福岡市の戸建て|新築・中古の価格相場とエリア特性を徹底解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/20

福岡市で戸建てを購入するメリット

福岡市で戸建て購入を検討する際、「価格相場はどれくらいか」「新築と中古どちらを選ぶべきか」と迷う方は少なくありません。福岡市は九州最大の都市であり、交通利便性、商業施設、教育環境が充実しているため、戸建て需要が高いエリアです。

この記事では、福岡市の戸建て価格相場(新築・中古・エリア別)、人気エリアの特性、新築と中古の比較、購入の流れと注意点を解説します。SUUMOやアットホームなどの不動産ポータルサイトデータ、2024年のフラット35利用者調査を元に、実用的な情報を提供します。

福岡市で戸建て購入を検討している方、新築と中古の違いを知りたい方の判断材料となる内容です。

この記事のポイント

  • 福岡市の新築戸建て価格は区により異なり、中央区4,018万円、博多区3,504万円、全体平均3,521万円
  • 注文住宅の場合、建築費約3,847万円+土地代+諸費用で総額約5,280万円が目安(2024年フラット35データ)
  • 新築は最新設備・保証があるが価格は高め、中古は価格手頃だがリフォーム費用が必要
  • 地下鉄・西鉄沿線は利便性抜群だが価格も高く、春日市・大野城市など福岡市南側は交通アクセス良好で人気

福岡市の人気エリアと地域特性

(1) 中央区・博多区(都心部、利便性重視)

中央区と博多区は福岡市の中心部であり、天神・博多駅周辺には商業施設、オフィス、飲食店が集積しています。交通利便性が非常に高く、地下鉄・JR・西鉄が利用できます。

中央区の特徴

  • 新築戸建て相場:4,018万円(福岡市内で最も高い)
  • 天神・大濠公園周辺は高級住宅街
  • 地下鉄空港線・七隈線が利用可能
  • 商業施設・医療機関が充実

博多区の特徴

  • 新築戸建て相場:3,504万円
  • 博多駅周辺はオフィス街、住宅エリアは駅から離れた場所
  • 新幹線・地下鉄・JR・西鉄バスが利用可能
  • 福岡空港が近く、出張が多い方に便利

都心部のため戸建ての供給は限られており、土地価格が高いため広い敷地を確保するのは困難です。利便性を最優先する方に適しています。

(2) 早良区・南区(ファミリー層に人気)

早良区と南区は、ファミリー層に人気のエリアです。都心部へのアクセスが良好でありながら、比較的手頃な価格で戸建てを購入できます。

早良区の特徴

  • 新築戸建て相場:3,527万円
  • 地下鉄空港線・七隈線が利用可能
  • 西新・藤崎周辺は商業施設が充実
  • 公園・緑地が多く、子育て環境が良い

南区の特徴

  • 新築戸建て相場:3,300万円前後(区内でも地域差あり)
  • 西鉄天神大牟田線が利用可能
  • 郊外のため土地が広めで、庭付き戸建てが多い
  • 自然環境が豊かで、落ち着いた住環境

ファミリー層が多く、学校・公園・医療機関が充実しているため、子育て世帯に適しています。

(3) 福岡市南側エリア(春日市・大野城市、交通アクセス良好)

福岡市に隣接する春日市・大野城市は、福岡市内より価格帯が抑えられており、交通アクセスが良好なため人気があります。

春日市・大野城市の特徴

  • 新築戸建て相場:2,800万円~3,500万円
  • JR鹿児島本線・西鉄天神大牟田線の両方が利用可能
  • 都市高速・九州自動車道へのアクセスが良好
  • 福岡市内よりも広めの土地が確保しやすい

福岡市内の利便性を保ちつつ、価格を抑えたい方に適したエリアです。

(4) 地下鉄・西鉄沿線の特徴(高価格だが利便性抜群)

福岡市営地下鉄(空港線・箱崎線・七隈線)や西鉄天神大牟田線の沿線エリアは、天神・博多へのアクセスが良好なため人気が高く、価格も高めです。

主な沿線エリア

  • 地下鉄空港線:姪浜・西新・大濠公園・天神・博多・香椎
  • 地下鉄七隈線:天神南・薬院・福大前・橋本
  • 西鉄天神大牟田線:西鉄福岡(天神)・薬院・大橋・春日原・二日市

駅近物件は特に人気が高く、価格は高めですが、通勤・通学の利便性を重視する方に適しています。

戸建て価格相場(新築・中古)

(1) 区別の新築戸建て相場(中央区4,018万円、博多区3,504万円等)

