アットホームで中古マンションを探す前に知っておくこと
中古マンションを探す際、「どのサイトで探せばよいか」と迷う方は多いでしょう。
この記事では、大手不動産ポータルサイト「アットホーム」を使った中古マンション検索の方法と、購入時の注意点を解説します。アットホームの公式情報や、不動産市場の最新動向を元に、効率的な物件探しのコツをお伝えします。
初めて不動産ポータルサイトを利用する方でも、検索方法から問い合わせまでの流れを理解できるようになります。
この記事のポイント
- アットホームは全国に加盟店を持ち、地方物件や老舗不動産業者に強い
- 沿線・駅、地域、地図、通勤時間など複数の検索方法で物件を探せる
- 中古マンション購入時は物件価格以外に諸費用(5〜8%)がかかる
- 1981年6月以前の旧耐震基準の物件は住宅ローン控除の対象外になる可能性がある
- SUUMO・HOME'Sと併用することで、より幅広い物件情報を得られる
(1) 中古マンション市場の最新動向(2024-2025年)
ダイヤモンド不動産研究所の調査によると、2024年の首都圏中古マンション平均価格は4,890万円で、12年連続で上昇しています。
東京23区では、築10年超の中古マンションが新築時の2倍超の価格で取引されるケースも出ています(2024年10-12月期)。一方で、2025年は地域格差がさらに拡大する見通しです。
購入を検討する際は、希望エリアの相場動向を事前に確認しておくことが重要です。
(2) 購入予算の目安と資金計画
中古マンション購入価格の目安は、年収の6〜7倍程度です。自己資金は購入価格の20〜30%を用意することが推奨されています。
物件価格以外に、登記費用・仲介手数料・火災保険などの諸費用が5〜8%かかります。たとえば3,000万円の物件であれば、150〜240万円の諸費用を見込む必要があります。
(3) 本記事で解説する内容
本記事では、以下の内容を解説します。
- アットホームのサービス概要と特徴
- 中古マンション検索機能の使い方(エリア選択、検索条件の設定)
- 購入時の注意点(資金計画、耐震基準、管理費・修繕積立金)
- 他の不動産ポータルサイト(SUUMO・HOME'S)との比較
アットホームとは?サービス概要と特徴
(1) アットホームの基本情報
アットホームは、アットホーム株式会社が運営する不動産情報ポータルサイトです。賃貸・売買物件の検索、不動産会社の紹介、相場情報の提供などを行っています。
(2) アットホームの強み(地方物件・老舗不動産)
不動産ポータルサイト比較記事によると、アットホームは以下の強みがあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 加盟店数 | 全国に加盟店があり、地方物件に強い |
| 老舗ネットワーク | 歴史が古く、老舗不動産業者との連携が強い |
| 掲載物件の特徴 | 地域密着型の不動産会社の物件が多い |
大手チェーンだけでなく、地元で長年営業している不動産会社の物件も多数掲載されています。
(3) 掲載物件数と対応エリア
アットホームは全国の物件を掲載しています。首都圏だけでなく、地方都市の物件も充実しているため、地方での物件探しにも適しています。
アットホームの中古マンション検索機能の使い方
(1) エリア選択の方法(沿線・駅、地域、地図、通勤時間)
アットホームの中古マンション検索ページでは、以下の方法で物件を探せます。
- 沿線・駅検索: 通勤・通学に便利な駅から探す
- 地域検索: 都道府県→市区町村の順に絞り込む
- 地図検索: 地図上で希望エリアを指定
- 通勤時間検索: 勤務先からの所要時間で検索
通勤時間検索は、勤務先の最寄り駅を入力すると、指定した時間内で通える物件を表示してくれます。
(2) 検索条件の設定(築年数、価格帯、間取り等)
アットホームの検索機能では、以下の条件で絞り込めます。
- 価格帯: 上限・下限を指定
- 築年数: 築5年以内、築10年以内などを選択
- 専有面積: 最低専有面積を指定
- 間取り: 1K、1LDK、2LDK、3LDKなど
- その他: ペット可、駐車場付き、リフォーム済みなど
築年数は、住宅ローン控除の要件(1981年6月以降の新耐震基準)を満たすかどうかの目安になります。
(3) 相場情報の確認方法
アットホームでは、エリアごとの相場情報も確認できます。希望エリアの平均価格を把握することで、物件価格が適正かどうかを判断する材料になります。
さらに詳しい成約価格を知りたい場合は、REINS Market Information(不動産流通機構)で実際の取引価格を調べることもできます。
(4) 物件問い合わせの流れ
気になる物件が見つかったら、物件詳細ページから不動産会社に問い合わせます。
