土地を買いたいと思ったらまず知るべきこと
土地を購入したいと考えている方の中には、「どのように探せばいいのか」「購入の流れはどうなっているのか」「失敗しないための注意点は何か」といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。
土地購入は、注文住宅の建築、投資、事業用など目的はさまざまですが、高額な取引であるため慎重な判断が必要です。本記事では、土地を買いたい方に向けて、探し方・購入の流れ・諸費用の内訳・失敗しないための注意点を詳しく解説します。
この記事を読むことで、土地購入の全体像を把握し、後悔しない土地選びができるようになります。
この記事のポイント
- 土地探しは3ヶ月~1年程度かかる。目的と予算を明確にすることが重要
- 諸費用は土地代金の5~10%程度(3,000万円の土地で300~450万円)
- 購入の流れは、土地探し→買付証明書提出→売買契約→決済・引き渡しの4段階
- 用途地域・接道義務・地盤の確認が必須。軟弱地盤は地盤改良工事に200万円以上かかる場合がある
- 失敗事例(周辺環境・日当たりの確認不足)を参考に、複数回の現地見学を推奨
(1) 土地購入の目的を明確にする(注文住宅、投資、事業用等)
土地購入の目的により、選ぶべき土地の条件が異なります。以下の目的別に考えましょう。
注文住宅を建てる場合
- 住宅地または第一種低層住居専用地域等の住宅向けエリアを選ぶ
- 用途地域を確認し、希望する建物が建築可能か確認
- 駅・学校・病院などの生活利便性を重視
投資・賃貸経営の場合
- 駅近・商業施設周辺など賃貸需要が高いエリアを選ぶ
- 将来の資産価値や開発計画を確認
- 利回り計算と収支シミュレーションを実施
事業用の場合
- 商業地域や準工業地域など事業向けエリアを選ぶ
- 駐車場の確保、インフラ整備状況を確認
- 顧客アクセスや物流動線を考慮
目的を明確にすることで、効率的な土地探しができます。
(2) 予算と総費用の把握(土地代金の5~10%が諸費用)
土地購入には、土地代金以外に諸費用がかかります。総費用の目安は以下の通りです。
| 項目 | 金額(3,000万円の土地の場合) |
|---|---|
| 土地代金 | 3,000万円 |
| 諸費用 | 300~450万円(5~10%) |
| 総費用 | 3,300~3,450万円 |
諸費用の内訳については、後のセクションで詳しく解説します。予算を立てる際は、総費用を把握しておくことが重要です。
土地を探す方法と物件情報の見方
(1) 大手ポータルサイト(SUUMO、HOME'S、At Home等)の活用
土地を探す方法として、大手不動産ポータルサイトの活用が便利です。主要なサイトは以下の通りです。
- SUUMO: 全国の土地・分譲地を検索可能
- HOME'S: エリア、坪単価、建築条件なしなどの条件で絞り込み可能
- At Home: 詳細条件検索に対応
これらのサイトでは、以下の条件で物件を絞り込めます。
- エリア(都道府県・市区町村・駅名)
- 価格帯(総額、坪単価)
- 面積(坪数、m²)
- 建築条件(建築条件なし、建築条件付き)
- 用途地域(住宅地、商業地等)
複数のサイトを併用することで、より多くの物件情報を得られます。
(2) 不動産会社への相談と独自物件情報
大手ポータルサイトに掲載されていない土地も多数あります。地域に密着した不動産会社に直接相談することで、独自の物件情報を得られる場合があります。
不動産会社を選ぶポイント
- 地域の土地情報に精通している
- 宅地建物取引士が在籍している
- 過去の取引実績が豊富
- 顧客対応が丁寧で信頼できる
複数の不動産会社に相談し、物件情報を比較することをおすすめします。
(3) 物件情報の見方(坪単価、建築条件、用途地域等)
物件情報を見る際には、以下の項目を確認しましょう。
坪単価
- 土地1坪(約3.3m²)あたりの価格
- エリアごとの相場を把握し、高すぎないか確認
建築条件
- 建築条件なし: 自由に建築業者を選べる
- 建築条件付き: 指定された建築業者で建てる必要がある
用途地域
- 住宅地、商業地、工業地等の区分
- 建築できる建物の種類が制限される
接道義務
- 幅員4m以上の道路に2m以上接しているか
