固定資産税を何で払うのが一番お得?
不動産を所有する方にとって、年間数十万円になる固定資産税の支払い方法を見直すことで、ポイント還元等のメリットを得られる可能性があります。しかし、支払い方法によって還元率・手数料が異なり、市区町村により利用可能な方法も異なります。
この記事では、固定資産税の支払い方法(クレジットカード、スマホ決済、電子マネー、コンビニ払い、口座振替、窓口払い)の還元率・手数料を比較し、最もお得な方法を、総務省や各決済サービスの公式情報を元に解説します。
固定資産税の支払い方法を見直したい方も、自分に合った最もお得な方法を判断できるようになります。
この記事のポイント
- 固定資産税の支払い方法は、クレジットカード、スマホ決済、電子マネー、コンビニ払い、口座振替、窓口払いの6種類
- クレジットカードは還元率0.5-1.0%だが手数料0.8-1.0%がかかり、還元率1.0%以上でないと実質的に損をする
- スマホ決済(auペイ、ファミペイ)は手数料無料で還元率0.5%程度のため、実質的にお得
- PayPay・楽天ペイは2024年以降、税金支払いでポイント付与終了(キャンペーン時を除く)
- 市区町村により利用可能な支払い方法が異なるため、必ず公式サイトで確認する必要がある
固定資産税とは?支払い方法の選択肢
固定資産税は、土地・建物の所有者が市区町村に納める地方税です(総務省)。毎年1月1日時点の所有者に課税され、年4回(4月・7月・12月・2月等、自治体により異なる)に分けて納付します。
支払い方法の種類
固定資産税の支払い方法は、以下の6種類があります。
| 支払い方法 | ポイント還元 | 手数料 | 市区町村対応 | 
|---|---|---|---|
| クレジットカード | 0.5-1.0% | 0.8-1.0% | △ 対応状況による | 
| スマホ決済(auペイ・ファミペイ) | 0.5%前後 | 無料 | ○ 対応自治体多い | 
| スマホ決済(PayPay・楽天ペイ) | なし※ | 無料 | ○ 対応自治体多い | 
| 電子マネー(nanaco等) | 0.5% | 無料 | △ セブンイレブン等 | 
| コンビニ払い | なし | 無料 | ○ ほぼ全自治体 | 
| 口座振替 | なし | 無料 | ○ 全自治体 | 
| 窓口払い | なし | 無料 | ○ 全自治体 | 
※ PayPay・楽天ペイは2024年以降、税金支払いでポイント付与終了(キャンペーン時を除く)
市区町村により利用可能な支払い方法が異なるため、必ず自分の自治体の公式サイトで確認しましょう。
各支払い方法の還元率・手数料を比較
固定資産税を最もお得に支払う方法を判断するには、還元率と手数料の両方を考慮する必要があります。
クレジットカード払い
還元率: 0.5-1.0%(カードにより異なる)
手数料: 1万円あたり80円前後(自治体により異なる)
損益分岐点: 還元率1.0%以上でないと実質的に損をします。
計算例:
- 固定資産税10万円を還元率0.5%のクレジットカードで支払った場合
- ポイント還元: 10万円 × 0.5% = 500円
- 決済手数料: 10万円 ÷ 1万円 × 80円 = 800円
- 実質損失: 500円 - 800円 = -300円(損)
一方、還元率1.0%のクレジットカードの場合:
- ポイント還元: 10万円 × 1.0% = 1,000円
- 決済手数料: 800円
- 実質利益: 1,000円 - 800円 = +200円(得)
還元率1.0%以上の高還元率クレジットカード(楽天カード、リクルートカード等)を利用する場合のみ、実質的にお得になります(LUXURY CARD EXPERIENCE)。
スマホ決済(auペイ・ファミペイ)
還元率: 0.5%前後(auペイは200円で1ポイント、ファミペイは200円で1ポイント)
手数料: 無料
実質利益:
- 固定資産税10万円をauペイで支払った場合
- ポイント還元: 10万円 ÷ 200円 × 1ポイント = 500ポイント(500円相当)
- 決済手数料: 0円
- 実質利益: +500円(得)
auペイ・ファミペイは手数料無料で還元率0.5%程度のため、実質的にお得です。
スマホ決済(PayPay・楽天ペイ)
還元率: 基本なし(キャンペーン時を除く)
注意点: PayPayは税金支払いでポイント還元なし。楽天ペイも2024年6月4日以降はポイント付与終了しました(とくらし)。
