相続手続きの流れを6ステップで解説|期間・必要書類・詰まりポイント

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公開日: 2026/1/14

結論:相続手続きの全体の流れと最短ルート

親が亡くなると、悲しみの中でも相続手続きを進めなければなりません。相続手続きは複雑で、何から始めればいいのかわからないという方も多いでしょう。

相続手続きの全体は、大きく6つのステップに分かれています。

  1. 遺言書の有無を確認する
  2. 被相続人の財産を調査する
  3. 必要書類を集める
  4. 相続人を確定させる
  5. 遺産分割協議書を作成する
  6. 名義変更の手続きをする

不動産・預貯金・証券など、複数の手続きがあり、それぞれに期限があります。特に重要なのが、2024年4月から義務化された相続登記です。相続開始を知ってから3年以内に登記しないと、正当な理由がない場合は10万円以下の過料が科される可能性があります。

まず最初にやること3つ

相続手続きを始める際、まず優先すべきは以下の3つです。

Step1: 遺言書の有無を確認する

遺言書があるかどうかで、その後の手続きが大きく変わります。遺言書には3つの種類があります。

  • 公正証書遺言: 公証役場の検索システムで確認できます
  • 自筆証書遺言: 自宅や貸金庫に保管されていることが多く、見つかった場合は家庭裁判所で検認手続きが必要です
  • 法務局保管制度: 2020年7月から開始された制度で、法務局で遺言書情報証明書を取得できます

遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。

Step2: 被相続人の財産を調査する

どのような財産があるのかを全て洗い出します。不動産・預貯金・証券・保険だけでなく、借金や負債も調査する必要があります。財産調査には以下の書類を取得します。

  • 不動産: 登記事項証明書・固定資産評価証明書
  • 預貯金: 銀行の残高証明書
  • 証券: 証券会社の残高証明書
  • 保険: 生命保険会社への照会
  • 借金: 信用情報機関への照会

Step3: 相続開始日から3年の期限を確認する

相続登記は、相続開始を知ってから3年以内に行う必要があります。この期限を過ぎると過料が科される可能性があるため、早めに手続きを開始することが大切です。

かかる時間の目安

相続手続きにかかる時間は、以下のような目安です。

  • 書類収集: 1~2ヶ月(戸籍収集が最も時間がかかります)
  • 遺産分割協議: 2週間~数ヶ月(相続人間の調整次第で変動します)
  • 不動産の相続登記: 法務局提出後2週間
  • 銀行口座の名義変更: 書類提出後2~3週間(長ければ1ヶ月)

全体で最短1ヶ月、平均4~5ヶ月を見込んでください。遺産分割協議がスムーズに進む場合は短縮できますが、相続人が多数いる場合や連絡が取りにくい場合は数ヶ月かかることもあります。

ステップ別の手順

ここからは、各ステップの具体的な手順を詳しく解説します。各ステップで「何をするか」「どこに行くか」「何が必要か」を明確にしておくことで、スムーズに手続きを進められます。

不動産・預貯金・証券など複数の手続きがある場合は、並行して進めることで全体の期間を短縮できます。

Step1: 遺言書の有無を確認する

遺言書の有無で手続きが大きく変わるため、最初に確認が必要です。

公正証書遺言の場合

公証役場で検索システムを使って確認できます。全国どこの公証役場でも検索可能です。被相続人の死亡を証明する書類(除籍謄本)と、請求者が相続人であることを証明する戸籍謄本を持参します。

自筆証書遺言の場合

自宅や貸金庫に保管されていることが多いです。見つかった場合は、家庭裁判所で検認手続きが必要です。検認手続きには1~2ヶ月かかることがあります。

法務局保管制度の場合

法務局で遺言書情報証明書を取得できます。この場合は検認手続きが不要で、すぐに手続きを進められます。

遺言書がない場合

相続人全員で遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成する必要があります。

Step2: 財産の調査をする

被相続人の財産を全て洗い出します。プラスの財産だけでなく、マイナスの財産(借金・負債)も調査が必要です。

不動産の調査

  • 登記事項証明書: 法務局で取得(オンライン請求も可能)
  • 固定資産評価証明書: 市区町村役場で取得
  • 固定資産税の納税通知書も参考になります

預貯金の調査

各銀行に残高証明書を請求します。通帳やキャッシュカードがあれば、その銀行から調査を始めます。心当たりのない銀行がある場合は、全国銀行協会に照会することも可能です。