- 満たさない場合は建築不可
これらの情報を確認し、自分の目的に合った土地かどうかを判断してください。
土地購入の流れと各ステップの詳細
(1) 土地探し(3ヶ月~1年)と現地見学
土地探しには、通常3ヶ月~1年程度かかります。焦らず、複数の物件を比較検討することが重要です。
現地見学のポイント
- 複数回訪問: 朝・昼・夜、平日・休日に訪問し、周辺環境を確認
- 日当たり: 周辺建物や地形により日当たりが変わることがある
- 騒音: 道路の交通量、近隣施設(工場、線路等)の音を確認
- 周辺環境: 駅・バス停までの距離、スーパー・病院・学校の有無
現地見学では、不動産会社の担当者に同行してもらい、疑問点を確認することをおすすめします。
(2) 買付証明書の提出と住宅ローン事前審査(3~4日)
購入したい土地が決まったら、買付証明書を提出します。
買付証明書とは
- 購入希望者が売主または仲介業者に提出する書類
- 購入希望価格、手付金額、引渡し希望時期等を記載
- 購入意思を示すもので、契約ではない
買付証明書提出後、1~2週間以内に住宅ローンの事前審査を受けます。事前審査は3~4日程度で結果が出ます。
(3) 重要事項説明と売買契約(手付金10%)
売買契約の前に、宅地建物取引士から重要事項説明を受けます。
重要事項説明の内容
- 土地の権利関係(所有権、抵当権等)
- 用途地域、建築制限
- 浸水履歴、土壌汚染の有無
- インフラ整備状況(上下水道、ガス、電気)
重要事項説明の内容を十分に理解した上で、売買契約を締結します。
売買契約時の手付金
- 土地代金の5~10%(通常は10%)
- 現金で支払う必要がある
- 買主都合でキャンセルした場合、手付金は返還されない
(4) 決済・引き渡しと所有権移転登記
売買契約後、住宅ローンの本審査を受けます(1~2週間程度)。本審査に通過したら、決済・引き渡しを行います。
決済時の手続き
- 残代金の支払い(住宅ローン融資実行)
- 仲介手数料の支払い
- 所有権移転登記の手続き
- 鍵の引き渡し
決済後、土地の所有権が買主に移転します。
広告
土地購入にかかる諸費用の内訳
(1) 仲介手数料(売買価格×3%+6万円+消費税)
不動産会社を通じて土地を購入する場合、仲介手数料がかかります。
仲介手数料の上限
- 400万円超の土地: 売買価格×3%+6万円+消費税
- 例: 3,000万円の土地の場合、約105万円(3,000万円×3%+6万円+消費税)
仲介手数料は、決済時に支払います。
(2) 手付金(土地代金の5~10%、通常10%)
売買契約時に支払う手付金は、以下の通りです。
| 土地代金 | 手付金(10%の場合) |
|---|---|
| 2,000万円 | 200万円 |
| 3,000万円 | 300万円 |
| 5,000万円 | 500万円 |
手付金は、決済時に土地代金の一部として充当されます。
(3) 登記費用(登録免許税、司法書士報酬)
所有権移転登記には、以下の費用がかかります。
登録免許税
- 土地の固定資産税評価額の2%(軽減措置適用時は1.5%)
- 例: 固定資産税評価額2,000万円の土地で30~40万円
司法書士報酬
- 5~10万円程度
合計で35~50万円程度が目安です。
(4) 不動産取得税(固定資産税評価額の3%)
土地を取得した際に課される地方税です。
不動産取得税
- 固定資産税評価額の3%(軽減措置適用時)
- 例: 固定資産税評価額2,000万円の土地で60万円
軽減措置の適用条件は、自治体により異なるため、事前に確認してください。
失敗しないための注意点とよくある失敗事例
(1) 用途地域と建築制限の確認(希望する建物を建てられるか)
用途地域により、建築できる建物の種類が制限されます。購入前に必ず確認しましょう。
主な用途地域
- 第一種低層住居専用地域: 低層住宅専用
- 第二種住居地域: 住宅・商業施設が混在
- 商業地域: 商業施設・オフィスビル中心
用途地域の確認方法は、市役所の都市計画課に問い合わせるか、不動産会社に確認してください。
(2) 接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接する)
建築基準法では、建築物の敷地は幅員4m以上の道路に2m以上接している必要があります(接道義務)。
