固定資産税をクレジットカードで支払う方法とは
固定資産税の納付書が届くたびに、「コンビニや銀行に行くのが面倒」「ポイント還元を活用したい」と感じる方は少なくありません。固定資産税は、自治体の決済サイトやスマホ決済アプリを利用してクレジットカードで支払うことができます。
この記事では、クレジットカード払いの手続き方法、メリット(ポイント還元、24時間納付可能)、デメリット(決済手数料、領収書なし)を、総務省・クレジットカード会社の公式情報を元に解説します。
決済手数料とポイント還元を比較して、お得に納付できる方法を見つけましょう。
この記事のポイント
- 固定資産税はクレジットカードで支払い可能(自治体により対応状況が異なる)
- 支払い方法は、地方税お支払サイト、スマホ決済アプリ、自治体独自サイトの3パターン
- メリットは、ポイント還元、24時間納付可能、支払いタイミングの柔軟性
- デメリットは、決済手数料(税額の0.8-1.0%程度)、領収書なし、分割払い・リボ払いの高額手数料
- 手数料とポイント還元率を比較して、お得になるかを確認することが重要
クレジットカード払いの手続き方法
固定資産税のクレジットカード払いは、以下の3つの方法で手続きできます。
地方税お支払サイトでの手続き
地方税お支払サイトは、全国の自治体の地方税をクレジットカードで納付できる専用サイトです。eLTAX(地方税共同機構)が運営しています。
手続きの流れ:
- 地方税お支払サイトにアクセス
- 納付書に記載された「納付番号」「確認番号」を入力
- クレジットカード情報(カード番号、有効期限、セキュリティコード)を入力
- 決済完了(納付確認メールが届く)
対応自治体: 全国の多くの自治体が導入済み。自治体により対応状況が異なるため、納付書または自治体の公式サイトで確認してください。
決済手数料: 納付金額10,000円ごとに82-83円加算(税額の0.82-0.83%程度)
スマホ決済アプリ(PayPay等)での手続き
PayPay、au PAY、LINE Pay等のスマホ決済アプリでも、固定資産税を納付できます。
手続きの流れ(PayPay請求書払いの例):
- PayPayアプリを起動
- 「スキャン」をタップし、納付書のバーコードを読み取る
- 納付金額を確認し、「支払う」をタップ
- 決済完了
メリット:
- 決済手数料無料(PayPay残高での支払いの場合)
- 自宅で納付完了
- 30万円以下の納付書に対応
注意点:
- クレジットカードチャージでの支払いの場合、カードのポイント還元率が下がる場合がある
- 領収書は発行されない
PayPay公式サイトで対応自治体を確認してください。
各自治体の専用サイトでの手続き
一部の自治体は、独自の決済サイトを運営しています。納付書に記載されたQRコードまたはURLからアクセスし、クレジットカード情報を入力して納付します。
確認方法: 納付書の「納付方法」欄、または自治体の公式サイト(「〇〇市 固定資産税 クレジットカード」で検索)で確認してください。
クレジットカード払いのメリット
クレジットカード払いには、以下のメリットがあります。
ポイント還元が受けられる
クレジットカード利用により、カードのポイント還元率に応じてポイントが貯まります。
例:
- 還元率1.0%のカードで10万円の固定資産税を支払う→1,000ポイント獲得
- 還元率0.5%のカードで10万円の固定資産税を支払う→500ポイント獲得
注意: 一部のクレジットカードは、税金支払いの還元率が通常より低く設定されている場合があります。カード会社の公式サイトで還元率を確認してください。
24時間いつでも支払いが可能
クレジットカード払いは、インターネットで24時間納付可能です。銀行の窓口(平日9時〜15時)やコンビニ(営業時間内)に行く手間が省けます。
納付期限の直前(夜間・休日)でも納付できるため、納付忘れを防ぐことができます。
支払いタイミングを調整できる
クレジットカード払いでは、納付日(カード決済日)から実際の引き落とし日(カードの引き落とし日)まで約1〜2ヶ月のタイムラグがあります。
