住宅ローン月々10万円がきつい|負担を減らす方法と対処法

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/26

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住宅ローン月々10万円の返済は本当にきつい?

住宅ローンを組んで月々10万円の返済をしている方の中には、「毎月の返済が家計を圧迫している」「この負担は一般的にきついのか」と不安を感じている方が多いのではないでしょうか。

この記事では、月々10万円の返済が負担になる理由、適正な返済額の目安、借り換えや返済計画の見直しで負担を軽減する方法を、金融機関の公式情報に基づき解説します。

返済に悩んでいる方が、具体的な対処法を理解し、無理のない返済計画を立てられるようサポートします。

この記事のポイント

  • 月々10万円の返済が適正なのは世帯年収550万~700万円程度
  • 返済比率は手取り収入の20~25%が理想、30%を超えると危険
  • 借り換えで金利を下げられれば、総返済額を数百万円削減できる可能性がある
  • 返済期間延長やボーナス払い見直しで毎月の負担を減らせる
  • 返済が苦しい時は早めに金融機関やファイナンシャルプランナーに相談すべき

住宅ローン月々10万円がきつい理由

(1) 借入可能額と実際の返済能力のギャップ

住宅ローンの返済が苦しくなる最大の理由は、**「借りられる金額≠返せる金額」**というギャップです。

SUUMOによると、年収500万円の場合、金融機関の融資可能額は約4,527万円に達します。しかし、この金額をフルに借りると、月々の返済額は約14.6万円にもなります。

金融機関は「返済比率30~35%」を基準に融資可能額を算出しますが、この比率は額面年収ベースです。実際には税金や社会保険料を差し引いた手取り収入で生活するため、額面年収の30%という基準は、生活実感としては非常に高い負担になります。

「借りられる金額を借りてしまったが、実際に返すのが苦しい」という状況は、決して珍しくありません。

(2) 住宅の維持費(固定資産税・修繕費)

住宅ローンの返済額だけでなく、住宅の維持費も家計を圧迫する要因です。

主な維持費には以下があります。

項目 目安額(年間)
固定資産税 10万~30万円
火災保険 2万~5万円
修繕費(戸建て) 10万~50万円
管理費・修繕積立金(マンション) 24万~60万円(月2万~5万円)
合計 10万~80万円

(出典: SUUMO

月々10万円の返済に加え、維持費が年間10万~80万円かかると、実質的な住宅関連支出は月々11万~17万円に達します。

これらの維持費は、住宅ローンを組む際に見落とされがちですが、返済計画を立てる際には必ず考慮すべきです。

(3) 共働きの場合の収入減リスク

共働き世帯で住宅ローンを組んでいる場合、片方の収入が減るリスクにも注意が必要です。

出産・育児、病気、転職などで片方の収入が一時的に減少したり、完全に途絶えたりすると、返済が困難になる可能性があります。

共働きを前提に住宅ローンを組む際は、「片方の収入が減っても返済できるか」を事前にシミュレーションしておくことが重要です。

返済比率から見る適正な返済額

(1) 返済比率(返済負担率)とは

返済比率(返済負担率)とは、年収に対する年間返済額の割合を示す指標です。

計算式は以下の通りです。

返済比率(%)= 年間返済額 ÷ 年収 × 100

例えば、年収600万円で月々10万円(年間120万円)を返済している場合、返済比率は20%です。

(2) 金融機関の基準(30~35%)と理想の目安(手取り20~25%)

みずほ銀行によると、金融機関の審査基準は**返済比率30~35%**です。

しかし、この基準は額面年収をベースにしており、実際の生活費は手取り収入から支払います。

理想的な返済比率は、**手取り収入の20~25%**とされています。手取り収入は額面年収の約75~80%程度のため、額面年収ベースでは15~20%が目安になります。

基準 返済比率 生活への影響
金融機関の審査基準 30~35%(額面) 生活が苦しくなる可能性
理想的な目安 20~25%(手取り) 無理なく返済できる
危険ライン 30%以上(手取り) 生活が圧迫される

(出典: みずほ銀行

(3) 月々10万円が適正な世帯年収(550万~700万円)

月々10万円の返済が適正な世帯年収の目安は、**手取り収入の20~25%**を基準に計算できます。

月々10万円(年間120万円)を返済する場合の適正年収は以下の通りです。

返済比率 必要な手取り年収 額面年収の目安
手取り20% 600万円 約750万円
手取り25% 480万円 約600万円

実際には、手取り年収440万~600万円(額面年収550万~750万円)程度が目安になります。

世帯年収がこの範囲より低い場合、月々10万円の返済は家計を圧迫する可能性が高いと言えます。

(4) 他の借入も含めた計算方法

返済比率を計算する際は、住宅ローン以外の借入(車のローン、教育ローン、カードローン等)も含めて計算する必要があります。

例えば、住宅ローン月10万円+車ローン月3万円の場合、合計月13万円(年間156万円)が返済額になります。

手取り年収500万円の場合、返済比率は31.2%となり、危険ラインに達します。

他の借入がある場合は、住宅ローンと合わせて返済比率を確認しましょう。

借り換えで返済負担を軽減する方法

(1) 借り換えのメリット条件(金利差1%以上、残債1,000万円以上等)

