一戸建ての人気間取りを選ぶポイント
一戸建ての間取り選びで「どの間取りが暮らしやすいのか分からない」と悩んでいませんか?間取りは家族構成やライフスタイルによって最適解が異なるため、万人向けの正解はありません。
この記事では、家族構成・ライフステージ別の人気間取り、動線・収納・日当たりなど選び方のポイントを、国土交通省や住宅金融支援機構の公式データを元に解説します。
将来のリフォーム可能性も考慮した、後悔しない間取り選びができるようになります。
この記事のポイント
- 人気間取りトップ3は4LDK(30-35坪)、3LDK(25-30坪)、5LDK(35-40坪)
- 家族構成により最適な間取りは異なる(夫婦2人:3LDK、子供1-2人:4LDK、子供3人以上or二世帯:5LDK)
- 選び方のポイントは動線・収納・日当たりの3要素で、建築基準法の居室採光基準(窓面積=床面積の1/7以上)も確認
- リビング階段・土間収納・ファミリークローゼット等のトレンドはメリット・デメリット両方を理解すべき
- 将来の可変性(子供部屋の間仕切り変更等)と法規制(建ぺい率・容積率)も考慮が必要
一戸建てで人気の間取りランキング
ハウスメーカーの販売実績と住宅金融支援機構のデータに基づく人気間取りトップ3を紹介します。
1位:4LDK(30-35坪)
4LDKは子供2人の4人家族に最も人気の間取りです。
構成例:
- LDK(15-20畳)
- 主寝室(6-8畳)
- 子供部屋2室(各6畳)
- 予備室(4.5-6畳、書斎・ゲストルーム等)
子供部屋2室を確保しつつ、テレワークスペースや趣味の部屋としても使える予備室がある点が支持されています。
2位:3LDK(25-30坪)
3LDKは夫婦+子供1人、または夫婦のみの世帯に人気です。
構成例:
- LDK(15-18畳)
- 主寝室(6-8畳)
- 子供部屋(6畳)
- 書斎・趣味部屋(4.5-6畳)
コンパクトで維持費を抑えられる点、夫婦2人なら1部屋を書斎や趣味部屋に使える点がメリットです。
3位:5LDK(35-40坪)
5LDKは子供3人以上、または二世帯同居の世帯に支持されています。
構成例:
- LDK(18-22畳)
- 主寝室(6-8畳)
- 子供部屋3室(各6畳)
- 親の部屋・ゲストルーム等
個室を多く確保でき、二世帯同居でもプライバシーを保てる間取りです。
(出典: 国土交通省、THE ROOM TOUR)
家族構成別のおすすめ間取り
家族構成・ライフステージ別に最適な間取りを解説します。
夫婦2人:3LDK
おすすめ理由:
- 主寝室+予備室2つで、書斎・趣味部屋・ゲストルームに使える
- 維持費(固定資産税、光熱費)を抑えられる
- 将来子供が生まれても対応可能
注意点: 子供が2人以上になると手狭になる可能性があります。
子供1-2人:4LDK
おすすめ理由:
- 子供部屋2室+予備室で、子供の成長に合わせて柔軟に使える
- テレワークスペースや親の趣味部屋も確保できる
- 最も人気があり、将来の売却時も需要が高い
注意点: 子供の性別・年齢差により個室の必要性が変わるため、将来の間仕切り変更(1部屋→2部屋)ができる可変性のある設計が推奨されます。
子供3人以上・二世帯:5LDK
おすすめ理由:
- 個室を多く確保でき、プライバシーを保てる
- 二世帯同居でも親世帯・子世帯の生活空間を分けられる
- 将来の介護スペースとしても活用可能
注意点: 建物が大きくなるため、土地の建ぺい率・容積率の制限を確認する必要があります。
(出典: SUUMO)
間取りの選び方:動線・収納・日当たりをチェック
間取り選びで重視すべき3つのポイントを解説します。
家事動線・衛生動線・通勤動線
家事動線: 調理→洗濯→干すの一連の流れがスムーズか確認します。キッチンと洗濯機、物干しスペースが近いと効率的です。
衛生動線: トイレ・浴室の配置が生活空間と適切に分かれているか確認します。来客時にトイレが見えない配置が理想です。
