福岡の不動産市場を徹底解説!エリア別の特徴と価格相場、物件選びのポイント

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/18

福岡の不動産市場が注目される理由(人口増加と再開発)

福岡で不動産の購入・売却・賃貸を検討する際、「福岡の不動産は今後どうなるのか?」「どのエリアが狙い目か?」と悩む方は少なくありません。

この記事では、福岡の不動産市場の最新動向、エリア別の価格相場、物件選びのポイントを、公的データと市場レポートを元に解説します。

福岡は2015-2023年の人口増加率が6.75%で21政令市中1位を記録し、天神・博多駅周辺の大規模再開発も進行中です。購入・賃貸・投資の各視点から、福岡の不動産市場を正しく理解できるようになります。

この記事のポイント

  • 2024年の基準地価で福岡市が商業地・住宅地の上昇率で全国1位を獲得し、不動産市場は好調に推移
  • 中古マンション価格は10年で60.1%上昇、新築は4,000万円~5,000万円台が中心
  • 博多駅・大橋駅・姪浜駅が人気エリアで、ライフスタイルと予算に応じた選択が重要
  • 2024年以降は分譲マンション販売戸数が減少傾向にあり、市場に変調の兆しが見られる

福岡の不動産市場の概要(価格推移・空室率・市場規模)

(1) 福岡の基準地価と全国比較(2024年商業地・住宅地二冠)

2024年の基準地価で、福岡市は商業地と住宅地の上昇率で全国1位を獲得し、初の二冠を達成しました。

基準地価とは、毎年7月1日時点の土地価格を都道府県が調査・公表する指標です。福岡市の商業地・住宅地がともに全国トップの上昇率を記録したことは、不動産市場の活況を示す重要な指標です。

2015-2023年の人口増加率が6.75%で21政令市中1位を記録しており、人口増加が不動産需要を支えています。

(2) マンション価格の推移(中古10年で60.1%上昇、新築4,000万円台)

福岡県の中古マンション価格は、2013年の平均坪単価76.8万円から2022年には127.7万円へと、10年間で60.1%上昇しています。

直近3年間の上昇率は以下の通りです。

年度 上昇率
1年目 2.22%
2年目 2.64%
3年目 6.09%

新築マンションの平均価格は、2022年時点で4,000万円~5,000万円程度です。2013年の2,600万円程度から1,000万円以上上昇しており、価格上昇が続いています。

一方、2024年ごろから分譲マンション販売戸数が前年比18%減と減少傾向にあり、好調だった住宅販売に変調の兆しが見られます。

(3) オフィス・賃貸の空室率(オフィス3.9%、賃貸11.3%)

2024年6月期の福岡主要オフィスゾーンの空室率は3.9%と低水準を維持しており、オフィス需要は堅調です。

一方、賃貸住宅の空室率は2024年2月時点で11.3%と、東京23区や大阪府よりやや高めです。賃貸需要は旺盛ですが、供給も多いため、物件選びには慎重な見極めが必要です。

マンション家賃は、シングル向けが前年比7.2%上昇、ファミリー向けが2.1%上昇しており、家賃上昇傾向が続いています。

福岡市7区のエリア別特徴と価格相場(博多・中央・南・西・東・早良・城南)

福岡市は7区(博多区、中央区、東区、西区、早良区、南区、城南区)に分かれており、エリアごとに特性が大きく異なります。

(1) 都心エリア(博多区・中央区):天神・博多駅周辺の再開発と高価格帯

博多区:

  • 九州最大のターミナル駅「博多駅」を擁し、天神まで約5分、福岡空港まで約5分とアクセス最高
  • 博多コネクティッド等の大規模再開発が進行中
  • 価格帯は高めだが、利便性と将来性が魅力

中央区:

  • 天神地区を中心に商業・オフィス機能が集積
  • 天神ビッグバンにより航空法の高さ制限が緩和され、高層ビル建設が促進
  • 商業地価格が10年で約2.66倍に上昇(2013年57.3万円→2025年152.66万円)

