分譲マンションとは?賃貸マンションとの違いと購入時の注意点を徹底解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/19

分譲マンションとは?賃貸との違いと購入時の注意点を徹底解説

住宅購入を検討する際、「分譲マンションって何?」「賃貸マンションとどう違うの?」と疑問に感じる方は少なくありません。分譲マンションとは、1棟または複数棟のマンションを1住戸ごとに販売しているマンションで、購入者が各住戸を所有します。

この記事では、分譲マンションの基本的な仕組み、賃貸との違い、メリット・デメリット、購入費用と維持費、2024-2025年の価格相場を解説します。

自分のライフスタイルに合った住まいを選ぶための判断材料を提供します。

この記事のポイント

  • 分譲マンションは区分所有者が各住戸を所有、賃貸は家主が一棟を所有し貸し出す形態
  • 資産形成、設備の充実、セキュリティがメリット、継続的な費用負担と管理規約の制限がデメリット
  • 2024年の全国平均価格は6,082万円、東京23区は1億1,181万円、名古屋市は4,449万円
  • 管理費・修繕積立金・固定資産税が継続的にかかり、将来値上がりする可能性もある
  • 購入前に管理規約、管理組合の財務状況、修繕計画を確認することが重要

1. 分譲マンションとは?基本的な仕組みと賃貸との違い

(1) 分譲マンションの定義と所有形態

分譲マンションとは、1棟または複数棟のマンションを1住戸ごとに販売しているマンションです。購入者は各住戸を所有し、建物全体や共用部分(エントランス、廊下、階段、エレベーター等)は住民との共同所有となります。

各住戸を所有する人を区分所有者と呼び、専有部分(室内)の所有権と共用部分の共有持分を持ちます。

(2) 賃貸マンションとの決定的な違い

項目 分譲マンション 賃貸マンション
所有形態 区分所有者が各住戸を所有 家主が一棟を所有し入居者に貸し出す
初期費用 購入価格+諸費用(数千万円) 敷金・礼金・仲介手数料(家賃の5〜6倍程度)
月額費用 住宅ローン返済+管理費+修繕積立金 家賃のみ
資産形成 資産となる 資産にならない
リフォーム 専有部分は自由(管理規約の範囲内) 基本的に不可

分譲マンションは資産形成ができる一方、初期費用や継続的な費用負担が大きいことが特徴です。

(3) 新築分譲マンションと中古分譲マンションの違い

項目 新築分譲マンション 中古分譲マンション
価格 高い 比較的安い
設備 最新設備 築年数により異なる
住宅ローン控除 適用される 適用される(条件あり)
修繕履歴 なし あり(確認が必要)

新築は最新設備が魅力ですが、中古は価格が安く、立地の選択肢が広いメリットがあります。

2. 分譲マンションの基礎知識(区分所有・専有部分・共用部分)

(1) 区分所有者とは何か

区分所有者とは、分譲マンションの各住戸を所有する人です。区分所有者は、以下の権利と義務を持ちます。

権利:

  • 専有部分(室内)の所有権
  • 共用部分の共有持分
  • 管理組合の議決権

義務:

  • 管理費・修繕積立金の支払い
  • 管理規約の遵守
  • 管理組合の運営への参加

(2) 専有部分と共用部分の範囲

項目 専有部分 共用部分
範囲 各住戸の室内(壁・床・天井の内側) エントランス、廊下、階段、エレベーター、外壁、屋上、バルコニー
所有形態 区分所有者が単独所有 区分所有者全員で共同所有
リフォーム 自由(管理規約の範囲内) 管理組合の許可が必要

専有部分は自由にリフォームできますが、共用部分は管理組合の許可が必要です。

(3) 管理組合と管理規約の役割

管理組合とは、区分所有者全員で構成される組織で、マンションの管理・運営を行います。

管理規約とは、マンションの管理・使用に関するルールを定めた規約で、以下のような制限事項が記載されます。

  • ペット飼育の可否と条件
  • リフォームの範囲と手続き
  • 楽器の演奏時間
  • バルコニーの使用ルール

購入前に管理規約をよく確認し、自分のライフスタイルに合うか判断することが重要です。

3. 分譲マンションのメリット(資産形成・設備・セキュリティ)