不定期でキャンペーンを開催する場合があるため、キャンペーン情報をチェックすることで、還元率0.5-1.0%程度のメリットを得られる可能性があります。
電子マネー(nanaco等)
還元率: 0.5%(クレジットカードからのチャージ時にポイント付与)
手数料: 無料
注意点: nanacoはチャージ上限が5万円のため、高額な固定資産税を支払う場合は複数回チャージが必要です。手間がかかる点がデメリットです。
コンビニ払い・口座振替・窓口払い
還元率: なし
手数料: 無料
特徴: ポイント還元はありませんが、手数料もかかりません。手間を省きたい場合、口座振替が便利です。
おすすめの支払い方法:還元率で選ぶ
還元率と手数料を考慮した、おすすめの支払い方法を提示します。
1位:高還元率クレジットカード(還元率1.0%以上)
条件: 還元率1.0%以上のクレジットカードを持っている場合
メリット: 決済手数料を差し引いても、実質的に0.2-0.3%程度のメリットがある
おすすめカード例:
- 楽天カード(還元率1.0%)
- リクルートカード(還元率1.2%)
固定資産税10万円の場合、実質200-400円程度の利益が得られます。
2位:auペイ・ファミペイ(手数料無料、還元率0.5%)
条件: 市区町村が対応している場合
メリット: 手数料無料で還元率0.5%程度のため、実質的にお得
手順:
- auペイ・ファミペイアプリをダウンロード
- クレジットカードからチャージ
- 納付書のバーコードをスキャンして支払い
固定資産税10万円の場合、実質500円程度の利益が得られます。
3位:楽天ペイ・PayPay(キャンペーン時のみ)
条件: キャンペーン期間中(還元率0.5-1.0%程度)
メリット: キャンペーン時は実質的にお得
注意点: 通常時はポイント付与なし。キャンペーン情報をこまめにチェックする必要があります。
4位:口座振替(手間を省きたい場合)
条件: ポイント還元より手間を省きたい場合
メリット: 納付忘れがない、手数料無料
デメリット: ポイント還元なし
ポイント還元にこだわらず、手間を省きたい場合は口座振替が便利です。
固定資産税支払い時の注意点
固定資産税を支払う際は、以下の点に注意しましょう。
市区町村により利用可能な支払い方法が異なる
クレジットカード払い・スマホ決済の対応状況は、市区町村により異なります。必ず自分の自治体の公式サイトで確認しましょう。
確認方法:
- 自治体の公式サイトにアクセス
- 「固定資産税」「納付方法」で検索
- 利用可能な支払い方法を確認
一括払いでも割引なし
固定資産税は、期別納付(年4回)でも一括納付(第1期にまとめて支払い)でも、金額は変わりません。「早く払えばお得」という誤解を避けましょう。
ただし、キャッシュレス決済のポイント還元は、一括納付の方が効率的です(1回の手続きで済むため)。
高還元率カード以外ではクレジットカード払いは損
還元率0.5%以下のクレジットカードで支払うと、決済手数料の方が高くなり、実質的に損をします。必ず還元率1.0%以上のカードを使用しましょう。
nanacoはチャージ上限(5万円)に注意
固定資産税が10万円を超える場合、nanacoは複数回チャージが必要です。手間がかかるため、auペイ・ファミペイの方が便利です。
キャンペーン情報をこまめにチェック
楽天ペイ・PayPay等は、不定期でキャンペーンを開催します。キャンペーン期間中に支払うことで、還元率0.5-1.0%程度のメリットを得られる可能性があります。
各決済サービスの公式サイトやアプリで、キャンペーン情報をこまめにチェックしましょう。
まとめ:還元率1.0%以上のクレジットカードかauペイ・ファミペイがおすすめ
固定資産税を最もお得に支払う方法は、還元率1.0%以上のクレジットカード(楽天カード、リクルートカード等)、またはauペイ・ファミペイ(手数料無料、還元率0.5%)です。
還元率0.5%以下のクレジットカードで支払うと、決済手数料の方が高くなり、実質的に損をします。PayPay・楽天ペイは通常時はポイント付与なしですが、キャンペーン時は還元率0.5-1.0%程度のメリットがあります。
市区町村により利用可能な支払い方法が異なるため、必ず自分の自治体の公式サイトで確認しましょう。一括払いでも割引はありませんが、キャッシュレス決済のポイント還元を受けられます。
自分に合った支払い方法を選び、固定資産税を少しでもお得に支払いましょう。
