結論:相続手続きを頼む先の選び方3ステップ
親が亡くなり相続手続きが必要になったとき、「どこに頼めばいいのか」と迷う方は少なくありません。司法書士、弁護士、税理士、相続代行サービス…選択肢が多く、それぞれの役割や費用感も異なるため、判断が難しいのは当然です。
ここでは、依頼先を決めるための3ステップを示します。この順番で考えることで、自分の状況に最も合った専門家やサービスを選べるようになります。
ステップ1:何を依頼したいかを明確にする
まず、自分が何を依頼したいのかを整理しましょう。相続登記だけでよいのか、戸籍収集から全ての手続きを任せたいのか、それとも相続人間でトラブルが発生しているのか。依頼内容によって、適切な専門家が変わります。
ステップ2:予算と手間のバランスを考える
次に、費用と手間のトレードオフを考えます。司法書士に登記だけを依頼すれば費用は6〜13万円程度ですが、戸籍収集や銀行手続きは自分で行う必要があります。一方、相続代行サービスに全て任せれば数十万円前後かかりますが、手間はほぼゼロになります。自分がどこまで時間を割けるか、費用をどこまで出せるかで判断しましょう。
ステップ3:遠方か地元かで選択肢が変わる
最後に、実家との距離を考慮します。実家が近く、何度も足を運べるなら地元の司法書士で十分です。しかし、遠方に住んでいて帰省が難しい場合は、オンライン完結で対応できる全国対応の相続代行サービスが効率的です。
この3ステップで整理すれば、依頼先の候補が絞り込めます。次に、具体的な確認事項を見ていきましょう。
まず最初に確認すること
依頼先を選ぶ前に、自分の相続状況を把握しておくことが重要です。以下の3点を確認しましょう。
相続人の人数と関係性(全員合意できているか)
相続人が何人いるか、全員が遺産分割に合意できているかを確認します。全員が合意していれば、司法書士や相続代行サービスで手続きを進められます。しかし、意見が対立している場合や連絡が取れない相続人がいる場合は、弁護士に相談する必要が出てきます。
不動産の有無と所在地(遠方か地元か)
相続財産に不動産が含まれる場合、相続登記が必要です。2024年4月から相続登記が義務化されており、相続を知った日から3年以内に手続きしないと10万円以下の過料の対象となります。不動産の所在地が実家の近くか遠方かによって、依頼先の選択肢が変わります。
期限の確認(相続放棄3ヶ月、相続登記3年以内)
相続には期限があります。相続放棄は相続を知った日から3ヶ月以内、相続登記は3年以内です。期限を過ぎると選択肢がなくなったり、過料が発生したりするため、早めの着手が重要です。
依頼先の選択肢(全体像)
相続手続きを依頼できる専門家とサービスは主に4つあります。それぞれの特徴を理解しておきましょう。
司法書士:相続登記に特化、費用6〜13万円
司法書士は不動産登記のプロです。相続登記を依頼する場合、費用は6〜13万円程度が一般的です。ただし、戸籍収集や銀行手続きは別途依頼するか、自分で行う必要があります。登記だけを依頼したい場合に適しています。
相続代行サービス:戸籍収集から一括対応、数十万円前後
相続代行サービスは、戸籍収集、遺産調査、名義変更、相続登記まで一括で代行してくれるワンストップサービスです。費用は数十万円前後と司法書士より高くなりますが、手間をほぼゼロにできます。オンライン完結で進められるサービスが多く、遠方在住の方や仕事が忙しい方に向いています。
弁護士:トラブル・訴訟対応、費用は案件次第
弁護士は法的トラブルの解決が専門です。相続人間で遺産分割協議がまとまらない場合や、遺言書の内容に不満がある場合など、訴訟や調停が必要なケースで依頼します。費用は案件次第で、着手金と成功報酬が発生します。通常の手続きのみであれば、弁護士に依頼する必要はありません。
税理士:相続税申告が必要な場合
税理士は相続税申告のプロです。遺産総額が基礎控除(3000万円+600万円×相続人数)を超える場合、相続税申告が必要になります。費用は遺産額の0.5〜1.0%が目安です。相続税がかからない場合は、税理士に依頼する必要はありません。