分譲マンションを購入するメリットは以下の通りです。

(1) 資産形成と住宅ローン控除の活用

分譲マンションは資産となり、将来的に売却や賃貸による収益化が可能です。立地の良い物件を選ぶことで、資産価値の維持や向上が期待できます。

また、住宅ローンを利用して購入する場合、住宅ローン控除により所得税・住民税の控除を受けられます。

(2) 設備の充実と立地の良さ

分譲マンションは、賃貸マンションに比べて設備が充実していることが多いです。オートロック、宅配ボックス、共用施設(ジム、ラウンジ等)などが整備されている物件もあります。

また、駅近や商業施設が近い立地の物件が多く、利便性が高いです。

(3) セキュリティと管理体制

分譲マンションは、オートロック、防犯カメラ、管理人の常駐など、セキュリティ設備が充実しています。

管理会社による定期的な清掃や設備点検も行われるため、安全で快適な暮らしが期待できます。

(4) リフォームの自由度

専有部分(室内)は、管理規約の範囲内でリフォームが自由にできます。ライフスタイルの変化に応じて、間取りや設備を変更できる点が魅力です。

ただし、共用部分(バルコニー、窓枠等)のリフォームは管理組合の許可が必要です。

4. 分譲マンションのデメリットと注意点(費用・規約・流動性)

一方で、分譲マンションには以下のようなデメリットもあります。

(1) 継続的な費用負担(管理費・修繕積立金)

分譲マンションを購入すると、住宅ローン返済に加えて、以下の費用が継続的にかかります。

費用項目 内容 目安
管理費 日常的な管理・清掃・設備点検 月額1〜3万円
修繕積立金 将来の大規模修繕に備えた積立 月額1〜2万円(将来値上がりする可能性)
固定資産税・都市計画税 不動産の所有にかかる税金 年間数万円〜数十万円

修繕積立金や管理費は将来的に値上がりする可能性があるため、長期的な資金計画を立てることが重要です。

(2) 管理規約による制限(ペット・リフォーム・楽器等)

管理規約により、以下のような制限がある場合があります。

  • ペット飼育の可否と条件(種類、頭数、サイズ等)
  • リフォームの範囲と手続き(床材の変更、間仕切り壁の撤去等)
  • 楽器の演奏時間
  • バルコニーの使用ルール(物干し竿、プランター等)

購入前に管理規約をよく確認し、自分のライフスタイルに合うか判断しましょう。

(3) 転居時の柔軟性の低さ

賃貸マンションは契約期間満了後に気軽に引っ越せますが、分譲マンションは売却手続きに時間とコストがかかります。

転勤の可能性がある場合は、売却や賃貸の容易さを考慮して、立地や物件の選定を行うことをお勧めします。

(4) 居住面積の制約

分譲マンションは、戸建てに比べて居住面積が小さい傾向があります。家族構成の変化(子供の成長、親との同居等)に対応しにくい場合があります。

将来のライフプランを考慮して、間取りを選びましょう。

5. 購入費用の内訳と維持費(初期コスト・管理費・修繕積立金)

分譲マンションの購入費用と維持費を解説します。

(1) 購入時の初期費用(物件価格・諸費用)

分譲マンションの購入時には、以下の費用がかかります。

費用項目 内容 目安
物件価格 マンション本体の価格 数千万円(地域・物件により異なる)
仲介手数料 不動産会社への手数料 物件価格の3%+6万円+消費税(上限)
登記費用 所有権移転登記の費用 数万円〜数十万円
住宅ローン諸費用 融資手数料、保証料、火災保険等 数十万円
固定資産税・都市計画税(日割り) 購入年の税金 数万円

諸費用は物件価格の5〜10%程度が目安です。

(2) 2024-2025年の価格相場(全国・首都圏・名古屋等)

2024年の新築分譲マンションの価格相場は以下の通りです。

エリア 平均価格
全国 6,082万円
首都圏 7,820万円
東京23区 1億1,181万円
名古屋市 4,449万円
札幌市 5,145万円
仙台市 5,890万円

