一戸建て漏水調査費用の相場と業者選びのポイント

公開日: 2025/10/31

一戸建て漏水調査はいつ必要?チェックポイントを解説

水道料金が急に高くなった、壁や床に染みができた、水の流れる音が聞こえるなど、一戸建ての漏水は気づきにくい場合があります。原因不明の水漏れに悩んでいる方にとって、漏水調査の費用がどれくらいかかるのか、どこに依頼すべきかは大きな不安材料です。

この記事では、漏水調査の種類と費用相場、業者選びのポイント、悪質業者による高額請求トラブルの回避方法を、国民生活センター等の公式情報を元に解説します。

調査方法により費用が数千円から数十万円まで変動する仕組みを理解し、適正価格で安心して調査を依頼できるようになります。

この記事のポイント

  • 漏水調査は調査方法により費用が8,000円~30万円と大きく変動する
  • 音聴法・トレーサーガス法・赤外線サーモグラフィ法など複数の調査方法がある
  • 道路下の本管など公共部分は水道局が無料調査、宅地内は民間業者が有料で実施
  • 「無料調査」を謳う悪質業者による高額修理トラブルが多発(国民生活センターへの相談多数)
  • 複数社見積もり比較・建設業法登録確認・水道局への相談が適正価格での依頼の鍵

水道料金が急に高くなった

水道料金が前月と比べて明らかに高くなった場合、宅地内で漏水が発生している可能性があります。使用量が増えた心当たりがないのに料金が急増したら、漏水を疑うべきサインです。

自分でできる漏水チェック(メーター確認法)

自宅で簡単にできる漏水チェック方法があります。以下の手順で確認しましょう。

  1. 家中のすべての蛇口を閉める
  2. 水道メーターのパイロット(銀色の円盤)を確認
  3. パイロットが回っていれば、どこかで漏水している可能性が高い
  4. 回っていなければ、現時点で漏水の心配は低い

この方法で漏水の可能性を事前に確認できますが、確定診断には専門業者の調査が必要です。

漏水調査の種類と方法の違い

漏水調査には複数の方法があり、調査範囲や精度により適した方法が異なります。

音聴法(聴音棒・専用機器)

聴音棒や専用機器で配管の音を聞き、漏水音の位置を特定する調査方法です。最も基本的で広く使われている方法で、費用も比較的安価です。ただし、漏水量が少ない場合や配管が深い場所にある場合は検知が難しい場合があります。

トレーサーガス法(高精度検知)

配管に無害なガス(窒素と水素の混合ガス等)を注入し、漏れ出す箇所をガス検知器で特定する高精度調査方法です。音聴法で特定できない微細な漏水や、配管が深い場所にある場合でも検知可能です。配管の口径や距離により費用が大きく変動します。

赤外線サーモグラフィ法(非破壊調査)

壁や床の温度差を赤外線カメラで可視化し、漏水箇所を非破壊で特定する調査方法です。壁や床を壊さずに調査できるため、修理範囲を最小限に抑えられるメリットがあります。

漏水探知機(電気・電磁波利用)

電気や電磁波を利用して配管の状態を調べる機器です。微細な漏水も検知可能で、音聴調査より精度が高い方法とされています。

漏水調査の費用相場(調査方法別)

調査方法により費用は大きく異なります(2025年時点)。事前に相場を把握しておくことで、適正価格かどうかを判断できます。

音聴法:8,000~15,000円

音聴法は最も基本的な調査方法で、費用も比較的安価です。一般的な一戸建ての場合、8,000~15,000円程度が目安となります(イースマイルの調査による)。ただし、調査範囲が広い場合や時間がかかる場合は追加料金が発生する可能性があります。

トレーサーガス法:4万~30万円(配管規模で変動)

配管の口径や距離、調査の複雑さにより費用が大きく変動します。一般的な一戸建てでは4万~10万円程度ですが、配管が長い場合や複雑な配管構造の場合は30万円に達することもあります(MKC株式会社の情報による)。見積もり時に調査範囲と費用の内訳を必ず確認しましょう。

赤外線・探知機:1万5千~5万円

赤外線サーモグラフィや漏水探知機を使った調査は、1万5千~5万円が目安です。非破壊調査のため、事前調査として活用されることが多く、修理範囲を絞り込む際に有効です。

調査方法 費用相場 精度 特徴
音聴法 8,000~15,000円 最も一般的、安価
トレーサーガス法 4万~30万円 高精度、配管規模で変動
赤外線・探知機 1万5千~5万円 中~高 非破壊調査

漏水調査の依頼先の選び方

適正価格で信頼できる業者に依頼するため、以下のポイントを確認しましょう。

水道局と民間業者の役割分担(無料・有料の区別)

道路下の本管など公共部分の漏水調査は、水道局が無料で実施します。一方、宅地内の配管の調査は民間業者による有料調査が必要です。まずは水道局に相談し、調査が必要な箇所が公共部分か宅地内かを確認することが重要です。無料で済む調査を有料で依頼してしまうことを避けられます。

建設業法登録業者の確認方法

建設業法では、工事業者に登録義務が課されています。漏水修理業者を選定する際は、建設業法登録業者かどうかを確認することで、悪質業者を避けられます。登録業者は各都道府県の公式サイトで検索できます。

