住宅ローンが払えなくなった時の対処法【体験談と実践的アドバイス】

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/26

広告

無料査定依頼キャンペーン 【ノムコム】

住宅ローンが払えなくなる理由と現状

住宅ローンの返済が厳しくなってきた、このまま払えなくなったらどうなるのか—そんな不安を抱えている方は少なくありません。

この記事では、住宅ローンが払えなくなった時の対処法、金融機関への相談方法、リスケジュール、任意売却と競売の違い、実際の体験談を解説します。住宅金融支援機構や金融機関の情報を元にしています。

返済困難に直面している方、または将来の返済に不安を感じている方が、適切な行動を取り、最悪の事態を回避できるようになります。

この記事のポイント

  • 住宅ローンの返済が厳しくなったら、滞納する前に金融機関に早めに相談することが最重要
  • リスケジュール(返済条件変更)により、元本返済を最長1年猶予し、利息のみの支払いにできる可能性がある
  • 任意売却は市場価格で売却できるが、競売は市場価格の60〜70%になる。任意売却が可能な期間は通常3〜6ヶ月
  • 滞納3ヶ月で催告書、3〜6ヶ月で期限の利益喪失により一括返済請求、6ヶ月以上で競売となる流れを理解し、早めの対応が必要

住宅ローンが払えなくなる理由と現状

(1) 返済困難の主な原因(収入減少・失業・病気・離婚)

住宅ローンが払えなくなる主な原因は、以下の通りです。

  • 収入減少: 不況による給与カット、ボーナスの削減
  • 失業: リストラ、会社倒産、病気による退職
  • 病気・ケガ: 長期療養により働けなくなる
  • 離婚: 離婚により共働き前提の返済計画が崩れる
  • 支出の増加: 子供の教育費、親の介護費用など

これらの理由により、当初の返済計画通りに返済できなくなるケースがあります。

(2) 返済困難者の実態データ(約3%がリスク管理債権)

住宅金融支援機構によると、リスク管理債権(回収に懸念がある債権)は約3%に達しています。

これは、住宅ローンを借りている人の約30人に1人が返済困難に陥っている可能性があることを示しています。

(3) 2024年の状況(物価上昇・値上げラッシュの影響)

2024年時点では、物価上昇・値上げラッシュにより、住宅ローン返済困難者が増加傾向にあります。

住宅価格の高騰により借入額が増加し、返済負担が重くなるケースも増えています。

返済困難の兆候と早期対応の重要性

(1) 返済困難の兆候(貯金を取り崩して返済)

返済困難の兆候として、以下のような状況が挙げられます。

  • 貯金を取り崩して返済している
  • ボーナスで返済を補填している
  • 他の支払い(クレジットカード、光熱費等)を遅延している
  • 家計が赤字になっている

これらの兆候が見られたら、返済困難に陥る前に対処する必要があります。

(2) 滞納から競売までの流れとタイムライン

住宅ローンを滞納した場合の流れは、以下の通りです。

滞納期間 金融機関の対応
1〜2ヶ月 督促状が届く
3ヶ月 催告書が届く
3〜6ヶ月 期限の利益喪失、一括返済請求
6ヶ月以上 競売の申し立て
10〜12ヶ月後 競売の入札開始

滞納3〜6ヶ月で期限の利益を喪失すると、分割払いの権利を失い、残債の一括返済を求められます。

(3) 早期相談が必要な理由

滞納が長期化すると、金融機関は相談に応じてくれなくなることが多いです。

SUUMOジャーナルによると、金融機関への早めの相談が最重要です。遅くとも滞納3ヶ月目までに連絡すべきとされています。

金融機関への相談とリスケジュールの手続き

(1) 金融機関への相談方法とタイミング

金融機関への相談は、滞納する前に行うことが必須です。

相談時には、以下の情報を準備しましょう。

  • 現在の収入状況(給与明細、源泉徴収票等)
  • 家計の支出内訳(固定費、変動費)
  • 返済困難になった理由(失業、病気等)
  • 今後の見通し(転職予定、治療の見通し等)

(2) リスケジュール(返済条件変更)の仕組み

リスケジュールとは、住宅ローンの返済計画を見直し、返済期間の延長や元本返済の猶予などを行う手続きです。

リスケジュールには審査が必要で、家計状況や収入変動がチェックされます。

(3) 返済期間の延長と金利のみの返済

リスケジュールの主な方法は以下の通りです。

  • 返済期間の延長: 返済期間を延ばし、月々の返済額を減らす
  • 元本返済の猶予: 元本返済を猶予し、金利のみを返済(最長1年)
  • 金利の見直し: 金利の低いローンへの借り換え

ただし、リスケジュールを行うと返済期間が延びるため、返済総額は増加することが多い点に注意が必要です。

(4) 家計の見直しポイント(固定費の削減)

SUUMOジャーナルによると、家計の見直しは固定費(保険料、通信費)を中心に検討すると効果的です。

  • 保険の見直し: 不要な特約の解約、掛け捨て保険への変更
  • 通信費の削減: 格安SIMへの変更、不要なオプションの解約
  • 光熱費の削減: 契約プランの見直し、省エネ対策

任意売却と競売の違いと選択基準

(1) 任意売却のメリット・デメリット

任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になった際、債権者(金融機関)の合意を得て、競売ではなく一般市場で不動産を売却する方法です。

メリット:

  • 市場価格で売却できる
  • 売却後の残債も月1〜2万円程度の分割返済が可能なケースがある
  • 近隣に知られずに売却できる

デメリット:

