東広島市の土地市場:エリア特性と住環境の魅力
広島県東広島市で土地の購入や売却を検討する際、「相場はいくらなのか」「どのエリアが良いのか」と悩む方は少なくありません。
この記事では、東広島市の土地相場、エリア特性、購入前に確認すべき事項を、国土交通省の土地総合情報システムや東広島市の公式情報を元に解説します。
土地購入・売却の基本情報を理解することで、理想の土地を見つけたり、適正価格で売却できるようになります。
この記事のポイント
- 東広島市の土地相場は全体平均で坪単価14.5万円、エリアにより2万円〜20万円超まで幅広い
- 西条町(JR西条駅周辺)は商業施設・学校が充実、黒瀬町は割安な相場で自然豊か
- 用途地域、建ぺい率・容積率は東広島市の地図情報システム「ひがしひろしまっぷ」で事前確認可能
- 建築条件付き土地は施工会社が指定される、建築条件なし土地は自由に選べる
- 接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接する)や災害リスクの確認が必須
(1) 東広島市の特徴(広島大学キャンパス、酒蔵の街、交通利便性)
東広島市は広島県の瀬戸内海側に位置する中核市で、以下の特徴があります。
- 広島大学のキャンパス: 学生が多く、文教都市としての側面を持つ
- 酒蔵の街: 西条町は日本三大銘醸地の一つで、伝統文化が根付く
- 交通利便性: JR山陽本線で広島市中心部まで約30分、山陽自動車道のICもあり広島空港へのアクセスも良好
これらの特徴により、東広島市は住宅地としても産業拠点としても魅力があります。
(2) 地価動向(横ばい傾向、中心部は上昇)
国土交通省の不動産情報ライブラリによると、2024年の公示地価では、広島県内の中核市(東広島市含む)は横ばい傾向で、下落幅は小幅にとどまっています。
特に西条町の中心部など利便性が高いエリアでは、地価が上昇している地点もあります。全体としては安定した地価水準を保っていると言えます。
東広島市の土地相場:坪単価14.5万円の内訳とエリア別価格
東広島市の土地相場を理解するには、全体平均だけでなくエリア別の価格差を把握することが重要です。
(1) 全体平均:坪単価14.5万円
SUUMOの調査によると、東広島市全体の坪単価は14.5万円が平均です。ただし、この数値はあくまで全体の平均であり、エリアや立地条件により大きく異なります。
(2) エリア別相場(黒瀬町2.1〜4.44万円、西条町中心部は高額)
エリア別の相場は以下の通りです。
| エリア | 坪単価の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 西条町中心部 | 15〜25万円以上 | JR西条駅周辺、商業施設・学校が充実 |
| 黒瀬町 | 2.1〜4.44万円 | 割安な相場、自然豊かな住環境 |
| 志和町 | 5〜10万円 | 住宅地として人気、利便性と価格のバランスが良い |
黒瀬町は割安な相場で広い土地を確保できるため、注文住宅を建てたい方に人気があります。一方、西条町中心部は利便性が高く、駅近の土地は高額になる傾向があります。
(3) 公示地価と実際の取引価格の確認方法
国土交通省の土地総合情報システムでは、東広島市の公示地価や実際の土地取引価格を検索できます。
公示地価は国が毎年3月に公表する標準地の1月1日時点の価格で、土地取引の指標となります。実際の取引価格は公示地価より高い場合も低い場合もあるため、両方を参考にしましょう。
土地購入前に必ず確認すべき事項:用途地域・建ぺい率・容積率
土地を購入する際は、価格や立地だけでなく、建築に関する法的制限を事前に確認することが重要です。
(1) 用途地域の種類と建築制限(13種類の区分)
用途地域とは、都市計画法に基づき土地の用途を定めた地域区分です。13種類の用途地域があり、それぞれ建築できる建物の種類や規模が制限されます。
例えば、第一種低層住居専用地域では住宅や小規模な店舗しか建てられませんが、商業地域では大規模な商業施設も建築可能です。
購入予定の土地がどの用途地域に属するかを確認し、希望する建物を建てられるかを事前にチェックしましょう。
(2) 建ぺい率・容積率とは(建築可能な建物規模の制限)
建ぺい率は敷地面積に対する建築面積の割合の上限、容積率は敷地面積に対する延べ床面積の割合の上限です。
例えば、100坪の土地で建ぺい率60%、容積率200%の場合:
