不動産価格は今後下がる?市場動向と価格変動要因を解説

公開日: 2025/10/27

不動産価格は今後下がる?2025年最新の市場動向

不動産の購入や売却を検討する際、「今の高騰は続くのか」「価格は下がるのか」という疑問を持つ方は少なくありません。不動産価格は単一要因で決まらず、金利・人口動態・インフレ・供給量等の複合要因で変動します。

この記事では、2025年最新の不動産価格動向、価格変動要因、専門家の見解、売買タイミングの判断基準を、国土交通省日本銀行の公式情報を元に解説します。

不動産市場の動きを理解し、自分に合った売買判断ができるようになります。

この記事のポイント

  • 2025年3月時点の不動産価格指数は148.6(前月比3.1%上昇)で高止まりが続いている
  • 金利上昇(日銀の利上げ)・人口減少が下落要因、インフレ・都心部需要継続が上昇要因
  • エリアにより二極化が進んでおり、都心部は横ばい~微増、地方は下落継続の見通し
  • 2024年問題(建設業の働き方改革)により供給減少し、価格下支え要因となる可能性
  • 売買タイミングは将来の価格予測ではなく、個々の事情(住み替え、資金計画)で判断すべき

現在の不動産価格の状況|2025年最新データで見る価格推移

国土交通省の不動産価格指数によると、2025年3月時点の住宅総合指数は148.6(2010年平均=100)で、前月比3.1%上昇しています。約30万件の実際の取引価格データを基にした公的指標で、不動産価格の高止まりが続いていることが分かります。

2025年最新の価格指数(国土交通省データ)

2025年3月公表の最新データによると、物件種別ごとの価格指数は以下の通りです。

物件種別 2025年3月指数 前月比
住宅総合 148.6 +3.1%
マンション 220.0 +4.2%
戸建住宅 118.3 +1.8%
土地 109.5 +0.9%

(出典: 国土交通省

マンション価格の上昇が顕著で、2010年と比べて2.2倍の水準に達しています。

物件種別ごとの価格推移

マンション価格は2020年以降急上昇しており、低金利政策・建設コスト高騰・都心部への人口集中が主な要因です。一方、戸建住宅・土地は緩やかな上昇にとどまっています。

不動産価格が上昇している要因|低金利・建設コスト・インフレ

現在の不動産価格上昇には、複数の要因が絡んでいます。

低金利政策の終了と金利上昇の影響

日銀は2024年3月にマイナス金利を解除し、2024年7月・2025年1月に利上げを実施しました。リビンマッチの分析によると、金利1%上昇で不動産価格は理論上20%下落する可能性がありますが、2025年時点では金利上昇幅が小さく、価格への影響は限定的です。

建設コスト高騰(資材・人件費)

建設資材価格の高騰(ウッドショック、鉄鋼価格上昇)と人件費の上昇により、新築物件の供給価格が上昇しています。これにより、中古物件の価格も押し上げられています。

都心部への人口集中とインフレヘッジ需要

リビンマッチの解説によると、人口減少下でも都心部への人口集中が続いており、東京・大阪等の大都市圏では需要が継続しています。また、インフレヘッジ(現物資産としての不動産需要)も価格上昇要因となっています。

今後価格が下落する可能性のある要因|金利上昇・人口減少・2024年問題

一方、今後の価格下落要因も存在します。

金利上昇による住宅ローン需要の減少

日銀の利上げにより、住宅ローン金利が上昇すれば、購入者の返済負担が増え、需要が減少する可能性があります。東急リバブルの分析によると、金利が1%上昇すれば、月額返済額が約2万円増加し、購入を見送る層が増えると予想されています。

人口減少と地方の空き家問題

総務省の人口統計によると、日本の総人口は減少を続けており、特に地方では空き家問題が深刻化しています。地方の不動産価格は下落圧力が強く、都心部との二極化が進んでいます。

2024年問題による供給減少と価格下支え

建設業の働き方改革により、2024年4月から時間外労働の上限規制が適用され、住宅供給が減少する「2024年問題」が指摘されています。オウチーノの分析によると、供給減少は価格下支え要因となる可能性がありますが、需要減(金利上昇・人口減少)との兼ね合いで複合的に判断が必要です。

