いわき市で土地購入を検討する方へ
いわき市は福島県南東部に位置し、常磐線で東京へのアクセスが良好な地域です。土地購入を検討する際、価格相場だけでなく、地盤や津波リスク、用途地域を理解しておくことが重要です。
この記事では、いわき市の土地価格相場、エリア別の特徴、購入時の注意点を、国土交通省の不動産取引価格情報やいわき市公式サイトの情報を元に解説します。
注文住宅を建てたい方、Uターン・Iターンを検討している方にとって、必要な情報が得られます。
この記事のポイント
- いわき市の土地相場は坪単価11.9万円が平均、住宅地は14.6万円/坪、商業地は21.5万円/坪
- 2024年第1四半期の取引価格は前年比+16.21%上昇、需要が安定している
- 人気エリアは泉玉露(静かな住宅地)、いわき駅周辺(通勤便利)、小名浜・鹿島町(生活利便性高い)
- 沿岸5地区(久之浜、薄磯、豊間、小浜、岩間)では空き地バンク制度があり、復興事業で整備された土地も購入可能
- 沿岸部では地盤や津波リスクの確認が必須、ハザードマップの参照と専門家への相談を推奨
いわき市の土地市場の基礎知識
いわき市の土地市場を理解するために、価格相場、用途地域別の価格推移、公示地価と実勢価格の違いを解説します。
(1) いわき市の土地価格相場(2024年データ)
いわき市の2024年時点の土地価格相場は、以下の通りです。
- 平均坪単価: 11.9万円
- 住宅地: 坪単価14.6万円
- 商業地: 坪単価21.5万円
2024年第1四半期の実際の取引価格は平均38,973円/m²(坪単価128,838円)で、前年比+16.21%上昇しています。
(出典: SUUMO いわき市土地価格相場、tochidai.info)
(2) 用途地域別の価格推移
用途地域別の価格推移は以下の通りです。
| 用途地域 | 坪単価 | 前年比 |
|---|---|---|
| 住宅地 | 14.6万円 | 横ばい |
| 商業地 | 21.5万円 | +1.8% |
住宅地は横ばい、商業地は+1.8%と堅調な推移を示しています。
(3) 公示地価と実勢価格の違い
公示地価は国土交通省が毎年1月1日時点で公表する土地の評価額で、取引の目安となります。実勢価格は実際の売買取引で成立した価格で、公示地価より高いことが多いです。
土地購入時は、公示地価だけでなく、実勢価格も確認してください。
エリア別の価格相場と特徴
いわき市は広域な市域を持ち、エリアにより価格相場や特徴が異なります。主要エリアを解説します。
(1) 泉玉露エリア:静かな住宅地
泉玉露エリアは静かな住宅地として人気があります。閑静な環境で子育てに適しており、ファミリー層に人気です。
坪単価は平均より若干高めですが、生活環境が良好なため、長期的な資産価値を重視する方におすすめです。
(2) いわき駅周辺:通勤・生活の利便性
いわき駅周辺は、常磐線で東京方面へのアクセスが良好です。駅徒歩圏内には商業施設・行政機関が集積しており、通勤・生活の利便性が高いエリアです。
坪単価は市内では高めですが、利便性を重視する方に適しています。
(3) 小名浜・鹿島町:大規模開発と生活利便性
小名浜は大規模な商業開発が進んでおり、ショッピング施設が充実しています。鹿島町は生活利便性が高く、スーパー・病院・学校が近隣にあります。
どちらも住みやすさを重視する方に適したエリアです。
(4) 沿岸5地区:空き地バンク制度と復興事業
沿岸5地区(久之浜、薄磯、豊間、小浜、岩間)では、空き地バンク制度があります。土地区画整理事業により整備された土地で、民有地の7割以上が売却済みです。
復興事業により整備された土地のため、インフラ整備が整っています。ただし、沿岸部のため、地盤や津波リスクの確認が必須です。
土地選びのポイントと注意点
いわき市で土地を購入する際のポイントと注意点を解説します。
(1) 地盤と津波リスクの確認方法
沿岸部では東日本大震災の影響を考慮し、地盤や津波リスクの確認が必須です。以下の方法で確認してください。
- ハザードマップの確認: いわき市公式サイトで津波ハザードマップを確認
- 地盤調査: 購入前に専門家(地盤調査会社)に依頼
- 市の都市計画課への相談: 土地の履歴や復興事業の詳細を確認
(2) 用途地域と建築制限の確認
用途地域によって、建築できる建物の種類・規模(建ぺい率、容積率)が異なります。購入前に、いわき市の都市計画課で用途地域を確認してください。
(3) 建築条件付き土地のメリット・デメリット
建築条件付き土地は、指定された建築業者で一定期間内(通常3ヶ月)に建物を建てることを条件に販売される土地です。
- メリット: 土地と建物をセットで購入できる、建築プランがスムーズ
- デメリット: 建築業者の選択肢がない、自由設計ができない場合がある
自由設計を重視する方は、建築条件なしの土地を選んでください。SUUMOでは建築条件なしの物件を絞り込み検索できます。
(4) インフラ整備状況の確認
購入前に、以下のインフラ整備状況を確認してください。
- 上下水道の整備状況
- 電気・ガスの引き込み状況
- 道路の幅員(接道義務:幅4m以上の道路に2m以上接する必要)
土地購入の流れと費用
いわき市で土地を購入する際の基本的な流れと費用を解説します。
(1) 土地購入の基本的な流れ
- 希望条件の整理: エリア・広さ・予算を整理
- 物件情報の収集: SUUMO(554件掲載)等で検索
- 現地確認: 接道状況・周辺環境・日当たり・地盤状態をチェック
- 重要事項説明: 宅地建物取引士から用途地域・建築制限・設備・契約条件を確認
- 契約: 手付金を支払い、決済・引き渡しに進む
(2) 諸費用の内訳と相場
土地購入時の諸費用は、土地価格の5~10%が目安です。
| 費用項目 | 目安額 |
|---|---|
| 仲介手数料 | 土地価格×3%+6万円+消費税 |
| 登記費用 | 5~10万円 |
| 不動産取得税 | 固定資産税評価額×3%(軽減措置あり) |
| 固定資産税(日割り) | 評価額×1.4%の日割り |
(3) 市有地売却制度の活用
いわき市は市有地を先着順で売却しています。市有地は公的に管理されており、安心して購入できます。
詳細はいわき市の公式サイトで確認してください。
まとめ:いわき市で理想の土地を見つけるために
いわき市の土地相場は、坪単価11.9万円(住宅地14.6万円/坪、商業地21.5万円/坪)が平均です。2024年第1四半期の取引価格は前年比+16.21%上昇しており、需要が安定しています。
人気エリアは泉玉露(静かな住宅地)、いわき駅周辺(通勤便利)、小名浜・鹿島町(生活利便性高い)です。沿岸5地区では空き地バンク制度があり、復興事業で整備された土地も購入可能です。
沿岸部では地盤や津波リスクの確認が必須です。ハザードマップを参照し、専門家(地盤調査会社、宅建士、土地家屋調査士)への相談を推奨します。
用途地域・建築制限・インフラ整備状況を確認し、慎重に検討しましょう。
