関電不動産のオフィスビル事業を知る
オフィス移転や拡張を検討する際、「電力会社系不動産はどのような特徴があるのか」「関電不動産の主要物件はどこにあるのか」と気になる方は少なくありません。
この記事では、関電不動産開発の概要、八重洲ビルと伏見ビルの特徴、電力会社系不動産の強み(BCP対策、省エネ設備等)を、関電不動産開発公式サイトや関電不動産八重洲ビル公式サイトの情報を元に解説します。
オフィステナント選定における判断材料を把握できるようになります。
この記事のポイント
- 関電不動産開発は関西電力100%子会社で、2016年に関電不動産とMID都市開発が統合して誕生
- 関電不動産八重洲ビルは東京駅徒歩圏内、5駅16路線のマルチアクセス立地(2022年5月竣工)
- 関電不動産伏見ビルは名古屋の中心地(伏見駅徒歩4分)で無柱設計(2021年11月竣工)
- 両ビルとも72時間対応の非常用発電機と二重電源ラインでBCP対策が充実
- シエリアマンションブランドは最長10年の無償プレミアムサポートが特徴
1. 関電不動産開発とは?電力会社系不動産の特徴
(1) 会社概要(関西電力100%子会社)
関電不動産開発は、関西電力100%子会社の不動産デベロッパーです。関西電力グループの一員として、電力会社ならではの強み(エネルギー効率、設備管理ノウハウ)を活かした不動産開発を展開しています。
(2) 2016年の統合(関電不動産とMID都市開発)
2016年に関電不動産とMID都市開発が統合し、現在の関電不動産開発株式会社が誕生しました。関電不動産開発公式サイトによると、統合により事業規模を拡大し、分譲住宅・賃貸住宅・貸しビル・不動産ファンド等の多様な事業を展開しています。
(3) 事業内容(分譲住宅・賃貸住宅・貸しビル等)
関電不動産開発の主な事業内容は以下の通りです。
| 事業内容 | 内容 |
|---|---|
| 分譲住宅 | シエリアマンションブランドで全国展開 |
| 賃貸住宅 | 賃貸マンション・アパートの開発・管理 |
| 貸しビル | オフィスビルの開発・管理(八重洲ビル、伏見ビル等) |
| 不動産ファンド | 不動産投資ファンドの運営 |
(4) ゼロカーボン先導企業としての取り組み
関電不動産開発は「ゼロカーボン先導企業」を目指し、不動産業界のCO2排出ゼロをけん引しています。2024年7月に発表された首都圏初のタワーマンション「シエリアタワー南麻布」では、「ゼロカーボン電気」(CO2排出量実質ゼロの電力)を採用しています。
2. 関電不動産八重洲ビルの概要と特徴
(1) 立地とアクセス(東京駅徒歩圏内、5駅16路線)
関電不動産八重洲ビルは、東京都中央区京橋1丁目に位置し、東京駅徒歩圏内のマルチアクセス立地です。
| 最寄り駅 | 徒歩時間 |
|---|---|
| 宝町駅(都営浅草線) | 4分 |
| 京橋駅(東京メトロ銀座線) | 5分 |
| 日本橋駅(東京メトロ東西線・都営浅草線) | 6分 |
| 東京駅 | 徒歩圏内 |
5駅16路線が利用可能で、都心各所へのアクセスが便利です。
(2) 建物スペック(地上13階、基準階251坪、天井高2.9m)
関電不動産八重洲ビル竣工プレスリリースによると、2022年5月に竣工した地上13階・地下1階のオフィスビルで、以下のスペックを持ちます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 竣工 | 2022年5月 |
| 階数 | 地上13階・地下1階 |
| 延床面積 | 13,490㎡ |
| 基準階面積 | 251坪 |
| 天井高 | 2.9m |
| 設計・施工 | 大成建設 |
(3) 三面採光・無柱空間によるレイアウトの自由度
基準階251坪、三面採光の無柱空間により、オフィスレイアウトの自由度が高いことが特徴です。無柱空間とは、柱のないオープンな空間で、デスク配置やパーティション設置を自由に行えます。
(4) BCP対策(72時間対応の非常用発電機、二重電源ライン)
事業継続計画(BCP: Business Continuity Plan)対策として、以下の設備を備えています。
- 72時間対応の非常用発電機: 災害時に最大72時間電力を供給
- 二重電源ライン: 2系統の電源ルートで電力供給の安定性を確保
電力会社系不動産ならではの強みが発揮されています。
(5) 免震構造と設備(2022年5月竣工)