証券の調査

証券会社に残高証明書を請求します。証券保管振替機構(ほふり)に照会することで、どの証券会社に口座があるかを確認できます。

保険の調査

生命保険会社に照会します。保険証券があれば確認しやすいですが、ない場合は生命保険協会に照会できます。

借金・負債の調査

信用情報機関(CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センター)に照会します。借金がある場合は、相続放棄も検討する必要があります。

Step3: 必要書類を集める

相続手続きには多くの書類が必要です。特に戸籍謄本の収集に時間がかかるため、早めに取り掛かることが大切です。

被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)

本籍地の市区町村役場で取得します。被相続人が引っ越しや転勤で本籍地を移動していた場合、それぞれの役場に請求が必要で、1~2ヶ月かかることもあります。郵送請求も可能ですが、1箇所あたり最短1週間はかかります。

被相続人の住民票の除票

最後の住所地の市区町村役場で取得します。

相続人全員の戸籍謄本

各自の本籍地の市区町村役場で取得します。

相続人全員の印鑑証明

各自の住所地の市区町村役場で取得します。遺産分割協議書に押印する実印の証明として必要です。

遺産分割協議書

相続人全員で作成します。後述の遺産分割協議のセクションで詳しく説明します。

登記事項証明書・固定資産評価証明書

不動産がある場合に必要です。法務局と市区町村役場でそれぞれ取得します。

Step4: 相続人を確定させる

被相続人の戸籍謄本から相続人を洗い出します。

法定相続人は以下の順序で確定します。

  1. 配偶者(常に相続人)
  2. 子供(第一順位)
  3. 親(第二順位、子供がいない場合)
  4. 兄弟姉妹(第三順位、子供も親もいない場合)

戸籍謄本を確認することで、認知している子供や養子、前婚での子供など、把握していなかった相続人が判明することもあります。相続人が確定したら、相続関係説明図を作成します。

Step5: 遺産分割協議書を作成する

遺言書がない場合、相続人全員で遺産の分け方を話し合い、遺産分割協議書を作成します。

遺産分割協議の進め方

  1. 相続人全員が参加(一人でも欠けると無効)
  2. 遺産の分け方を決定(法定相続分に従う必要はなく、自由に決められます)
  3. 遺産分割協議書に全員が署名・押印(実印を使用)

遺産分割協議書には、不動産・預貯金・証券など全ての財産を記載します。不動産は登記簿通りの記載、預貯金は銀行名・支店名・口座番号を正確に記載することが必要です。

協議がまとまらない場合

相続人間で意見が分かれる場合は、家庭裁判所で遺産分割調停を申し立てることができます。調停でもまとまらない場合は、審判で裁判所が分割方法を決定します。

相続手続きを自分で進めるのが難しいと感じた場合、専門家に相談することも一つの選択肢です。自宅にいながら相続手続き【相続ナビ】のようなオンライン完結型の相続代行サービスを利用すれば、戸籍収集から名義変更まで一括で対応してもらえます。特に平日に役所や銀行に行く時間が取れない方や、遠方に住んでいる方には便利なサービスです。

Step6: 名義変更の手続きをする

遺産分割協議が完了したら、各種の名義変更手続きを進めます。複数の手続きを並行して進めることで、全体の期間を短縮できます。

不動産の相続登記

法務局に相続登記申請書を提出します。必要書類は以下の通りです。

  • 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
  • 被相続人の住民票の除票
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の印鑑証明
  • 遺産分割協議書
  • 登記事項証明書
  • 固定資産評価証明書

法務局での処理が完了するまでに2週間ほどかかります。

預貯金の名義変更

各銀行に必要書類を提出します。銀行ごとに必要書類が異なる場合があるため、事前に確認しておくと良いでしょう。

書類提出後2~3週間、長ければ1ヶ月ほどかかります。必要書類の取りまとめや銀行での内容確認に特に時間がかかるため、書類に不備がないように注意が必要です。

証券の名義変更

証券会社に必要書類を提出します。証券会社によって手続き方法が異なるため、事前に確認しておきましょう。

自動車の名義変更

運輸支局で名義変更手続きを行います。自動車の価値が100万円以下の場合は、遺産分割協議書の代わりに遺産分割協議成立申立書を使用できる場合があります。

よくある詰まりポイントと回避策

相続手続きを進める中で、多くの方が詰まるポイントがあります。事前に知っておくことで、スムーズに対処できます。

書類収集で起きがちなミス

戸籍謄本の取得漏れ

被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍謄本が必要です。一部でも欠けていると、法務局や銀行で手続きが受理されません。