福岡市内の新築戸建て価格相場は、区により大きく異なります(2024年SUUMO調べ)。

新築戸建て相場
中央区 4,018万円
博多区 3,504万円
早良区 3,527万円
南区 3,300万円前後
東区 3,200万円前後
西区 3,100万円前後
城南区 3,400万円前後

福岡市全体の平均相場は3,521万円です。中央区が最も高く、西区・東区が比較的手頃です。

(2) 中古戸建ての相場と築年数別の価格差

中古戸建ては、築年数により価格が大きく変動します。

築年数 価格相場(目安)
築5年以内 2,800万円~3,500万円
築10年以内 2,300万円~3,000万円
築15年以内 1,800万円~2,500万円
築20年以上 1,500万円~2,000万円

築年数が古い物件は価格が手頃ですが、リフォーム費用(100万円~500万円以上)が必要になる場合があります。総額(物件価格+リフォーム費用)で比較することが重要です。

(3) 注文住宅の費用(建築費3,847万円+土地代+諸費用)

注文住宅を建てる場合、建築費だけでなく土地取得費用と諸費用が必要です。

2024年フラット35利用者データ(福岡県)

  • 平均建築費用:3,847万円
  • 平均土地取得費用:約1,200万円
  • 諸費用(登記費用、仲介手数料、税金等):約200万円~300万円
  • 総額目安:約5,280万円

注文住宅は建売住宅より高額になりますが、間取り・設備を自由に選べるメリットがあります。

新築と中古の比較(メリット・デメリット)

(1) 新築のメリット・デメリット(最新設備、保証、価格高め)

新築のメリット

  • 最新の設備・仕様(断熱性能、省エネ設備等)
  • 新築住宅の保証(住宅瑕疵担保責任保険、10年保証等)
  • 修繕費が当面不要
  • 住宅ローン控除の控除額が大きい(最大455万円、2024年時点)
  • 自分が初めての居住者

新築のデメリット

  • 価格が高い(中古より500万円~1,000万円高い)
  • 建売住宅の場合、間取り・設備の選択肢が限定的
  • 注文住宅の場合、設計・建築に時間がかかる(6ヶ月~1年)

(2) 中古のメリット・デメリット(価格手頃、リフォーム費用、築年数)

中古のメリット

  • 価格が手頃(新築より500万円~1,000万円安い)
  • すぐに入居可能(契約から1ヶ月程度)
  • 実際の建物を見て判断できる(日当たり、周辺環境等)
  • リフォームで自分好みにカスタマイズできる

中古のデメリット

  • 設備が古い(築年数により要リフォーム)
  • リフォーム費用が必要(100万円~500万円以上)
  • 住宅ローン控除の控除額が小さい(築年数により適用外の場合も)
  • 保証期間が短い、または保証なし

(3) 建売住宅と注文住宅の違い

項目 建売住宅 注文住宅
価格 3,500万円前後 5,000万円~
自由度 低い(完成済み) 高い(設計から関与)
購入~入居期間 1ヶ月程度 6ヶ月~1年
メリット すぐ入居可能、価格手頃 間取り・設備を自由に選べる
デメリット 選択肢が限定的 時間・費用がかかる

建売住宅は「すぐに入居したい」「予算を抑えたい」方に適しています。注文住宅は「間取り・設備にこだわりたい」「時間と予算に余裕がある」方に適しています。

戸建て購入の流れと注意点

(1) 購入の流れ(物件探し→内覧→申込→ローン審査→契約→引渡し)

戸建て購入の一般的な流れは以下の8ステップです。

  1. 物件探し:不動産ポータルサイト(SUUMO、HOME'S等)で検索、不動産会社に相談
  2. 内覧:現地を見学し、日当たり・周辺環境・設備を確認
  3. 購入申し込み:購入意思を不動産会社に伝える(法的拘束力なし)
  4. 住宅ローン事前審査:金融機関に審査を申し込む(数日~1週間)
  5. 売買契約:重要事項説明を受け、契約書に署名・押印、手付金を支払う
  6. 住宅ローン本契約:事前審査通過後、本契約を締結
  7. 最終確認:引き渡し前に物件の最終チェック
  8. 引き渡し:残代金支払い、鍵の受け渡し、所有権移転登記