接道義務を満たさない土地
- 建築不可のため、購入前に必ず確認
- 道幅が4m未満の場合、セットバック(敷地の一部を道路として提供)が必要
接道義務を満たしていない土地は、原則として建物を建てられないため注意が必要です。
(3) 地盤の確認(軟弱地盤は地盤改良工事に200万円以上)
地盤が軟弱な場合、地盤改良工事に追加費用がかかります。
地盤改良工事の費用
- 工事の種類や施工範囲により200万円以上かかるケースがある
- 購入前に地盤調査を実施し、費用を見積もることを推奨
地盤調査の費用は5~10万円程度です。
(4) 周辺環境の確認不足で入居後に後悔するケース
土地購入の失敗事例として、周辺環境の確認不足が多く挙げられます。
よくある失敗事例
- 駅・バス停までの距離が想定より遠く、通勤・通学が不便
- スーパー・病院・学校が近くにない
- 周辺に騒音源(工場、線路、幹線道路等)がある
現地見学を複数回行い、異なる時間帯に周辺環境を確認することが重要です。
(5) 日当たり・騒音の確認(複数回、異なる時間帯に現地見学)
日当たりや騒音は、時間帯により大きく異なります。
確認のポイント
- 日当たり: 朝・昼・夕方の各時間帯で確認。周辺建物や地形により日当たりが変わる
- 騒音: 平日・休日、朝・昼・夜の各時間帯で確認。道路の交通量や近隣施設の音を確認
1回の見学で判断せず、複数回訪問することをおすすめします。
まとめ:土地購入を成功させるポイント
土地を買いたい方に向けて、探し方・購入の流れ・諸費用の内訳・失敗しないための注意点を解説しました。
土地購入のポイント
- 目的と予算を明確にし、3ヶ月~1年かけて慎重に探す
- 諸費用は土地代金の5~10%(3,000万円の土地で300~450万円)を見込む
- 購入の流れは、土地探し→買付証明書提出→売買契約→決済・引き渡しの4段階
- 用途地域・接道義務・地盤を必ず確認し、希望する建物を建てられるか確認
- 周辺環境・日当たり・騒音を複数回の現地見学で確認し、失敗を回避
(1) 専門家(宅建士、土地家屋調査士、建築士等)への相談
土地購入は高額な取引であり、専門的な知識が必要です。以下の専門家に相談することをおすすめします。
- 宅地建物取引士: 土地の権利関係、契約内容の確認
- 土地家屋調査士: 境界確定、測量
- 建築士: 建築プラン、建築制限の確認
- 税理士: 不動産取得税、住宅ローン控除等の税務相談
信頼できる専門家のアドバイスを受けながら、納得のいく土地を見つけましょう。
(2) 2025年の土地価格動向(三大都市圏は上昇、地方は二極化)
2025年時点の土地価格動向は以下の通りです。
- 全国の土地価格は4年連続で上昇
- 三大都市圏(東京・大阪・名古屋)では住宅用地の価格が着実に上昇
- 地方四市(札幌、仙台、広島、福岡)は上昇、その他地方圏は下落傾向
エリアにより価格動向が異なるため、購入時期を検討する際の参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
土地購入にかかる諸費用はいくらですか?
土地代金の5~10%程度が相場です。3,000万円の土地で300~450万円程度が目安です。内訳は仲介手数料(約105万円)、手付金(約300万円)、登記費用(約35~50万円)、不動産取得税(約60万円)等です。
どのような土地を避けるべきですか?
接道義務を満たさない土地(幅員4m以上の道路に2m以上接していない)、軟弱地盤の土地(地盤改良工事に200万円超かかる可能性)、用途地域の制限が厳しい土地(希望する建物を建てられない)は避けるべきです。購入前に必ず確認してください。
住宅ローン事前審査はいつ受けるべきですか?
購入申し込み(買付証明書提出)後1~2週間以内に受ける必要があります。事前審査は3~4日程度で結果が出ます。本審査は売買契約後に行い、1~2週間程度かかります。本審査に通過した後、決済・引き渡しを行います。
手付金は返ってきますか?
買主都合でキャンセルした場合、手付金は返還されません。手付金は土地代金の5~10%(通常は10%)が目安で、契約時に現金で支払います。決済時に土地代金の一部として充当されますが、契約後のキャンセルには注意が必要です。
