住宅ローン審査が通らない驚きの理由【盲点になりやすい7つの原因】

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/26

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住宅ローン審査が通らない理由とは何か?

「年収も勤続年数も問題ないはずなのに、なぜ住宅ローン審査に落ちたのか」と困惑している方はいませんか。事前審査は通ったのに本審査で落ちた、複数の金融機関に申し込んでも通らない、といった経験がある方もいるでしょう。

この記事では、住宅ローン審査で見落としやすい7つの盲点、審査に落ちた時の原因の調べ方、審査に通るための対策を、金融機関の公式情報と専門家の解説に基づき解説します。

住宅ローン審査に不安を感じている方が、事前に確認・対処すべきポイントを理解し、審査通過の可能性を高めるための情報を提供します。

この記事のポイント

  • 住宅ローン審査に落ちる理由は金融機関が教えてくれないため、自分で信用情報を確認する必要がある
  • 携帯電話の分割払い延滞、スーパーホワイト、事前審査後の転職・借入などが意外な落とし穴
  • 信用情報の延滞記録は5~10年間消えず、その間は審査に通りにくい
  • 審査基準は金融機関ごとに異なるため、1社に落ちても別の金融機関で通る可能性がある
  • 事前審査に通っても約6.9%が本審査で落ちるため、ローン特約を必ず付けるべき

住宅ローン審査が通らない理由とは

(1) 事前審査と本審査の違い

住宅ローンの審査は、事前審査(仮審査)本審査の2段階で行われます。

項目 事前審査 本審査
目的 借入可能額の目安を確認 正式な融資可否を決定
提出書類 少ない(源泉徴収票・本人確認書類等) 多い(住民票・印鑑証明・物件資料等)
審査期間 1~3日 1~2週間
審査の厳しさ 簡易的 詳細かつ厳格

事前審査は簡易的な審査であり、本審査でより詳しく確認されます。そのため、事前審査に通っても本審査で落ちる可能性があります。

(2) 審査落ちの割合(事前審査14.3%、本審査6.9%)

国分ハウジングによると、2025年のデータでは、初めて申し込んだ人の14.3%が事前審査で落ち、6.9%が本審査で落ちているとされています。

事前審査に通っても約7%が本審査で落ちることは、決して珍しくありません。

このため、物件購入契約時には、「住宅ローンが借りられなかった場合、売買契約を白紙撤回できる」というローン特約を必ず付けることが重要です。

(3) 審査落ちの理由は教えてもらえない

家売るオンラインによると、ほとんどの金融機関は、個人情報保護のため、審査落ちの詳細な理由を教えてくれません

審査に落ちた場合、自分で原因を特定する必要があります。

最も有効な方法は、信用情報機関に開示請求を行い、自分の信用情報に延滞記録や異動情報(ブラックリスト)が登録されていないか確認することです。

金融機関が重視する一般的な審査基準

(1) 完済時年齢(98.5%の金融機関が重視)

SBI新生銀行によると、金融機関の審査で最も重視されるのは完済時年齢で、98.5%の金融機関が審査項目としています。

一般的な基準:

  • 申込時年齢: 20~65歳
  • 完済時年齢: 80歳未満

2024年時点で、完済時年齢を80歳前後まで引き上げる金融機関が増加しており、以前より借りやすくなっています。

ただし、高齢になるほど返済期間が短くなり、毎月の返済額が増えるため、無理のない返済計画が必要です。

(2) 健康状態(96.6%)と団体信用生命保険(団信)

健康状態も、96.6%の金融機関が審査で重視しています。

これは、**団体信用生命保険(団信)**への加入が必須とされているためです。

団信とは、住宅ローン契約者が死亡・高度障害になった場合に、ローン残高が保険金で返済される保険です。

健康状態に問題があると団信に加入できず、結果として住宅ローンの審査に通らない場合があります。

対策:

  • フラット35など、団信加入が任意のローンを検討する
  • 引受基準緩和型の団信を提供する金融機関を探す

(3) 年収基準(94.0%、会社員は300万円以上)