- 物件詳細ページの「問い合わせ」ボタンをクリック
- 名前・連絡先・希望日時を入力
- 不動産会社から連絡があり、内覧日程を調整
- 現地見学
- 購入意思がある場合は購入申込
複数の物件を比較検討することをおすすめします。
中古マンション購入時の注意点とポイント
(1) 資金計画と諸費用(購入価格+5〜8%)
中古マンション購入時には、物件価格以外に以下の諸費用がかかります。
| 項目 | 目安額(3,000万円の物件の場合) |
|---|---|
| 仲介手数料 | 約105万円(物件価格の3%+6万円+消費税) |
| 登記費用(登録免許税・司法書士報酬) | 約30〜50万円 |
| 火災保険 | 約15〜30万円(10年一括払いの場合) |
| 固定資産税・都市計画税の精算 | 数万円〜十数万円 |
| 修繕積立金・管理費の精算 | 数万円 |
| 合計 | 約150〜240万円(5〜8%) |
これらの諸費用は、基本的に住宅ローンに含められないため、現金で用意する必要があります。
(2) 耐震基準の確認(1981年6月以降の新耐震基準)
1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物は「新耐震基準」に適合しています。新耐震基準の物件は、震度6強〜7の地震に耐えられる設計です。
旧耐震基準(1981年6月以前)の物件の注意点:
- 住宅ローン控除の対象外になる可能性がある
- フラット35が利用できない場合がある
- 耐震診断・耐震補強が必要な場合がある
築年数が古い物件を検討する際は、建築年月を必ず確認してください。
(3) 管理費・修繕積立金の把握
中古マンションでは、毎月「管理費」と「修繕積立金」を支払います。
- 管理費: マンション共用部分の維持管理に使われる費用。月額15,000〜20,000円が相場
- 修繕積立金: 将来の大規模修繕に備えて積み立てる資金。築年数が古いほど高額になる傾向
購入前に、管理費・修繕積立金の滞納者がいないか、修繕積立金の残高が十分かを確認することが重要です。
(4) 内覧時のチェックポイント
内覧では、以下の点を確認してください。
- 周辺環境: 実際に歩いて、駅までの距離・騒音・治安を確認
- 共用部分: エントランス・廊下・エレベーターの管理状態
- 室内: 水回り・壁・床の状態、日当たり、収納スペース
- 違和感: 直感的に「何か気になる」と感じた点はメモしておく
(5) 適正価格の調べ方(REINS Market Information活用)
物件価格が適正かどうかを調べるには、REINS Market Informationで成約価格を確認することが有効です。
同じエリア・築年数・間取りの物件が、実際にいくらで取引されたかを知ることで、価格交渉の材料になります。
他の不動産ポータルサイトとの比較
(1) SUUMO・HOME'Sとの違い
主要な不動産ポータルサイトの特徴を比較します。
| サイト名 | 掲載物件数 | 強み |
|---|---|---|
| SUUMO | 非常に多い | 大手不動産会社の物件が充実 |
| HOME'S | 非常に多い | 物件数が最多、検索機能が豊富 |
| アットホーム | 多い | 地方物件、老舗不動産業者に強い |
不動産ポータルサイトに関する調査によると、利用者は複数のサイトを併用する傾向があります。
(2) アットホームのメリット・デメリット
メリット:
- 地方物件の情報が充実
- 老舗不動産業者との連携が強い
- 地域密着型の物件が多い
デメリット:
- 大手ポータルサイト(SUUMO・HOME'S)と比べると掲載物件数は少なめ
- 都心部の新築・高級物件はSUUMOの方が充実している場合がある
(3) 複数サイト併用のすすめ
アットホームだけでなく、SUUMO・HOME'Sも併用することで、より幅広い物件情報を得られます。同じ物件が複数サイトに掲載されている場合もあるため、「おとり物件」対策としても有効です。
まとめ:アットホームを活用した効率的な物件探し
アットホームは、全国に加盟店を持ち、地方物件や老舗不動産業者の物件に強い不動産ポータルサイトです。沿線・駅、地域、地図、通勤時間など複数の検索方法で、効率的に物件を探せます。
中古マンション購入時には、物件価格以外に諸費用(5〜8%)がかかること、1981年6月以前の旧耐震基準の物件は住宅ローン控除の対象外になる可能性があることを覚えておきましょう。
SUUMO・HOME'Sと併用し、複数の物件を比較検討することで、より良い物件に出会える可能性が高まります。信頼できる不動産会社に相談しながら、無理のない資金計画を立てて物件探しを進めてください。
