土地権利証(登記済証・登記識別情報)完全ガイド|役割・紛失時の対処・売却時の必要性まで

著者: Room Match編集部公開日: 2026/1/5

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1. 土地権利証とは何か|紛失しても権利は失われない理由

土地や建物を購入した際に受け取る「権利証」を紛失してしまい、「所有権を失ってしまうのではないか」と不安に感じている方もいるかもしれません。

この記事では、土地権利証の法的位置づけ、登記済証と登記識別情報の違い、紛失時の対処法、売却・相続時の手続きを、法務局や司法書士会の公式情報を元に解説します。

権利証を紛失した方や、これから不動産取引を行う方が、適切な対応方法を理解し、安心して手続きを進められるようになります。

この記事のポイント

  • 権利証を紛失しても所有権は失われない(登記記録は法務局に保管されている)
  • 権利証は理由を問わず再発行できない
  • 紛失時は事前通知制度(無料)、司法書士による本人確認(5〜10万円)、公証人による本人確認(数千円)の3つの方法で対応可能
  • 登記済証(2005年3月以前)と登記識別情報(2005年3月以降)は形式が異なるが効力は同じ
  • 実印・印鑑証明書も同時紛失した場合は、すぐに市区町村役場へ連絡し警察へ紛失届を提出

(1) 権利証の法的位置づけと役割

権利証とは、登記が完了した際に登記所(法務局)から登記権利者(買主等)に交付される書面です。正式には「登記済証」または「登記識別情報」と呼ばれます。

権利証の主な役割は、不動産の売却・相続・抵当権設定時に、「本人が登記申請をしている」ことを確認するための本人確認書類です。

(2) 権利証を紛失しても所有権が失われない理由

政府広報オンラインによると、権利証を紛失しても登記記録上の権利関係は変わりません。不動産の所有権は登記記録に記載されており、権利証はその控えに過ぎないためです。

また、不動産の売却や抵当権設定時には、権利証以外に所有者の印鑑証明書や本人確認資料も必要なため、権利証だけで不正登記を行うことは容易ではありません。

(3) 権利証の保管方法と注意点

権利証は理由を問わず再発行できないため、厳重な保管が必要です。特に登記識別情報(2005年3月以降)は12桁の番号が合っていればコピー・メモでも有効なため、盗み見・コピーされると盗まれたと同じ状況になります。

以下のような場所での保管が推奨されます。

  • 金庫や貸金庫
  • 実印・印鑑証明書とは別の場所
  • 家族以外の第三者がアクセスできない場所

2. 登記済証と登記識別情報の違い|2005年の制度改正の背景

(1) 登記済証(旧制度)の特徴

登記済証は、平成17年(2005年)3月7日以前に発行された権利証です。所有権移転登記等の内容が記載された用紙に、法務局の「登記済」の朱印が押印されたものです。

登記済証の特徴:

  • 文書形式(用紙)
  • 法務局の朱印あり
  • コピー無効(原本が必要)

(2) 登記識別情報(新制度)の特徴と12桁番号の仕組み

登記識別情報は、平成17年(2005年)3月7日以降に発行される権利証です。12桁のアラビア数字その他の符号の組み合わせで表され、紙に印字されて通知されます。

登記識別情報の特徴:

  • 12桁の番号形式
  • コピー・メモでも有効(番号が合っていればOK)
  • 目隠しシール付き(番号を隠すため)

(3) 制度変更の理由とオンライン申請への対応

法務局によると、2005年の不動産登記法改正により、登記済証から登記識別情報へ移行しました。これは、オンライン申請に対応するためです。

現在は登記済証と登記識別情報が混在しており、改正前に取得した不動産は登記済証のまま有効です。どちらも権利証として同じ効力があります。

3. 権利証が必要になる場面|売却・相続・抵当権設定時の役割

(1) 不動産の売却時

不動産を売却する際、所有権移転登記を行うために権利証が必要です。権利証により、売主が本当の所有者であることを確認します。

(2) 相続による名義変更時

相続により不動産の名義を変更する場合、被相続人(亡くなった方)の権利証が必要です。ただし、相続の場合は権利証がなくても登記が可能な場合があります。詳細は司法書士にご相談ください。

(3) 抵当権設定時(住宅ローン借入時)

住宅ローンを借り入れる際、金融機関が不動産に抵当権を設定します。この際にも権利証が必要です。

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4. 権利証を紛失した場合の3つの対処法|費用と手続きの比較

日本司法書士会連合会によると、権利証を紛失した場合、以下の3つの方法で対応可能です。

(1) 事前通知制度(無料、2週間以内に返送)

仕組み: 法務局から「登記申請がありましたが、間違いありませんか」という確認(事前通知)が送られます。通知書に署名・押印し、2週間以内(海外在住は4週間以内)に返送すれば登記が完了します。

費用: 無料

注意点: 2週間以内に返送しないと登記申請が却下されます。

(2) 司法書士・弁護士による本人確認情報制度(5〜10万円)