年収は、94.0%の金融機関が審査で重視しています。

一般的な年収基準:

  • 会社員: 300万円以上
  • 個人事業主: 400万円以上(金融機関により異なる)

ただし、年収が基準を満たしていても、次に説明する返済負担率が高すぎると審査に落ちます。

(4) 返済負担率(年収の30~35%以内)

返済負担率とは、年収に対する年間返済額の割合です。

金融機関の基準は、年収の30~35%以内とされています。

重要な注意点:

返済負担率の計算には、住宅ローン以外のすべてのローン返済額も含まれます。

  • カーローン
  • 教育ローン
  • カードローン
  • クレジットカードのリボ払い
  • クレジットカードのキャッシング枠(利用していなくても計算に含まれる場合がある)

これらを合計した年間返済額が年収の30~35%を超えると、審査に落ちる可能性が高くなります。

(5) 勤続年数(最低1年以上、理想は3年以上)

勤続年数も審査で重視されます。

一般的な基準:

  • 最低: 1年以上
  • 理想: 3年以上

転職したばかりの場合、安定した収入があるか判断できないため、審査に通りにくくなります。

ただし、同業種への転職で年収が上がった場合など、金融機関によっては柔軟に対応してくれる場合もあります。

見落としやすい7つの盲点

(1) 信用情報の延滞記録(携帯電話分割払いも含む)

最も見落としやすい盲点は、携帯電話の本体代金分割払いの延滞です。

リクルートによると、携帯電話の本体代金分割払いはローンとして信用情報に記録されます。

携帯料金の支払いが遅れると、信用情報に延滞記録が残り、住宅ローン審査に悪影響を与えます。

延滞記録の保存期間:

  • 延滞解消後: 5年間
  • 自己破産: 10年間

この期間中は、住宅ローン審査に通りにくくなります。

(2) スーパーホワイト(クレジット履歴がゼロ)

意外に思われるかもしれませんが、クレジットカードやローンの利用履歴が全くない状態(スーパーホワイト)も、審査で不利になります。

リクルートによると、金融機関は信用情報から返済能力を判断するため、返済実績がないと審査で不利になります。

対策:

  • クレジットカードを作り、適切に利用・返済して実績を作る
  • 少額でもよいので、期日通りに返済する習慣をつける

(3) 事前審査と本審査の間の転職・借入

事前審査に通った後、本審査までの間に転職したり、新しいローンを組んだりすると、本審査で落ちる可能性があります。

事前審査と本審査では、勤務先や借入状況が一致しているか確認されます。変更があると、審査が最初からやり直しになったり、審査に落ちたりします。

対策:

  • 事前審査と本審査の間は、転職や新しい借入を避ける
  • やむを得ず変更があった場合は、すぐに金融機関に報告する

(4) クレジットカードのキャッシング枠

クレジットカードのキャッシング枠も、返済負担率の計算に含まれる場合があります。

キャッシング枠を利用していなくても、「いつでも借りられる状態」と見なされ、審査に影響することがあります。

対策:

  • 使っていないクレジットカードのキャッシング枠をゼロにする
  • 不要なクレジットカードは解約する

(5) 他のローン返済(カーローン・教育ローン等)

カーローン、教育ローン、カードローンなどの返済額も、返済負担率の計算に含まれます。

これらのローンがあると、住宅ローンの借入可能額が減ったり、審査に落ちたりする原因になります。

対策:

  • 可能であれば、他のローンを完済してから住宅ローンを申し込む
  • 完済が難しい場合は、返済負担率を計算し、30~35%以内に収まるか確認する

(6) 健康状態の問題(団信に入れない)

前述の通り、健康状態に問題があると団信に加入できず、住宅ローン審査に通らない場合があります。

団信の審査は、告知書に基づいて行われます。過去の病歴や現在の健康状態を正直に申告する必要があります。

対策:

