住宅ローン後に外構ローンは組める?追加融資の方法と注意点

公開日: 2025/11/4

住宅ローン後に外構ローンは組めるのか

住宅ローンを組んだ後に、外構工事の費用が予想以上にかかることが判明し、「追加でローンを組めるのか」と不安に感じる方は少なくありません。

この記事では、住宅ローン実行後に外構ローン(リフォームローン扱い)を組む方法、審査のポイント、金利差、同一銀行での追加融資と他行での新規融資の比較を、住宅金融支援機構金融庁等の公式情報を元に解説します。

返済比率の計算方法や審査が通りやすいケースを理解することで、無理のない追加融資計画を立てられるようになります。

この記事のポイント

  • 住宅ローンへの追加融資は原則不可、新規でリフォームローンを組む必要がある
  • 外構工事はリフォームローン対象となり、住宅ローンより金利が高い(無担保型1.3-4.8%、有担保型0.29%〜)
  • 審査の鍵は返済比率(年収に対する年間返済額の割合、審査基準30-35%、理想は20-25%)
  • 同一銀行での審査が有利な場合もあり、複数社の比較が重要
  • 転職直後や他のローン滞納がある場合は審査落ちのリスクが高い

外構ローンとリフォームローンの違い

住宅ローン実行後に外構工事の資金が必要になった場合、追加融資は原則不可ですが、新規でリフォームローンを組むことは可能です。外構工事は法的には「リフォーム」扱いとなり、住宅ローンとは別の金融商品として扱われます。

外構工事がリフォームローン対象となる理由

国土交通省の住宅リフォーム支援制度によると、外構工事(門扉、塀、駐車場、庭等の整備)は「住宅の増改築・修繕」に含まれ、リフォームローンの対象となります。住宅本体の建築費用とは別に、後から追加で融資を受ける形となります。

有担保型と無担保型の違い

リフォームローンには大きく2種類あります。

種類 金利 審査期間 抵当権設定 向いている人
有担保型 0.29%〜 1ヶ月程度 必要 金利を抑えたい、借入額が大きい
無担保型 1.3-4.8% 1-2週間 不要 急いでいる、手続きを簡単にしたい

(出典: マイベスト - リフォームローンのおすすめ人気ランキング【2025年9月】

有担保型は金利が低いですが、不動産を担保にするため抵当権設定の手続きが必要で審査期間が長くなります。無担保型は金利が高いですが、審査がスピーディーで手続きが簡単です。住宅ローン(0.3-1%)と比べると、どちらも金利が高い点は覚悟する必要があります。

追加融資の審査ポイント

外構ローンの審査で最も重視されるのは「返済比率(返済負担率)」です。既存の住宅ローンに加えて、外構ローンの返済が可能かどうかが判断基準となります。

返済比率の計算方法と基準

返済比率とは、年収に占める年間返済額の割合です。計算式は以下の通りです。

返済比率(%) = (既存住宅ローン年間返済額 + 外構ローン年間返済額 + その他のローン年間返済額)÷ 年収 × 100

三井住友銀行によると、返済比率の審査基準は30-35%が一般的で、理想は手取りの20-25%とされています。例えば年収500万円の場合、年間返済額は150-175万円以内(月12.5-14.6万円以内)が審査基準です。

既存の住宅ローンで月10万円(年120万円)返済している場合、外構ローンは年30-55万円(月2.5-4.6万円)以内に抑える必要があります。

同一銀行 vs 他行での融資比較

外構ローンを組む際、住宅ローンを組んだ銀行に相談するか、他行に申し込むかで審査の通りやすさが異なる場合があります。

項目 同一銀行 他行
審査の通りやすさ 既存の返済実績があれば有利 過去の実績がないため標準審査
金利優遇 既存顧客向け優遇金利の可能性 標準金利が適用される
手続きの簡便さ 既に提出済みの書類を流用できる場合あり 一から書類を準備

みずほ銀行によると、同一銀行での追加融資は、既存の住宅ローンの返済実績が良好であれば、審査が通りやすい傾向にあります。まずは住宅ローンを組んだ銀行に相談することをおすすめします。

審査が通りにくいケース

以下のケースでは、外構ローンの審査が通りにくくなります。

  • 返済比率が35%を超える: 既存の住宅ローンと外構ローンの合計が基準を超える
  • 転職直後(勤続1年未満): 収入の安定性が確認できない
  • 他のローンで滞納がある: 自動車ローン、カードローン等の延滞履歴
  • 健康状態の悪化: 団体信用生命保険の審査に通らない場合

特に「住宅ローン組んだ後に転職」したケースでは、勤続年数がリセットされるため審査が厳しくなります。転職後1年以上経過してから申し込む方が審査に通りやすいです。

外構ローンの申込方法とステップ

外構ローンを組む具体的な手順を時系列で解説します。

必要書類の準備

一般的に以下の書類が必要です。

  • 本人確認書類: 運転免許証、マイナンバーカード等
  • 収入証明書: 源泉徴収票、確定申告書(直近1-3年分)
  • 工事見積書: 外構工事業者から取得した見積書
  • 既存住宅ローンの返済予定表: 現在の借入状況を確認
  • 不動産登記簿謄本: 有担保型の場合に必要

審査の流れと期間

  1. 仮審査申込(3-5営業日): 返済比率、勤続年数、信用情報を確認
  2. 本審査申込(1-2週間): 提出書類の精査、担保評価(有担保型の場合)
  3. 契約手続き(1週間): 金銭消費貸借契約の締結
  4. 融資実行(契約後数日): 指定口座に入金、工事業者への支払い

