マンション1階のデメリットと購入時のチェックポイント

公開日: 2025/11/1

マンション1階のデメリットとは:購入前に知っておくべきポイント

マンションの1階住戸は価格が魅力的ですが、「防犯面は大丈夫か」「日当たりや湿気はどうなのか」と不安に感じる方は少なくありません。

この記事では、マンション1階のデメリットとメリット、購入時のチェックポイントを、国土交通省の不動産取引情報や専門家の知見を元に解説します。

1階住戸の特性を正しく理解し、自分に合った判断ができるようになります。

この記事のポイント

  • 1階のデメリットは防犯リスク、日当たり・風通しの悪さ、湿気・カビ、騒音、虫の侵入等
  • 一方で価格の安さ(上階より5-15%割安)、専用庭、エレベーター不要等のメリットもある
  • 小さな子供や高齢者がいる家庭、専用庭を活用したい方には1階が向いている
  • 購入前に防犯設備、日照条件、排水設備、管理状況を必ず確認する
  • デメリットを理解した上で、自分のライフスタイルに合うか判断することが重要

マンション1階の主なデメリット

マンション1階には、以下のような特有のデメリットがあります。

防犯リスクが高い

警視庁の調査によると、マンションへの侵入窃盗の約40%が1階から発生しています。窓やバルコニーから侵入しやすく、防犯対策が不十分だと狙われやすい傾向があります。

ただし、オートロック、防犯カメラ、センサーライト等の設備が整っている物件では、リスクを大幅に軽減できます。

プライバシーの確保が難しい

1階は通行人や駐車場から室内が見えやすく、カーテンやブラインドを常に閉めている必要がある場合があります。

特に道路に面した部屋や、共用部分に近い部屋は視線が気になることが多いです。内見時に時間帯を変えて確認することをおすすめします。

日当たり・風通しが悪い

建物配置や周辺環境により、1階は日光が入りにくく、風通しが悪くなりがちです。

特に北向きの部屋や、隣接建物が近い物件では、日中でも薄暗いことがあります。日照条件は内見時に必ず確認しましょう。

湿気・カビが発生しやすい

地面に近いため、湿気がこもりやすく、カビが発生しやすい傾向があります。

特に浴室・洗面所・押入れ等の水回りや収納スペースは注意が必要です。換気設備が十分に機能しているか、結露対策がされているか確認してください。

騒音が気になる

上階の住人の足音や生活音が聞こえやすく、特にファミリー世帯が多い物件では子供の走り回る音が気になることがあります。

一方で、自分の生活音が下に響く心配がない点はメリットとも言えます。

虫が侵入しやすい

窓やバルコニーから虫が侵入しやすく、特に夏場は蚊やゴキブリ等の害虫対策が必要です。

網戸の設置、定期的な清掃、防虫剤の使用等で対策可能ですが、虫が苦手な方には大きなデメリットとなります。

マンション1階のメリット

一方で、1階住戸には以下のようなメリットもあります。

価格が5-15%割安

国土交通省の不動産取引価格情報によると、1階住戸は同じ間取りの上階に比べて5-15%程度割安に設定されることが多いです。

購入予算を抑えたい方や、価格を重視する方にとって大きなメリットです。

専用庭が使える物件がある

1階住戸には専用庭が付いている物件があり、ガーデニングやバーベキュー、子供の遊び場として活用できます。

都心部では専用庭付きの物件は希少で、生活の質を大きく向上させる要素となります。

エレベーター待ちが不要

階段ですぐに出入りできるため、エレベーター待ちのストレスがありません。

特に朝の通勤時間帯や、重い荷物を運ぶ際に便利です。高層階ほどエレベーター待ち時間が長くなる傾向があります。

災害時の避難がしやすい

地震や火災等の災害時に、すぐに外に避難できる点は大きな安心材料です。

高層階では避難に時間がかかり、エレベーターが停止すると階段での移動が必要になります。

下の階への騒音を気にしなくて良い

自分の生活音が下に響く心配がないため、小さな子供がいる家庭やペットを飼っている家庭には向いています。

足音や物音を気にせず生活できる点は、ストレス軽減につながります。

マンション1階が向いている人

以下のような方には、1階住戸が向いています。

小さな子供がいる家庭