複数見積もりの重要性

調査費用は業者により大きく異なる場合があります。最低でも3社から見積もりを取り、調査方法・費用内訳・追加料金の有無を比較しましょう。極端に安い業者は調査後に高額修理を勧める可能性があるため、注意が必要です。

悪質業者による高額請求トラブルと対策

国民生活センターへの相談事例をもとに、トラブルの手口と対策を解説します。

「無料調査」から数十万円の請求に至る手口

「無料調査」を謳う業者が、調査後に「このままだと建物が傷む」「緊急性が高い」などと不安を煽り、高額な修理契約を強引に勧めるトラブルが多発しています。無料調査自体が悪いわけではありませんが、契約前に修理費用の上限・追加料金の有無を必ず書面で確認すべきです。

「950円~」広告の落とし穴

国民生活センターの2021年発表資料によると、「950円~」などの低価格広告から数十万円の高額請求へ誘導するトラブルが報告されています。広告価格は最低料金であり、実際の調査・修理には大幅な追加料金がかかるケースがあります。見積もり時に総額を確認し、追加料金の条件を明確にしましょう。

特定商取引法違反の不安煽り営業

訪問販売で突然訪れ、「水道局から依頼された」「無料点検」などと偽り、不安を煽って高額契約を結ばせる業者がいます。特定商取引法では、訪問販売に対してクーリングオフ(契約後8日以内の無条件解約)が認められています。不審な勧誘を受けた場合は、すぐに契約せず、水道局や消費生活センターに相談しましょう。

漏水調査後の手続き(水道料金減額・火災保険)

調査後に活用できる制度を紹介します。

自治体水道局への減額申請(条件と必要書類)

宅地内の漏水により水道料金が増加した場合、自治体の水道局に減額申請をすることで、料金の一部が減額される場合があります。一般的な条件は以下の通りです。

  • 宅地内の漏水であること(公共部分の漏水は対象外)
  • 修理が完了していること
  • 修理完了証明書(業者の領収書等)を提出すること

減額制度の有無や内容・申請期限は自治体により異なるため、水道局に確認してください。

火災保険の適用範囲確認

漏水調査費用自体は火災保険の補償対象外が一般的ですが、漏水による建物損害(床・壁の修理等)は水漏れ補償で対応できる場合があります。調査・修理を進める前に、加入している火災保険の適用範囲を保険会社に確認することをおすすめします。

まとめ:漏水調査で損をしないために

漏水調査の費用は、調査方法により8,000円~30万円と大きく変動します。音聴法は比較的安価ですが、精度が必要な場合はトレーサーガス法や赤外線調査が適しています。

道路下の本管など公共部分は水道局が無料で調査するため、まずは水道局に相談しましょう。宅地内の調査が必要な場合は、複数社から見積もりを取り、建設業法登録業者かどうかを確認することが重要です。

「無料調査」や「950円~」などの低価格広告には注意し、契約前に総額と追加料金の条件を書面で確認してください。不審な勧誘を受けた場合は、すぐに契約せず、消費生活センターに相談しましょう。

よくある質問

漏水調査は必ず有料ですか?

道路下の本管など公共部分の調査は水道局が無料で実施します。宅地内配管の調査は民間業者による有料調査が必要です。まず水道局に相談し、調査が必要な箇所が公共部分か宅地内かを確認することが重要です。

調査だけ依頼して修理は別の業者に頼めますか?

可能です。調査と修理は別契約にできます。調査結果を受け取り、複数社から修理見積もりを取ることで適正価格を確認できます。ただし業者によっては調査のみを嫌がる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

無料調査を謳う業者は避けるべきですか?

国民生活センターの相談事例では、無料調査後に高額修理を強引に勧められるトラブルが多発しています。無料調査自体が悪いわけではありませんが、契約前に修理費用の上限・追加料金の有無を必ず書面で確認すべきです。

火災保険で漏水調査費用は補償されますか?

調査費用自体は補償対象外が一般的です。ただし漏水による建物損害(床・壁の修理等)は水漏れ補償で対応できる場合があります。調査・修理前に保険会社へ適用範囲を確認することをおすすめします。

よくある質問

Q1漏水調査は必ず有料ですか?

A1道路下の本管など公共部分の調査は水道局が無料で実施します。宅地内配管の調査は民間業者による有料調査が必要です。まず水道局に相談し、調査が必要な箇所が公共部分か宅地内かを確認することが重要です。

Q2調査だけ依頼して修理は別の業者に頼めますか?

A2可能です。調査と修理は別契約にできます。調査結果を受け取り、複数社から修理見積もりを取ることで適正価格を確認できます。ただし業者によっては調査のみを嫌がる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

Q3無料調査を謳う業者は避けるべきですか?

A3国民生活センターの相談事例では、無料調査後に高額修理を強引に勧められるトラブルが多発しています。無料調査自体が悪いわけではありませんが、契約前に修理費用の上限・追加料金の有無を必ず書面で確認すべきです。

Q4火災保険で漏水調査費用は補償されますか?

A4調査費用自体は補償対象外が一般的です。ただし漏水による建物損害(床・壁の修理等)は水漏れ補償で対応できる場合があります。調査・修理前に保険会社へ適用範囲を確認することをおすすめします。