(2) 南部エリア(南区・城南区):大橋駅などアクセス良好で中価格帯

南区:

  • 大橋駅は天神まで約9分、福岡空港まで車で約10分とアクセス良好
  • レイリア大橋等の商業施設も充実
  • 価格帯は都心より手頃で、ファミリー層に人気

城南区:

  • 福岡大学などの教育機関が多く、学生街としての側面も持つ
  • 静かな住環境を求める層に人気

(3) 西部・東部エリア(西区・東区・早良区):姪浜駅など落ち着いた住環境

西区:

  • 姪浜駅は博多駅まで乗り換えなしで約19分
  • 落ち着いた住環境を求める層に人気
  • 価格帯は中程度で、コストパフォーマンスが高い

東区:

  • 福岡市の東部に位置し、商業施設と住宅地が混在
  • 価格帯は手頃で、ファミリー層に人気

早良区:

  • 福岡市の西部に位置し、緑豊かな住環境
  • 比較的落ち着いたエリアで、価格帯は中程度

福岡で人気の駅・エリアと住みやすさランキング

(1) 住みたい街ランキング5年連続全国1位(2024年9月時点)

福岡市は、2024年9月時点で5年連続「住みたい街ランキング」全国1位を獲得しています。

人気の理由は以下の通りです。

  • コンパクトシティ: 都市機能が中心部に集約され、徒歩や公共交通で生活圏が完結
  • 物価の安さ: 2021年調査で21政令市中、総合物価・食料価格が最も安い
  • 通勤時間の短さ: 福岡・北九州都市圏の平均通勤時間は36分で全国最短

(2) 大橋駅・博多駅・姪浜駅の特徴と魅力

福岡県民へのアンケートに基づく住みやすいエリアランキングでは、以下の駅が上位にランクインしています。

駅名 主なアクセス 特徴
博多駅 天神まで約5分、空港まで約5分 九州最大のターミナル、利便性最高
大橋駅 天神まで約9分、空港まで車で約10分 アクセス良好で中価格帯、商業施設充実
姪浜駅 博多駅まで約19分 落ち着いた住環境、西部の人気エリア

(3) コンパクトシティとしての福岡(通勤時間全国最短36分)

福岡は「コンパクトシティ」として都市機能が中心部に集約されており、通勤時間が全国最短(平均36分)です。

天神・博多駅を中心に地下鉄・バス網が発達しており、車がなくても生活しやすい環境が整っています。物価も安く、生活コストを抑えられる点も魅力です。

福岡の不動産を選ぶポイント(購入・賃貸・投資別)

(1) 購入時のポイント(エリア選び・価格交渉・住宅ローン)

福岡で不動産を購入する際のポイントは以下の通りです。

エリア選び:

  • 天神・博多駅周辺は価格が高いが、将来的な資産価値向上が期待できる
  • 大橋駅・姪浜駅周辺は中価格帯で、ファミリー層に人気
  • 郊外エリアは価格が手頃だが、再販時の資産価値に注意

価格交渉:

  • 複数の不動産会社に相談し、相場を把握する
  • 仲介手数料(物件価格の3%+6万円+消費税が上限)を確認
  • 値引き交渉は売主の事情により可能性がある

住宅ローン:

  • 複数の金融機関で見積もりを取る
  • 住宅ローン控除の適用要件を確認(所得税・住民税の減税)
  • 変動金利・固定金利のメリット・デメリットを比較

(2) 賃貸時のポイント(家賃相場・契約条件・更新料)

福岡で賃貸物件を探す際のポイントは以下の通りです。

家賃相場:

  • シングル向けは前年比7.2%上昇、ファミリー向けは2.1%上昇
  • 天神・博多駅周辺は高めだが、利便性が高い
  • 郊外エリアは家賃が手頃で、静かな環境