子供の足音を気にせず生活でき、専用庭があれば遊び場として活用できます。また、災害時にすぐに避難できる点も安心です。

高齢者や足腰が弱い方

エレベーター待ちが不要で、階段での移動負担が少ないため、高齢者や足腰が弱い方に適しています。

ガーデニングやアウトドアが好きな方

専用庭を活用してガーデニングやバーベキューを楽しみたい方には、1階住戸が魅力的です。

購入予算を抑えたい方

同じ間取りでも5-15%割安に購入できるため、予算を抑えたい方や、その分を内装や家具に回したい方に向いています。

マンション1階購入時のチェックポイント

1階住戸を購入する際には、以下のポイントを必ず確認してください。

防犯設備の確認

  • オートロック、防犯カメラ、センサーライトの設置状況
  • 窓に防犯ガラスや補助錠が付いているか
  • 外部からの視線を遮る植栽やフェンスがあるか

日照条件の確認

  • 内見時に時間帯を変えて日当たりを確認(朝・昼・夕方)
  • 南向きでも隣接建物により日光が遮られていないか
  • 季節による日照の変化(冬は太陽が低い)

排水設備の確認

  • 大雨時に排水が逆流しないか(過去の浸水履歴を確認)
  • 浴室・洗面所・トイレの排水状況
  • 専用庭がある場合、排水口の位置と機能

管理状況の確認

  • 共用部分の清掃状況(エントランス、駐車場、ゴミ置き場)
  • 管理費・修繕積立金の金額と使途
  • 管理組合の活動状況(総会議事録等)

周辺環境の確認

  • 通行人の多さ(プライバシーへの影響)
  • 夜間の街灯の明るさ(防犯面)
  • 近隣の騒音源(幹線道路、商業施設等)

まとめ:デメリットを理解した上で総合的に判断する

マンション1階には、防犯リスク、日当たり・風通しの悪さ、湿気・カビ等のデメリットがありますが、価格の安さ、専用庭、エレベーター不要等のメリットもあります。

デメリットを理解した上で、自分のライフスタイルや優先順位に合うか総合的に判断することが重要です。

次のアクションとして、以下をおすすめします。

  • 複数の1階物件を内見し、時間帯を変えて確認する
  • 防犯設備・日照条件・排水設備を必ずチェックする
  • 不動産会社に過去のトラブル履歴や管理状況を確認する

信頼できる不動産会社のサポートを受けながら、後悔のない選択をしましょう。

よくある質問

Q1マンション1階は本当に危険ですか?

A1警視庁の調査では、マンションへの侵入窃盗の約40%が1階から発生していますが、オートロック・防犯カメラ・センサーライト等の設備が整っている物件では、リスクを大幅に軽減できます。購入前に防犯設備を必ず確認し、補助錠や防犯ガラスの追加設置も検討してください。適切な対策により、安全性を高めることは可能です。

Q21階の湿気対策はどうすればよいですか?

A2換気設備(24時間換気システム)が十分に機能しているか確認し、定期的な換気・除湿機の使用・家具と壁の間にスペースを空ける等の対策が有効です。特に浴室・洗面所・押入れ等の水回りや収納スペースは、カビが発生しやすいため注意が必要です。内見時に結露の跡がないか確認してください。

Q3マンション1階は資産価値が下がりやすいですか?

A3一般的に1階住戸は上階に比べて需要が低く、売却時に時間がかかる可能性があります。ただし、専用庭付き・駅近・管理状況良好等の条件を満たす物件は、需要が高く資産価値を維持しやすい傾向があります。将来の売却を考慮する場合、立地と物件の特性を総合的に判断してください。

Q4上階の騒音はどの程度ですか?

A4建物の構造(鉄筋コンクリート造、鉄骨造等)や床の仕様(二重床、防音フローリング等)により大きく異なります。特にファミリー世帯が多い物件では、子供の走り回る音が気になることがあります。内見時に上階の住人構成を確認し、可能であれば騒音レベルを体感してください。管理組合の規約で騒音対策が定められているか確認することも重要です。

Q5専用庭の管理責任は誰にありますか?

A5専用庭の管理責任は基本的に住人にあります。草刈り・清掃・植栽の手入れ等は自己負担で行う必要があり、管理費とは別に費用がかかる場合があります。また、専用庭の使用方法(バーベキューの可否、物置の設置等)は管理組合の規約で制限されることが多いため、購入前に必ず確認してください。