カードローンと住宅ローンの違いと影響|審査への影響と完済タイミングを解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/25

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カードローンが住宅ローン審査に与える影響とは

カードローンを利用中または利用経験がある方が住宅ローンを検討する際、「カードローンが住宅ローン審査に影響するのか」という疑問を持つことは多いでしょう。結論から言うと、カードローンの利用状況は住宅ローン審査に影響します。

この記事では、カードローンと住宅ローンの関係、審査で重視される3つのポイント、住宅ローン申込前に取るべき対策について詳しく解説します。

この記事のポイント

  • カードローンを利用中でも住宅ローンの審査に通る可能性はあるが、返済負担率が25~35%以内であることが条件
  • カードローンを完済しただけでは不十分で、解約まで行うことが推奨される(利用限度額が残ると潜在的借入と見なされる)
  • 延滞記録は完済後5年間信用情報に残り、住宅ローン審査で大きなマイナス要因となる
  • 完済証明書を取得して住宅ローン申込時に提出すると審査で有利になる
  • 使っていないクレジットカードやカードローン契約は住宅ローン申込前に解約しておくと審査通過率が上がる

カードローンと住宅ローンの基本的な違い

まず、カードローンと住宅ローンの基本的な違いを理解しましょう。

(1) 金利・返済期間の違い

項目 カードローン 住宅ローン
金利 1.5~15.0% 0.5~1.0%(2024-2025年)
返済期間 数ヶ月~10年程度 35~50年
借入限度額 10万円~800万円程度 数千万円~1億円超
担保 無担保 購入する住宅が担保

カードローンは高金利・短期返済、住宅ローンは低金利・長期返済という特徴があります。

(2) 審査基準と担保の有無

カードローン:

  • 審査は比較的緩やか
  • 無担保・無保証人で利用可能
  • 収入証明書の提出が必要な場合がある

住宅ローン:

  • 審査は厳格(返済負担率、勤続年数、年収等を総合的に評価)
  • 購入する住宅を担保に設定
  • 団体信用生命保険への加入が必須の場合が多い

(3) 総量規制の対象範囲

カードローン:

  • 総量規制の対象(年収の3分の1が借入上限)

住宅ローン:

  • 総量規制の対象外(年収の3分の1を超えても借入可能)

住宅ローンは総量規制の対象外ですが、金融機関独自の審査基準(返済負担率等)があります。

住宅ローン審査で重視される3つのポイント

三菱UFJ銀行によると、カードローンが住宅ローン審査に与える影響には3つのポイントがあります。

(1) 返済負担率(返済比率)とは

返済負担率とは、年収に対する年間返済額の割合です。

計算式:

返済負担率 = 年間返済額 ÷ 年収 × 100

年間返済額に含まれるもの:

  • 住宅ローンの返済額
  • カードローンの返済額
  • 自動車ローンの返済額
  • クレジットカードのリボ払い
  • スマホの分割払い

一般財団法人 住宅金融普及協会によると、住宅ローン審査では返済負担率25~35%以下が目安です。国土交通省の調査では、92.0%の金融機関が審査で返済負担率を考慮しています。

:

  • 年収: 600万円
  • カードローンの年間返済額: 24万円(月2万円×12ヶ月)
  • 住宅ローンの希望年間返済額: 150万円
  • 返済負担率: (24万円 + 150万円) ÷ 600万円 × 100 = 29%

この場合、返済負担率は29%で、基準内に収まっています。

(2) 延滞記録と信用情報への影響

カードローンで延滞(返済遅延)がある場合、信用情報機関(CIC、JICC、KSC等)に記録され、住宅ローン審査で大きなマイナス要因となります。

JCBによると、延滞記録は完済後5年間信用情報に残ります。延滞記録がある場合は、完済から5年経過後に住宅ローンに申し込むか、専門家(ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー等)に相談することを推奨します。

(3) 利用限度額の潜在的借入評価

カードローンを完済しても、解約しない限り利用限度額が残ります。住宅ローン審査では、実際に借りていなくても利用限度額を「潜在的な借入」として評価します。

:

  • カードローンの利用限度額: 100万円(現在の借入残高: 0円)
  • 住宅ローン審査時: 100万円を借りる可能性があると見なされる

このため、使っていないカードローン契約は住宅ローン申込前に解約しておくことが推奨されます。

住宅ローン申込前に取るべき対策

住宅ローンの審査通過率を上げるために、以下の対策を取りましょう。

(1) カードローンの完済と解約の違い

京都銀行によると、カードローンの「完済」と「解約」は異なります。

完済:

  • 借入金を全額返済した状態
  • 契約は残り、利用限度額も存続する

解約:

  • 契約自体を終了させる手続き
  • 利用限度額もゼロになる

住宅ローン審査では、完済だけでは不十分で、解約まで行うことが推奨されます。

(2) 完済証明書の取得と提出

カードローンを完済した場合、金融機関から完済証明書を取得し、住宅ローン申込時に提出すると審査で有利になります。

完済証明書の取得方法:

