3LDKマンションの間取り選び完全ガイド│家族構成別おすすめと注意点

公開日: 2025/10/26

3LDKマンションの間取り選びで知っておくべきこと

マンション購入を検討する際、3LDKという広さは家族構成や将来のライフプランに適しているかどうか、間取りのタイプによって暮らしやすさはどう変わるのか、と悩む方は少なくありません。

この記事では、3LDKマンションの間取り選びについて、公的基準に基づく定義、家族構成別のおすすめパターン、間取りタイプ別の特徴、選び方のポイントを公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会や国土交通省の公式情報を元に解説します。

初めてマンションを購入する方でも、自分の家族構成と将来の生活変化に合った間取りを見極められるようになります。

この記事のポイント

  • 3LDKはLDK10畳以上(不動産公正取引協議会基準)、3〜4人家族が目安
  • 家族構成(夫婦のみ、夫婦+子供1-2人)によっておすすめの間取りパターンは異なる
  • 縦型・横型・ワイドスパンの間取りタイプは採光・通風・コストで特徴が大きく異なる
  • 将来の生活変化(子供の成長、在宅勤務等)を考慮した間取り選びが重要
  • 間取り図だけでなく実際の内覧で窓配置・採光を確認すべき

3LDKとは?LDK表記の基準と適正人数

3LDKマンションを検討する前に、まずLDK表記の公式基準と適正人数を理解しておくことが重要です。

LDK表記の公式基準:居室2部屋以上でLDK10畳以上

公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会の基準によると、居室が2部屋以上の場合、LDK(リビング・ダイニング・キッチン)は10畳以上(1畳=1.62m²以上、壁心面積(壁の中心線で測定する面積))必要と定められています。

つまり、3LDKとは「3つの居室+10畳以上のLDK」を持つ間取りを指します。この基準を満たさない場合は、2LDK+S(サービスルーム)や2LDK+納戸といった表記になります。

3LDKの適正人数:3〜4人家族が目安

国土交通省の住生活基本計画における誘導居住面積水準では、3人家族で75m²、4人家族で95m²が望ましいとされています。3LDKマンションの専有面積は60m²台から80m²台が一般的なため、3〜4人家族が適正人数の目安となります。

家族構成 誘導居住面積水準 3LDKの適合性
夫婦のみ 55m² ○(余裕あり)
3人家族 75m² ○(適正)
4人家族 95m² △(70m²以上が望ましい)
5人家族 125m² ×(4LDKを検討すべき)

(出典: 国土交通省 住生活基本計画

専有面積60m²台の3LDKなら3人家族まで、70m²以上なら4人家族でも快適に暮らせる傾向があります。5人家族の場合は4LDKを検討すべきです。

家族構成別おすすめ間取りパターン

3LDKは同じ広さでも家族構成によって最適な使い方が異なります。ここでは家族構成別におすすめの間取りパターンを紹介します。

夫婦のみ:個室2部屋を趣味部屋・書斎に活用

夫婦のみの世帯なら、3つの居室のうち1つを主寝室、残り2つを趣味部屋・書斎・ゲストルームとして活用できます。将来的に子供が生まれる可能性がある場合は、柔軟にレイアウト変更できる間取りを選ぶと良いでしょう。

専有面積は60m²台でも十分な広さがあります。在宅勤務が多い場合は、LDKから独立した個室を書斎として確保することで、仕事とプライベートの切り替えがしやすくなります。

夫婦+子供1人:将来の子供部屋独立を考慮

夫婦と子供1人の場合、主寝室を夫婦の部屋、1つを子供部屋、もう1つを書斎や予備室として使えます。子供が小さいうちは2部屋を子供の遊び場兼寝室として広く使い、成長に応じて個室を独立させる方法もあります。

専有面積は70m²前後が理想的です。将来的に子供が増える可能性がある場合は、可動間仕切りで部屋を分割できるレイアウトや、2つの居室を隣接配置した間取りを選ぶと柔軟性が高まります。

夫婦+子供2人:専有面積70m²以上が望ましい

夫婦と子供2人の4人家族の場合、主寝室を夫婦の部屋、残り2部屋を子供部屋として割り当てるのが一般的です。a.flatノムコムによると、専有面積が60m²台だと各居室が5〜6畳と狭くなりがちなため、70m²以上の物件が望ましいでしょう。

80m²台の3LDKなら、各居室が7畳前後確保でき、子供が成長しても窮屈に感じにくくなります。子供が同性なら幼少期は1部屋を共有し、もう1部屋を書斎や収納に使う方法もあります。

(参考: a.flatノムコム

間取りタイプ別の特徴:縦型・横型・ワイドスパン

3LDKマンションには、バルコニー側の間口や居室の配置によって大きく3つのタイプがあります。それぞれの特徴を理解し、優先順位に合ったタイプを選ぶことが重要です。

縦型(田の字型):間口6m程度、建設コストを抑えやすい

縦型(田の字型)は、玄関から廊下が伸び、左右に居室とリビングを配置する間取りです。バルコニー側の間口が6m程度と狭く、建設コストを抑えやすいため、価格が比較的手頃な物件が多い傾向があります。

