結論:銀行口座の相続手続き全体の流れ
親が亡くなり、銀行口座の相続手続きが必要になったとき、多くの方が「何から始めればいいのか」「どれくらい時間がかかるのか」と不安を感じられます。銀行口座の相続手続きは、大きく分けて以下の5つのステップで進みます。
- 金融機関への連絡と口座凍結
- 戸籍謄本等の収集
- 遺産分割協議書または遺言書の準備
- 金融機関への書類提出
- 金融機関の審査と払戻し・名義変更
これらの手続きを順番に進めていくことで、銀行口座の相続手続きを完了できます。ただし、戸籍収集や遺産分割協議書の作成には時間がかかる場合があり、全体では1〜3ヶ月程度を見込むのが一般的です。
まず最初にやること3つ
相続手続きをスムーズに進めるために、まず最初に以下の3つに着手しましょう。これらは並行して進めることができます。
1. 金融機関への連絡(口座凍結の届出)
被相続人(亡くなった方)名義の口座がある金融機関に、相続が発生したことを連絡します。この連絡により、口座は凍結され、一切の取引ができなくなります。口座凍結は、相続人全員の権利を保護するために必要な手続きです。
2. 相続人の確定(誰が相続人か確認)
相続手続きを進めるには、まず誰が相続人なのかを確定する必要があります。法定相続人は、配偶者と子(子が既に亡くなっている場合は孫)が基本となりますが、ケースによって異なるため、戸籍謄本で確認します。
3. 戸籍謄本の収集開始
相続手続きに必要な戸籍謄本の収集を開始します。故人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本が必要となり、本籍地の市区町村に請求します。本籍地が遠方の場合は郵送請求も可能ですが、往復で時間がかかるため、早めに着手することが重要です。
かかる時間の目安
銀行口座の相続手続きにかかる時間は、以下のように段階によって異なります。
書類提出後の審査期間:1〜2週間
金融機関に必要書類を提出した後、金融機関側で書類の確認が行われます。提出書類に問題がなければ、1週間から2週間程度で手続きが完了します。金融機関によって若干異なりますが、これが審査期間の目安となります。
戸籍収集や遺産分割協議書作成:数週間〜数ヶ月
戸籍謄本の収集や遺産分割協議書の作成には、相続人の状況によって時間がかかる場合があります。特に、故人が本籍地を何度も移している場合や、相続人が多い場合、遺産分割で意見が分かれる場合などは、数ヶ月かかることもあります。
全体の所要期間:1〜3ヶ月
書類収集から手続き完了まで、順調に進んだ場合で1〜2ヶ月、複雑なケースでは3ヶ月以上かかることもあります。複数の金融機関がある場合は、並行して進めることで全体の期間を短縮できます。
平日に時間が取れない方や、戸籍収集に時間をかけたくない方は、自宅にいながら相続手続き【相続ナビ】のような代行サービスを利用することで、手続きの負担を大幅に軽減できます。戸籍収集から書類提出までワンストップで対応してもらえるため、仕事や家事と並行しながら手続きを進められます。
ステップ別の詳しい手順
ここからは、各ステップの具体的な進め方を詳しく解説します。
Step1:金融機関への連絡と口座凍結
相続が発生したら、まず被相続人名義の口座がある金融機関に連絡します。金融機関は死亡事実を知った時点で、口座を即座に凍結します。
連絡時に必要な情報
- 故人の氏名
- 口座番号(わかる場合)
- 死亡日
- 連絡者の氏名と続柄
口座凍結の意味
口座が凍結されると、引き出し、振込、口座振替など、一切の取引ができなくなります。これは、相続人全員の権利を保護するための措置です。凍結前に勝手に引き出すと、後の遺産分割でトラブルになる可能性があるため推奨されません。
注意点
金融機関が死亡事実を知るのは、相続人からの連絡だけでなく、新聞のおくやみ欄や自治体からの通知などもあります。早めに連絡することで、手続きの流れをスムーズに進められます。
Step2:戸籍謄本等の収集
相続手続きには、以下の戸籍関係の書類が必要です。
必要な戸籍書類
- 故人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本:相続人を確定するために必要
- 相続人全員の戸籍謄本(全部事項証明書):現在の相続人であることを証明
- 相続人全員の印鑑証明書:遺産分割協議書に押印した印鑑が実印であることを証明
取得先と方法
戸籍謄本は、本籍地の市区町村で取得します。窓口での取得のほか、郵送請求も可能です。故人が本籍地を転々としている場合は、それぞれの市区町村に請求する必要があり、時間がかかります。
郵送請求の流れ
- 市区町村のウェブサイトで請求書をダウンロード
- 必要事項を記入し、手数料分の定額小為替と返信用封筒を同封
- 本籍地の市区町村に郵送
- 1〜2週間程度で返送される
代行サービスの活用
戸籍収集は、本籍地を特定したり、必要な書類を漏れなく請求したりするのが難しい作業です。代行サービスを使えば、専門家が戸籍収集を代行してくれるため、時間と手間を大幅に削減できます。
Step3:遺産分割協議書または遺言書の準備
銀行口座の相続手続きには、誰がどの財産を相続するかを示す書類が必要です。