住宅ローンの借り換えとは、現在の住宅ローンを別の金融機関のローンに変更することです。

HOME4Uによると、借り換えでメリットが出る条件は以下の通りです。

  • 金利差1%以上
  • 残債1,000万円以上
  • 残期間10年以上

これらの条件を満たす場合、借り換えによる利息削減効果が借り換え費用を上回り、総返済額を減らせる可能性があります。

(2) 2024年の金利動向(日銀のマイナス金利解除)

2024年3月、日銀がマイナス金利政策を解除しました。これは17年ぶりの利上げです。

さらに2024年10月には追加利上げが実施され、住宅ローン金利は約0.15%上昇しました。

2024年10月時点の金利水準は以下の通りです。

  • 変動金利: 0.4%台
  • 10年固定金利: 1.6%~2.1%台

(出典: HOME4U

変動金利で借りている場合、今後さらに金利が上昇するリスクがあります。固定金利への借り換えも選択肢の一つです。

(3) 借り換え費用とシミュレーション

借り換えには、30万~100万円程度の費用がかかります。

主な費用は以下の通りです。

項目 目安額
事務手数料 借入額の2%(30万~60万円)
保証料 0円~50万円(金融機関による)
登記費用 10万~20万円
印紙税 2万円
合計 30万~100万円

シミュレーション例:

  • 残債3,000万円、残期間25年
  • 現在の金利1.5%→借り換え後0.5%(金利差1%)
  • 月々返済額: 12万円→10.7万円(約1.3万円削減)
  • 総返済額削減: 約400万円
  • 借り換え費用: 約70万円
  • 実質削減額: 約330万円

このように、条件が合えば借り換えで数百万円の削減が可能です。

(4) 変動金利と固定金利の選び方

変動金利と固定金利のどちらを選ぶかは、今後の金利動向の予測と、リスク許容度によります。

金利タイプ メリット デメリット
変動金利 金利が低い(0.4%台) 金利上昇リスクがある
固定金利 金利が変わらず安心 金利が高い(1.6%~2.1%台)

2024年以降、日銀の金融政策が転換期を迎えているため、変動金利の上昇リスクを懸念する場合は、固定金利への借り換えを検討する価値があります。

詳細は金融機関やファイナンシャルプランナーへの相談を推奨します。

返済期間延長・返済計画の見直し

(1) 金融機関への相談方法

返済が苦しい時は、早めに借入先の金融機関に相談することが重要です。

HOME4Uによると、金融機関に相談することで、以下のような対応が可能です。

  • 返済期間の延長
  • ボーナス払いの見直し
  • 一時的な返済猶予(リスケジュール)

金融機関は、返済が滞る前に相談すれば、柔軟に対応してくれる場合が多いです。逆に、滞納が続いてから相談すると、選択肢が限られてしまいます。

(2) 返済期間延長のメリットとデメリット

返済期間を延長することで、毎月の返済額を減らすことができます。

メリット:

  • 毎月の返済額が減り、家計の負担が軽減される

デメリット:

  • 返済期間が長くなる分、総返済額(利息)が増える
  • 金融機関の審査が必要で、必ず承認されるとは限らない

例えば、残債2,000万円、残期間20年、金利1%のローンを25年に延長した場合、月々返済額は約9.2万円→約7.5万円に減りますが、総返済額は約40万円増加します。

短期的な負担軽減と、長期的なコスト増加のトレードオフを理解した上で判断しましょう。

(3) ボーナス払いの見直し

ボーナス払いを設定している場合、ボーナス払いの減額や廃止も選択肢の一つです。

ボーナスは企業業績に左右されるため、安定した返済計画を立てるには、ボーナス払いに頼らない方が安全です。

ボーナス払いを毎月払いに変更することで、返済計画が安定し、家計管理がしやすくなります。

(4) 返済方法の変更(元利均等・元金均等)

住宅ローンの返済方法には、元利均等返済元金均等返済の2種類があります。

返済方法 特徴
元利均等返済 毎月の返済額(元金+利息)が一定。返済計画が立てやすい
元金均等返済 毎月の元金返済額が一定で、利息が徐々に減る。総返済額は少ないが、当初の返済額が高い

(出典: みずほ銀行

元金均等返済から元利均等返済に変更することで、当初の返済額を抑えることができます。ただし、総返済額は増える点に注意が必要です。

その他の対処法と家計見直しのポイント

(1) 家計簿をつけて支出を見直す

返済負担を軽減するには、家計全体の見直しも重要です。

HOME4Uによると、家計簿をつけて支出を可視化することで、無駄な支出を削減できます。

主な見直しポイント:

