一戸建て排水管高圧洗浄とは｜料金相場と適正価格の見極め方
一戸建てで排水管の詰まりや悪臭に悩んでいる方にとって、「高圧洗浄の費用はいくらかかるのか」「適正価格はどれくらいか」は重要な疑問です。
この記事では、一戸建て排水管高圧洗浄の料金相場、作業内容別の費用、悪質業者の見分け方を、国民生活センター・国土交通省の公式情報を元に詳しく解説します。
適正相場を理解し、悪質業者を避けて適切な業者を選択できるようになります。
この記事のポイント
- 一戸建て排水管高圧洗浄の料金相場は17,000円～35,000円程度（2025年最新相場）
- 作業内容により料金が変動（標準作業17,000円～24,000円、広範囲作業50,000円～80,000円）
- 破格の安値広告（「3,000円」）は1箇所あたりの価格で、実際は5～10箇所で15,000円～30,000円になる
- 悪質業者の手口（訪問営業、不安を煽る、自治体を装う、高額請求）を理解し、複数社見積もり・事前確認が重要
排水管高圧洗浄の仕組み
高圧洗浄とは
高圧洗浄は、高圧水流（約150気圧）で排水管内の油脂・汚れ・スケール（水垢・石灰分の固まり）を除去する洗浄方法です。プロ用の高圧洗浄機は約150気圧の水圧で、家庭用高圧洗浄機（約10気圧）とは性能が大きく異なります。
対象となる排水管
- キッチン（流し台）の排水管
- 浴室の排水管
- 洗面所の排水管
- トイレの排水管
- 外部の汚水桝（排水管の点検・清掃用に設置される地中の枡）
一戸建てには通常3～5個の排水桝があり、この数が料金に影響します。
適正相場（2025年最新）
くらしのマーケットの調査によると、2025年1月時点の一戸建て排水管高圧洗浄の料金相場は以下の通りです。
| 作業範囲 | 料金相場 |
|---|---|
| 標準作業（1箇所） | 17,000円～24,000円 |
| 広範囲作業（全箇所+汚水桝） | 50,000円～80,000円 |
破格の安値広告に注意
「3,000円」等の破格の安値広告は、1箇所あたりの価格であることが多く、実際には5～10箇所で15,000円～30,000円になります。総額を事前に確認することが重要です。
作業内容別の料金相場｜標準作業・広範囲作業・追加作業
排水管高圧洗浄の料金は、作業範囲により大きく変動します。
標準的な作業：17,000円～24,000円
作業内容
- キッチン・浴室・洗面・トイレの排水管洗浄（1～2箇所）
- 作業時間: 1～2時間程度
- 高圧洗浄機による配管内の油脂・汚れ除去
料金内訳
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 出張費 | 2,000円～5,000円 |
| 作業費 | 15,000円～19,000円 |
| 廃棄物処理費 | 0円～3,000円 |
| 合計 | 17,000円～24,000円 |
この料金は、詰まりが軽度で、追加作業が不要な場合の目安です。
広範囲の作業：50,000円～80,000円
作業内容
- 全ての排水管（キッチン・浴室・洗面・トイレ・洗濯機）洗浄
- 外部の汚水桝（3～5個）まで洗浄
- 作業時間: 3～5時間程度
料金内訳
大阪ガスリノテックの解説によると、広範囲作業の料金は以下の通りです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 出張費 | 5,000円～10,000円 |
| 作業費 | 40,000円～65,000円 |
| 廃棄物処理費 | 5,000円～10,000円 |
| 合計 | 50,000円～80,000円 |
この料金は、配管全体を徹底的に洗浄する場合の目安です。
追加作業：詰まり除去・カメラ調査・配管交換
以下の追加作業が必要な場合、別途費用が発生します。
| 追加作業 | 料金相場 |
|---|---|
| 詰まり除去（軽度） | 5,000円～10,000円 |
| 詰まり除去（重度） | 20,000円～50,000円 |
| カメラ調査（配管内部の撮影） | 10,000円～30,000円 |
| 配管交換（部分） | 50,000円～150,000円 |
| 配管交換（全体） | 200,000円～500,000円 |
スケール（水垢・石灰分の固まり）が固化している場合、高圧洗浄でも除去困難になり、配管交換（数十万円）が必要になる場合があります。
料金を左右する要因｜建物の規模・配管の長さ・詰まりの程度
排水管高圧洗浄の料金は、以下の要因で変動します。
建物の規模
延床面積が広いほど、配管が長く、料金が高くなります。
| 延床面積 | 配管の長さ | 料金相場 |
|---|---|---|
| 100㎡以下（小規模） | 短い | 17,000円～24,000円 |
| 100～150㎡（標準） | 中程度 | 25,000円～40,000円 |
| 150㎡以上（大規模） | 長い | 50,000円～80,000円 |
配管の長さ・複雑さ
配管の曲がりが多い、配管が長い等の要因で、作業時間が長くなり、料金が高くなります。
