住宅購入の諸費用が払えない時の対処法|資金計画の見直しと解決策

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/10

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住宅購入の諸費用が払えない不安を抱えている方へ

住宅ローンの審査は通ったものの、「諸費用の準備資金が足りない」「手付金や登記費用が予想より高額で資金計画が狂った」といった不安を抱える方は少なくありません。

この記事では、住宅購入時の諸費用の内訳と目安、諸費用が払えない原因、具体的な対処法(住宅ローン組み込み、諸費用ローン、費用削減の工夫)を、国土交通省HOME4Uなどの公式情報を元に解説します。

資金不足に直面している方でも、適切な対処法を理解し、無理のない資金計画を立てられるようになります。

この記事のポイント

  • 住宅購入の諸費用は物件価格の5〜10%が目安(新築3〜6%、中古6〜9%、注文住宅10〜12%)
  • 諸費用を住宅ローンに組み込める金融機関が増えており、ネット銀行は対応範囲が広い傾向
  • 手付金(物件価格の5〜10%)は売買契約時に現金で必要で、ローン対象外の場合が多い
  • オーバーローンは審査が厳しくなり、売却時に残債が発生するリスクがあるため慎重な判断が必要
  • 手元資金をすべて使い切ると緊急時に対応できないため、最低3〜6ヶ月分の生活費は残すべき

1. 住宅購入の諸費用が払えない状況とは?

(1) 住宅ローン審査は通ったが諸費用が足りない

住宅ローンの審査に通っても、諸費用(登記費用、仲介手数料、火災保険料等)の準備資金が不足しているケースは珍しくありません。

住宅ローンは物件価格をカバーしますが、諸費用は原則として現金で支払う必要があるため、資金計画の段階で見落とすと、契約直前で資金ショートに陥ることがあります。

(2) 諸費用が予想より高額で資金計画が狂った

諸費用の見積もりが甘かったケースも多いです。特に注文住宅では、土地購入費・建築費に加えて、つなぎ融資の利息や地盤改良費など、当初の見積もりにない費用が発生することがあります。

予想外の出費により、諸費用の支払いが困難になる状況に直面することがあります。

2. 諸費用の内訳と金額の目安

(1) 新築・中古・注文住宅の諸費用目安

SUUMOによると、住宅購入時の諸費用は以下の目安です。

物件タイプ 諸費用の目安(物件価格比) 3,000万円の場合
新築住宅 3〜6% 90〜180万円
中古住宅 6〜9% 180〜270万円
注文住宅 10〜12% 300〜360万円

注文住宅は、土地購入費と建築費の両方に対して諸費用がかかるため、他の物件タイプより高額になる傾向があります。

(2) 諸費用の主な内訳(登記費用・仲介手数料・税金等)

住宅購入時の諸費用の主な内訳は以下の通りです。

  • 仲介手数料: 物件価格の3%+6万円+消費税(中古物件の場合)
  • 登記費用: 所有権移転登記・抵当権設定登記の費用(司法書士報酬含む)
  • 印紙税: 売買契約書・住宅ローン契約書に貼付する印紙代
  • 住宅ローン事務手数料: 定額型(数万円)または定率型(借入額の2.2%程度)
  • 火災保険料: 10年一括払いで20〜30万円程度
  • 不動産取得税: 固定資産税評価額の3%(軽減措置あり)

これらの費用は、物件価格とは別に現金で支払う必要があります。

(3) 手付金は現金で準備が必須

手付金は、売買契約時に買主が売主に支払う代金の一部で、物件価格の5〜10%が相場です。3,000万円の物件であれば、150〜300万円が必要です。

HOME'Sによると、手付金は住宅ローンの実行前に支払うため、原則として現金で準備する必要があります。諸費用ローンを利用しても、手付金はローン対象外の場合が多いため注意が必要です。