転籍があると複数の役所に請求が必要で、どこからどこへ転籍したかを追跡する必要があります。郵送請求の場合は1箇所あたり最短1週間かかるため、戸籍収集全体で1~2ヶ月かかることが多いです。

被相続人が引っ越しや転勤等のタイミングで本籍地を移動していた場合、特に時間がかかります。

回避策

最初に取得した戸籍謄本に、前の本籍地が記載されているので、それを辿って順番に請求していきます。時間に余裕を持って取り掛かることが大切です。

遺産分割協議で詰まるケース

相続人全員の署名押印が必要

遺産分割協議書には相続人全員の署名・押印が必要です。郵送でやりとりをすると数週間かかることもあります。

相続人の一人が連絡を取りにくい・遠方にいる

相続人の中に連絡が取りにくい人がいる場合、協議が進みません。相続人が海外にいる場合は、さらに手続きが複雑になります。

遺産の評価額で意見が分かれる

不動産の評価額や、特定の財産をどう評価するかで意見が分かれることがあります。

協議がまとまらない場合の対処法

家庭裁判所で遺産分割調停を申し立てることができます。調停では、調停委員が間に入って話し合いを進めます。調停でもまとまらない場合は、審判で裁判所が分割方法を決定します。

銀行での手続きで時間がかかるケース

銀行の相続手続きは、書類提出後2~3週間、長ければ1ヶ月ほどかかります。

必要書類の取りまとめや銀行での内容確認に時間がかかる

銀行ごとに必要書類が異なる場合があり、書類に不備があると再提出が必要です。複数の銀行で手続きをする場合、それぞれに同じ書類を提出する必要があります。

回避策

事前に各銀行に必要書類を確認し、一度に全ての書類を揃えて提出することで、やり取りの回数を減らせます。

トラブル時の代替手段

自分で手続きを進めることが難しい場合は、専門家に依頼することを検討しましょう。

司法書士に依頼

相続登記の専門家である司法書士に依頼すると、費用は数万円~十数万円かかりますが、確実に手続きを進めてもらえます。

オンライン代行サービス

戸籍収集から名義変更まで一括で対応してくれるオンライン代行サービスもあります。平日に役所や銀行に行く時間が取れない方や、遠方に住んでいる方に特に向いています。

期限が迫っている場合

相続登記の期限(3年)が迫っている場合は、専門家に依頼する方が確実です。過料が科されるリスクを避けるためにも、早めの相談をお勧めします。

事前に確認しておきたいこと

相続手続きを始める前に、期待値と実態のギャップを把握しておくことが大切です。

期待しがちな点(実際はこうなりがち)