契約条件:

  • 敷金・礼金の有無を確認(福岡は敷金1ヶ月、礼金なしが多い)
  • 更新料の有無を確認(2年ごとに家賃1ヶ月分が一般的)
  • 仲介手数料は家賃1ヶ月分+消費税が上限

更新料:

  • 福岡では更新料が必要な物件が多い
  • 更新料なしの物件も増えており、契約前に確認を

(3) 投資時のポイント(人口増加率6.75%、空室リスク、利回り)

福岡で投資用不動産を検討する際のポイントは以下の通りです。

人口増加と需要:

  • 2015-2023年の人口増加率が6.75%で21政令市中1位
  • 天神・博多駅周辺の再開発により将来的な資産価値向上が期待される

空室リスク:

  • 賃貸住宅の空室率は11.3%と東京23区より高め
  • エリアと物件の見極めが重要(駅近、利便性の高い物件を選ぶ)

利回り:

  • 表面利回り5-7%が目安(物件により異なる)
  • 空室リスク、修繕費、管理費を考慮した実質利回りを計算
  • 金利上昇リスク、税制変更リスクも考慮

投資用不動産は空室リスク、金利上昇リスク、税制変更リスク等があります。詳細は宅地建物取引士や不動産鑑定士にご相談ください。

まとめ:福岡の不動産市場の将来性と注意点

福岡の不動産市場は、2024年の基準地価で商業地・住宅地の上昇率が全国1位を獲得し、好調に推移しています。中古マンション価格は10年で60.1%上昇、新築は4,000万円~5,000万円台が中心です。

博多駅・大橋駅・姪浜駅が人気エリアで、ライフスタイルと予算に応じた選択が重要です。天神・博多駅周辺は再開発により将来的な資産価値向上が期待されますが、価格帯は高めです。

一方、2024年以降は分譲マンション販売戸数が減少傾向にあり、市場に変調の兆しが見られます。不動産価格は地域・時期により大きく異なるため、最新の市場動向を確認し、信頼できる不動産会社や専門家に相談しながら、慎重に検討を進めましょう。

よくある質問

Q1福岡の不動産価格は今後も上昇し続けますか?

A12024年ごろから分譲マンション販売戸数が前年比18%減と減少傾向にあり、価格高騰が一服する可能性があります。天神・博多駅周辺の再開発エリアは将来的な資産価値向上が期待されますが、個別の物件・エリアにより異なります。最新の市場動向を確認し、専門家(宅地建物取引士、不動産鑑定士等)への相談を推奨します。

Q2福岡市内でおすすめのエリアはどこですか?

A2博多駅・大橋駅・姪浜駅が人気エリアです。博多駅は九州最大のターミナルで利便性最高ですが価格帯は高めです。大橋駅は天神まで約9分で中価格帯、商業施設も充実しています。姪浜駅は落ち着いた住環境で西部の人気エリアです。ライフスタイルと予算に応じて選ぶことが重要です。

Q3福岡の不動産は投資に向いていますか?

A32015-2023年の人口増加率6.75%で21政令市中1位、商業地価格も10年で2.66倍に上昇しており、投資メリットは大きいです。一方、賃貸住宅の空室率は11.3%と東京23区よりやや高く、空室リスクに注意が必要です。エリアと物件の見極めが重要で、駅近・利便性の高い物件を選ぶことを推奨します。投資用不動産については、空室リスク、金利上昇リスク、税制変更リスク等があるため、専門家への相談を推奨します。

Q4福岡の中古マンションと新築マンションの価格差は?

A4新築マンションは4,000万円~5,000万円程度が中心です。中古マンションは2022年時点で平均坪単価127.7万円で、直近3年間で年率2-6%上昇しています。中古は新築より低価格ですが、エリア・築年数により大きく異なります。複数の不動産会社に相談し、相場を把握した上で判断することを推奨します。

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Room Match編集部

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