3. 諸費用が払えない原因と資金不足のパターン

(1) 頭金に資金を使い切って諸費用が残らなかった

頭金(物件価格の一部を自己資金で支払う金額)に手元資金を使い切ってしまい、諸費用が残らなくなるケースがあります。

頭金を多く入れるほど住宅ローンの借入額を減らせますが、諸費用や引越し費用、緊急時の生活費まで考慮した資金計画が必要です。

(2) 諸費用の見積もりが甘かった

諸費用の見積もりを正確に把握していなかったケースも多いです。特に初めての住宅購入では、どの費用がいくらかかるのか分かりにくく、「物件価格さえ用意すればよい」と誤解することがあります。

不動産会社や金融機関に事前に諸費用の内訳と金額を確認し、余裕を持った資金計画を立てることが重要です。

(3) 注文住宅特有の追加費用で資金ショート

注文住宅では、土地購入・建築工事・外構工事など、複数回に分けて支払いが発生します。また、地盤改良費や追加工事費など、当初の見積もりにない費用が発生することもあります。

アットホームによると、注文住宅は予算管理が難しく、資金ショートに陥りやすいため、つなぎ融資の活用や資金計画の定期的な見直しが必要です。

4. 諸費用を払えない時の対処法

(1) 住宅ローンに諸費用を組み込む方法

近年、諸費用を住宅ローンに組み込める金融機関が増えています。これにより、諸費用を含めた全体の資金を住宅ローンでカバーできます。

HOME'Sによると、ネット銀行(auじぶん銀行、住信SBIネット銀行等)は諸費用の対応範囲が広く、引越し費用まで対象にできる場合もあります。

ただし、借入総額が増えるため、月々の返済額も増加します。また、審査が厳しくなる傾向があります。

(2) 諸費用ローンを利用する

住宅ローンとは別に、諸費用を借りる「諸費用ローン」を利用する方法もあります。

  • メリット: 住宅ローンとは別枠で借りられる
  • デメリット: 住宅ローンより金利が高い(3〜5%程度)

諸費用ローンは、住宅ローンへの組み込みができない場合の選択肢ですが、金利が高いため、返済負担を慎重に検討する必要があります。

(3) つなぎ融資の活用(注文住宅の場合)

注文住宅では、住宅ローン実行前に土地購入費や建築費の一部を支払う必要があります。この資金を一時的に借りるのが「つなぎ融資」です。

つなぎ融資は、住宅ローン実行時に返済する仕組みで、金利は年3〜4%程度です。注文住宅で資金繰りに困った場合の有効な選択肢です。

(4) 金融機関の変更・再交渉

諸費用込みのローンに対応していない金融機関の場合、他の金融機関に変更することで問題が解決する場合があります。

ダイヤモンド不動産研究所によると、金融機関により諸費用の融資対象範囲が異なるため、複数の金融機関で比較検討することが重要です。

また、現在の金融機関に諸費用込みローンへの変更を相談してみるのも一つの方法です。

(5) 購入時期の延期と貯蓄計画の見直し

どうしても資金が足りない場合は、購入時期を延期して貯蓄を増やすことも検討すべきです。

無理に購入を進めると、住宅ローンの返済が苦しくなったり、緊急時の生活費が不足したりするリスクがあります。数ヶ月〜1年程度延期して、諸費用を現金で用意できるまで貯蓄を続けることも賢明な選択です。

5. 諸費用を抑える工夫とリスク管理

(1) 諸費用を削減する方法(ローン手数料・保険等)

諸費用を削減する方法もいくつかあります。

  • 住宅ローン事務手数料の削減: 定率型(借入額の2.2%)ではなく定額型(数万円)を選ぶ
  • 火災保険の見直し: 複数社見積もりで10〜20%削減可能
  • 登記手続きの自己対応: 司法書士費用(5〜10万円)を節約(ただし専門知識が必要)
  • 仲介手数料の値引き交渉: 不動産会社によっては交渉可能

これらの工夫により、数十万円の諸費用削減が可能な場合があります。

(2) オーバーローンのリスクと注意点

物件価格を超えて諸費用も含めて住宅ローンを組むことを「オーバーローン」と言います。

オーバーローンには以下のリスクがあります。

  • 売却時の残債リスク: 物件を売却しても住宅ローンが残る可能性がある
  • 金利上昇リスク: 借入総額が大きいほど、金利上昇時の返済負担が重くなる
  • 審査が厳しい: 年収や雇用形態によっては審査に通らない場合がある