詰まりの程度
スケールが固化している場合、作業時間が長くなり、料金が高くなります。また、詰まり除去の追加作業が必要な場合もあります。
地域差
都市部（東京・大阪・名古屋等）と地方では、料金に差があります。都市部の方が人件費・出張費が高く、料金も高額になる傾向があります。
排水桝の数
一戸建てには通常3～5個の排水桝があり、この数が多いほど料金が高くなります。
これらの要因により、料金は業者により2倍以上の差（17,000円～80,000円）があります。
悪質業者の見分け方｜訪問営業・不安を煽る・高額請求
国民生活センターの警告によると、排水管洗浄の悪質業者に関する相談件数は年間2,000件を超えています。以下の手口に注意してください。
訪問営業で不安を煽る（「すぐに洗浄しないと大変なことになる」）
手口
- 「排水管が詰まって大変なことになる」と不安を煽る
- 「今日中に洗浄しないと、配管が破裂する」等の誇大表現
- 点検を無料で行い、その後高額な洗浄を勧める
対策
訪問営業で契約を急がせる場合は、一度断って複数社の見積もりを取得することを推奨します。
自治体を装う（「○○市の委託で」）
手口
高槻市の公式警告によると、「市の委託で排水管洗浄をしている」と称する業者がいますが、自治体が個人宅の排水管点検・洗浄を業者に委託することはありません。
対策
自治体の名前を出す業者には、自治体に確認の電話をすることを推奨します。
見積もりなしで作業開始
手口
- 見積もりを提示せずに作業を開始
- 作業後に高額な料金を請求（10万円以上）
- 「作業をキャンセルする場合、キャンセル料が発生する」と脅す
対策
作業開始前に、必ず見積もりを書面で確認することを推奨します。
相場の2～3倍の高額請求
事例
国民生活センターに寄せられた相談事例によると、以下のようなトラブルがあります。
- 「3,000円」の広告で訪問した業者が、作業後に10万円を請求
- 「無料点検」を受けたところ、「配管が詰まっている」と高額な洗浄を勧められた
- 契約後にキャンセルしようとしたが、「キャンセル料5万円」を要求された
対策
適正相場（17,000円～35,000円）を理解し、相場の2倍以上の料金を請求された場合は、国民生活センター（消費者ホットライン188）に相談することを推奨します。
適正価格の見極め方と業者選びのポイント｜複数社見積もり・事前確認
悪質業者を避け、適正価格で高圧洗浄を依頼するためのポイントを紹介します。
複数社の見積もり取得（最低3社）
料金は業者により2倍以上の差（17,000円～80,000円）があります。最低3社の見積もりを取得し、料金・作業内容を比較してください。
見積もり時の確認事項
- 作業範囲（何箇所洗浄するか、汚水桝まで洗浄するか）
- 総額（出張費・作業費・廃棄物処理費の内訳）
- 追加作業が必要な場合の料金
- キャンセル料の有無
事前の料金確認（「3,000円」表記の実際の費用）
「3,000円」等の破格の安値広告は、1箇所あたりの価格であることが多いです。総額を事前に確認し、書面で見積もりを受け取ることを推奨します。
契約書の確認（作業内容、料金、キャンセル条件）
契約書面に以下の内容が記載されているか確認してください。
- 作業内容（何箇所洗浄するか）
- 料金（総額、内訳）
- キャンセル条件（キャンセル料の有無、クーリングオフの適用）
クーリングオフ（8日間）の活用
訪問販売の場合、2025年時点の特定商取引法により8日間のクーリングオフが可能です。契約書面を受け取った日から8日以内であれば、無条件で契約を解除できます。
ただし、自分から依頼した場合（電話・ネットで業者を呼んだ場合）はクーリングオフの対象外です。
国民生活センターへの相談
悪質業者とトラブルになった場合、国民生活センター（消費者ホットライン188）に相談することを推奨します。
定期的な洗浄の重要性（3～5年に1回推奨）
イエコマの解説によると、一戸建ては3～5年に1回の高圧洗浄が推奨されています。新築は7～8年後が初回です。
定期的な洗浄のメリット
- 詰まり予防（スケールが固化する前に除去）
- 悪臭予防（排水管内の油脂・汚れを除去）
- 害虫発生予防（排水管内の汚れが害虫の餌にならないよう予防）
放置すると、スケールが固化して高圧洗浄でも除去困難になり、配管交換（数十万円）が必要になる場合があります。予防保全の観点から、定期的な洗浄を推奨します。
まとめ｜適正相場を理解し、悪質業者を避けて適切な業者選択を
一戸建ての排水管高圧洗浄の料金相場は17,000円～35,000円程度（2025年最新相場）です。破格の安値広告（「3,000円」）は1箇所あたりの価格で、実際は5～10箇所で15,000円～30,000円になることを理解してください。
悪質業者の手口（訪問営業、不安を煽る、自治体を装う、高額請求）を理解し、複数社の見積もり取得、事前の料金確認、契約書の確認を徹底することが重要です。
定期的な洗浄（3～5年に1回推奨）で詰まり予防を行い、トラブルが発生した場合は国民生活センター（消費者ホットライン188）に相談しましょう。