仕組み: 司法書士や弁護士が本人確認を行い、本人確認情報(本人確認をしたことを証する書類)を作成して登記所へ提出します。

費用: 5〜10万円(場合により数十万円)

メリット: スケジュールに余裕がない場合でも対応可能。最も多く利用されている方法です。

(3) 公証人による本人確認(数千円)

仕組み: 公証人役場で身分証明書や実印、印鑑証明書を提示し、公証人に認証してもらいます。

費用: 数千円(約3,500円)

メリット: 費用が安い。

方法 費用 所要時間 メリット デメリット
事前通知制度 無料 2週間+ 費用ゼロ 期限厳守(2週間以内)
司法書士本人確認 5〜10万円 数日〜 スケジュール柔軟 費用がかかる
公証人本人確認 数千円 数日〜 費用安い 公証人役場へ行く必要あり

5. 権利証なしで不動産を売却・相続する方法|実務的な進め方

(1) 売却時の手続きの流れ

権利証がない場合、以下の流れで売却手続きを進めます。

  1. 不動産会社・司法書士に「権利証を紛失した」と伝える
  2. 司法書士が本人確認情報制度または事前通知制度を提案
  3. 費用・スケジュールを考慮して選択
  4. 登記申請・所有権移転

(2) 相続時の手続きの流れ

相続の場合、被相続人(亡くなった方)の権利証が必要ですが、紛失していても登記は可能です。相続の場合は、戸籍謄本等で相続関係を証明できるためです。

詳細は司法書士にご相談ください。

(3) 実印・印鑑証明書も紛失した場合の緊急対応

実印・印鑑証明書も同時に紛失した場合、不正登記のリスクが高まります。以下の対応を直ちに行ってください。

  1. 市区町村役場へ連絡し、印鑑証明書の発行を停止
  2. 警察へ紛失届を提出
  3. 改印届または印鑑登録廃止の手続き
  4. 司法書士へ相談し、不正登記防止申出制度の活用を検討

(4) 不正登記防止申出制度の活用

不正登記防止申出制度は、不正な登記がされる差し迫った危険がある場合に、申出から3か月以内に不正な登記がされることを防止する制度です。法務局に申し出ることで、登記申請があった際に通知を受けられます。

6. まとめ|権利証の適切な管理と紛失時の対応フロー

権利証(登記済証・登記識別情報)は、不動産の売却・相続・抵当権設定時に必要な本人確認書類です。紛失しても所有権は失われませんが、理由を問わず再発行できないため、厳重な保管が必要です。

紛失時は、事前通知制度(無料)、司法書士による本人確認(5〜10万円)、公証人による本人確認(数千円)の3つの方法で対応可能です。費用とスケジュールを考慮して選択してください。

実印・印鑑証明書も同時紛失した場合は、すぐに市区町村役場へ連絡し、警察へ紛失届を提出してください。不正登記のリスクが高まるため、司法書士への相談を推奨します。

権利証を紛失した方は、専門家(司法書士・弁護士)に相談し、適切な手続きを進めましょう。

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よくある質問

Q1権利証を紛失しました。再発行はできますか?

A1権利証(登記済証)・登記識別情報は理由を問わず再発行できません。ただし、紛失しても所有権は失われず、事前通知制度(無料)、司法書士による本人確認(5〜10万円)、公証人による本人確認(数千円)の3つの方法で売却・相続手続きが可能です。費用とスケジュールを考慮して選択してください。

Q2権利証がなくても不動産を売却できますか?

A2可能です。事前通知制度(法務局から通知書が送られ2週間以内に返送)、司法書士による本人確認情報制度、公証人による本人確認の3つの方法があります。急ぎの場合は司法書士依頼(5〜10万円)が現実的です。不動産会社や司法書士に「権利証を紛失した」と伝えれば、適切な方法を提案してくれます。

Q3登記済証と登記識別情報の違いは何ですか?

A3登記済証は2005年3月7日以前に発行された文書形式(法務局の朱印あり、コピー無効)、登記識別情報は2005年3月7日以降に発行される12桁の番号形式(コピー・メモでも有効)です。どちらも権利証として同じ効力があります。現在は両方が混在しており、改正前に取得した不動産は登記済証のまま有効です。

Q4実印と権利証を同時に紛失した場合はどうすればいいですか?

A4すぐに市区町村役場へ連絡し印鑑証明書の発行を停止してください。同時に警察へ紛失届を提出し、市区町村役場には改印届または印鑑登録廃止の手続きを行います。不正登記のリスクが高まるため、司法書士へ相談し、不正登記防止申出制度の活用を検討してください。この制度により、登記申請があった際に通知を受けられます。

Q5権利証紛失時の費用はいくらかかりますか?

A5事前通知制度は無料(法務局から通知書を2週間以内に返送)、司法書士・弁護士による本人確認情報制度は5〜10万円(場合により数十万円)、公証人による本人確認は数千円(約3,500円)です。スケジュールに余裕がある場合は事前通知制度、急ぎの場合は司法書士依頼、費用を抑えたい場合は公証人依頼を検討してください。

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