誤解1: 相続手続きはすぐ終わる

実際は、最短1ヶ月、平均4~5ヶ月かかります。戸籍収集だけで1~2ヶ月、遺産分割協議や各種名義変更にもそれぞれ時間がかかります。

誤解2: 必要書類は簡単に揃う

戸籍収集だけで1~2ヶ月かかることが多く、特に被相続人が転籍を繰り返していた場合は時間がかかります。

誤解3: 銀行や法務局に行けば全部教えてくれる

銀行や法務局は手続きの方法を案内してくれますが、書類作成は自己責任です。遺産分割協議書などは自分で作成する必要があります。

誤解4: 遺産分割協議はすぐまとまる

相続人が多数いる場合や、遠方にいる場合は調整に時間がかかります。相続人間で意見が分かれると、さらに時間がかかることもあります。

ここはケースで変わる

相続手続きの期間や複雑さは、以下のような要因で大きく変わります。

不動産が複数県にまたがる場合

各県の法務局に申請が必要で、それぞれに書類を提出する必要があります。

銀行口座が複数ある場合

各銀行で手続きが必要で、それぞれに同じ書類を提出します。10以上の銀行に口座がある場合は、相当な時間がかかります。

相続人が多数いる場合

全員の署名・押印が必要で、調整に時間がかかります。相続人が10人以上いる場合は、数ヶ月かかることもあります。

遺言書がある場合

自筆証書遺言の場合は検認手続きが必要で、1~2ヶ月かかります。公正証書遺言や法務局保管制度の遺言書であれば、検認不要ですぐに手続きを進められます。

自分で手続きする人/代行サービスを使う人

相続手続きを自分で進めるか、代行サービスを使うかは、以下の基準で判断すると良いでしょう。

自分で手続きする人に向いているケース

  • 時間に余裕がある
  • 費用を抑えたい
  • 財産がシンプル(不動産1件、銀行口座2~3件程度)
  • 相続人が少数(2~3人)
  • 相続人全員が近くに住んでいる

代行サービスを使う人に向いているケース

  • 平日に役所や銀行に行く時間がない(共働き世帯・会社員)
  • 遠方に住んでいて、実家に何度も通えない
  • 財産が複雑(不動産が複数、銀行口座が多数)
  • 相続人が多数いる、または遠方にいる
  • 相続登記の期限(3年)が迫っている
  • 手続きに不安がある、専門家のサポートを受けたい

自分で手続きを進める自信がない場合や、期限が迫っている場合は、代行サービスの利用を検討することをお勧めします。

まとめ:今日できる最短の一歩

相続手続きは複雑で時間がかかりますが、一つずつ進めていけば必ず完了します。まずは今日できることから始めましょう。

今日できること

  • 遺言書の有無を確認する(自宅・貸金庫を探す、公証役場に問い合わせ)
  • 財産の洗い出しを始める(通帳・証券・保険証券・不動産の権利証を探す)
  • 相続登記の期限を確認する(被相続人が亡くなった日から3年以内)

今週中にできること

  • 戸籍謄本の請求を始める(本籍地の市区町村役場に郵送請求可能)
  • 銀行に相続手続きに必要な書類を照会する

自分で手続きが難しい場合

時間がない、手続きに不安があるという場合は、オンライン代行サービスの初回相談を予約してみてはいかがでしょうか。【相続ナビ】では、相続手続き全体をオンラインで完結でき、戸籍収集から名義変更まで一括で対応してもらえます。無料または低額での初回相談も可能なので、見積りを確認してから検討できます。

相続手続きは一度経験すれば流れがわかりますが、初めての場合は不安が大きいものです。自分に合った方法を選んで、一歩ずつ進めていきましょう。

よくある質問

Q1相続手続きはどのくらいの期間がかかりますか?

A1書類収集に1~2ヶ月、遺産分割協議に2週間~数ヶ月、各種名義変更に2~3週間が一般的です。全体で最短1ヶ月、平均4~5ヶ月を見込んでください。相続人が多数いる場合や、遠方にいる場合は、さらに時間がかかることもあります。

Q2相続手続きに必要な書類は何ですか?

A2被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)、被相続人の住民票の除票、相続人全員の戸籍謄本、相続人全員の印鑑証明、遺産分割協議書が必要です。不動産がある場合は登記事項証明書・固定資産評価証明書も必要です。戸籍謄本の収集に1~2ヶ月かかることが多いため、早めに取り掛かることをお勧めします。

Q3相続手続きを自分でやるのは難しいですか?

A3財産がシンプルで相続人が少数の場合は自分でも可能ですが、戸籍収集や書類作成に時間がかかります。財産が複雑、期限が迫っている、時間が取れない場合は、司法書士やオンライン代行サービスの利用を検討してください。特に相続登記の期限(3年)が迫っている場合は、専門家に依頼する方が確実です。

Q4相続登記の期限(3年)を過ぎるとどうなりますか?

A42024年4月から相続登記が義務化され、相続開始を知ってから3年以内に登記しないと、正当な理由がない場合は10万円以下の過料が科される可能性があります。期限が迫っている場合は、早めに手続きを開始することが大切です。

Q5遺産分割協議がまとまらない場合はどうすればいいですか?

A5家庭裁判所で遺産分割調停を申し立てることができます。調停では、調停委員が間に入って話し合いを進めます。調停でもまとまらない場合は、審判で裁判所が分割方法を決定します。相続人間で意見が分かれる場合は、早めに調停を検討することをお勧めします。