メリット:

  • 価格が抑えられる
  • 廊下で各部屋が独立しプライバシーが確保しやすい

デメリット:

  • 間口が狭いため奥の居室が暗くなりがち
  • 採光・通風が限定的で、リビング以外の居室に窓がない場合もある

縦型を選ぶ場合は、実際の内覧で奥の居室の採光・通風を必ず確認しましょう。建築基準法では居室には床面積の1/7以上の窓面積が必要ですが、窓があっても隣接建物で遮られる場合もあります。

横型リビング:開放感があり家具配置しやすい

横型リビングは、バルコニー側にリビングを横長に配置し、居室を奥に配置する間取りです。リビングの間口が広く、開放感があり家具配置がしやすいのが特徴です。

メリット:

  • リビングが明るく開放感がある
  • ソファやダイニングテーブルを配置しやすい
  • 家族が集まるリビングを重視する家庭に適している

デメリット:

  • 奥の居室が暗くなりやすい
  • 玄関からリビングまでの動線が長くなる場合がある

横型リビングを選ぶ場合も、奥の居室の窓配置を確認することが重要です。また、リビングが広い分、個室が5畳前後と狭くなる物件もあるため、専有面積とのバランスをチェックしましょう。

ワイドスパン型:間口7〜8m以上、採光・通風に優れるがコスト高

ワイドスパン型は、バルコニー側の間口が7〜8m以上と広く、リビングと居室の両方がバルコニーに面する間取りです。採光・通風に優れ、すべての居室が明るいのが最大の魅力です。

メリット:

  • すべての居室が明るく風通しが良い
  • 開放感がありリビングも広く感じられる
  • 資産価値が高く人気がある

デメリット:

  • 建設コストが高く、物件価格も高め
  • 南向きのワイドスパンは希少で競争率が高い

アルファジャーナルによると、ワイドスパン型は建設費が高いため、同じ専有面積でも田の字型より数百万円高くなる傾向があります。予算に余裕があり採光・通風を最優先する場合に適しています。

タイプ 間口 採光・通風 価格 適している人
縦型(田の字型) 約6m 安い 価格重視、廊下で部屋を独立させたい
横型リビング 6〜7m △〜○ 中間 リビングの開放感重視
ワイドスパン 7〜8m以上 高い 採光・通風重視、予算に余裕あり

3LDK間取り選びの5つのポイント

間取りタイプの特徴を理解したら、次の5つのポイントで具体的に選んでいきましょう。

① 家族構成と将来の生活変化を考慮する

現在の家族構成だけでなく、5〜10年後の生活変化も考慮しましょう。子供の成長、在宅勤務の増加、親の同居等、将来的に必要な居室数や使い方が変わる可能性があります。可動間仕切りやスケルトン・インフィル構造の物件なら、将来の間取り変更に対応しやすくなります。

② 採光・換気の建築基準法要件を確認する

建築基準法では、居室には床面積の1/7以上の窓面積が必要と定められています。間取り図だけでなく、実際の内覧で窓の位置・大きさ、周辺環境(隣接建物による日当たりの遮断)を確認しましょう。

特に縦型や横型リビングでは、奥の居室が暗くなりがちなため、昼間の自然光の入り方を必ずチェックすることが重要です。

③ 家事動線の効率性をチェックする

キッチン↔洗濯機↔バルコニーの家事動線が短く、無駄な往復が少ない間取りを選びましょう。特に小さな子供がいる家庭では、家事動線の効率性が日常のストレスに直結します。

間取り図で、キッチンから洗濯機置き場までの距離、洗濯機からバルコニーまでの動線を確認し、扉や廊下を何度も通る必要がないかチェックします。

④ 専有面積と各居室の広さのバランスを検討する

3LDKでも、LDKを広く取って個室を5畳前後にするか、個室を7畳前後確保してLDKを抑えるか、バランスの取り方はさまざまです。家族がリビングで過ごす時間が長いならLDK重視、子供がそれぞれの部屋で過ごす時間が長いなら個室重視の間取りが適しています。

⑤ 将来の間取り変更可能性も視野に入れる

スケルトン・インフィル構造のマンションなら、将来的に間取り変更がしやすくなります。可動間仕切りや二重天井・二重床構造で配管・配線の移動がしやすい物件を選ぶと、子供の成長や在宅勤務スペースの確保等、ライフスタイルの変化に柔軟に対応できます。

