土地の分筆とは:手続き・費用・メリットとデメリット

著者: Room Match編集部公開日: 2026/1/3

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土地の分筆とは|登記手続きと分割との違い

土地の分筆を検討する際、「手続きは複雑なのか」「費用はいくらかかるのか」と不安を感じる方は少なくありません。

この記事では、土地の分筆の定義、メリット・デメリット、手続きの流れ、費用の目安を、法務局や土地家屋調査士会の公式情報を元に解説します。

相続や売却を検討している方でも、分筆の基礎知識を正確に理解できるようになります。

この記事のポイント

  • 分筆とは1つの土地(一筆)を複数の土地に分ける登記手続きで、分割(登記変更なし)とは異なる
  • 2023年4月の民法改正により、共有者過半数の合意で分筆可能に(改正前は全員の合意が必要)
  • 分筆費用は境界確定済みで10-20万円、境界未確定で30-100万円以上が目安
  • メリットは共有名義解消・相続税評価減・自由な売却、デメリットは費用・時間・利用価値低下リスク

(1) 分筆の定義(1つの土地を複数に分ける登記手続き)

分筆とは、登記簿上で1つの土地(一筆)を複数の土地に分ける登記手続きです。土地の数を表す単位を「筆」と呼び、1筆、2筆と数えます。

分筆を行うためには、法務局に分筆登記を申請する必要があります。

(2) 分割との違い(登記変更の有無)

分筆と分割は似ていますが、登記変更の有無が大きく異なります。

項目 分筆 分割
登記変更 あり(法務局に申請) なし(物理的に分けるだけ)
専門家 土地家屋調査士に依頼が一般的 不要
費用 10-100万円以上 ほぼ不要
効果 法的に別の土地になる 物理的に分けるだけ

分筆は登記簿上で別の土地になるため、相続や売却時に法的な効力があります。一方、分割は登記変更を伴わないため、法的には1つの土地のままです。

(3) 2023年4月民法改正(共有者過半数の合意で分筆可能に)

2023年4月1日の民法改正により、共有者過半数の合意で分筆が可能になりました。改正前は全員の合意が必要でしたが、改正後は過半数の合意があれば分筆できるようになりました。

この改正により、所在不明な共有者がいる場合や一部共有者が反対している場合でも、分筆が可能になりました。

分筆が必要なケース|相続・売却・担保設定

分筆が必要になる主なケースは、相続時の土地分割、土地の一部売却、地目変更・担保設定の限定です。

(1) 相続時の土地分割(共有名義の解消)

相続時に複数の相続人がいる場合、土地を物理的に分けることで、各相続人が単独で土地を所有できるようになります。共有名義のままだと、土地の売却や活用に全員の同意が必要になりますが、分筆により各自が自由に土地を活用できます。

(2) 土地の一部売却(必要な部分のみ売却)

広い土地の一部のみを売却したい場合、分筆により必要な部分のみを切り出すことができます。例えば、500㎡の土地の100㎡のみを売却したい場合、分筆により100㎡を別の土地として登記し、その部分のみを売却できます。

(3) 地目変更・担保設定の限定

土地の一部のみを地目変更(宅地→雑種地等)したい場合や、土地の一部のみに担保を設定したい場合、分筆が必要です。例えば、田と畑が混在する土地を、田部分と畑部分に分筆することで、それぞれの地目で登記できます。

分筆のメリットとデメリット|共有解消と費用負担

分筆にはメリットとデメリットがあります。メリットだけでなく、デメリットやリスクも理解した上で、分筆を検討することが重要です。

(1) メリット(共有名義解消、相続税評価減、自由な売却・担保設定)

分筆の主なメリットは以下の通りです。

  • 共有名義の解消: 共有名義の土地を分筆することで、各共有者が単独で土地を所有できるようになります
  • 相続税評価の減額: 不整形地や狭小地になると、相続税評価額が減額される場合があります
  • 自由な売却・担保設定: 土地の一部のみを売却したり担保に入れたりできるようになります

(2) デメリット(手続き費用・時間、土地の利用価値低下リスク、固定資産税増加の可能性)

分筆の主なデメリットは以下の通りです。

  • 手続き費用・時間がかかる: 境界未確定の土地は30-100万円以上、2〜3ヶ月〜1年以上かかる場合があります
  • 土地の利用価値低下リスク: 土地が狭くなりすぎたり不整形地になると、売却が困難になったり利用価値が低下します
  • 固定資産税増加の可能性: 建物のない土地を分筆すると、住宅用地の固定資産税軽減措置(1/6)を受けられず、税負担が増加する場合があります

(3) 接道義務・農地法の制限

分筆により土地が狭くなると、建築基準法の接道義務(道路に2m以上接している)を満たさなくなり、建築不可になる場合があります。自治体条例でさらに厳しい条件が定められている場合もあるため、事前に自治体の建築指導課への確認が必要です。

