土地購入の手付金とは?相場・支払い時期・返還ルールを解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/8

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土地購入における手付金の重要性

土地の売買契約で「手付金」を支払う必要があるけれど、いくら用意すればいいのか、解約したら返ってくるのかわからない方も多いでしょう。

この記事では、土地購入における手付金の仕組み、相場、支払い時期、解約時の返還ルールを、民法・宅建業法の規定をもとに解説します。

手付金のルールを正確に理解し、安全に土地取引を進められるようになります。

この記事のポイント

  • 手付金の相場は売買価格の5〜10%が一般的
  • 売主が不動産会社の場合、宅建業法により20%が法的上限
  • 買主からの解除は手付金放棄、売主からの解除は手付金倍返し
  • ローン特約を付けておけば、審査不合格時に全額返還される
  • 手付解除期日と履行の着手のタイミングを契約書で確認することが重要

手付金の基礎知識(定義・種類・役割)

まず手付金の基本を理解しましょう。

手付金とは何か(民法557条の位置づけ)

手付金とは、売買契約締結時に買主から売主に支払われる金銭です。民法第557条により、手付金は原則として「解約手付」と推定されます。

解約手付とは、買主が手付金を放棄するか、売主が手付金の倍額を支払うことで、契約を解除できる権利を持つ手付金のことです。

手付金の3つの役割

手付金には以下の3つの役割があります。

種類 役割 内容
証約手付 契約成立の証明 契約が成立したことを証明する
解約手付 契約解除の権利 一定条件で契約を解除できる
違約手付 債務不履行時のペナルティ 契約違反時の損害賠償の予定

不動産取引では、これら3つの性質を併せ持つことが一般的です。

手付金と頭金・内金の違い

手付金と混同しやすい用語を整理します。

用語 意味 解約権
手付金 契約成立の証明・解約権を持つ金銭 あり
頭金 購入費用の一部を自己資金で支払う なし
内金 売買代金の一部として支払う なし

手付金は最終的に売買代金に充当されますが、解約権を持つ点が大きな違いです。

手付金の相場と金額の決め方

手付金の具体的な金額について解説します。

一般的な相場(売買価格の5〜10%)

手付金の相場は、売買価格の5〜10%が一般的です。

土地価格 手付金の目安(5〜10%)
1,000万円 50〜100万円
2,000万円 100〜200万円
3,000万円 150〜300万円
5,000万円 250〜500万円

この相場は業界慣行であり、最終的には売主と買主の合意で決まります。

売主が業者の場合の上限(宅建業法20%制限)

売主が宅地建物取引業者(不動産会社)の場合、国土交通省の宅建業法により、手付金は売買代金の20%を超えて受領することができません。

これは買主保護のための規制であり、違反した場合は行政処分の対象となります。

手付金の減額交渉は可能か

手付金の減額交渉は可能です。交渉次第では10万円程度、場合によっては0円とすることもできます。

ただし、手付金が少ないと以下のリスクがあります。

  • 売主が他の買主に売却する可能性が高まる
  • 買主の契約への本気度が疑われる
  • 売主から見ると契約解除されやすい

適正な金額を支払うことで、契約の安定性を高められます。

手付金の支払い時期と方法

手付金の支払いに関する実務を解説します。

支払いタイミング(契約締結時)

手付金は、売買契約締結と同時に支払うのが原則です。契約書への署名・捺印と同時に、手付金を売主に渡します。

不動産取引では、金融機関が休みとなる土日に契約が行われることが多いため、現金での支払いが一般的です。

支払い方法と注意点

手付金の支払い方法は以下のとおりです。

一般的な支払い方法

  • 現金(最も一般的)
  • 振込(平日契約の場合)
  • 預金小切手

注意点

  • 手付金をローンで借りると、住宅ローン審査に悪影響を及ぼす可能性がある
  • 手付金の領収証を必ず受け取る
  • 支払い前に契約書の内容を十分に確認する

契約解除時の返還ルール(手付放棄・倍返し・ローン特約)