免震構造を採用し、地震の揺れを吸収する設計になっています。免震構造とは、建物と地盤の間に免震装置を設置し、地震の揺れを吸収する構造です。
3. 関電不動産伏見ビルの概要と特徴
(1) 名古屋中心地の立地(伏見駅徒歩4分)
関電不動産伏見ビルは、名古屋市中区栄1丁目に位置し、名古屋の中心地「伏見駅」から徒歩4分の好立地です。
(2) 建物スペック(地上13階、延床面積13,827㎡)
2021年11月に竣工した地上13階のオフィスビルで、以下のスペックを持ちます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 竣工 | 2021年11月 |
| 階数 | 地上13階 |
| 延床面積 | 13,827㎡ |
(3) 無柱設計によるレイアウトの自由度
無柱設計により、オフィスレイアウトの自由度が高く、企業のニーズに応じた空間設計が可能です。
(4) BCP対策(72時間対応の非常用発電機)
八重洲ビルと同様、72時間対応の非常用発電機を備え、災害時の事業継続をサポートします。
(5) 2021年11月竣工
関電不動産伏見ビル公式サイトによると、2021年11月に竣工した新しいオフィスビルで、最新の設備とBCP対策を備えています。
4. 電力会社系不動産の強み:BCP対策と省エネ設備
(1) 電力供給の安定性と非常用発電機
電力会社系不動産の最大の強みは、電力供給の安定性です。関西電力グループのノウハウを活かし、72時間対応の非常用発電機や二重電源ラインを標準装備しています。
(2) エネルギー効率の高い設備設計
電力会社のエネルギー効率に関する知見を活かし、省エネ設備を積極的に導入しています。これにより、テナント企業のランニングコストを抑えることができます。
(3) 関西電力グループのノウハウ活用
関西電力グループの設備管理ノウハウを活かし、建物の長期的な維持管理を行っています。
(4) ゼロカーボン電気の採用(最新プロジェクト)
2024年7月に発表された「シエリアタワー南麻布」では、「ゼロカーボン電気」を採用し、環境負荷の低減に取り組んでいます。
5. シエリアマンションブランドの特徴
(1) 全国展開(関西・東海・首都圏・東北・北陸・四国・九州)
シエリア公式サイトによると、関電不動産開発のマンションブランド「シエリア」(CIELIA)は、関西・東海・首都圏・東北・北陸・四国・九州に展開しています。
シエリア(CIELIA)とは、フランス語で「天空・頂点」を表す「CIEL」とラテン語で「~の土地・場所」を表す「-IA」の造語です。
(2) 最長10年の無償プレミアムサポート
シエリアマンション購入者は、最長10年の無償プレミアムサポートを受けられます。
プレミアムサポートの内容:
- 設備延長保証(給湯器、エアコン等)
- 5年・10年点検
- 緊急トラブル対応(24時間365日)
- 専門スタッフによるサポート
(3) グッドデザイン賞5年連続受賞(2024年)
シエリアマンションは、2024年にグッドデザイン賞を5年連続で受賞しています。デザイン性と機能性が高く評価されています。
(4) 首都圏初タワーマンション(シエリアタワー南麻布、2024年7月発表)
2024年7月に発表された「シエリアタワー南麻布」は、首都圏初のタワーマンション(27階建121戸)で、「ゼロカーボン電気」を採用しています。
(5) 大阪京橋エリア開発(3棟215戸、2024〜2027年)
2024年〜2027年にかけて、大阪・京橋エリアに3棟215戸のマンションを開発する計画です(総投資額100億円超)。
6. まとめ:関電不動産開発の事業展開と今後の見通し
関電不動産開発は、関西電力100%子会社として、電力会社ならではの強み(BCP対策、省エネ設備、エネルギー効率)を活かした不動産開発を展開しています。
関電不動産八重洲ビル(東京駅徒歩圏内、5駅16路線)と関電不動産伏見ビル(名古屋伏見駅徒歩4分)は、いずれも72時間対応の非常用発電機と無柱空間によるレイアウトの自由度が特徴です。
シエリアマンションブランドは、最長10年の無償プレミアムサポートとグッドデザイン賞5年連続受賞で評価されています。2024年7月には首都圏初のタワーマンション「シエリアタワー南麻布」を発表し、「ゼロカーボン先導企業」として環境負荷低減に取り組んでいます。
オフィスビルの賃料や空室状況は市場動向により変動するため、最新情報は関電不動産開発公式サイトや不動産仲介会社でご確認ください。