  1. カードローン契約先の金融機関に連絡
  2. 完済証明書の発行を依頼
  3. 郵送またはオンラインで受け取り

完済証明書は、カードローンを確実に完済したことを証明する書類です。

(3) 使っていないクレジットカード・契約の整理

住宅ローン申込前に、以下の契約を整理しましょう。

  • 使っていないクレジットカード: 解約する
  • 使っていないカードローン契約: 解約する
  • 自動車ローン: 可能であれば完済・解約する
  • スマホの分割払い: 残債を一括返済する

これにより、返済負担率を下げることができます。

カードローン完済後の手続きと注意点

カードローンを完済した後は、以下の手続きを忘れずに行いましょう。

(1) 解約手続きの流れ

JCBによると、カードローンの解約手続きは以下の流れです。

  1. 完済を確認: カードローンの残高がゼロであることを確認
  2. 金融機関に連絡: 電話またはオンラインで解約の意思を伝える
  3. 解約書類の提出: 解約申込書を記入・提出
  4. カードの返却または破棄: カードを返却または自身で破棄
  5. 解約完了の確認: 解約完了通知を受け取る

解約手続きは数日~1週間程度で完了します。

(2) 信用情報の確認方法

住宅ローン申込前に、自分の信用情報を確認しましょう。信用情報機関(CIC、JICC、KSC等)で開示請求が可能です。

開示請求の方法:

  • オンライン: 各信用情報機関のサイトから申請(手数料500円~1,000円)
  • 郵送: 申請書を郵送(手数料1,000円程度)
  • 窓口: 各信用情報機関の窓口で申請(手数料500円~1,000円)

延滞記録やカードローンの契約状況を確認し、住宅ローン申込前に対策を講じましょう。

(3) 延滞記録がある場合の待機期間

過去にカードローンで延滞がある場合、延滞記録は完済後5年間信用情報に残ります。この期間は住宅ローン審査で不利になるため、以下の対策を検討しましょう。

  • 完済から5年経過後に申し込む: 延滞記録が消えるまで待つ
  • 専門家に相談する: ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー等に相談し、個別の状況に応じた対策を立てる

まとめ:カードローンと住宅ローンの両立可能性

カードローンを利用中でも、返済負担率が25~35%以内であれば住宅ローンの審査に通る可能性があります。ただし、カードローンの返済額も年間返済額に含まれるため、借入総額を抑えることが重要です。

カードローンを完済しただけでは不十分で、解約まで行うことが推奨されます。利用限度額が残ったままだと潜在的借入と見なされ、住宅ローンの融資額が減額される可能性があります。

延滞記録がある場合は完済後5年間信用情報に残るため、完済から5年経過後に申し込むか、専門家に相談することを推奨します。

住宅ローンは高額かつ長期の借入です。複数の金融機関に相談し、専門家(ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー等)のアドバイスを受けることをおすすめします。

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よくある質問

Q1カードローンを利用中でも住宅ローンの審査に通りますか?

A1通る可能性はありますが、返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)が25~35%以内に収まっているかが重要です。カードローンの返済額も含めて計算されます。例えば年収600万円の場合、住宅ローンとカードローンを合わせた年間返済額が150万円~210万円以内であれば審査通過の可能性があります。ただし、金融機関により基準が異なるため、複数の金融機関に相談することを推奨します。

Q2カードローンを完済すれば住宅ローンに影響しませんか?

A2完済だけでは不十分です。カードローンを完済しても、解約しない限り利用限度額が残ったままです。住宅ローン審査では、実際に借りていなくても利用限度額を「潜在的な借入」として評価します。このため、完済後は解約まで行うことが推奨されます。また、完済証明書を取得して住宅ローン申込時に提出すると審査で有利になります。解約手続きは金融機関に連絡し、数日~1週間程度で完了します。

Q3過去にカードローンで延滞したことがある場合、住宅ローンは組めませんか?

A3延滞記録は完済後5年間信用情報に残ります。延滞記録がある間は住宅ローン審査で大きなマイナス要因となり、審査通過が難しくなります。対策としては、1) 完済から5年経過後に申し込む(延滞記録が消えるまで待つ)、2) 専門家(ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー等)に相談し、個別の状況に応じた対策を立てることを推奨します。延滞の程度や回数によっても影響が異なるため、まずは信用情報の開示請求を行い、現状を確認しましょう。

Q4返済負担率はどうやって計算しますか?

A4返済負担率は「年間返済額 ÷ 年収 × 100」で計算します。年間返済額には、住宅ローンだけでなく、カードローン、自動車ローン、クレジットカードのリボ払い、スマホの分割払いも含まれる点に注意してください。例えば年収600万円で、カードローン年間返済額24万円、住宅ローン希望年間返済額150万円の場合、返済負担率は(24万円 + 150万円) ÷ 600万円 × 100 = 29%となります。住宅ローン審査では25~35%以下が目安です。

Q5カードローンの利用限度額が大きいと審査に落ちやすいですか?

A5実際に借りていなくても、利用限度額が大きいと住宅ローン審査で「潜在的な借入」として評価されます。例えばカードローンの利用限度額が100万円で現在の借入残高が0円でも、審査時には「100万円を借りる可能性がある」と見なされます。このため、使っていないカードローン契約は住宅ローン申込前に解約しておくと審査通過率が上がります。同様に、使っていないクレジットカードも解約することを推奨します。

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Room Match編集部

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