  • 団信加入が任意のフラット35を検討する
  • 引受基準緩和型の団信(ワイド団信)を提供する金融機関を探す

(7) 書類の不備や虚偽記載

書類に不備があったり、虚偽の記載があったりすると、審査に落ちます。

特に、年収や勤務先を偽って申告することは、審査に落ちるだけでなく、詐欺罪に問われる可能性もあります。

対策:

  • 書類は正確に記入し、提出前に必ず確認する
  • 分からない点があれば、金融機関や専門家に相談する

審査に落ちた時の原因の調べ方

(1) 信用情報機関への開示請求(CIC、JICC、KSC)

審査に落ちた原因を調べる最も有効な方法は、信用情報機関に開示請求を行うことです。

日本には3つの信用情報機関があります。

機関名 主な加盟機関 開示方法
CIC クレジットカード会社、信販会社 インターネット、郵送、窓口
JICC 消費者金融、銀行 スマートフォン、郵送、窓口
全国銀行個人信用情報センター(KSC) 銀行、信用金庫 郵送

(出典: モゲチェックCIC

開示請求は、本人確認書類と手数料(500~1,000円程度)があれば、誰でも行えます。

(2) 延滞記録の確認(5~10年間記録される)

信用情報を確認し、以下の記録がないかチェックしましょう。

  • 延滞記録: クレジットカードやローンの支払いが61日以上遅れた記録
  • 異動情報(ブラックリスト): 債務整理、自己破産、代位弁済などの記録
  • 申込記録: 短期間に複数のローンやクレジットカードに申し込んだ記録

これらの記録があると、審査に通りにくくなります。

(3) 返済負担率の計算

自分で返済負担率を計算し、30~35%以内に収まっているか確認しましょう。

計算式:

返済負担率(%)= (住宅ローン年間返済額 + 他のローン年間返済額) ÷ 年収 × 100

:

  • 年収: 500万円
  • 住宅ローン月々返済額: 10万円(年間120万円)
  • カーローン月々返済額: 3万円(年間36万円)
返済負担率 = (120万円 + 36万円) ÷ 500万円 × 100 = 31.2%

この場合、返済負担率は31.2%で、ギリギリ基準内です。

審査に通るための対策

(1) 審査前に信用情報を確認する

住宅ローン申し込み前に、自分の信用情報を確認しておくことを強く推奨します。

延滞記録や異動情報があれば、それが消えるまで待つか、他の対策を検討する必要があります。

(2) 携帯電話・クレジットカードの支払いを期日までに行う

住宅ローン申し込みを検討している場合、携帯電話やクレジットカードの支払いは必ず期日までに行うようにしましょう。

1日でも遅れると、信用情報に記録される可能性があります。

(3) 事前審査と本審査の間に新しいローンを組まない・転職しない

事前審査に通った後、本審査までの間は、転職や新しいローンを組むことを避けることが重要です。

やむを得ず変更があった場合は、すぐに金融機関に報告しましょう。

(4) 返済負担率を30~35%以内に抑える

返済負担率が高すぎると審査に落ちるため、他のローンを完済するか、借入額を減らすことを検討しましょう。

頭金を増やすことで、借入額を減らし、返済負担率を下げることができます。

(5) 複数の金融機関に申し込む(審査基準が異なる)

