関係を、公式サイトや業界情報を元に解説します。不動産投資検討時の判断材料として、ぜひお役立てください。
この記事のポイント
- ラサール不動産投資顧問は世界17カ国に拠点を持つ不動産投資顧問会社で、2024年3月末時点で約870億ドル(約12兆円相当)の運用資産残高を誇る
- 主に機関投資家(公的年金、企業年金基金、保険会社等)向けに不動産投資サービスを提供
- 個人投資家が直接投資することは困難だが、スポンサーを務めるラサールロジポート投資法人(J-REIT)を通じて間接的に投資可能
- 不動産投資には市場リスク、流動性リスク、金利変動リスクなどが伴うため、専門家への相談が重要
ラサール・インベストメント・マネージメントの日本拠点
ラサール不動産投資顧問は、ラサール・インベストメント・マネージメント(LIM)の日本拠点です。
ラサール・インベストメント・マネージメントは、世界最大級の総合不動産サービス企業ジョーンズ ラング ラサール(JLL)グループの不動産投資運用部門で、世界17カ国に拠点を持つグローバルな不動産投資顧問会社です。
主な投資家層(機関投資家向け)
ラサール不動産投資顧問が提供するサービスは、主に機関投資家向けです。
主な投資家層:
- 公的年金
- 企業年金基金
- 保険会社
- 政府機関
個人投資家が直接利用できるサービスは限定的ですが、J-REITを通じた間接投資が可能です(詳細は後述)。
会社概要(設立・所在地・グローバル展開・運用資産規模)
ラサール不動産投資顧問の基本情報を確認しましょう。
設立年と所在地(2001年11月設立・東京丸の内)
ラサール不動産投資顧問は2001年11月に設立されました。本社は東京都千代田区丸の内に所在しています。
公式サイトによると、代表取締役社長は奥村邦彦氏で、従業員は約75名(2020年12月末時点)です。
グローバル展開(世界17カ国・約900名のスタッフ)
ラサール・インベストメント・マネージメントは世界17カ国に拠点を持ち、約900名のスタッフを擁するグローバルな不動産投資顧問会社です。
日本拠点(ラサール不動産投資顧問)には約90名のスタッフが在籍し、アジア太平洋地域における不動産投資運用を担当しています。
運用資産規模(2024年3月末で約870億ドル)
公式サイトによると、2024年3月末時点でのグローバルの運用資産残高(AUM: Assets Under Management)は約870億ドル(約12兆円相当)に達しています。
日本国内では、約95億ドル(2020年12月末時点)の運用資産残高を誇る大手運用会社です。
組織体制(代表取締役・従業員数)
組織体制は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 代表取締役社長 | 奥村邦彦 |
| 従業員数 | 約75名(2020年12月末) |
| グローバルスタッフ | 約900名 |
| 拠点数 | 世界17カ国 |
(出典: ラサール不動産投資顧問 公式サイト)
2023-2025年の計画期間では、女性従業員比率45%を目標とするダイバーシティ推進にも取り組んでいます。
事業内容とサービス(機関投資家向け運用・ファンド種類・投資対象)
ラサール不動産投資顧問の事業内容とサービスを詳しく見ていきましょう。
主な投資家層(公的年金・企業年金・保険会社・政府機関)
ラサール不動産投資顧問は、以下のような機関投資家向けに不動産投資サービスを提供しています。
- 公的年金: 国民年金、厚生年金などの年金基金
- 企業年金基金: 企業が従業員のために運用する年金基金
- 保険会社: 生命保険会社、損害保険会社
- 政府機関: 政府系の投資機関
これらの機関投資家は、大口の資金を長期的に運用する必要があるため、不動産投資を資産分散の一環として活用します。
ファンドの種類(オープンエンド型・クローズドエンド型・セパレートアカウント)
ラサール不動産投資顧問は、多様な投資形態を提供しています。
オープンエンド型ファンド:
- いつでも追加出資・解約が可能な私募ファンド
- 長期保有を前提とした投資
- 2023年1月にオープンエンドファンドの資産総額が1,940億円に到達
クローズドエンド型ファンド:
- 募集期間と運用期間が決まっている私募ファンド
- 満期まで原則解約不可
- 特定のプロジェクトや期間限定の投資に適している
セパレートアカウント:
- 特定の投資家専用に設定される個別勘定型の投資形態
- カスタマイズされた投資戦略を実現
投資家のニーズに応じて、最適な投資形態を選択できる点が特徴です。
投資対象(物流施設・オフィス・商業施設等)
ラサール不動産投資顧問の主な投資対象は以下の通りです。
- 物流施設: 先進的物流施設「ロジポート」ブランド
- オフィス: 都市部の優良オフィスビル
- 商業施設: ショッピングセンター、商業ビル
- その他: ホテル、住宅など多様な不動産
特に物流施設への投資は、ラサールの強みの一つです。後述するラサールロジポート投資法人(J-REIT)も、物流施設に特化した投資を行っています。
投資形態(私募・上場証券)
ラサール不動産投資顧問は、以下の投資形態を提供しています。