無担保型の場合は合計1-2週間、有担保型は抵当権設定の手続きがあるため1ヶ月程度かかります。

契約から融資実行まで

融資実行後は、工事業者に支払いを行い、外構工事を開始します。工事完了後に金融機関に報告書を提出する場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

住宅金融支援機構の財形融資を利用する場合は、勤務先で財形貯蓄をしていることが条件となりますが、外構工事単独での融資も可能です。金利が低く、検討の価値があります。

金利と返済期間の違い

外構ローンの金利相場(2025年時点)

2025年時点の金利相場は以下の通りです。

ローン種類 金利 返済期間
住宅ローン 0.3-1% 最長35年
無担保型リフォームローン 1.3-4.8% 最長15-20年
有担保型リフォームローン 0.29%〜 最長15-20年

(出典: マイベスト

住宅ローンと比べると金利が高いため、借入額と返済期間のバランスが重要です。

返済期間の選び方

返済期間を長くすると月々の返済額は減りますが、総返済額は増えます。返済比率が審査基準ギリギリの場合は、返済期間を長めに設定して月々の負担を減らす方が審査に通りやすくなります。

: 外構工事費用200万円を無担保型(金利3%)で借りる場合

返済期間 月々の返済額 総返済額
5年 約35,900円 約215万円
10年 約19,300円 約232万円
15年 約13,800円 約248万円

返済期間が長いほど総返済額は増えますが、月々の負担は減ります。返済比率とのバランスを考慮して、無理のない返済計画を立てましょう。

外構ローンを組む際の注意点

外構ローンを組む際は、以下の点に注意してください。

  • 返済能力を超える借入を避ける: 返済比率20-25%が理想。審査基準の30-35%ギリギリまで借りると、生活費が圧迫される
  • 転職直後は審査が通りにくい: 勤続1年以上経過してから申し込む方が有利
  • 金利・手数料の最新情報を確認: 2025年時点の情報を各金融機関の公式サイトで確認すること
  • 「必ず審査通過」等の誇大表現に注意: 審査基準は金融機関により異なり、返済比率が基準を超えている場合は審査落ちする
  • 既存の借入を整理する: 自動車ローン、カードローン等を完済してから申し込むと返済比率が改善され、審査に通りやすくなる

外構工事専門サイトによると、外構ローンは住宅ローンより審査が厳しくないとされていますが、返済比率が基準を超えている場合や信用情報に問題がある場合は審査落ちのリスクがあります。

まとめ

住宅ローン後に外構ローンを組むことは可能ですが、返済比率の確認が最優先です。既存の住宅ローンと外構ローンの年間返済額が年収の30-35%以内に収まるか、事前に計算しましょう。

同一銀行での審査が有利な場合もあるため、まずは住宅ローンを組んだ銀行に相談し、複数社の金利・手数料を比較検討することをおすすめします。

転職直後や他のローン滞納がある場合は審査が通りにくいため、返済比率の改善や勤続年数の確保など、審査に通りやすい状態を整えてから申し込むことが重要です。信頼できる金融機関に相談しながら、無理のない追加融資計画を立てましょう。

よくある質問

Q1住宅ローンに後から外構費用を追加できますか?

A1既存の住宅ローンに追加融資することは原則できません。新規でリフォームローン(外構ローン)を組む必要があります。同一銀行で相談すると、既存の返済実績が良好であれば審査が通りやすい場合があります。まずは住宅ローンを組んだ銀行に相談し、複数社の金利・手数料を比較検討することをおすすめします。

Q2外構ローンの審査で落ちやすいのはどんなケースですか?

A2返済比率(年収に対する年間返済額の割合)が35%を超える場合、転職直後で勤続年数が1年未満の場合、他のローン(自動車ローン、カードローン等)で滞納がある場合は審査落ちのリスクが高いです。審査前に返済比率を計算し、既存借入を整理することが重要です。自動車ローンやカードローンを完済してから申し込むと返済比率が改善され、審査に通りやすくなります。

Q3フラット35で住宅ローンを組んだ場合、外構ローンは組めますか?

A3フラット35への追加融資は不可ですが、住宅金融支援機構の財形融資で外構工事単独の融資を受けられる可能性があります。勤務先で財形貯蓄をしている場合は検討する価値があります。金利が低く、返済期間も柔軟に設定できるため、詳細は住宅金融支援機構の公式サイトで確認するか、勤務先の総務部に相談してみてください。

Q4外構ローンの審査期間はどれくらいですか?

A4無担保型リフォームローンは仮審査3-5営業日、本審査1-2週間で合計1-2週間程度です。有担保型は抵当権設定の手続きがあるため、本審査に2-3週間、契約手続きに1週間で合計1ヶ月程度かかります。急ぎの場合は無担保型を選ぶと良いですが、金利が高い(1.3-4.8%)ため、総返済額とのバランスを検討することが重要です。

Q5外構ローンの金利は住宅ローンよりどれくらい高いですか?

A52025年時点で、住宅ローンは0.3-1%、無担保型リフォームローンは1.3-4.8%、有担保型は0.29%〜が相場です。無担保型は住宅ローンより1-4%程度高く、200万円を10年で借りる場合、金利3%なら総返済額は約232万円(住宅ローン金利0.5%なら約205万円)となり、約27万円の差が出ます。金利を抑えたい場合は有担保型を検討しましょう。