相続手続きをスムーズに進めたい方、オンラインで完結させたい方には、専門家ネットワークと連携したワンストップサービスが効率的です。自宅にいながら相続手続き【相続ナビ】なら、戸籍収集から相続登記まで一括で対応してもらえるため、忙しい方でも安心して進められます。
よくある迷いポイントと判断基準
依頼先を選ぶ際、多くの方が陥りがちな迷いポイントがあります。ここでは、よくある迷いと判断基準を示します。
「全部まとめて頼みたい」けど費用が心配
「戸籍収集も登記も銀行手続きも全部まとめて頼みたいけど、費用が高くつくのでは?」と心配になる方は多いでしょう。ここでは、費用と手間のトレードオフを整理します。
司法書士:登記のみ、戸籍収集は別途依頼か自分で
司法書士に依頼する場合、相続登記は6〜13万円程度で済みますが、戸籍収集や銀行手続きは対応範囲外のことが多く、別途依頼するか自分で行う必要があります。戸籍収集を自分で行う場合、本籍地が複数ある場合は全ての役所に郵送請求する必要があり、時間と手間がかかります。
相続代行サービス:戸籍収集・名義変更・登記を一括対応
相続代行サービスは、戸籍収集、遺産調査、名義変更、相続登記まで一括で対応してくれます。費用は数十万円前後と司法書士より高くなりますが、役所や銀行に何度も足を運ぶ手間がほぼゼロになります。オンラインで進捗確認もできるため、仕事が忙しい方でも安心です。
費用差は数万〜数十万円、手間を減らすかコストを優先するか
費用差は数万〜数十万円です。時間に余裕があり、費用を最小限に抑えたい場合は司法書士に登記だけを依頼し、戸籍収集は自分で行うのが良いでしょう。一方、仕事が忙しく時間が取れない場合や、遠方在住で何度も帰省できない場合は、相続代行サービスに全て任せる方が効率的です。
「トラブルはないけど念のため弁護士?」
「トラブルはないけど、念のため弁護士に頼んだ方が安心では?」と考える方もいます。しかし、弁護士が必要なケースは限られています。
相続人全員が合意している場合は弁護士不要
相続人全員が遺産分割協議に合意しており、トラブルがない場合は、弁護士に依頼する必要はありません。司法書士や相続代行サービスで十分に対応できます。
トラブル・訴訟の可能性がある場合のみ弁護士
弁護士が必要なのは、相続人間で意見が対立している場合、遺産分割協議がまとまらない場合、遺言書の内容に不満がある場合など、法的紛争が発生しているケースです。家庭裁判所での調停や訴訟が必要になる場合は、弁護士に依頼しましょう。
通常の手続きは司法書士や代行サービスで十分
通常の相続手続きであれば、司法書士や相続代行サービスで十分です。弁護士に依頼すると費用も高くなるため、トラブルがない限りは必要ありません。
「どこに頼んでも同じ?」
「専門家ならどこに頼んでも同じでは?」と考える方もいますが、各専門家には明確な役割の違いがあります。
司法書士:登記のプロ、相続登記に特化
司法書士は不動産登記の専門家で、相続登記の手続きに特化しています。登記申請書の作成や法務局への提出を代行してくれます。
弁護士:法的トラブル解決のプロ、訴訟・調停対応
弁護士は法的トラブルの解決が専門です。相続人間の紛争、遺産分割調停、訴訟代理など、法的手続きが必要な場合に依頼します。
税理士:相続税申告のプロ、基礎控除超える場合
税理士は相続税申告の専門家です。遺産総額が基礎控除を超える場合、相続税の申告と納税が必要になります。節税対策も含めて相談できます。
相続代行サービス:ワンストップ対応、専門家ネットワーク活用
相続代行サービスは、司法書士、税理士、弁護士など専門家ネットワークと連携し、戸籍収集から名義変更、相続登記まで一括で対応します。窓口一本化で、複数の専門家を探す手間を省けます。
状況別のおすすめ依頼先
自分の状況に応じて、最適な依頼先を選びましょう。ここでは、状況別におすすめの依頼先を示します。
登記だけ頼みたい/費用を抑えたい
相続登記だけを依頼したい場合や、費用を最小限に抑えたい場合は、地元の司法書士に依頼するのが適しています。
地元の司法書士に依頼