- 私募ファンド: 機関投資家向けの非公開ファンド
- 上場証券: J-REIT(ラサールロジポート投資法人)などの上場投資信託
私募ファンドは機関投資家向けですが、上場証券であるJ-REITは個人投資家も証券取引所を通じて購入できます。
運用実績(運用資産残高・ポートフォリオ・投資戦略)
ラサール不動産投資顧問の運用実績を確認しましょう。
グローバルの運用資産残高(約870億ドル/2024年3月末)
2024年3月末時点で、ラサール・インベストメント・マネージメント(グローバル)の運用資産残高は約870億ドル(約12兆円相当)に達しています。
これは世界の主要不動産投資運用会社の中でも大規模な資産規模です。
日本の運用資産残高(約95億ドル/2020年12月末)
日本国内では、2020年12月末時点で約95億ドルの運用資産残高を誇ります。
日本の不動産市場における主要なプレーヤーの一つとして、継続的な投資活動を展開しています。
オープンエンドファンドの資産総額(1,940億円/2023年1月)
オープンエンド型私募コアファンド「ラサール・ジャパン・プロパティ・ファンド」は、2023年1月にオープンエンドファンドの資産総額が1,940億円に到達しました。
長期的な不動産投資を求める機関投資家から高い評価を受けています。
投資戦略とポートフォリオ構成
ラサール不動産投資顧問の投資戦略は、以下の特徴があります。
- グローバルネットワーク: 世界17カ国の拠点を活用した情報収集・投資機会の発掘
- 多様な投資対象: 物流施設、オフィス、商業施設など幅広い不動産に分散投資
- 長期的視点: 機関投資家の長期的な資産運用ニーズに対応
- リスク管理: 市場環境の変化に応じた柔軟なポートフォリオ調整
ただし、投資ファンドの運用成績は市場環境により変動するため、過去の実績が将来の成果を保証するものではありません。
J-REITとの関係(ラサールロジポート投資法人・個人投資家の接点)
ラサール不動産投資顧問とJ-REITの関係、個人投資家の接点を確認しましょう。
ラサールロジポート投資法人の概要(2016年上場)
ラサールロジポート投資法人は、ラサール不動産投資顧問がスポンサーを務めるJ-REITです。
基本情報:
- 上場年: 2016年
- 上場市場: 東京証券取引所不動産投資信託市場
- 投資対象: 先進的物流施設「ロジポート」ブランド
- 主な投資エリア: 東京・大阪エリアを中心とした優良物流施設
(出典: ラサールロジポート投資法人)
2025年8月期の財務報告書も公開されており、継続的な運用が行われています。
「ロジポート」ブランドの先進的物流施設
「ロジポート」は、ラサールが展開する先進的物流施設のブランド名です。
ロジポートの特徴:
- 最新の物流設備を備えた大規模施設
- Eコマースの拡大に対応した立地・設計
- 環境配慮型の施設設計
- 高い入居率と安定した賃料収入
物流施設は、Eコマース市場の拡大に伴い需要が高まっており、不動産投資の有力な投資対象として注目されています。
個人投資家とJ-REITを通じた間接投資
ラサール不動産投資顧問が提供する私募ファンドは機関投資家向けのため、個人投資家が直接投資することは困難です。
しかし、ラサールロジポート投資法人(J-REIT)は証券取引所に上場しているため、個人投資家も証券会社を通じて購入できます。
J-REITを通じた投資のメリット:
- 少額から投資可能(1口数万円程度から)
- 証券取引所で自由に売買できる(流動性が高い)
- 分配金を定期的に受け取れる
- 不動産投資のプロによる運用
J-REITは、個人投資家がラサールの不動産投資戦略に間接的に参加できる手段です。
投資時のリスクと注意点
J-REIT投資には以下のリスクが伴います。
市場価格の変動リスク:
- 証券市場の需給により価格が変動
- 元本保証はない
不動産市場リスク:
- 不動産価格の下落、空室率の上昇
- 災害リスク(地震、水害等)
金利変動リスク:
- 金利上昇により借入コストが増加
- 不動産価格が下落する可能性
流動性リスク:
- 市場環境により売却が困難になる場合がある
投資判断時は、専門家(金融アドバイザー、税理士等)への相談をおすすめします。最新の情報は公式サイトや有価証券報告書で確認してください。
まとめ:不動産投資検討時のポイントと次のアクション
ラサール不動産投資顧問は、世界17カ国に拠点を持つ不動産投資顧問会社で、2024年3月末時点で約870億ドル(約12兆円相当)の運用資産残高を誇ります。主に機関投資家向けに不動産投資サービスを提供しており、オープンエンド型・クローズドエンド型ファンド、セパレートアカウントなど多様な投資形態を提供しています。
個人投資家が直接投資することは困難ですが、スポンサーを務めるラサールロジポート投資法人(J-REIT)を通じて間接的に投資可能です。J-REITは証券取引所に上場しており、少額から投資できます。
不動産投資には市場リスク、流動性リスク、金利変動リスクなどが伴うため、投資判断時は専門家(金融アドバイザー、税理士等)への相談をおすすめします。最新の情報は公式サイトや有価証券報告書で確認してください。