分譲戸建(建売)の場合、購入申し込みから入居まで最短1ヶ月程度です。

(2) 住宅ローン事前審査のタイミング

住宅ローンの事前審査は、購入申し込み後、売買契約前に行うのが一般的です。事前審査に通らないと本契約に進めないため、早めの申し込みが推奨されます。

事前審査で確認される項目

  • 年収・勤続年数
  • 他の借入状況(自動車ローン、クレジットカード等)
  • 健康状態(団体信用生命保険加入要件)
  • 物件の担保価値

審査には数日~1週間程度かかります。

(3) 重要事項説明の確認ポイント

重要事項説明は、宅地建物取引士が売買契約前に行う法定業務です。専門用語が多く複雑なため、不明点は必ず確認しましょう。

確認すべき主な項目

  • 物件の権利関係(所有権、抵当権の有無)
  • 法令上の制限(用途地域、建ぺい率、容積率)
  • インフラ整備状況(上下水道、ガス、電気)
  • 契約解除の条件(手付解除、ローン特約等)
  • 瑕疵の有無(雨漏り、シロアリ被害等)

理解不足のまま契約すると、後々トラブルになるリスクがあります。

(4) 契約後のキャンセルリスク(手付金放棄)

売買契約後のキャンセルは、以下のペナルティが発生します。

  • 手付解除:買主都合のキャンセルの場合、手付金(物件価格の5~10%)を放棄
  • 違約金:売主が契約履行に着手した後のキャンセルの場合、違約金(物件価格の10~20%)が発生する可能性

契約前に十分な検討を行い、納得してから契約することが重要です。

まとめ:福岡市で戸建てを選ぶ際のポイント

福岡市の戸建て価格相場は、区により大きく異なります。中央区が最も高く4,018万円、博多区3,504万円、全体平均3,521万円です。注文住宅の場合、建築費約3,847万円+土地代+諸費用で総額約5,280万円が目安です。

新築は最新設備・保証があり、住宅ローン控除の控除額も大きいですが、価格は高めです。中古は価格が手頃ですが、リフォーム費用が必要になる場合があります。予算、希望する設備、住みたいエリアにより最適解が異なるため、複数物件を比較して検討しましょう。

人気エリアは、地下鉄・西鉄沿線(利便性抜群だが高価格)、早良区・南区(ファミリー層に人気)、春日市・大野城市(交通アクセス良好で価格手頃)です。住宅ローンの事前審査は早めに申し込み、重要事項説明は不明点を必ず確認してから契約することが重要です。信頼できる宅地建物取引士に相談しながら、納得のいく戸建て購入を実現してください。

よくある質問

Q1福岡市の戸建て価格相場はいくらですか?

A1新築戸建ては区により異なり、中央区4,018万円、博多区3,504万円、早良区3,527万円です。福岡市全体の平均は3,521万円です(2024年SUUMO調べ)。注文住宅の場合、建築費約3,847万円+土地取得費用約1,200万円+諸費用約200万円~300万円で、総額約5,280万円が目安です。中古戸建ては築年数により1,500万円~3,500万円と幅があります。

Q2新築と中古、どちらを選ぶべきですか?

A2新築は最新設備・保証があり、住宅ローン控除の控除額も大きいですが、価格は中古より500万円~1,000万円高めです。中古は価格が手頃ですぐ入居可能ですが、築年数によりリフォーム費用(100万円~500万円以上)が必要です。予算、希望する設備、住みたいエリアにより最適解が異なるため、複数物件を比較して総額(物件価格+リフォーム費用)で検討することが重要です。

Q3福岡市で人気のエリアはどこですか?

A3地下鉄・西鉄沿線(姪浜・西新・大濠公園・天神・博多・香椎等)は天神・博多へのアクセスが良好で人気ですが、価格も高めです。早良区・南区はファミリー層に人気で、公園・緑地が多く子育て環境が良好です。春日市・大野城市など福岡市南側エリアは、JR・西鉄両方が利用でき交通アクセスが良好で、福岡市内より価格が抑えられています。

Q4住宅ローンの事前審査はいつ申し込むべきですか?

A4購入申し込み後、売買契約前に申し込むのが一般的です。事前審査に通らないと本契約に進めないため、早めの申し込みが推奨されます。審査には数日~1週間程度かかり、年収・勤続年数・他の借入状況・健康状態(団体信用生命保険加入要件)・物件の担保価値が確認されます。審査結果により借入可能額が決まるため、資金計画を早めに立てることが重要です。

Q5購入から入居までどれくらいの期間がかかりますか?

A5分譲戸建(建売)の場合、購入申し込みから入居まで最短1ヶ月程度で可能です。注文住宅の場合、設計・建築期間を含めて6ヶ月~1年程度かかります。住宅ローンの審査期間(数日~1週間)、売買契約の準備期間、引き渡しまでの時間も考慮する必要があります。スケジュールに余裕を持って計画を立てましょう。

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Room Match編集部

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