エリア別の価格動向|都心部と地方の二極化

不動産価格はエリアにより大きく異なります。

都心部(東京・大阪等):横ばい~微増

すまいステップの分析によると、都心部(東京23区、大阪市中心部等)は需要が継続しており、価格は横ばい~微増の見通しです。特に、駅近・再開発エリアは需要が強く、価格維持が予想されています。

地方都市・郊外:下落継続

地方都市や郊外は人口減少・空き家増加により、価格下落が続いています。特に、駅から遠い・築古物件は需要が減少しており、価格下落圧力が強い状況です。

人口減少下でも不動産価格が上昇する理由

リビンマッチの解説によると、人口減少下でも世帯数は増加しており(単身世帯・高齢者世帯の増加)、住宅需要を下支えしています。また、住宅解体(老朽化した住宅の取り壊し)により供給が減少し、価格を下支えする要因となっています。

専門家の見解と売買タイミングの判断|不確実性を踏まえた選択

不動産価格の将来予測は不確実性が高く、専門家の見解も分かれています。

専門家の見解:「都心部は横ばい~微減、地方は下落継続」

オウチーノの専門家インタビューによると、多くの専門家は「都心部は横ばい~微減、地方は下落継続」という見解を示しています。ただし、金利上昇幅や経済情勢により結果は大きく変わるため、確実な予測は不可能です。

売買タイミングの判断基準

将来の価格予測に基づいて売買タイミングを決めるのではなく、個々の事情(住み替え、資金計画、ライフイベント)で判断することが推奨されています。

  • 購入検討中: 金利上昇リスクを理解し、返済計画に余裕を持つ
  • 売却検討中: 現在の高値水準を活かし、早めの売却を検討
  • 様子見: タイミングを待つより、自分のライフプランを優先

まとめ|不動産価格は複合要因で変動、個々の判断が重要

不動産価格は金利・人口動態・インフレ・供給量等の複合要因で変動し、エリアや物件種別により異なります。2025年3月時点の価格指数は148.6で高止まりが続いていますが、金利上昇・人口減少が下落要因、インフレ・都心部需要継続が上昇要因となっています。

都心部は横ばい~微増、地方は下落継続の見通しですが、確実な予測は不可能です。売買タイミングは将来の価格予測ではなく、個々の事情で判断しましょう。

信頼できる不動産会社や金融機関に相談しながら、自分に合った売買計画を立てることが重要です。

よくある質問

Q1金利上昇で不動産価格はどれくらい下がりますか?

A1金利1%上昇で理論上20%下落する可能性がありますが、実際にはエリアや物件種別により影響は異なります。東急リバブルの分析によると、都心部は需要が継続し価格維持の可能性が高い一方、地方は下落圧力が強まるとされています。金利上昇のペースや経済情勢によっても結果は変わるため、確実な予測は困難です。

Q22024年問題で不動産価格は上がりますか?

A2建設業の働き方改革で供給減少し、価格下支え要因となる可能性があります。ただし、需要減(金利上昇・人口減少)との兼ね合いで複合的に判断が必要です。オウチーノの分析によると、供給減だけで価格が上がるわけではなく、需要動向も重要な要素となります。

Q3不動産価格が下がるのを待つべきですか?

A3将来の価格予測は不確実であり、タイミングを待つより自分のライフプランを優先することが推奨されます。住み替え・資金計画・ライフイベントを踏まえて判断しましょう。専門家の多くは「タイミングを計るより、自分の事情で判断すべき」と助言しています。

Q4人口減少なのになぜ不動産価格が上がるのですか?

A4世帯数増加(単身世帯・高齢者世帯)、都心部への人口集中、住宅解体、インフレによる現物資産需要が価格を下支えしています。リビンマッチの解説によると、人口減少下でも世帯数は増加しており、住宅需要を維持しています。ただし、エリアにより二極化が進んでおり、地方は下落が続いています。