司法書士は相続登記に特化しており、費用は6〜13万円程度です。実家が近く、何度か足を運べる場合は、対面で相談できる地元の司法書士が安心です。
対応範囲:相続登記のみ、戸籍収集は別途
ただし、戸籍収集や銀行手続きは対応範囲外のことが多いため、別途依頼するか自分で行う必要があります。戸籍収集は郵送請求で対応できますが、本籍地が複数ある場合は時間がかかります。
向いている人:実家が近い、費用優先
実家が近く、時間に余裕がある方、費用を最優先したい方に向いています。
戸籍収集から全部任せたい/遠方在住
戸籍収集から全ての手続きを任せたい場合や、遠方に住んでいて帰省が難しい場合は、全国対応の相続代行サービスが効率的です。
全国対応の相続代行サービス
相続代行サービスは、戸籍収集、遺産調査、名義変更、相続登記まで一括で代行してくれます。オンライン相談や出張相談が可能で、来所不要で手続きを進められます。
費用:数十万円前後
費用は数十万円前後が目安です。戸籍収集や不動産登記など個別手続きごとに追加費用が発生するプラン構成が一般的です。無料または低額での初回相談枠が設定されているサービスが多いため、見積もりを確認してから申し込むことをおすすめします。
対応範囲:戸籍収集・名義変更・相続登記を一括代行
戸籍収集から名義変更、相続登記まで一括で対応してもらえるため、窓口一本化で手間を大幅に減らせます。専門家ネットワークと連携しており、税理士や弁護士が必要になった場合も紹介してもらえます。
向いている人:遠方在住、仕事が忙しい、初めての相続
遠方在住で何度も帰省できない方、仕事が忙しく平日に役所や銀行に行けない方、初めての相続で何から始めればよいかわからない方に向いています。
遠方在住で帰省が難しい方、仕事が忙しく時間が取れない方には、オンライン完結で進められるサービスが便利です。【相続ナビ】なら、専門家ネットワークと連携して戸籍収集から相続登記まで一括で対応してもらえるため、手続きの抜け漏れを防ぎながら効率的に進められます。
相続人間でトラブルがある/合意が取れない
相続人間で遺産分割協議がまとまらない場合や、トラブルが発生している場合は、弁護士に相談する必要があります。
弁護士に相談
弁護士は法的トラブルの解決が専門です。遺産分割協議で合意が取れない場合、家庭裁判所の調停を申し立てる必要がありますが、弁護士に依頼すれば調停や訴訟の代理を任せられます。
費用:案件次第(着手金・成功報酬)
費用は案件次第で、着手金と成功報酬が発生します。遺産額や紛争の複雑さによって費用が変わるため、初回相談で見積もりを確認しましょう。
対応範囲:遺産分割調停・訴訟代理
遺産分割調停の申し立て、家庭裁判所での代理、訴訟対応など、法的手続きを全て任せられます。
向いている人:相続人間で意見対立、遺言書に不満
相続人間で意見が対立している方、遺言書の内容に不満がある方、相続放棄を強要されている方などに向いています。
相続税がかかる可能性がある
遺産総額が基礎控除を超える場合、相続税申告が必要になります。この場合は税理士に相談しましょう。
税理士に相談(相続専門)
税理士は相続税申告の専門家です。相続税の計算、申告書の作成、節税対策まで相談できます。相続専門の税理士に依頼することをおすすめします。
費用:遺産額の0.5〜1.0%が目安
費用は遺産額の0.5〜1.0%が目安です。遺産額が大きいほど費用も高くなりますが、節税対策により相続税を減らせる可能性もあります。
対応範囲:相続税申告、節税対策
相続税の計算、申告書の作成、税務署への提出、節税対策の提案など、相続税に関する全ての手続きを任せられます。
向いている人:遺産総額が基礎控除(3000万円+600万円×相続人数)を超える
遺産総額が基礎控除を超える方、不動産評価が複雑な方、節税対策を検討したい方に向いています。
依頼する前に確認しておくこと
依頼先を決める前に、確認しておくべきことがあります。失敗を防ぐために、以下の点をチェックしましょう。
初回相談で確認すべきこと
初回相談では、以下の点を必ず確認しましょう。
見積もりの内訳(何が含まれているか)