- 建築面積の上限:100坪 × 60% = 60坪
- 延べ床面積の上限:100坪 × 200% = 200坪
用途地域により建ぺい率は30%〜80%、容積率は50%〜1300%の範囲で定められます。土地の広さだけでなく、建ぺい率・容積率も考慮して購入を検討しましょう。
(3) ひがしひろしまっぷで事前確認する方法
東広島市の地図情報システム「ひがしひろしまっぷ」では、用途地域、建ぺい率、容積率をオンラインで確認できます。
土地の住所を入力すると、その土地の都市計画情報が地図上に表示されます。購入前に必ず確認しておきましょう。
(4) 災害リスクの確認(ハザードマップ活用)
土地購入時には災害リスクの確認も欠かせません。東広島市のハザードマップで、土砂災害や洪水のリスクが低いエリアを選ぶことが重要です。
安価な土地は災害リスクが高い、地盤が弱い等の理由がある可能性があるため、専門家による地盤調査を推奨します。
東広島市で人気のエリア:西条町・黒瀬町・志和町の特徴
東広島市内で土地を探す際、エリアごとの特徴を理解することで、ライフスタイルに合った土地を見つけやすくなります。
(1) 西条町(JR西条駅周辺、商業施設・学校が充実)
西条町は東広島市の中心部で、JR西条駅周辺は商業施設、学校、病院が充実しています。酒蔵の街としても有名で、歴史と文化が根付くエリアです。
利便性が高いため坪単価は15〜25万円以上と高めですが、駅近で生活利便性を重視する方に人気があります。
(2) 黒瀬町(割安な相場、自然豊かな住環境)
黒瀬町は坪単価2.1〜4.44万円と割安で、広い土地を確保したい方に適しています。自然豊かな住環境で、注文住宅を建てたいファミリー層に人気です。
中心部へのアクセスはやや劣りますが、静かな環境を求める方には理想的なエリアです。
(3) 志和町(その他人気エリア)
志和町は住宅地として人気があり、利便性と価格のバランスが良いエリアです。坪単価は5〜10万円が目安で、ファミリー層が住みやすい環境が整っています。
土地購入・売却の流れと注意点
土地の購入や売却には、いくつかの重要なステップと注意点があります。
(1) 土地購入の流れ(物件探し→現地確認→契約→決済)
土地購入の基本的な流れは以下の通りです。
- 物件探し: 不動産ポータルサイト、不動産会社で希望条件に合う土地を探す
- 現地確認: 実際に現地を訪れ、周辺環境、日当たり、接道状況を確認
- 重要事項説明: 宅地建物取引士から用途地域、建築制限等の説明を受ける
- 売買契約: 契約書に署名・捺印し、手付金を支払う
- 決済・引き渡し: 残金を支払い、所有権移転登記を行う
(2) 建築条件付き土地と建築条件なし土地の違い
建築条件付き土地は、土地売買契約後、一定期間内(通常3ヶ月)に売主指定の施工会社と建築請負契約を結ぶことが条件の土地です。
建築条件なし土地は、好みのハウスメーカーや工務店を自由に選べます。建築の自由度を重視する方は、建築条件なし土地を選びましょう。
(3) 接道義務の確認(幅員4m以上の道路に2m以上接する)
建築基準法により、建築物の敷地は幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならないという接道義務があります。
接道義務を満たさない土地は原則として建築できないため、購入前に必ず確認しましょう。安価な土地は接道義務を満たさない可能性があるため注意が必要です。
(4) 専門家への相談(宅建士、土地家屋調査士、建築士)
土地の評価や建築可否は個別条件により異なります。以下の専門家への相談を推奨します。
- 宅地建物取引士: 土地の法的制限、取引の適正性を確認
- 土地家屋調査士: 境界確定、測量、登記手続き
- 建築士: 建築可能な建物の設計、建ぺい率・容積率の計算
まとめ:東広島市で理想の土地を見つける方法
東広島市の土地相場は全体平均で坪単価14.5万円ですが、エリアにより2万円〜20万円超まで幅広く異なります。西条町中心部は利便性が高く高額、黒瀬町は割安で広い土地を確保できます。
用途地域、建ぺい率・容積率は東広島市の地図情報システム「ひがしひろしまっぷ」で事前確認可能です。建築条件付き土地と建築条件なし土地の違いや、接道義務、災害リスクも購入前に必ずチェックしましょう。
信頼できる不動産会社や専門家(宅建士、土地家屋調査士、建築士)に相談しながら、ライフスタイルに合った理想の土地を見つけましょう。