  • 金融機関の合意が必要
  • 売却期間が限られる(通常3〜6ヶ月)
  • 信用情報に影響がある

(2) 競売のリスク(市場価格の60〜70%)

競売とは、裁判所の手続きにより、債権回収のために不動産を強制的に売却することです。

SUUMOジャーナルによると、競売は市場価格の60〜70%程度になることが多く、売却後の残債も一括返済を求められることが多いです。

滞納開始から約10〜12ヶ月後に競売の入札が始まります。

(3) 任意売却が可能な期間(3〜6ヶ月)

任意売却が可能な期間は通常3〜6ヶ月程度に限られるため、早めの決断が必要です。

期限の利益を喪失した後、競売の申し立てまでの間が任意売却のチャンスです。

(4) リースバック制度の活用

リースバックとは、自宅を売却した後も、賃貸として住み続けられる仕組みです。

住み慣れた場所を離れたくない方や、子供の学校を変えたくない方に選択肢となります。

住宅ローン返済困難時の体験談と解決事例

(1) 給与が上がらず6ヶ月以上滞納したケース

一般社団法人住宅ローン問題解決支援機構によると、以下のような体験談があります。

  • 状況: 給与が期待通り上がらず、貯金で返済を続けた結果、6ヶ月以上の滞納に至った
  • 対応: 銀行からの引き落とし失敗通知で妻が問題を発見し、金融機関に相談
  • 結果: リスケジュールにより返済期間を延長し、月々の返済額を減らした

(2) 任意売却により解決した事例

  • 状況: 収入減少により返済が困難になり、滞納4ヶ月目で任意売却を決断
  • 対応: 不動産会社に相談し、市場価格で売却
  • 結果: 売却後の残債も月1〜2万円程度の分割返済で合意

(3) 体験談から学ぶ教訓

体験談から学べる教訓は以下の通りです。

  • 早めの相談が重要: 滞納する前に金融機関に相談
  • 貯金を取り崩す前に対処: 貯金がなくなると選択肢が狭まる
  • 専門家への相談: ファイナンシャルプランナー、弁護士に相談することで適切な解決策が見つかる

まとめ:返済困難時に取るべき行動

住宅ローンの返済が厳しくなったら、滞納する前に金融機関に早めに相談することが最重要です。リスケジュール(返済条件変更)により、元本返済を最長1年猶予し、利息のみの支払いにできる可能性があります。

任意売却は市場価格で売却できますが、競売は市場価格の60〜70%になります。任意売却が可能な期間は通常3〜6ヶ月のため、早めの決断が必要です。

滞納3ヶ月で催告書、3〜6ヶ月で期限の利益喪失により一括返済請求、6ヶ月以上で競売となる流れを理解し、専門家(ファイナンシャルプランナー、弁護士、宅地建物取引士)に相談しながら、適切な対処法を選びましょう。

広告

無料査定依頼キャンペーン 【ノムコム】

広告

よくある質問

Q1住宅ローンを滞納したらすぐに競売になる?

A1すぐには競売にはなりません。滞納1〜2ヶ月で督促状、滞納3ヶ月で催告書が届きます。滞納3〜6ヶ月で期限の利益を喪失し、残債の一括返済を求められます。滞納6ヶ月以上で競売の申し立て、滞納開始から約10〜12ヶ月後に競売の入札が始まります。滞納が長期化すると金融機関は相談に応じてくれなくなるため、遅くとも滞納3ヶ月目までに連絡すべきです。

Q2リスケジュール(返済条件変更)は誰でも利用できる?

A2リスケジュールには審査が必要で、家計状況や収入変動がチェックされます。長期滞納後は相談に乗ってもらえないことが多いため、滞納する前の相談が必須です。遅くとも滞納3ヶ月目までに連絡すべきとされています。リスケジュールの主な方法は、返済期間の延長、元本返済の猶予(最長1年)、金利の見直しですが、返済期間が延びるため返済総額は増加することが多い点に注意が必要です。

Q3任意売却と競売の違いは?

A3任意売却は、債権者(金融機関)の合意を得て一般市場で不動産を売却する方法で、市場価格で売却でき、売却後の残債も月1〜2万円程度の分割返済が可能なケースがあります。競売は裁判所の手続きにより強制的に売却され、市場価格の60〜70%程度になることが多く、売却後の残債も一括返済を求められることが多いです。任意売却が可能な期間は通常3〜6ヶ月のため、早めの決断が必要です。

Q4滞納するとブラックリストに載る?

A4滞納3〜6ヶ月後に信用情報機関に金融事故情報が記録されます。この記録は通常5〜10年間残り、その間は新規のローンやクレジットカードの審査が通りにくくなります。リスケジュールを行う場合は、通常はブラックリスト登録されませんが、返済総額は増加することが多いです。早めに金融機関に相談し、滞納を避けることが重要です。

Q5絶対に避けるべき対処法は?

A5消費者金融からの借入やクレジットカードのキャッシングで住宅ローンを返済するのは絶対に避けるべきです。高金利の借入により多重債務に陥り、状況がさらに悪化します。返済が厳しくなったら、滞納する前に金融機関や専門家(ファイナンシャルプランナー、弁護士)に早めに相談することが重要です。公的な相談窓口(法テラス、住宅金融支援機構)も活用しましょう。

R

Room Match編集部

Room Matchは、不動産の購入・売却・賃貸に関する実践的な情報を提供するメディアです。住宅ローン、物件選び、不動産会社の選び方など、実務担当者に役立つ情報を分かりやすく解説しています。

関連記事