審査基準は金融機関ごとに異なります。

1社に落ちても、別の金融機関で通る可能性があるため、複数の金融機関に申し込むことを推奨します。

ただし、短期間に多数の金融機関に申し込むと、「申込ブラック」と見なされる可能性があるため、3~5社程度に絞ることが望ましいです。

(6) 団信不要のフラット35を検討する

健康状態に問題がある場合、団信加入が任意のフラット35を検討しましょう。

フラット35は、住宅金融支援機構が提供する全期間固定金利の住宅ローンで、団信加入が必須ではありません。

ただし、団信に加入しない場合、万一の時に家族に返済負担が残るため、別途生命保険に加入するなどの対策が必要です。

まとめ:審査で失敗しないための準備

(1) 事前に信用情報をチェックする

住宅ローン審査に通るためには、事前に信用情報をチェックすることが最も重要です。

信用情報機関(CIC、JICC、KSC)に開示請求を行い、延滞記録や異動情報がないか確認しましょう。

延滞記録があれば、それが消えるまで待つか、他の対策を検討する必要があります。

(2) ローン特約を必ず付ける

事前審査に通っても、約6.9%が本審査で落ちます。

物件購入契約時には、**ローン特約(住宅ローンが借りられなかった場合、売買契約を白紙撤回できる特約)**を必ず付けましょう。

これにより、万一本審査で落ちた場合でも、手付金を返してもらえ、契約を解除できます。

(3) 専門家(住宅ローンアドバイザー・FP)への相談

住宅ローン審査に不安がある場合は、**住宅ローンアドバイザーやファイナンシャルプランナー(FP)**に相談することを推奨します。

専門家は、あなたの状況を分析し、審査に通りやすい金融機関の選び方や、返済計画の立て方をアドバイスしてくれます。

住宅ローン審査は、年収や勤続年数だけでなく、信用情報、他のローン、健康状態など、多くの要素が関わります。

見落としやすい盲点を事前に確認し、適切な対策を取ることで、審査通過の可能性を高めることができます。

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よくある質問

Q1住宅ローン審査に落ちる理由は教えてもらえますか?

A1ほとんどの金融機関は、個人情報保護のため審査落ちの詳細な理由を教えてくれません。審査に落ちた場合、自分で原因を特定する必要があります。最も有効な方法は、信用情報機関(CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センター)に開示請求を行い、自分の信用情報に延滞記録や異動情報(ブラックリスト)が登録されていないか確認することです。開示請求は、本人確認書類と手数料(500~1,000円程度)があれば、誰でも行えます。

Q2スーパーホワイト(クレジット履歴がゼロ)だと審査に不利ですか?

A2はい、不利になります。金融機関は信用情報から返済能力を判断するため、クレジットカードやローンの利用履歴が全くない状態(スーパーホワイト)では、返済実績がないと判断されます。対策としては、クレジットカードを作り、適切に利用・返済して実績を作ることが推奨されます。少額でもよいので、期日通りに返済する習慣をつけることで、信用情報に良好な履歴を残すことができます。

Q3事前審査に通っても本審査で落ちることはありますか?

A3はい、約6.9%が本審査で落ちています。主な原因は以下の通りです。(1)事前審査と本審査の間に転職や新しい借入をした、(2)提出書類に不備があった、(3)健康状態の問題で団体信用生命保険(団信)に入れなかった、(4)事前審査では確認されなかった信用情報の問題が本審査で発覚した、などです。このため、物件購入契約時には「ローン特約」を必ず付け、万一本審査で落ちた場合でも契約を白紙撤回できるようにしておくことが重要です。

Q4携帯電話の分割払いが審査に影響しますか?

A4はい、大きく影響します。携帯電話の本体代金分割払いは、ローンとして信用情報に記録されます。携帯料金の支払いが61日以上遅れると、延滞記録が信用情報に残り、住宅ローン審査に悪影響を与えます。延滞記録は解消後も5年間残るため、その間は住宅ローン審査に通りにくくなります。住宅ローン申し込みを検討している場合、携帯電話の支払いは必ず期日までに行うようにしましょう。

Q5団体信用生命保険(団信)に入れない場合はどうすればよいですか?

A5健康状態の問題で団信に入れない場合、以下の対策があります。(1)フラット35など、団信加入が任意のローンを検討する。フラット35は住宅金融支援機構が提供する全期間固定金利の住宅ローンで、団信加入が必須ではありません。(2)引受基準緩和型の団信(ワイド団信)を提供する金融機関を探す。通常の団信よりも加入基準が緩やかです。ただし、団信に加入しない場合、万一の時に家族に返済負担が残るため、別途生命保険に加入するなどの対策が必要です。

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Room Match編集部

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