富士エリアの不動産市場:静岡県富士市・富士宮市・富士山周辺の特徴
「富士 不動産」と検索すると、静岡県富士市、富士宮市、富士山周辺の不動産情報が表示されます。
本記事では、富士エリアの不動産市場の特性、エリア別の価格相場、地価推移、人口動態を、国土交通省の公式データや富士市公式サイトの情報を元に解説します。
初めて富士エリアで不動産購入や売却を検討する方でも、市場の現実を正確に把握し、無理のない判断ができるようになります。
この記事のポイント
- 富士市の地価は1991年のピークから43年間継続的に下落、現在はピーク時の約41%の水準
- 2024年の土地相場は坪単価28.6万円、一戸建て平均2,721万円、マンション平均1,867万円
- 14年連続で人口減少中(2050年には19万人予測)で、今後も地価下落が続く見込み
- 富士五湖エリアはリゾート物件・別荘需要があるが、売却時の流動性リスクに注意
- 投資目的での購入には慎重な判断が必要、複数の地域密着型不動産会社への相談を推奨
富士エリアの不動産市場の現状(地価下落・人口減少)
富士エリアの不動産市場は、地価の長期的な下落傾向と人口減少が続いています。
富士市の地価は、1991年のピーク(15万9176円/m²)から43年間継続的に下落し、2025年の公示地価は6万3165円/m²(前年比-0.17%)と、ピーク時の約41%の水準です。
エリア別の特徴(富士市の住宅地・富士宮市・富士五湖のリゾート)
富士エリアは、大きく分けて以下の3つのエリアに分類されます。
- 富士市: 住宅地中心、工業都市としても発展(製紙・化学工業等)
- 富士宮市: 富士山の南麓、観光地としての側面も持つ住宅地
- 富士五湖(山中湖・河口湖等): リゾート物件・別荘が多く、都心から1〜2時間のアクセス
富士エリアの不動産会社の選び方(地域密着型が多い)
富士エリアには、地域密着型の不動産会社が多数存在します。複数の会社に相談し、物件情報、サービス内容、仲介手数料を比較して選ぶことが重要です。
富士市の不動産相場:土地・一戸建て・マンションの価格データ
富士市の不動産相場は、国土交通省の不動産取引価格データに基づくと、以下の通りです。
2024年の土地取引相場:坪単価28.6万円、平均2,194万円
2024年第1四半期の土地取引相場は、坪単価28万6243円、平均取引価格2,194万円(平均面積572㎡、211件)です。
前年比+78.71%と大幅増ですが、これは一時的な変動の可能性が高く、長期的なトレンドとは異なります。
一戸建ての相場:平均2,721万円(平均築28年)
一戸建ての平均取引価格は2,721万円(278件、平均築28年)です。
マンションの相場:平均1,867万円(平均66㎡、築28年)
マンションの平均取引価格は1,867万円(47件、平均66㎡、築28年)です。
富士宮市の相場:新築2,390万円〜2,780万円、中古1,712万円
富士宮市の新築一戸建ては2,390万円〜2,780万円、中古住宅は1,712万円が相場です。
| 物件種別 | 富士市の相場 | 富士宮市の相場 |
|---|---|---|
| 土地 | 坪単価28.6万円、平均2,194万円 | エリアにより価格差大 |
| 一戸建て | 平均2,721万円(築28年) | 新築2,390万円〜2,780万円、中古1,712万円 |
| マンション | 平均1,867万円(66㎡、築28年) | データ少ない |
(出典: 国土交通省)
富士市の地価推移:43年間継続的に下落している背景と将来予測
富士市の地価は、長期的に下落傾向にあります。
2025年公示地価:6万3165円/m²(前年比-0.17%)
2025年の公示地価は、平均6万3165円/m²(坪単価20万8811円)で、前年比-0.17%です。
1991年のピーク(15万9176円/m²)から約41%の水準に下落