ただし、大規模な間取り変更は管理規約の制限や費用負担が大きいため、購入前に管理規約を確認し、リフォーム業者に見積もりを依頼することをおすすめします。

よくある失敗例と注意点

3LDKマンションの間取り選びでよくある失敗例を知っておくことで、同じ失敗を避けられます。

失敗例① 専有面積60m²台で4人家族が住み、各居室が狭く感じる

専有面積60m²台の3LDKは、LDKが12畳、各居室が5〜6畳程度になることが多く、4人家族では手狭に感じる場合があります。国土交通省の誘導居住面積水準では4人家族は95m²が望ましいとされており、70m²以上の物件を検討すべきです。

失敗例② 縦型で採光・通風が限定的なのに窓配置を確認せず購入

間取り図では各居室に窓があっても、実際には隣接建物で遮られ、昼間でも暗い場合があります。特に縦型(田の字型)では、奥の居室が北側や西側に配置され、日当たりが悪いことがあります。必ず内覧で確認しましょう。

失敗例③ 将来の生活変化を考えず、現時点の家族構成だけで判断

購入時は夫婦+子供1人でも、数年後に子供が増えたり、在宅勤務で書斎が必要になったりする場合があります。5〜10年後の生活変化を想定し、柔軟に使える間取りを選ぶことが重要です。

失敗例④ LDKの広さ重視で個室が5畳未満と極端に狭くなる

リビング重視の設計で、LDKが18畳あっても個室が4.5畳と極端に狭い物件もあります。子供が成長して個室で過ごす時間が長くなると、狭さが不満につながります。専有面積とのバランスを考え、各居室が最低でも5.5畳以上確保されているか確認しましょう。

注意点: 間取り図だけでなく実際の内覧で窓の位置・大きさ、採光・通風を確認することが重要

間取り図では判断できない採光・通風、実際の広さ感、家事動線の使いやすさは、内覧で初めてわかります。可能であれば、昼間と夕方の2回内覧し、自然光の入り方の違いも確認することをおすすめします。

まとめ:3LDKは家族構成と将来の変化を考えて選ぼう

3LDKマンションは3〜4人家族に適した間取りで、家族構成と将来の生活変化を考慮することが重要です。LDK表記の公式基準(居室2部屋以上でLDK10畳以上)を理解し、国土交通省の誘導居住面積水準(3人75m²、4人95m²)を参考に、適切な専有面積を選びましょう。

縦型・横型・ワイドスパンの間取りタイプは、採光・通風・価格で大きく異なります。価格重視なら縦型、リビングの開放感重視なら横型、採光・通風重視で予算に余裕があるならワイドスパンが適しています。

間取り選びでは、家族構成と将来の変化、採光・換気の要件、家事動線、専有面積とのバランス、将来の間取り変更可能性の5つのポイントを確認し、実際の内覧で窓配置・採光を必ずチェックしましょう。

次のアクションとして、専有面積と間取りタイプの候補を絞り、複数物件の内覧を推奨します。信頼できる不動産会社に相談しながら、家族に最適な3LDKを見つけてください。

よくある質問

Q13LDKと2LDK+Sの違いは何ですか?

A13LDKは居室が3部屋でLDKが10畳以上(不動産公正取引協議会基準、1畳=1.62m²以上)と定められています。一方、2LDK+Sは居室2部屋+サービスルーム(S)で、サービスルームは納戸扱いとなり、建築基準法の採光・換気要件(居室の床面積の1/7以上の窓面積)を満たしていません。Sは書斎や収納として使えますが、法律上は居室ではないため、寝室として常用するには適していません。

Q23LDKマンションは何人家族まで住めますか?

A23〜4人家族が目安です。国土交通省の住生活基本計画における誘導居住面積水準では、3人家族で75m²、4人家族で95m²が望ましいとされています。専有面積60m²台なら3人まで、70m²以上なら4人家族でも快適に暮らせる傾向があります。5人家族の場合は各居室が狭くなるため、4LDKを検討すべきです。子供の成長や在宅勤務スペースの確保も考慮して選びましょう。

Q3縦型と横型のリビング、どっちが暮らしやすいですか?

A3一概には言えず、優先順位によります。横型リビングは開放感があり家具配置がしやすいですが、奥の居室が暗くなりがちです。縦型(田の字型)は間口6m程度で価格を抑えやすく、廊下で各部屋が独立しプライバシーが確保しやすいですが、採光・通風が限定的です。リビングで過ごす時間が長い家族なら横型、各部屋の独立性を重視するなら縦型が適しています。必ず実際の内覧で窓配置・採光を確認しましょう。

Q4将来、間取り変更できる3LDKマンションはありますか?

A4スケルトン・インフィル構造のマンションなら可能性が高いです。可動間仕切りや二重天井・二重床構造で配管・配線の移動がしやすい物件を選ぶと、子供の成長や在宅勤務スペースの確保等、ライフスタイルの変化に柔軟に対応できます。ただし、大規模な間取り変更は管理規約で制限されている場合や、費用負担が数百万円と大きいこともあります。購入前に管理規約を確認し、リフォーム業者に見積もりを依頼することをおすすめします。