  • 通信費: 格安SIMへの乗り換えで月5,000円削減
  • 保険: 不要な保険を解約し、月3,000円削減
  • サブスクリプション: 使っていないサービスを解約し、月2,000円削減
  • 光熱費: 節電・節水で月3,000円削減

これらを合計すると、月1万~2万円の削減が可能です。

(2) 繰り上げ返済(期間短縮型・返済額軽減型)

余裕がある時には、繰り上げ返済を活用することで、利息を削減できます。

繰り上げ返済には2種類あります。

種類 効果
期間短縮型 返済期間を短縮。利息軽減効果が高い
返済額軽減型 毎月の返済額を減らす。毎月の負担を軽減

(出典: みずほ銀行

返済が苦しい場合は、返済額軽減型を選ぶことで、毎月の負担を減らせます。

ただし、繰り上げ返済は手元資金を減らすため、緊急時の備えも確保した上で実施しましょう。

(3) やってはいけないNG行為(滞納放置等)

返済が苦しい時に絶対にやってはいけないNG行為があります。

  • 滞納を放置する: 滞納が続くと競売にかけられ、家を失う可能性がある
  • 消費者金融から借りる: 高金利の借入で状況が悪化する
  • 金融機関に相談せず任意売却を決める: 早めの相談で他の選択肢が見つかる場合がある

返済が苦しい時ほど、早めに専門家に相談することが重要です。

まとめ:返済困難時の相談先と次のアクション

(1) 早めに金融機関に相談する

住宅ローンの返済が苦しい時は、早めに借入先の金融機関に相談することが最も重要です。

滞納が発生する前に相談すれば、返済期間の延長、ボーナス払いの見直し、一時的な返済猶予など、柔軟な対応が期待できます。

相談を先延ばしにすると、選択肢が狭まり、最悪の場合、競売で家を失うリスクもあります。

(2) ファイナンシャルプランナーへの相談

金融機関だけでなく、ファイナンシャルプランナー(FP)や住宅ローンアドバイザーへの相談も有効です。

FPは家計全体を見直し、住宅ローン返済だけでなく、生活費の削減、資産運用、保険の見直しなど、総合的なアドバイスを提供してくれます。

中立的な立場から、借り換え、返済計画の見直し、家計改善の具体策を提案してもらえます。

(3) 最悪の場合の選択肢(任意売却等)

どうしても返済が困難な場合は、任意売却も選択肢の一つです。

任意売却とは、競売にかけられる前に、金融機関の合意を得て不動産を売却する方法です。競売よりも高値で売却できる可能性があり、残債の処理もスムーズに進みやすいです。

ただし、任意売却は最終手段です。まずは金融機関やFPに相談し、返済継続の可能性を探ることを強く推奨します。

住宅ローンの返済は長期にわたる大きな負担ですが、適切な対処法を知り、早めに行動することで、無理のない返済計画を立てることができます。

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よくある質問

Q1月々10万円の住宅ローン返済は一般的にきついですか?

A1月々10万円の返済が適正なのは、世帯年収550万~700万円程度が目安です。返済比率は手取り収入の20~25%が理想とされており、30%を超えると生活が苦しくなる可能性があります。世帯年収がこの範囲より低い場合、月々10万円の返済は家計を圧迫する可能性が高いと言えます。また、住宅ローン以外に固定資産税や修繕費などの維持費が年間10万~80万円かかるため、実質的な住宅関連支出はさらに増えます。

Q2借り換えでどれくらい返済額が減りますか?

A2借り換えのメリットは、金利差、残債、残期間によって異なります。例えば、金利差1%、残債3,000万円、残期間25年の場合、月々の返済額は約1.3万円削減され、総返済額で約400万円の削減が可能です。ただし、借り換えには事務手数料、保証料、登記費用等で30万~100万円程度の費用がかかるため、実質的な削減額は約330万円となります。借り換えのメリットが出る条件は、金利差1%以上、残債1,000万円以上、残期間10年以上が目安です。

Q3返済期間延長のデメリットは何ですか?

A3返済期間を延長すると、毎月の返済額は減りますが、返済期間が長くなる分、総返済額(利息)が増えます。例えば、残債2,000万円、残期間20年、金利1%のローンを25年に延長した場合、月々返済額は約9.2万円から約7.5万円に減りますが、総返済額は約40万円増加します。また、金融機関の審査が必要で、必ず承認されるとは限りません。短期的な負担軽減と、長期的なコスト増加のトレードオフを理解した上で判断する必要があります。

Q4住宅ローン返済が困難な時はどこに相談すればよいですか?

A4まずは借入先の金融機関に早めに相談することが最も重要です。滞納が発生する前に相談すれば、返済期間の延長、ボーナス払いの見直し、一時的な返済猶予など、柔軟な対応が期待できます。また、ファイナンシャルプランナー(FP)や住宅ローンアドバイザーへの相談も有効です。FPは家計全体を見直し、総合的なアドバイスを提供してくれます。どうしても返済が困難な場合は、任意売却も選択肢の一つですが、まずは返済継続の可能性を探ることを推奨します。

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Room Match編集部

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