1991年のピーク(15万9176円/m²)から43年間継続的に下落し、現在はピーク時の約41%の水準です。この下落は、バブル崩壊、人口減少、産業構造の変化が主な要因です。
人口減少の影響:14年連続減少、2050年には19万人予測
富士市公式サイトによると、富士市の人口は14年連続で減少しています。2024年1月時点で24.1万人(前年比-0.8%)で、2050年には約19万人規模(現在の約79%)に縮小予測です。
人口減少は、不動産需要の減少につながり、地価下落の要因となります。
高齢化率の上昇:2020年の28.4%から2050年には39.7%へ
富士市の高齢化率は、2020年の28.4%から2050年には39.7%に達する見込みで、10人に4人が65歳以上となります。
さらに、1世帯あたりの人数が2.6人から2.3人に縮小し、核家族化・単独世帯増加が進んでいます。この傾向は、物件需要の構造変化(広い物件より小規模物件のニーズ増加)をもたらす可能性があります。
富士宮市・富士山周辺の不動産市場:リゾート物件と別荘需要の特徴
富士山周辺の不動産市場は、住宅地とは異なる特性があります。
富士五湖エリアのリゾート物件(山中湖・河口湖等)
富士五湖エリア(山中湖、河口湖、西湖、精進湖、本栖湖)では、リゾート物件・別荘の需要があります。
都心から1〜2時間のアクセスの魅力
富士五湖エリアは、都心から1〜2時間のアクセスが魅力で、週末の別荘利用や移住先として人気があります。
別荘・リゾート物件の需要と流動性のリスク
ただし、別荘・リゾート物件は、居住用物件と比べて需要が限定的です。売却時の流動性が低く、希望通りの価格で売却できない可能性があります。
富士エリアの不動産購入・売却の注意点:人口減少と資産価値の関係
富士エリアで不動産を購入・売却する際は、以下の点に注意してください。
長期的な資産価値の維持が難しい可能性(人口減少・地価下落)
富士市の地価は43年間継続的に下落しており、人口減少も14年連続で続いています。2050年には19万人規模に縮小予測のため、長期的な資産価値の維持が難しい可能性があります。
投資目的での購入には慎重な判断が必要
投資目的で購入する場合、賃貸需要の見込み、売却時の流動性リスクを十分に検討してください。地価下落が続く中で、キャピタルゲイン(売却益)を期待するのは難しい状況です。
売却時の流動性リスク(特にリゾート物件)
リゾート物件・別荘は、需要が限定的であり、売却に時間がかかる傾向があります。購入前に、将来の売却リスクも考慮してください。
複数の不動産会社への相談(地域密着型を中心に)
富士エリアには地域密着型の不動産会社が多数あります。複数の会社に相談し、物件情報、サービス内容、仲介手数料を比較して、信頼できる会社を選びましょう。
不動産会社を選ぶポイント
- 宅建業免許番号を確認: 国土交通省または都道府県知事の免許を持つ会社
- 地域密着型の実績: 富士エリアの物件に詳しい会社
- 複数社への相談: 1社だけでなく、複数社に相談して比較
- Google Maps・SNS等の口コミ確認: 第三者評価も参考に
まとめ:富士エリアの不動産で失敗しないための判断基準
富士エリアの不動産市場は、地価の長期的な下落傾向と人口減少が続いています。富士市の地価は1991年のピークから43年間継続的に下落し、2025年の公示地価は前年比-0.17%で、現在はピーク時の約41%の水準です。
2024年の土地相場は坪単価28.6万円、一戸建て平均2,721万円、マンション平均1,867万円ですが、人口減少(2050年に19万人予測)により、今後も地価下落が続く見込みです。
富士五湖エリアはリゾート物件・別荘需要がありますが、売却時の流動性リスクに注意が必要です。
投資目的での購入には慎重な判断が必要で、複数の地域密着型不動産会社への相談を推奨します。信頼できる不動産会社や宅地建物取引士に相談しながら、長期的な資産価値の見通しを踏まえて判断しましょう。
