土地の所有者を調べる方法は?市役所での手続きと手順

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/19

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土地所有者を調べる必要性と前提知識

土地の所有者を調べたい場面は少なくありません。隣地の所有者に境界確認をしたい、売買を検討している土地の所有者と交渉したい、相続で親族の不動産を把握したいなど、理由はさまざまです。

この記事では、土地の所有者を調べる方法を、市役所・法務局・オンラインの3つの手段で比較し、法務局の公式情報国土交通省の資料等を元に解説します。

初めて土地所有者を調べる方でも、手続きの流れと費用を正確に把握できるようになります。

この記事のポイント

  • 第三者が土地所有者を調べる場合は法務局一択、市役所は本人・権利者のみ閲覧可能
  • 法務局での登記簿謄本取得は全国どこの法務局でも可能で、費用は窓口600円、オンライン請求480-500円
  • 登記情報提供サービスなら141円で即座に閲覧可能(法的効力なし)
  • 住所と地番は異なるため、事前に法務局へ電話照会または公図で地番を確認する必要がある
  • 登記簿の名義人が現所有者とは限らず、相続未登記・売買未登記の場合がある

(1) 土地所有者を調べる主な場面(隣地、売買検討、相続等)

土地所有者を調べる主な場面は以下の通りです。

  • 隣地の所有者確認: 境界確認や土地の購入交渉のため
  • 売買検討: 購入を検討している土地の所有者との交渉
  • 相続: 親族が所有していた不動産の把握
  • 不動産取引: 仲介業者や買取業者としての調査

(2) 地番と住所(住居表示)の違い

土地の所有者を調べる際、地番が必要です。地番は土地の登記上の番号で、住所(住居表示)とは異なります。

例えば、住所が「東京都千代田区丸の内1丁目1-1」でも、地番は「千代田区丸の内1丁目1番1」のように表記が異なる場合があります。地番がわからない場合は、法務局へ電話照会または公図を閲覧して確認します。

(3) 正当な理由がある場合のみ調査すべき(個人情報保護)

土地所有者の情報は個人情報であり、正当な理由がある場合のみ調査すべきです。不正な目的での利用は避け、法令を遵守した調査を心がけましょう。

市役所での調べ方:固定資産課税台帳・名寄帳

市役所では、固定資産課税台帳や名寄帳で土地所有者を調べることができますが、利用には制限があります。

(1) 固定資産課税台帳とは(本人・権利者のみ閲覧可能)

固定資産課税台帳は、市区町村が管理する固定資産税の課税対象となる不動産の台帳です。納税義務者のみ閲覧可能で、第三者は利用できません。

(2) 名寄帳とは(所有者別の不動産一覧)

名寄帳(なよせちょう)は、特定の所有者が所有する全ての不動産を一覧にした書類です。相続時に親族の不動産を把握する際に有用です。

(3) 名寄帳の取得方法と必要書類

名寄帳は、市区町村の固定資産税課で取得できます。取得できる人は以下の通りです。

  • 本人
  • 本人から委任された代理人
  • 相続人(相続が発生している場合)

必要書類は市区町村により異なるため、事前に確認が推奨されます。

(参考: 東京都主税局「土地・家屋名寄帳を申請できる方」、2024年時点)

(4) 名寄帳の注意点(1月1日時点の情報、市区町村ごとに取得)

名寄帳は1月1日時点の情報のため、年の途中で取得した不動産は翌年まで反映されません。また、複数の市区町村に不動産を所有している場合、各自治体ごとに名寄帳を取得する必要があります。

(5) 第三者は市役所での調査が困難

第三者が土地所有者を調べる場合、市役所の固定資産課税台帳や名寄帳は利用できません。法務局での登記簿謄本取得が唯一の手段となります。

法務局での調べ方:登記簿謄本の取得

法務局での登記簿謄本取得は、第三者でも利用できる最も一般的な方法です。

(1) 登記簿謄本(登記事項証明書)とは

登記簿謄本(登記事項証明書)は、不動産の所有者、面積、権利関係が記載された公的書類です。法務局で取得可能で、法的効力があります。

(2) 全国どこの法務局でも請求可能(身分証明書不要)

登記簿謄本は、全国どこの法務局でも請求可能です。身分証明書も不要で、地番さえわかれば誰でも取得できます。

(参考: 福島地方法務局「土地の所有者を調べるには?」、2024年時点)

(3) 取得方法と費用(窓口600円、オンライン請求480-500円)

登記簿謄本の取得方法と費用は以下の通りです。

取得方法 費用 備考
法務局窓口 600円 即日交付
オンライン請求(窓口受取) 480円 登記ねっと利用
オンライン請求(郵送) 500円 登記ねっと利用

(参考: 法務局「登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です」、2024年時点)

(4) 登記簿の見方と所有者情報の確認

登記簿謄本の「権利部(甲区)」に所有者の氏名・住所が記載されています。複数の所有者がいる場合は、それぞれの持分も記載されています。

(5) 登記簿の名義人が現所有者とは限らない(相続未登記・売買未登記)