通勤動線: 個室から玄関までの動線が短く、家族と顔を合わせずに出入りできるか(またはリビング階段で必ず顔を合わせるか)を選択します。
収納は床面積の10-15%が目安
収納不足は住み始めてから最も後悔するポイントです。
目安: 床面積の10-15%を収納スペースとして確保します。例えば30坪(約99㎡)の家なら、約10-15㎡(約3-4.5坪)の収納が必要です。
おすすめの収納:
- 土間収納(シューズクローク): 靴・ベビーカー・スポーツ用品を収納(1-2畳)
- ファミリークローゼット: 家族全員の衣類を一箇所に集約し、洗濯動線を短縮化
- パントリー: キッチン横に食品・調理器具を収納(1-2畳)
居室の採光・換気基準
建築基準法では、居室の採光・換気基準が定められています。
採光基準: 窓面積は床面積の1/7以上が必要です。これを満たさないと違法建築になります。
おすすめの配置:
- LDKは南向きで日当たり良好に
- 水回り(浴室・トイレ)は北側に配置し、居室の日当たりを優先
- 寝室は東向きで朝日を取り入れる
(出典: ヘーベルハウス)
人気のトレンド間取り(リビング階段・土間収納・ファミリークローゼット)
最近人気の間取りトレンド3つを公平に解説します。
リビング階段のメリット・デメリット
メリット:
- 家族のコミュニケーションが増える(子供が2階に行く際、必ずリビングを通る)
- リビングに開放感が生まれる
デメリット:
- 音漏れ(2階の生活音がリビングに聞こえる)
- 冷暖房効率の低下(暖気・冷気が2階に逃げやすい)
リビング階段は一概に「やめたほうがいい」とは言えません。家族構成・ライフスタイルにより判断すべきで、実際の建物で体感することを推奨します。
(出典: スーモカウンター)
土間収納(シューズクローク)
メリット:
- 靴・ベビーカー・スポーツ用品・アウトドア用品等を収納でき、玄関をすっきり保てる
- 来客時に玄関が散らかっていない印象を与える
おすすめサイズ: 1-2畳が一般的です。
ファミリークローゼット
メリット:
- 家族全員の衣類を一箇所に集約し、洗濯動線を短縮化できる
- 各部屋にクローゼットを作るより、収納効率が高い
おすすめ配置: 洗濯機の近く、またはLDK横に配置すると便利です。
(出典: THE ROOM TOUR)
間取り選びの注意点:将来の可変性と法規制
間取り選びで見落としやすい2つの注意点を解説します。
将来の可変性(子供部屋の間仕切り変更等)
子供の成長に合わせた間仕切り変更(1部屋→2部屋)ができる設計を推奨します。
例: 12畳の子供部屋を、将来6畳×2部屋に間仕切り変更できるよう、ドア・窓・クローゼットを2つずつ設置しておく。
ライフステージ変化(親の介護スペース確保、テレワークスペース追加等)にも対応できる柔軟性が重要です。
建ぺい率・容積率の確認
都市計画法により、土地には建ぺい率・容積率の制限があります。
建ぺい率: 土地面積に対する建築面積の割合(例: 建ぺい率60%なら、100㎡の土地に60㎡までの建物)
容積率: 土地面積に対する延床面積の割合(例: 容積率200%なら、100㎡の土地に200㎡までの建物)
これらを無視すると違法建築になるため、ハウスメーカーや建築士に必ず確認することが重要です。
(出典: ヘーベルハウス)
まとめ:ライフスタイルに合った間取りを選ぼう
人気間取りランキングは参考になりますが、最適な間取りは家族構成・ライフスタイル・将来計画により異なります。
動線・収納・日当たりの3要素を重視し、将来の可変性も考慮して選ぶことが重要です。複数のハウスメーカーに間取りプランを依頼し、専門家のアドバイスを受けながら決定することをおすすめします。
「最高の間取り」は存在しませんが、あなたの家族にとって最適な間取りを見つけることができるでしょう。焦らず、じっくりと検討しましょう。