将来の資金計画やライフプランも考慮し、慎重に判断する必要があります。

(3) 緊急資金を残すべき理由

手元資金をすべて住宅購入に使い切ると、以下のリスクがあります。

  • 緊急時の医療費・修繕費に対応できない
  • 失業や収入減少時の生活費が不足する
  • 子どもの教育費など突発的な出費に備えられない

最低でも3〜6ヶ月分の生活費は緊急資金として残しておくことを推奨します。

6. まとめ:資金計画の見直しと次のアクション

(1) 諸費用対応の選択肢を整理

住宅購入の諸費用が払えない場合の対処法を整理すると、以下の選択肢があります。

  • 住宅ローンへの組み込み: 金利が低く、返済負担を抑えられる(ネット銀行は対応範囲が広い)
  • 諸費用ローン: 住宅ローンとは別枠で借りられるが、金利が高い(3〜5%程度)
  • つなぎ融資: 注文住宅で有効。住宅ローン実行前の資金を一時的に借りる
  • 金融機関の変更: 諸費用対応の金融機関に切り替える
  • 購入時期の延期: 貯蓄を増やして現金で諸費用を用意する

それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分の状況に合った方法を選ぶことが重要です。

(2) 専門家への相談が重要

資金計画に不安がある場合は、以下の専門家への相談を推奨します。

  • FP(ファイナンシャルプランナー): 資金計画全般のアドバイス
  • 金融機関の住宅ローン担当者: 諸費用込みローンの可否と条件の確認
  • 不動産会社: 諸費用の詳細見積もりと支払い時期の調整
  • 税理士: 住宅ローン控除や税制優遇の活用方法

住宅購入は人生で最も大きな買い物の一つです。専門家のアドバイスを受けながら、無理のない資金計画を立てて、安心して住宅を購入しましょう。

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よくある質問

Q1住宅購入の諸費用はいくら必要ですか?

A1新築住宅で物件価格の3〜6%、中古住宅で6〜9%、注文住宅で10〜12%が目安です。3,000万円の住宅であれば、約90〜360万円が必要です。諸費用には登記費用、印紙税、仲介手数料、住宅ローン事務手数料、火災保険料、不動産取得税などが含まれます。物件タイプや地域により金額が異なるため、不動産会社や金融機関に事前に確認しましょう。

Q2諸費用を住宅ローンに組み込めるのですか?

A2金融機関によって可能です。近年、諸費用を住宅ローンに組み込める金融機関が増えており、ネット銀行(auじぶん銀行、住信SBIネット銀行等)は対応範囲が広い傾向にあります。ただし、借入総額が増えるため月々の返済額も増加し、審査が厳しくなる傾向があります。金融機関により融資対象範囲が異なるため、複数社で比較検討することが重要です。

Q3諸費用ローンと住宅ローン組み込みはどちらが有利ですか?

A3一般的には、住宅ローンへの組み込みの方が金利が低く有利です。諸費用ローンは住宅ローンとは別枠で借りられますが、金利が3〜5%程度と住宅ローンより高く設定されることが多いです。ただし、住宅ローンへの組み込みができない場合や審査が通らない場合は、諸費用ローンが選択肢になります。返済負担を慎重に比較検討しましょう。

Q4手付金も諸費用ローンで払えますか?

A4手付金は売買契約時に現金で必要なことが多く、ローン対象外の場合が大半です。手付金は物件価格の5〜10%が相場で、3,000万円の物件であれば150〜300万円を現金で準備する必要があります。住宅ローンの実行前に支払うため、諸費用ローンを利用しても手付金は別途現金で用意することが原則です。

Q5オーバーローンにはどんなリスクがありますか?

A5オーバーローン(物件価格を超えて諸費用も含めて住宅ローンを組むこと)には以下のリスクがあります。1) 売却時に残債が発生するリスク、2) 借入総額が大きいため金利上昇時の返済負担が重くなる、3) 審査が厳しくなり、年収や雇用形態によっては審査に通らない場合がある。将来の資金計画やライフプランも考慮し、慎重に判断することが必要です。

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Room Match編集部

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