また、農地(田・畑)は農地法で売却・用途転用が制限されており、農業委員会の許可が必要です。

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分筆の手続きと流れ|境界確定から登記申請まで

分筆の手続きは、境界確定、測量・地積測量図の作成、分筆登記の申請の3ステップに分かれます。

(1) 境界確定(境界標設置、隣地所有者の立会い)

分筆の前提条件は、土地の境界が確定していることです。境界が未確定の土地は、分筆登記ができません。

境界確定測量では、隣地所有者の立会いのもと、土地の境界を確定し、境界標を設置します。隣地が国・県・市町村所有の場合は、3〜6ヶ月かかることが多いです。

(2) 測量・地積測量図の作成

境界が確定したら、土地家屋調査士が測量を行い、地積測量図を作成します。地積測量図は、土地の形状・面積を正確に示す図面で、分筆登記の申請に必要です。

(3) 分筆登記の申請(法務局)

地積測量図が完成したら、法務局に分筆登記を申請します。申請から登記完了までは、境界が確定している土地であれば10日〜3週間程度です。

分筆費用の相場|登録免許税と土地家屋調査士報酬

分筆費用は、登録免許税と土地家屋調査士報酬の合計です。境界確定の有無により、費用が大きく変動します。

(1) 登録免許税(分筆後の筆数×1,000円)

登録免許税は、分筆後の土地の筆数×1,000円です。例えば、1筆の土地を2筆に分筆する場合、登録免許税は2,000円です。

(2) 土地家屋調査士報酬(平均42.3万円、境界確定の有無で変動)

土地家屋調査士報酬は、2024年時点の平均で422,909円(税抜、日本土地家屋調査士会連合会資料)です。ただし、境界確定の有無、土地面積、形状により大きく変動します。

(3) 総額の目安(境界確定済10-20万円、未確定30-100万円以上)

分筆費用の総額の目安は以下の通りです。

ケース 費用の目安 期間の目安
境界確定済 10-20万円 10日〜3週間
境界未確定 30-100万円以上 2〜3ヶ月〜1年以上

境界が未確定の土地は、境界確定測量の費用・時間がかかるため、総額が大きくなります。

まとめ:分筆の判断基準と専門家への相談

土地の分筆は、1つの土地を複数の土地に分ける登記手続きです。相続時の土地分割、土地の一部売却、地目変更・担保設定の限定など、さまざまな場面で必要になります。

分筆のメリットは共有名義の解消・相続税評価減・自由な売却ですが、デメリットは手続き費用・時間・利用価値低下リスクです。分筆費用は境界確定済みで10-20万円、境界未確定で30-100万円以上が目安です。

分筆は高度な専門知識(測量・製図・境界確認・境界標設置)が必要なため、土地家屋調査士への相談を強く推奨します。自治体の建築指導課や税理士にも相談しながら、無理のない計画を立てましょう。

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よくある質問

Q1土地の分筆とは何ですか?

A11つの土地(一筆)を複数の土地に分ける登記手続きです。分割(登記変更なし)とは異なり、法務局に登記申請が必要です。2023年4月の民法改正により、共有者過半数の合意で分筆可能になりました。土地家屋調査士に依頼するのが一般的で、高度な専門性(測量・製図・境界確認・境界標設置)が必要です。

Q2分筆費用はいくらかかりますか?

A2登録免許税(分筆後の筆数×1,000円)と土地家屋調査士報酬(平均42.3万円)がかかります。境界が確定している土地は10-20万円、境界未確定の土地は30-100万円以上が目安です。土地面積や形状、隣地が国・県・市町村所有かどうかにより変動します。詳細は土地家屋調査士への見積もり依頼を推奨します。

Q3分筆の手続き期間はどれくらいですか?

A3境界が確定している土地は10日〜3週間、境界未確定の土地は2〜3ヶ月〜1年以上かかる場合があります。隣地が国・県・市町村所有の場合は3〜6ヶ月かかることが多いです。境界確定測量に時間がかかるため、早めの準備が重要です。

Q4分筆のメリットは何ですか?

A4共有名義の解消、相続税評価の減額、土地の一部のみの売却・担保設定が可能になります。相続時に土地を公平に分けたい場合や、土地の一部のみを売却したい場合に有効です。共有名義のままだと全員の同意が必要ですが、分筆により各自が自由に土地を活用できるようになります。

Q5分筆のデメリットは何ですか?

A5手続き費用・時間がかかり、土地が狭くなりすぎたり不整形地になると利用価値が低下します。建築基準法の接道義務(道路に2m以上接している)を満たさないと建築不可になり、建物のない土地を分筆すると住宅用地の固定資産税軽減措置(1/6)を受けられず税負担が増加します。事前に自治体の建築指導課への確認が必要です。

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