例:
- 納付期限: 4月30日
- カード決済日: 4月30日
- カード引き落とし日: 5月27日(カード会社により異なる)
一時的に資金が不足している場合、引き落とし日まで支払いを先延ばしできるメリットがあります。
クレジットカード払いのデメリット・注意点
クレジットカード払いには、以下のデメリット・注意点があります。
決済手数料が発生する
クレジットカード払いでは、決済手数料が発生します。手数料は自治体により異なりますが、おおよそ税額の0.8-1.0%程度です。
自治体別の決済手数料の例:
| 自治体 | 手数料(1万円あたり) | 税額10万円の場合 |
|---|---|---|
| 東京23区 | 80円 | 800円 |
| 千葉市 | 110円 | 1,100円 |
| 大阪市 | 82円 | 820円 |
(出典: LUXURY CARD)
重要: 決済手数料は、決済代行会社に支払われ、自治体の収入にはなりません。手数料を払っても自治体のサービスが向上するわけではないことを理解してください。
領収書が発行されない
クレジットカード払いでは、領収書が発行されません。納付事実を証明する必要がある場合は、市区町村の窓口で「納税証明書」を取得してください(手数料300円程度)。
D'ACTUSによると、不動産売買時の納税証明や確定申告では、領収書の代わりに納税証明書を使用すれば問題ありません。
分割払い・リボ払いの手数料に注意
クレジットカードの分割払い・リボ払いで固定資産税を支払うことは可能ですが、絶対に避けるべきです。
理由:
- 分割払い・リボ払いの金利手数料は年15-18%と高額
- 決済手数料とは別にかかる
例:
- 10万円の固定資産税をリボ払い(年利15%)で12ヶ月返済
- 金利手数料: 約8,000円
- 合計負担: 決済手数料800円 + 金利手数料8,000円 = 8,800円
分割払い・リボ払いの金利手数料は、決済手数料の10倍以上になる可能性があります。多重債務のリスクが高まるため、一括払いを推奨します。
クレジットカード払いはお得か?損益分岐点の考え方
決済手数料とポイント還元率を比較して、お得になるかを判断しましょう。
計算式:
- 実質利益 = ポイント還元 - 決済手数料
例1(お得なケース):
- 還元率1.0%のカード、決済手数料0.8%の自治体、税額10万円
- ポイント還元: 10万円 × 1.0% = 1,000円
- 決済手数料: 10万円 × 0.8% = 800円
- 実質利益: 1,000円 - 800円 = 200円(お得)
例2(損するケース):
- 還元率0.5%のカード、決済手数料1.0%の自治体、税額10万円
- ポイント還元: 10万円 × 0.5% = 500円
- 決済手数料: 10万円 × 1.0% = 1,000円
- 実質利益: 500円 - 1,000円 = -500円(損)
損益分岐点:
- カードの還元率が決済手数料率を上回れば、お得になります。
- カードの還元率が決済手数料率を下回れば、損します。
PayPay等の手数料無料の選択肢: PayPay請求書払いは決済手数料無料です。ただし、PayPay残高へのチャージ方法により、ポイント還元率が異なります。
- 銀行口座・ATMチャージ: 還元なし
- クレジットカードチャージ: カードのポイント還元率が下がる場合がある(カードにより異なる)
PayPayステップ等のキャンペーンを活用すれば、還元率が上がる場合もあります。
まとめ:自分に合った支払い方法を選ぼう
固定資産税のクレジットカード払いは、ポイント還元や24時間納付可能というメリットがある一方、決済手数料や領収書なしというデメリットもあります。
カードの還元率と自治体の決済手数料を比較し、お得になるかを確認することが重要です。還元率が手数料率を上回れば実質的に得をしますが、下回れば損をします。
PayPay請求書払い等の決済手数料無料の選択肢も検討し、自分に合った納付方法を選びましょう。分割払い・リボ払いは金利手数料が高額なため、避けることを強く推奨します。