登記簿の名義人が現在の所有者とは限りません。相続が発生しても相続登記がされていない場合、登記簿上は故人のままとなります。売買未登記の場合も同様です。

オンラインでの調べ方:登記情報提供サービス・登記ねっと

オンラインでの調査は、費用を抑えて即座に確認できる方法です。

(1) 登記情報提供サービスとは(141円で閲覧可能)

登記情報提供サービスは、インターネットで登記情報を閲覧できる有料サービスです。費用は141円で、登記簿謄本より安価に利用できます。ただし、法的効力はありません。

(2) 登記ねっとでのオンライン請求(窓口受取480円、郵送500円)

登記ねっとは、登記簿謄本をオンラインで請求できるサービスです。窓口受取なら480円、郵送なら500円で、窓口請求(600円)よりも安価です。

(3) 登記簿謄本と登記情報提供サービスの違い(法的効力の有無)

項目 登記簿謄本 登記情報提供サービス
費用 480-600円 141円
法的効力 あり なし
用途 正式な書類が必要な場合 閲覧のみ

(4) オンライン調査のメリット(最安・即座に確認可能)

オンライン調査は、費用を抑えて即座に確認できるメリットがあります。登記情報提供サービスなら141円で、24時間いつでも閲覧可能です。

住所から地番を調べる方法と注意点

地番がわからない場合、住所から地番を調べる方法があります。

(1) 法務局への電話照会

法務局に電話で住所を伝えれば、地番を教えてもらえます。最も簡単で確実な方法です。

(2) 公図の閲覧

公図は、土地の位置・形状を示す図面です。法務局で閲覧でき、地番の確認や土地の境界確認に利用できます。

(3) 地番が不明な場合の対処法

地番が不明な場合は、以下の方法で確認できます。

  • 法務局への電話照会
  • 公図の閲覧
  • 法務局のホームページで案内されている確認方法

(4) 地番と住所の対応関係

地番と住所は必ずしも一致しません。特に都市部では、住居表示と地番が異なる場合が多いため、事前確認が必須です。

まとめ:土地所有者を調べる際のポイント

土地の所有者を調べる方法は、市役所・法務局・オンラインの3つがあります。第三者が調べる場合は法務局一択で、市役所の固定資産課税台帳は本人・権利者のみ閲覧可能です。

法務局での登記簿謄本取得は全国どこの法務局でも可能で、費用は窓口600円、オンライン請求480-500円です。登記情報提供サービスなら141円で即座に閲覧できますが、法的効力はありません。

地番と住所は異なるため、事前に法務局へ電話照会または公図で地番を確認しましょう。登記簿の名義人が現所有者とは限らず、相続未登記・売買未登記の場合があるため、注意が必要です。正当な理由がある場合のみ調査し、個人情報保護を遵守しましょう。

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よくある質問

Q1土地の所有者を無料で調べる方法はあるか?

A1公式な無料方法はありません。登記情報提供サービス(141円)が最安で、オンラインで即座に確認できます。法務局での登記簿謄本取得は窓口600円、オンライン請求480-500円です。登記情報提供サービスは法的効力がないため、閲覧のみが目的なら最適ですが、正式な書類が必要な場合は登記簿謄本を取得しましょう。

Q2市役所と法務局のどちらで調べるべきか?

A2第三者が調べる場合は法務局一択です。市役所の固定資産課税台帳は本人・権利者のみ閲覧可能で、第三者は利用できません。法務局なら全国どこでも請求可能で、身分証明書も不要です。地番さえわかれば誰でも登記簿謄本を取得できるため、隣地や売買検討中の土地を調べる場合は法務局を利用しましょう。

Q3住所から地番を調べるにはどうすればよいか?

A3法務局に電話照会するか、公図を閲覧する方法があります。地番は住所(住居表示)とは異なるため、事前確認が必須です。法務局のホームページでも確認方法が案内されており、電話で住所を伝えれば地番を教えてもらえます。公図は法務局で閲覧でき、土地の位置・形状とともに地番を確認できます。

Q4登記簿謄本と登記情報提供サービスの違いは?

A4登記簿謄本は法的効力があり費用は480-600円、登記情報提供サービスは法的効力なしで141円です。閲覧のみが目的なら登記情報提供サービスが最安で即座に確認できます。正式な書類が必要な場合(売買契約、相続手続き等)は登記簿謄本を取得しましょう。登記簿謄本はオンライン請求で窓口受取480円、郵送500円と、窓口請求(600円)より安価です。

Q5所有者が亡くなっている場合の確認方法は?

A5登記簿で相続登記の有無を確認しましょう。相続登記がされていれば新所有者が記載されていますが、未登記の場合は登記簿上は故人のままとなります。名寄帳でも納税義務者を確認できますが、相続人のみ取得可能です。相続が発生している場合は、法務局で登記簿謄本を取得し、相続登記の状況を確認することが推奨されます。

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Room Match編集部

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