金沢市で土地を購入する前に知っておくべきこと
金沢市で土地を購入する際、「価格相場はどのくらいか」「どのエリアがおすすめか」「購入時の注意点は何か」と悩む方は多いでしょう。
この記事では、金沢市の土地価格相場、エリア別の特徴、購入手順、注意点を、公示地価データや実際の取引データを元に解説します。
初めての土地探しでも、失敗せずに理想の土地を見つけられるようになります。
この記事のポイント
- 金沢市の土地価格相場は坪単価28.9-29.1万円で、前年比+5.8%上昇
- 金沢駅周辺は坪単価54.3-71.6万円と市内平均の約2倍の価格帯
- 2025年の公示地価は住宅地+2.5%、商業地+6.2%、工業地+6.3%と全用途で上昇
- 一部の土地には擁壁、がけ崩れ警戒区域、付帯条件があり、現地確認と条件確認が必須
- 建築費が過去2年で約30%上昇しており、土地価格と合わせて総コストを考慮する必要がある
(1) 金沢市の土地市場の現状
金沢市の土地市場は、2015年の北陸新幹線開業以降、活発化しています。
市場の特徴
- SUUMO741件、ニフティ不動産1,015件と多数の土地物件が市場に出ている
- 住宅用地から事業用地まで幅広い選択肢がある
- 金沢駅周辺を中心に価格が上昇傾向
(2) 北陸新幹線開業後の地価動向
2015年の北陸新幹線開業は、金沢市の不動産市場に大きな影響を与えました。
新幹線開業後の変化
- 東京から金沢へのアクセス時間が大幅短縮(約2時間30分)
- 金沢駅周辺の商業地・住宅地の地価が上昇
- 観光客の増加により、商業施設・宿泊施設の需要が高まる
(3) この記事で分かること
この記事では、以下の内容を解説します。
- 金沢市の土地価格相場とエリア別の特徴
- 土地を探す際の具体的な手順
- 購入にかかる諸費用と税金
- 注意すべきポイント(地形リスク、付帯条件、建築制限等)
金沢市の土地価格相場とエリア別の特徴
(1) 金沢市全体の価格相場(坪単価28.9-29.1万円)
SUUMO・アセットロケットのデータによると、金沢市全体の土地価格相場は、坪単価28.9-29.1万円です。
価格データ
- SUUMOデータ: 坪単価28.9万円
- アセットロケットデータ: 坪単価29.1万円(平米単価8.8万円)
- 前年比: +1.6万円(+5.8%上昇)
坪単価とは、1坪(約3.3m²)あたりの土地価格です。日本では坪単価で土地価格を比較することが一般的です。
(2) 金沢駅周辺エリアの価格帯(坪単価54.3-71.6万円)
金沢駅周辺は、金沢市で最も地価が高いエリアです。
価格データ
- SUUMO市場価格: 坪単価54.3万円
- 2025年公示地価: 坪単価71.6万円(216,739円/m²)
- 前年比: +3.35%上昇
金沢駅周辺の特徴
- 北陸新幹線でのアクセスが良好
- 商業施設、ホテル、オフィスが集中
- 駅近エリアは市内平均の約2倍の価格帯
(3) 用途別の公示地価(住宅地・商業地・工業地)
金沢市の土地価格は、用途により大きく異なります。
用途別公示地価(2025年)
| 用途 | 平均価格(円/m²) | 坪単価(万円) | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 住宅地 | 92,000 | 30.4 | +2.5% |
| 商業地 | 333,000 | 110.0 | +6.2% |
| 工業地 | 38,800 | 12.8 | +6.3% |
用途別地価とは、住宅地・商業地・工業地など、土地の用途に応じて区分された地価です。公示地価は、国土交通省が毎年1月1日時点で調査・公表する土地の標準価格で、不動産取引や資産評価の指標となります。
注目ポイント
- 商業地の上昇率が+6.2%と最も高い
- 工業地も+6.3%と高い上昇率
- 全用途で上昇傾向
(4) 公示地価と実際の取引価格の違い
公示地価と実際の取引価格(実勢価格)には、差がある場合があります。
実際の取引価格(2024年第1四半期)
- 平均価格: 109,545円/m²(坪単価362,133円)
- 前年比: +37.74%上昇
公示地価との比較
- 公示地価(住宅地): 92,000円/m²(坪単価30.4万円)
- 実際の取引価格: 109,545円/m²(坪単価36.2万円)
- 差額: 約19%(実際の取引価格の方が高い)
実勢価格とは、実際に不動産市場で取引される価格です。公示地価や基準地価とは異なる場合があります。両方を参考にすることで、より正確な相場を把握できます。
(5) 価格上昇トレンドと今後の見通し
金沢市の土地価格は、2015年の北陸新幹線開業以降、上昇傾向が続いています。
上昇の背景
- 交通利便性の向上(北陸新幹線)
- 観光客の増加(兼六園、金沢城等の人気)
- 人口流入(移住・Uターン需要)
今後の見通し
- 建築費が過去2年で約30%上昇しており、総コストの増加に注意
- 変動金利の住宅ローンは今後上昇する可能性がある
- 地価上昇と建築費上昇が同時進行する可能性
金沢市で土地を探す際の具体的な手順
