土地の単位とは?法定単位と実務での使い分け
土地購入を検討する際、「坪と平米の違いが分からない」「面積の感覚がつかめない」と感じる方は少なくありません。
この記事では、土地の面積単位(㎡・坪・畳・a・ha)の定義、換算方法、使い分けを、国土交通省・経済産業省の公式情報を元に解説します。
法定単位と実務での慣習を理解し、土地の広さを正確に把握できるようになります。
この記事のポイント
- 法定単位は㎡(平方メートル)で、取引・証明で使用が義務付けられている
- 坪は計量法で取引・証明での使用が禁止されたが、不動産業界では慣習的に併記される
- 1坪≒3.30579㎡、1畳≒1.62㎡(不動産広告基準)だが、畳は地域により大きさが異なる
- a(アール)・ha(ヘクタール)は農地・大規模土地で使用される単位
- 法定単位(㎡)を基準に、坪・畳を補助的に使うことで面積感覚をつかみやすくなる
法定単位と実務での使い分け
土地の面積単位には、法律で定められた法定単位と、実務で慣習的に使われる単位があります。
平方メートル(㎡):法定単位・公式文書
平方メートル(㎡)は、計量法で定められた法定計量単位です。取引・証明で使用が義務付けられ、不動産登記・広告・契約書で必ず㎡表示が必要です。
法務局での不動産登記では、地積(土地の面積)は㎡で表示されます。
坪:不動産業界の慣習・一般会話
坪は一辺が6尺(約1.82m)の正方形の面積で、1坪≒3.30579㎡です。
計量法で取引・証明での使用は1966年3月31日から禁止されましたが、不動産業界では慣習的に併記されます。一般会話でも「30坪の土地」といった表現がよく使われます。
計量法による規制
計量法では、尺貫法(坪・畳等)の使用は取引・証明で禁止されています。ただし、併記は可能です。
不動産広告では「70㎡(約21坪)」のように、㎡表示を主とし、坪を併記する形式が一般的です。
坪・平米・畳の換算方法|早見表で確認
土地の面積単位の換算方法を早見表で確認できます。
1坪=3.30579㎡の換算式
1坪 = 3.30579㎡(約3.3㎡) 1㎡ = 0.3025坪(約0.3坪)
| ㎡ | 坪 | 畳(不動産広告基準) |
|---|---|---|
| 10㎡ | 約3坪 | 約6畳 |
| 30㎡ | 約9坪 | 約18畳 |
| 50㎡ | 約15坪 | 約31畳 |
| 70㎡ | 約21坪 | 約43畳 |
| 100㎡ | 約30坪 | 約62畳 |
| 200㎡ | 約60坪 | 約123畳 |
畳の大きさと地域差
畳の大きさは地域により異なります。
| 地域 | サイズ | 面積 |
|---|---|---|
| 京間(関西・西日本) | 191cm × 95.5cm | 約1.82㎡ |
| 中京間 | 182cm × 91cm | 約1.66㎡ |
| 江戸間(関東・東日本) | 176cm × 87.8cm | 約1.55㎡ |
| 団地間 | 170cm × 85cm | 約1.45㎡ |
不動産広告では、1畳=1.62㎡以上を基準としています。同じ6畳でも、京間と江戸間では面積が異なる点に注意が必要です。
実際の土地広さのイメージ
具体的な広さのイメージを掴むための例です。
| 面積 | 坪 | 用途の例 |
|---|---|---|
| 30㎡ | 約9坪 | ワンルーム~1DK |
| 50㎡ | 約15坪 | 1LDK~2DK |
| 70㎡ | 約21坪 | 2LDK~3DK |
| 100㎡ | 約30坪 | 3LDK~4LDK、一般的な住宅用地 |
| 200㎡ | 約60坪 | 広めの戸建て住宅用地 |
a(アール)・ha(ヘクタール)|農地・大規模土地の単位
農地や大規模な土地では、a(アール)・ha(ヘクタール)という単位が使われます。
1a=100㎡、1ha=10,000㎡
| 単位 | 面積 | 換算 |
|---|---|---|
| 1a(アール) | 100㎡ | 10m × 10m |
| 1ha(ヘクタール) | 10,000㎡ | 100m × 100m、1ha=100a |
a(アール)は主に農地の面積表示に使用されます。ha(ヘクタール)は大規模な土地(森林・農地・公園等)の面積表示に使用されます。
農地での使用例
農地の面積は、a(アール)で表示されることが一般的です。
- 10a = 1,000㎡ = 約300坪
- 30a = 3,000㎡ = 約900坪
- 1ha = 10,000㎡ = 約3,000坪
坪が使われる理由と歴史
坪は江戸時代から使われてきた尺貫法の単位で、日本人になじみ深い単位です。
尺貫法の歴史と計量法による規制
尺貫法は、日本で古くから使われてきた度量衡の体系です。1951年に計量法が制定され、1959年に尺貫法が廃止、1966年3月31日から取引・証明での使用が完全に禁止されました。
しかし、不動産業界では「30坪の土地」といった表現が一般的で、現在も慣習的に使われています。
不動産業界での坪の使われ方
不動産広告では、㎡表示を主とし、坪を併記する形式が一般的です。
- 広告例: 「敷地面積:100㎡(約30坪)」
- 一般会話: 「この土地は30坪くらいですね」
坪は日本人にとって馴染み深く、面積感覚をつかみやすいため、実務では併記されることが多いです。
登記簿謄本・広告での面積表示
土地の面積は、公式文書と広告で表示方法が異なります。
登記簿謄本では㎡のみ表示
登記簿謄本(登記事項証明書)では、地積(土地の面積)は㎡のみで表示されます。坪表示はありません。
例:「地積 100.00平方メートル」
広告では㎡と坪を併記
不動産広告では、㎡表示を主とし、坪を括弧書きで併記することが一般的です。
例:「敷地面積:100㎡(約30坪)」
国土交通省の不動産表示規約では、㎡表示が必須とされています。
まとめ:法定単位(㎡)を基準に、坪・畳を補助的に使う
土地の面積単位は、法定単位の㎡を基準にしつつ、坪・畳を補助的に使うことで、面積感覚をつかみやすくなります。
1坪≒3.3㎡、1畳≒1.62㎡の換算式を覚えておけば、広告や登記簿謄本の数値を実感しやすくなります。畳の大きさは地域により異なる点に注意してください。
土地購入時は、登記簿謄本で㎡表示を確認し、坪表示は目安として活用しましょう。信頼できる不動産会社に相談しながら、適切な土地選びを進めてください。