見積もりの内訳を確認し、何が含まれているかを明確にしましょう。相続登記の費用だけなのか、戸籍収集や銀行手続きも含まれているのかを確認します。
追加費用が発生するケース(戸籍収集、出張費など)
追加費用が発生するケースを確認します。戸籍収集、出張費、日当など、基本料金に含まれていない費用がある場合は、事前に説明を受けましょう。
手続き完了までの期間
手続き完了までの期間を確認します。相続登記の義務化により3年以内の手続きが必要なため、スケジュール感を把握しておくことが重要です。
必要な書類と準備すべきもの
必要な書類と準備すべきものを確認します。戸籍謄本、印鑑証明書、遺産分割協議書など、自分で準備する必要があるものを明確にしましょう。
こんな場合は要注意
以下のような場合は、依頼先を再検討した方がよいかもしれません。
「何でもできます」と言いつつ専門外を受ける
「何でもできます」と言いつつ、実は専門外の業務を受けている場合があります。司法書士なのに訴訟対応を請け負ったり、税理士なのに相続登記を請け負ったりする場合は注意が必要です。各専門家の業務範囲を確認しましょう。
見積もりが曖昧で追加費用の説明がない
見積もりが曖昧で、追加費用の説明がない場合は要注意です。後から高額な追加費用を請求されるリスクがあります。見積もりの内訳と追加費用の条件を明確にしてもらいましょう。
相談時の対応が不親切・説明不足
相談時の対応が不親切で、説明不足の場合は、依頼後もコミュニケーションがうまくいかない可能性があります。相談時の対応を見て、信頼できるかどうかを判断しましょう。
自分でやる選択肢もある
専門家に依頼するだけでなく、自分で手続きする選択肢もあります。ここでは、自分でやる場合の判断材料を示します。
自分でやる場合のメリット・デメリット
自分で手続きする場合のメリットとデメリットを整理しましょう。
メリット:司法書士報酬(6〜13万円)を節約できる
司法書士報酬を節約できるため、費用を最小限に抑えられます。登録免許税(固定資産税評価額×0.4%)は必須ですが、それ以外の費用は戸籍謄本の取得費用のみです。
デメリット:法務局に何度も足を運ぶ、戸籍収集が煩雑
書類不備があると法務局に何度も足を運ぶ必要があります。また、戸籍収集は本籍地が複数ある場合、全ての役所に郵送請求する必要があり、時間と手間がかかります。戸籍の読み取りも複雑で、相続人を確定するのに迷うことがあります。
向いている人:時間に余裕がある、費用を最優先したい
時間に余裕があり、費用を最優先したい方に向いています。初めての相続で不安がある方や、仕事が忙しい方には向いていません。
自分でやる場合の手順
自分で手続きする場合の大まかな流れを示します。
戸籍謄本を取得(被相続人の出生〜死亡、相続人全員分)
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を取得します。本籍地が複数ある場合は、全ての役所に請求する必要があります。郵送請求も可能ですが、時間がかかります。相続人全員の戸籍謄本も取得します。
遺産分割協議書を作成
相続人全員で遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成します。全員が署名・捺印(実印)し、印鑑証明書を添付します。
登記申請書を作成(法務局ホームページに様式あり)
登記申請書を作成します。法務局ホームページに様式があるため、参考にして作成しましょう。登録免許税を計算し、収入印紙を準備します。
管轄法務局に提出
不動産の所在地を管轄する法務局に提出します。郵送申請も可能ですが、不備があると返送されるため、窓口での提出が確実です。
まとめ:迷ったらまず無料相談
相続手続きをどこに頼むか迷ったら、まず自分の状況を整理しましょう。登記のみなら司法書士、全体を任せたいなら相続代行サービス、トラブルがあるなら弁護士、相続税が心配なら税理士に相談するのが基本です。
多くのサービスでは無料または低額での初回相談枠が設定されているため、見積もりを確認してから申し込むことをおすすめします。迷ったらまず相談してみることが、スムーズな相続手続きへの第一歩です。
