土地査定の方法と流れ|査定額を左右する要因と高く売るためのポイント

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/1

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土地査定とは

相続・売却等で土地査定を検討しているが、査定方法・評価額の決まり方・複数社比較の重要性が分からないという方は少なくありません。

この記事では、土地査定の基礎知識、査定方法の種類、査定額を左右する要因、高く売るためのポイントを、国土交通省の公的データを元に解説します。

初めて土地査定を検討する方でも、査定の流れ・相場の調べ方・複数社比較の重要性を正確に把握し、適切な判断ができるようになります。

この記事のポイント

  • 土地査定は不動産会社に依頼すれば基本的に無料(有料の不動産鑑定は裁判所等への提出用のみ)
  • 簡易査定で概算を把握した後、訪問査定で正確な査定額を算出する
  • 査定額はあくまで目安であり、実際の売却価格と一致しない場合がある
  • 複数社(3~5社)に査定依頼して査定額を比較することで適正価格を把握できる
  • 境界が不明瞭な土地は査定額が下がるため、測量して境界を明確にすると良い

(1) 土地査定の定義と目的

SUMiTASによると、土地査定は土地の価格を算定する作業で、約3ヶ月以内に売却できる価格を算出します。

土地査定の目的:

  • 売却価格の目安を知る: 適正な売却価格を把握するため
  • 相続税評価の参考: 相続税の申告に必要な評価額の目安を知るため
  • 資産価値の確認: 所有する土地の現在価値を確認するため

査定額は、過去の取引事例・周辺環境・土地の特性を総合的に評価して算出されます。

(2) 無料査定と有料鑑定の違い

HOME4Uによると、土地査定は不動産会社に依頼すれば基本的に無料です。

項目 無料査定(不動産会社) 有料鑑定(不動産鑑定士)
費用 無料 20万円~50万円程度
法的効力 なし あり
用途 通常の売却 裁判所、税務署への提出用
所要時間 数時間~10日 2週間~1ヶ月
資格 不要(宅建士が対応) 不動産鑑定士資格が必要

不動産鑑定士資格がない不動産会社が有料査定すると法律違反となるため、通常の売却では無料査定で十分です。

(3) 査定額と売却価格の関係

査定額はあくまで目安であり、実際の売却価格と一致しない場合があります。

査定額と売却価格の違い:

  • 査定額: 約3ヶ月以内に売却できる価格を算出したもの
  • 売却価格: 実際に買主と交渉して決まる価格

最終的な売却価格は、市場動向・買主の交渉・売却タイミングにより変動します。査定額に惑わされず、総合的に判断することが重要です。

(4) 土地相場の調べ方(国土交通省の公的データ)

イエウールによると、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で実勢価格を確認できます。

土地相場の調べ方:

方法 詳細
不動産情報ライブラリ 国土交通省の公的データベース。実際の取引価格を検索できる
全国地価マップ 公示地価、基準地価、固定資産税路線価、相続税路線価の4つの公的土地評価情報を提供
土地総合情報システム 公示地価、基準地価、取引価格などの公的土地情報を総合的に提供

実勢価格は公示地価・基準地価の約1.1倍が目安です。

土地査定の方法と種類

土地査定には3つの方法があります。

(1) 簡易査定(机上査定)

簡易査定は、物件情報のみで行う査定で、現地調査なしで概算価格を算出します。

簡易査定の特徴:

  • 所要時間: 数時間~数日
  • メリット: 短時間で概算価格が分かる、気軽に依頼できる
  • デメリット: 実際の土地の状態を反映していないため、精度が低い
  • 用途: 大まかな相場を知りたい場合

まずは簡易査定で概算を把握し、その後訪問査定で正確な査定額を算出するのが一般的です。

(2) 訪問査定(詳細査定)

訪問査定は、実際に現地を訪問して行う査定で、境界・形状・周辺環境等を確認し、正確な価格を算出します。

訪問査定の特徴:

  • 所要時間: 1週間~10日
  • メリット: 正確な査定額が算出できる、売却時の注意点が明確になる
  • デメリット: 時間がかかる、現地訪問の日程調整が必要
  • 用途: 本格的に売却を検討する場合

訪問査定では、不動産会社の担当者が現地を確認し、境界・形状・接道・周辺環境等を詳細に調査します。

(3) 不動産鑑定

不動産鑑定は、不動産鑑定士が有料で行う公的な評価で、裁判所や税務署への提出用に利用されます。

不動産鑑定の特徴:

  • 費用: 20万円~50万円程度
  • 法的効力: あり
  • 用途: 裁判所、税務署への提出、遺産分割協議の参考等
  • 所要時間: 2週間~1ヶ月

通常の売却では不動産鑑定は不要で、無料査定で十分です。

(4) 査定方法の選び方

査定方法の選び方は以下の通りです。

目的 適した査定方法
大まかな相場を知りたい 簡易査定
本格的に売却を検討 訪問査定
裁判所・税務署への提出 不動産鑑定

土地査定の流れ

SUMiTASによると、土地査定の流れは7ステップです。

(1) 所有者確認

土地の所有者であることを確認します。登記簿謄本で所有者名義を確認し、相続した土地の場合は相続登記が完了しているか確認します。

(2) 詳細情報確認

土地の詳細情報を確認します。面積・形状・接道・用途地域等の基本情報を整理します。

(3) 複数社への査定依頼

複数の不動産会社(3~5社)に査定を依頼します。一括査定サービスを活用すると効率的です。

(4) 絞り込みと訪問査定

簡易査定の結果を比較し、信頼できる不動産会社2~3社に絞り込みます。絞り込んだ不動産会社に訪問査定を依頼します。

(5) 販売方針の決定

訪問査定の結果を踏まえ、売却価格・売却時期・販売戦略を決定します。

(6) 媒介契約締結

不動産会社と媒介契約を締結します。専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類から選択します。

(7) 査定に必要な書類

査定に必要な書類は以下の通りです。

主な必要書類:

  • 登記簿謄本(法務局で取得)
  • 測量図(境界を示す図面)
  • 固定資産税納税通知書(評価額の確認)
  • 建築確認済証・検査済証(建物がある場合)
  • 隣地との境界確認書(境界が明確な場合)

これらの書類を準備すると、正確な査定結果が得られます。

査定額を左右する要因

査定額は以下の要因で決まります。

(1) 立地と周辺環境

立地と周辺環境は査定額に大きく影響します。

主な評価ポイント:

  • 駅からの距離: 駅近ほど査定額が高い
  • 周辺施設: 商業施設、病院、学校等が近いと査定額が高い
  • 治安: 治安が良い地域は査定額が高い
  • 景観: 眺望が良い、日当たりが良いと査定額が高い

(2) 土地の形状と面積

土地の形状と面積は査定額に影響します。

形状別の評価:

形状 評価
正方形・長方形 高い(使いやすい)
台形・不整形 低い(使いにくい)
旗竿地 低い(接道が狭い)

面積が広すぎても狭すぎても査定額は下がる傾向があります。

(3) 接道状況(道路付け)

接道状況は査定額に大きく影響します。

接道による評価:

  • 2方向以上接道: 査定額が高い(建築の自由度が高い)
  • 1方向のみ接道: 標準的な評価
  • 接道なし: 査定額が低い(建築できない可能性)

接道の幅員(道路の幅)も重要で、4m以上が望ましいです。

(4) 用途地域と法規制

用途地域と法規制は査定額に影響します。

用途地域別の特徴:

用途地域 特徴 評価
住居系 住宅建築が可能 標準的
商業系 商業施設・オフィス建築が可能 高い
工業系 工場建築が可能 用途により異なる

建蔽率・容積率の規制も査定額に影響します。

(5) 境界の明確さ

イエイによると、境界が不明瞭な土地は買主が懸念するため査定額が下がります。

境界の明確化:

  • 境界確定: 隣接する土地との境界を明確にする作業
  • 測量費用: 30万円~100万円程度(土地の広さにより異なる)
  • 効果: 査定額が上がる、買主が見つかりやすくなる

境界が不明瞭な場合、測量して境界を明確にすると査定額が上がる可能性があります。

(6) 地域の需要と市場動向

地域の需要と市場動向は査定額に影響します。

主な要因:

  • 人口増減: 人口が増加している地域は需要が高く、査定額が上がる
  • 開発計画: 大型商業施設や駅の新設等の開発計画があると査定額が上がる
  • 市況: 不動産市況が好調な時期は査定額が上がる

(7) 取引事例比較法の仕組み

取引事例比較法は、類似の取引事例を参考に、土地の個別的な特性を加減点して価格を算出する方法で、土地査定で最も一般的です。

取引事例比較法の流れ:

  1. 類似の取引事例を収集
  2. 取引事例の平均価格を計算
  3. 対象地の個別的な特性(立地、形状、接道等)を加減点
  4. 最終的な査定額を算出

高く売るためのポイント

土地を高く売るためのポイントは以下の通りです。

(1) 複数社(3~5社)への査定依頼

複数の不動産会社(3~5社)に査定を依頼して査定額を比較することで適正価格を把握できます。

複数社査定のメリット:

  • 査定額の相場が分かる
  • 極端に高い・低い査定額を見分けられる
  • 信頼できる不動産会社を選定できる

一括査定サービスを活用すると効率的に複数社に査定依頼できます。

(2) 境界の確定(測量)

境界が不明瞭な土地は査定額が下がるため、測量して境界を明確にすると良いです。

測量のメリット:

  • 査定額が上がる
  • 買主が見つかりやすくなる
  • トラブルを防げる

測量費用は30万円~100万円程度ですが、査定額の上昇により回収できる可能性があります。

(3) 必要書類の準備

イエイによると、必要書類を準備すると正確な査定結果が得られます。

主な必要書類:

  • 登記簿謄本
  • 測量図
  • 固定資産税納税通知書
  • 建築確認済証・検査済証(建物がある場合)
  • 隣地との境界確認書

(4) 査定額が高すぎる業者への注意

イエイによると、査定額を高く吊り上げて契約を取ろうとする悪徳業者が存在します。

悪徳業者の見分け方:

  • 極端に高い査定額を提示する
  • 査定額の根拠を説明できない
  • 契約を急かす

複数社の査定を比較し、極端に高い査定額には注意が必要です。

(5) 売却タイミングの見極め

売却タイミングは、市況・季節を考慮して判断します。

売却タイミングのポイント:

  • 市況: 不動産市況が好調な時期に売却
  • 季節: 春(3~4月)や秋(9~10月)は需要が高い
  • 周辺開発: 大型商業施設や駅の新設前に売却すると高く売れる可能性がある

(6) 信頼できる不動産会社の選び方

信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。

選定基準:

  • 地元に強い不動産会社(エリアの特性を理解している)
  • 査定額の根拠を明確に説明できる
  • 販売戦略が具体的
  • 過去の実績が豊富

まとめ:土地査定で失敗しないために

土地査定は不動産会社に依頼すれば基本的に無料で、簡易査定で概算を把握した後、訪問査定で正確な査定額を算出します。査定額はあくまで目安であり、実際の売却価格と一致しない場合があるため、査定額に惑わされず総合的に判断することが重要です。

複数社(3~5社)に査定依頼して査定額を比較することで適正価格を把握できます。境界が不明瞭な土地は査定額が下がるため、測量して境界を明確にすると査定額が上がる可能性があります。

査定額を左右する要因は、立地・周辺環境・土地の形状・面積・接道状況・用途地域・境界の明確さ・地域の需要等です。土地相場は国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で確認でき、実勢価格は公示地価の約1.1倍が目安です。

査定額を高く吊り上げる悪徳業者が存在するため、極端に高い査定額には注意が必要です。信頼できる不動産会社を選定し、専門家(宅建士、不動産鑑定士等)への相談を推奨します。

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よくある質問

Q1土地査定は無料でできますか?

A1不動産会社に依頼すれば基本的に無料です。有料の不動産鑑定は裁判所や税務署への提出用のみで、通常の売却では必要ありません。不動産鑑定士資格がない不動産会社が有料査定すると法律違反となります。無料査定で十分に正確な査定額を算出できるため、まずは複数の不動産会社に無料査定を依頼することを推奨します。

Q2土地査定の流れはどうなっていますか?

A2所有者確認→詳細情報確認→複数社に査定依頼→絞り込み→訪問査定→今後の販売方針決定→媒介契約締結の7ステップです。まず簡易査定(机上査定)で数時間~数日で概算を把握し、その後訪問査定(詳細査定)で1週間~10日かけて正確な査定額を算出します。訪問査定では不動産会社の担当者が現地を確認し、境界・形状・接道・周辺環境等を詳細に調査します。

Q3査定額と実際の売却価格はどれくらい違いますか?

A3査定額はあくまで目安であり、実際の売却価格と一致しない場合があります。査定額は約3ヶ月以内に売却できる価格を算出したもので、最終的な売却価格は市場動向・買主との交渉・売却タイミングにより変動します。査定額より高く売れる場合もあれば、低くなる場合もあるため、査定額に惑わされず、総合的に判断することが重要です。

Q4土地価格の相場を自分で調べる方法はありますか?

A4国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で実勢価格を確認できます。全国地価マップで公示地価、基準地価、固定資産税路線価、相続税路線価の4つの公的土地評価情報を確認可能です。実勢価格は公示地価・基準地価の約1.1倍が目安となります。土地総合情報システムでは公示地価、基準地価、取引価格などの公的土地情報を総合的に確認できます。

Q5査定額が会社によって大きく異なる理由は何ですか?

A5不動産会社によって評価基準、得意エリア、販売戦略が異なるためです。また、査定額を高く吊り上げて契約を取ろうとする悪徳業者も存在します。複数社(3~5社)に査定依頼して査定額を比較することが重要で、極端に高い査定額には注意が必要です。査定額の根拠を明確に説明できる、地元に強い、販売戦略が具体的な不動産会社を選定しましょう。

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Room Match編集部

Room Matchは、不動産の購入・売却・賃貸に関する実践的な情報を提供するメディアです。住宅ローン、物件選び、不動産会社の選び方など、実務担当者に役立つ情報を分かりやすく解説しています。

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