契約を解除した場合の手付金の取り扱いを解説します。

買主から解除する場合(手付放棄)

買主が自己都合で契約を解除する場合、手付金を放棄することで解除できます。

例:3,000万円の土地、手付金200万円の場合

  • 買主は200万円を放棄して契約解除
  • 手付金は売主のものとなる

売主から解除する場合(手付倍返し)

売主が自己都合で契約を解除する場合、受け取った手付金の倍額を買主に支払うことで解除できます。

例:3,000万円の土地、手付金200万円の場合

  • 売主は400万円(手付金200万円+同額200万円)を買主に支払って契約解除
  • 買主は手付金の倍額を受け取れる

ローン特約による全額返還

住宅ローンの審査に不合格となった場合に備え、「ローン特約」を契約に含めることを推奨します。

ローン特約があれば、審査不合格時に契約が白紙撤回され、手付金は全額返還されます。土地購入後に住宅を建築する予定の場合は、必ず確認しましょう。

手付解除期日と履行の着手

手付金による契約解除には、以下の制限があります。

手付解除期日

  • 契約書に定められた期日までしか手付解除できない
  • 期日を過ぎると違約金が発生する

履行の着手

  • 契約の履行に向けた実質的な行動を開始すると、手付解除ができなくなる
  • 例:売主が所有権移転の準備を始めた、買主が建築業者と契約した等

契約書で「履行の着手」のタイミングを明確にしておくことが重要です。

まとめ:手付金トラブルを防ぐためのチェックポイント

土地購入の手付金について解説しました。

契約前の確認事項

  • 手付金の金額(売買価格の5〜10%が目安)
  • 手付解除期日(いつまで解除できるか)
  • ローン特約の有無(審査不合格時の返還条件)
  • 履行の着手の定義(いつから解除できなくなるか)

注意すべきポイント

  • 手付金をローンで借りない(住宅ローン審査に影響)
  • 領収証を必ず受け取る
  • 契約書の内容を十分に確認する
  • 不明点は宅地建物取引士に質問する

手付金のルールは民法・宅建業法で定められていますが、具体的な金額や条件は契約により異なります。不安な点があれば、宅地建物取引士や弁護士等の専門家に相談することを推奨します。

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よくある質問

Q1手付金と頭金の違いは何ですか?

A1手付金は契約成立の証明と契約解除の権利を持つ金銭で、民法第557条に規定されています。頭金は購入費用の一部を自己資金で支払うもので、契約解除の権利はありません。手付金は最終的に売買代金に充当されるため、実質的には購入費用の前払いとなります。

Q2土地購入時の手付金の相場はいくらですか?

A2売買価格の5〜10%が一般的な相場です。3,000万円の土地なら150〜300万円程度が目安となります。なお、売主が宅地建物取引業者(不動産会社)の場合は、宅建業法により売買代金の20%が法的上限と定められています。減額交渉も可能ですが、適正な金額を支払うことで契約の安定性が高まります。

Q3手付金が返還されるのはどんな場合ですか?

A3主に以下の3パターンがあります。①ローン特約による審査不合格時は全額返還。②売主からの解除時は手付金の倍額を受け取れる(手付倍返し)。③買主からの解除時は手付金を放棄します。ただし、手付解除期日を過ぎた場合や、履行の着手後は手付解除ができなくなります。契約書の内容を十分に確認してください。

Q4手付金なしで土地の契約はできますか?

A4交渉次第では手付金を0円とすることも可能です。ただし、手付金が少ないと売主が他の買主に売却する可能性が高まる、買主の契約への本気度が疑われるといったリスクがあります。また、手付金なしの場合は解約手付としての効力がないため、契約解除時のルールが変わる可能性があります。詳細は宅地建物取引士に相談してください。

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Room Match編集部

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