(出典: マンション図書館「【最新版】新築マンション相場|エリア別・主要都市別にデータを公開」)

2025年も価格上昇が続く見込みで、購入ハードルが高くなっています。

(3) 継続的な維持費(管理費・修繕積立金・固定資産税)

分譲マンションを購入すると、以下の維持費が継続的にかかります。

費用項目 内容 目安
管理費 日常管理、清掃、設備点検、管理人の人件費 月額1〜3万円
修繕積立金 将来の大規模修繕に備えた積立 月額1〜2万円
固定資産税・都市計画税 不動産の所有にかかる税金 年間数万円〜数十万円

修繕積立金は、築年数が経過すると値上がりする可能性があるため、長期的な資金計画を立てましょう。

(4) シニア向け分譲マンションの特徴と費用

シニア向け分譲マンションは、バリアフリー設備(段差解消、手すり設置等)や共用サービス(コンシェルジュ、見守りサービス等)が充実しています。

駅近や医療施設が近い立地が多く、安全で便利な生活ができます。価格は一般的な分譲マンションより高めですが、シニアライフに特化したサービスが魅力です。

6. まとめ:分譲マンション購入前のチェックポイント

分譲マンションは、区分所有者が各住戸を所有し、資産形成、設備の充実、セキュリティがメリットです。一方、継続的な費用負担(管理費・修繕積立金・固定資産税)と管理規約の制限がデメリットとなります。

2024年の全国平均価格は6,082万円、東京23区は1億1,181万円、名古屋市は4,449万円で、2025年も価格上昇が続く見込みです。

購入前のチェックポイント:

  • 管理規約を確認し、ペット飼育・リフォーム等の制限事項を把握
  • 管理組合の財務状況と修繕計画を確認
  • 修繕積立金・管理費の値上がりリスクを考慮した資金計画を立てる
  • 立地の良い物件を選び、将来的な資産価値の維持や賃貸化を視野に入れる
  • 宅地建物取引士の重要事項説明を受け、契約内容を十分に確認

賃貸と分譲のどちらが適しているかは、ライフスタイルや資金計画により異なります。自分に合った住まいを選びましょう。

よくある質問

Q1分譲マンションと賃貸マンションの違いは何ですか?

A1分譲は区分所有者が各住戸を購入して所有、賃貸は家主が一棟を所有し入居者に貸し出す形態です。分譲は資産形成ができ、専有部分(室内)のリフォームが自由にできる一方、初期費用や管理費・修繕積立金の負担があります。賃貸は初期費用が安く転居が容易ですが、資産にはなりません。

Q2新築分譲マンションの価格相場はどれくらいですか?

A22024年の全国平均は6,082万円、東京23区は1億1,181万円、名古屋市は4,449万円です。エリアにより大きく異なるため、詳細は各地域の相場を不動産ポータルサイトで確認する必要があります。2025年も価格上昇が続く見込みで、購入ハードルが高くなっています。

Q3購入後にかかる費用は何がありますか?

A3管理費(日常管理・清掃・設備点検、月額1〜3万円)、修繕積立金(将来の大規模修繕、月額1〜2万円)、固定資産税・都市計画税(年間数万円〜数十万円)が継続的にかかります。修繕積立金や管理費は将来値上がりする可能性があるため、長期的な資金計画を立てることが重要です。

Q4分譲マンションはどこまでリフォームできますか?

A4専有部分(室内)のリフォームは管理規約の範囲内で自由にできます。ただし、共用部分(バルコニー・窓枠等)は管理組合の許可が必要です。管理規約により床材の変更や間仕切り壁の撤去などに制限がある場合もあるため、購入前に必ず管理規約を確認しましょう。

Q5シニア向け分譲マンションの特徴は何ですか?

A5バリアフリー設備(段差解消・手すり設置等)や共用サービス(コンシェルジュ・見守りサービス等)が充実しています。駅近や医療施設が近い立地が多く、安全で便利な生活ができます。価格は一般的な分譲マンションより高めですが、シニアライフに特化したサービスが魅力です。

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Room Match編集部

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