土地の単位を徹底解説:坪・㎡・畳の換算方法と使い分け

公開日: 2025/11/11

土地の単位とは?法定単位と実務での使い分け

土地購入を検討する際、「坪と平米の違いが分からない」「面積の感覚がつかめない」と感じる方は少なくありません。

この記事では、土地の面積単位(㎡・坪・畳・a・ha)の定義、換算方法、使い分けを、国土交通省・経済産業省の公式情報を元に解説します。

法定単位と実務での慣習を理解し、土地の広さを正確に把握できるようになります。

この記事のポイント

  • 法定単位は㎡(平方メートル)で、取引・証明で使用が義務付けられている
  • 坪は計量法で取引・証明での使用が禁止されたが、不動産業界では慣習的に併記される
  • 1坪≒3.30579㎡、1畳≒1.62㎡(不動産広告基準)だが、畳は地域により大きさが異なる
  • a(アール)・ha(ヘクタール)は農地・大規模土地で使用される単位
  • 法定単位(㎡)を基準に、坪・畳を補助的に使うことで面積感覚をつかみやすくなる

法定単位と実務での使い分け

土地の面積単位には、法律で定められた法定単位と、実務で慣習的に使われる単位があります。

平方メートル(㎡):法定単位・公式文書

平方メートル(㎡)は、計量法で定められた法定計量単位です。取引・証明で使用が義務付けられ、不動産登記・広告・契約書で必ず㎡表示が必要です。

法務局での不動産登記では、地積(土地の面積)は㎡で表示されます。

坪:不動産業界の慣習・一般会話

坪は一辺が6尺(約1.82m)の正方形の面積で、1坪≒3.30579㎡です。

計量法で取引・証明での使用は1966年3月31日から禁止されましたが、不動産業界では慣習的に併記されます。一般会話でも「30坪の土地」といった表現がよく使われます。

計量法による規制

計量法では、尺貫法(坪・畳等)の使用は取引・証明で禁止されています。ただし、併記は可能です。

不動産広告では「70㎡(約21坪)」のように、㎡表示を主とし、坪を併記する形式が一般的です。

坪・平米・畳の換算方法|早見表で確認

土地の面積単位の換算方法を早見表で確認できます。

1坪=3.30579㎡の換算式

1坪 = 3.30579㎡(約3.3㎡) 1㎡ = 0.3025坪(約0.3坪)

畳(不動産広告基準)
10㎡ 約3坪 約6畳
30㎡ 約9坪 約18畳
50㎡ 約15坪 約31畳
70㎡ 約21坪 約43畳
100㎡ 約30坪 約62畳
200㎡ 約60坪 約123畳

畳の大きさと地域差

畳の大きさは地域により異なります。

地域 サイズ 面積
京間(関西・西日本) 191cm × 95.5cm 約1.82㎡
中京間 182cm × 91cm 約1.66㎡
江戸間(関東・東日本) 176cm × 87.8cm 約1.55㎡
団地間 170cm × 85cm 約1.45㎡

不動産広告では、1畳=1.62㎡以上を基準としています。同じ6畳でも、京間と江戸間では面積が異なる点に注意が必要です。

実際の土地広さのイメージ

具体的な広さのイメージを掴むための例です。

面積 用途の例
30㎡ 約9坪 ワンルーム~1DK
50㎡ 約15坪 1LDK~2DK
70㎡ 約21坪 2LDK~3DK
100㎡ 約30坪 3LDK~4LDK、一般的な住宅用地
200㎡ 約60坪 広めの戸建て住宅用地

a(アール)・ha(ヘクタール)|農地・大規模土地の単位

農地や大規模な土地では、a(アール)・ha(ヘクタール)という単位が使われます。

1a=100㎡、1ha=10,000㎡

単位 面積 換算
1a(アール) 100㎡ 10m × 10m
1ha(ヘクタール) 10,000㎡ 100m × 100m、1ha=100a

a(アール)は主に農地の面積表示に使用されます。ha(ヘクタール)は大規模な土地(森林・農地・公園等)の面積表示に使用されます。

農地での使用例

農地の面積は、a(アール)で表示されることが一般的です。

  • 10a = 1,000㎡ = 約300坪
  • 30a = 3,000㎡ = 約900坪
  • 1ha = 10,000㎡ = 約3,000坪

坪が使われる理由と歴史

坪は江戸時代から使われてきた尺貫法の単位で、日本人になじみ深い単位です。

尺貫法の歴史と計量法による規制

尺貫法は、日本で古くから使われてきた度量衡の体系です。1951年に計量法が制定され、1959年に尺貫法が廃止、1966年3月31日から取引・証明での使用が完全に禁止されました。

しかし、不動産業界では「30坪の土地」といった表現が一般的で、現在も慣習的に使われています。

不動産業界での坪の使われ方

不動産広告では、㎡表示を主とし、坪を併記する形式が一般的です。

  • 広告例: 「敷地面積:100㎡(約30坪)」
  • 一般会話: 「この土地は30坪くらいですね」

坪は日本人にとって馴染み深く、面積感覚をつかみやすいため、実務では併記されることが多いです。

登記簿謄本・広告での面積表示

土地の面積は、公式文書と広告で表示方法が異なります。

登記簿謄本では㎡のみ表示

登記簿謄本(登記事項証明書)では、地積(土地の面積)は㎡のみで表示されます。坪表示はありません。

例:「地積 100.00平方メートル」

広告では㎡と坪を併記

不動産広告では、㎡表示を主とし、坪を括弧書きで併記することが一般的です。

例:「敷地面積:100㎡(約30坪)」

国土交通省の不動産表示規約では、㎡表示が必須とされています。

まとめ:法定単位(㎡)を基準に、坪・畳を補助的に使う

土地の面積単位は、法定単位の㎡を基準にしつつ、坪・畳を補助的に使うことで、面積感覚をつかみやすくなります。

1坪≒3.3㎡、1畳≒1.62㎡の換算式を覚えておけば、広告や登記簿謄本の数値を実感しやすくなります。畳の大きさは地域により異なる点に注意してください。

土地購入時は、登記簿謄本で㎡表示を確認し、坪表示は目安として活用しましょう。信頼できる不動産会社に相談しながら、適切な土地選びを進めてください。

よくある質問

Q1坪と平米(㎡)はどちらを使えばいいですか?

A1法定単位は平米(㎡)で、取引・証明で使用が義務付けられています。坪は計量法で取引・証明での使用が禁止されましたが、不動産業界では慣習的に併記されます。公式文書では㎡のみ、広告では㎡と坪を併記する形式が一般的です。

Q21坪は何平米ですか?

A21坪≒3.30579㎡(約3.3㎡)です。逆に、1㎡≒0.3025坪(約0.3坪)です。例えば、100㎡の土地は約30坪に相当します。この換算式を覚えておくと、広告や登記簿謄本の数値を実感しやすくなります。

Q3畳の大きさは地域で違うのですか?

A3はい、地域により異なります。京間(関西)は約1.82㎡、江戸間(関東)は約1.55㎡で、同じ6畳でも面積が異なります。不動産広告では1畳=1.62㎡以上を基準としています。地域の畳サイズを確認し、㎡表示を主に使うことをおすすめします。

Q4a(アール)・ha(ヘクタール)はどんな時に使いますか?

A4a(アール)は100㎡、ha(ヘクタール)は10,000㎡です。主に農地や大規模な土地(森林・公園等)の面積表示に使用されます。一般的な住宅用地では㎡・坪が使われますが、農地では「10a」「1ha」といった表示が一般的です。