(1) エリアと予算の決定
土地探しの第一歩は、エリアと予算の決定です。
エリア選定のポイント
- 通勤・通学の利便性(金沢駅へのアクセス)
- 生活利便性(スーパー、病院、学校等の距離)
- 将来の資産価値(駅近、開発予定地等)
予算設定のポイント
- 土地価格だけでなく、建築費、諸費用を含めた総予算を設定
- 建築費が過去2年で約30%上昇している点を考慮
(2) 土地情報の収集方法(SUUMO、ニフティ不動産等)
主要な不動産ポータルサイト
- SUUMO: 741件の土地物件を掲載
- ニフティ不動産: 1,015件の土地物件を掲載
検索条件の設定
- エリア、価格、駅からの距離、土地面積等で絞り込み
- 建築条件の有無を確認
(3) 現地確認のチェックポイント
必ず確認すべき項目
- 土地の形状、高低差、道路との関係
- 周辺環境(日当たり、騒音、隣地の状況)
- 地盤の状態(軟弱地盤、埋め立て地等)
- 災害リスク(がけ崩れ警戒区域、浸水想定区域等)
(4) 不動産会社への相談と査定依頼
複数社への相談を推奨
- 3社以上に相談し、物件情報・アドバイスを比較
- 各社の対応、専門知識、地域情報を確認
土地購入にかかる諸費用と税金
(1) 土地購入時の諸費用(仲介手数料、登記費用等)
土地購入時には、以下の諸費用が発生します。
| 項目 | 内容 | 目安額 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 物件価格の3%+6万円+消費税 | 30-100万円 |
| 登記費用 | 所有権移転登記の司法書士費用 | 5-15万円 |
| 印紙税 | 売買契約書に貼付 | 1-3万円 |
| 測量費 | 境界確定が必要な場合 | 30-80万円 |
諸費用は土地価格の5-10%が目安です。
(2) 不動産取得税と固定資産税
不動産取得税
- 税額: 固定資産税評価額 × 3%(2027年3月31日までの特例税率)
- 申告期限: 取得後60日以内(原則)
固定資産税
- 税額: 固定資産税評価額 × 1.4%(標準税率)
- 毎年1月1日時点の所有者に課税
(3) 建築費の予算計画(過去2年で約30%上昇に注意)
建築費の上昇に注意
- 建築費が過去2年で約30%上昇
- 建築資材価格の高騰、人手不足が背景
- 土地購入後の建築予算も十分に確保する必要がある
(4) 住宅ローンの金利動向と借入可能額
金利動向
- 変動金利の住宅ローンは日銀の政策変更により今後上昇する可能性がある
- 固定金利も緩やかに上昇傾向
借入可能額
- 年収の5-7倍が目安
- 返済負担率(年間返済額÷年収)は25-30%以内が推奨
金沢市の土地購入で注意すべきポイント
(1) 地形・地盤リスク(擁壁、高低差、がけ崩れ警戒区域)
地形リスク
- 一部の土地は道路と敷地に高低差があり、斜面や擁壁からの距離を確保する必要がある
- 擁壁の状態を確認(老朽化、ひび割れ等)
がけ崩れ災害警戒区域
- イエローゾーン(警戒区域)に位置する物件もある
- 災害リスクを確認し、対策を検討する必要がある
がけ崩れ災害警戒区域とは、急傾斜地の崩壊により危害が生じるおそれのある区域です。イエローゾーン(警戒区域)とレッドゾーン(特別警戒区域)があります。
(2) 付帯条件の確認(ガードレール撤去、橋の申請、水道管等)
付帯条件の例
- ガードレールの撤去費用(自己負担の場合がある)
- 橋の申請(敷地までの道路が私道の場合)
- 隣地を通る水道管(権利関係の確認)
これらの付帯条件は、購入前に必ず確認してください。
(3) 歴史的景観保全区域の建築制限
金沢市には、歴史的景観保全区域があります。
建築制限の例
- 高さ制限、外観デザインの制限
- 伝統的な建築様式の維持が求められる場合がある
- 詳細は金沢市の都市計画課に確認
(4) 災害リスクの確認方法
ハザードマップの確認
- 金沢市のハザードマップで浸水想定区域、土砂災害警戒区域を確認
- 地震時の揺れやすさマップも参考にする
(5) よくある失敗事例
失敗事例1: 現地確認を怠り、日当たりが悪い土地を購入 失敗事例2: 付帯条件を確認せず、予想外の費用が発生 失敗事例3: 建築制限を知らず、希望の建物が建てられない
これらの失敗を避けるため、現地確認と条件確認を徹底してください。
まとめ:金沢市で理想の土地を見つけるために
金沢市の土地価格相場は坪単価28.9-29.1万円で、前年比+5.8%上昇しています。金沢駅周辺は坪単価54.3-71.6万円と市内平均の約2倍の価格帯です。
2025年の公示地価は住宅地+2.5%、商業地+6.2%、工業地+6.3%と全用途で上昇傾向が続いています。
土地購入時は、地形リスク(擁壁、高低差、がけ崩れ警戒区域)、付帯条件(ガードレール撤去費用、橋の申請、水道管等)、歴史的景観保全区域の建築制限を必ず確認してください。
建築費が過去2年で約30%上昇しており、土地価格の上昇と合わせて総コストを考慮した購入判断が重要です。
信頼できる不動産会社(地域情報に精通、複数社に相談)に相談しながら、理想の土地を見つけましょう。