遺言書がある場合
遺言書がある場合は、それに従って相続手続きを進めます。遺言書が自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所で検認手続きが必要です(法務局で保管されている自筆証書遺言は検認不要)。
遺言書がない場合
遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書には、以下の内容を記載します。
- 故人の氏名、死亡日、本籍地
- 相続財産の内容(銀行口座、不動産など)
- 誰がどの財産を相続するか
- 相続人全員の署名・押印(実印)
相続人全員の同意が必要
遺産分割協議書の作成には、相続人全員の同意が必要です。一人でも反対すると協議書を作成できず、手続きが進みません。協議が難航する場合は、弁護士や司法書士に相談することも検討しましょう。
Step4:金融機関への書類提出
戸籍謄本等と遺産分割協議書(または遺言書)が揃ったら、金融機関に書類を提出します。
提出書類
- 金融機関所定の相続届(金融機関から交付される)
- 故人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人全員の印鑑証明書
- 遺産分割協議書(または遺言書)
- 通帳、キャッシュカード
- 手続申請者の身分証明書(提示用)
提出方法
書類は、窓口への持参または郵送で提出できます。窓口の場合は、事前に予約が必要な場合があるため、金融機関に確認しましょう。郵送の場合は、書類の不備があると再提出が必要になるため、事前に金融機関に確認すると安心です。
金融機関ごとに書式が異なる
金融機関によって、相続届の書式や必要書類が異なる場合があります。複数の金融機関に口座がある場合は、それぞれに問い合わせて、必要書類を確認しましょう。
Step5:金融機関の審査と払戻し・名義変更
書類を提出すると、金融機関側で内容の確認が行われます。
審査期間
通常、1〜2週間程度で審査が完了します。提出書類に不備がある場合は、追加書類の提出や訂正が求められ、さらに時間がかかることがあります。
払戻しまたは名義変更
審査が完了すると、遺産分割協議書(または遺言書)に従って、預貯金の払戻しまたは名義変更が行われます。払戻しの場合は、指定した口座に振り込まれるか、窓口で現金を受け取ります。
完了通知
手続きが完了すると、金融機関から完了通知が送られてくる場合があります。これで銀行口座の相続手続きは完了です。
よくある詰まりポイントと回避策
相続手続きでは、以下のようなトラブルが起きやすいため、事前に対策を知っておくことが大切です。
相続人全員の同意が得られない
遺産分割協議書の作成には、相続人全員の合意が必要です。一人でも反対すると手続きが進みません。
よくあるケース
- 相続人間で遺産分割の方針が合わない
- 連絡が取れない相続人がいる
- 相続放棄を主張する相続人がいる
対処法
- まずは相続人全員で話し合いの場を設ける
- 弁護士や司法書士に間に入ってもらう
- 家庭裁判所の調停を利用する
協議が長期化すると、相続税の申告期限(死亡後10ヶ月以内)に間に合わない場合もあるため、早めに専門家に相談することをおすすめします。
戸籍の取得に時間がかかる
故人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得するのは、想像以上に大変な作業です。
よくあるケース
- 故人が本籍地を何度も移している
- 古い戸籍が手書きで読みにくい
- 郵送請求の往復に時間がかかる
- どの戸籍が必要か判断できない
対処法
- 早めに着手する(遅くとも相続発生後1ヶ月以内)
- 複数の市区町村に並行して請求する
- 代行サービスを利用する
戸籍収集の代行サービスを使えば、専門家が必要な戸籍を漏れなく取得してくれるため、自分で取得するよりも確実で早く進められます。
金融機関ごとに手続きが異なる
金融機関によって、必要書類や書式が異なるため、複数の金融機関がある場合は混乱しやすくなります。
よくあるケース
- A銀行では不要だった書類が、B銀行では必要
- 相続届の書式が金融機関ごとに違う
- 窓口対応の金融機関と郵送のみの金融機関がある
対処法
- 各金融機関に事前に問い合わせて、必要書類を確認する
- チェックリストを作成して、漏れを防ぐ
- 複数の金融機関を並行して進める
- 代行サービスを使ってまとめて対応してもらう
代行サービスを使えば、複数の金融機関の手続きをまとめて対応してもらえるため、自分で個別に対応するよりも効率的です。
事前に確認しておきたいこと
相続手続きには、期待と実際のギャップがあります。事前に知っておくことで、スムーズに進められます。
期待しがちな点(実際はこうなりがち)
「すぐに払い戻せる」→ 実際は1〜2週間かかる
口座凍結を解除して払い戻すには、書類審査に1〜2週間程度かかります。緊急でお金が必要な場合は、葬儀費用の払戻し制度を利用できる場合があります(上限あり)。
「相続人の一人が代表で手続きできる」→ 実際は全員の同意が必要
書類提出や窓口対応は代表者一人でも可能ですが、遺産分割協議書には相続人全員の署名・押印が必要です。また、金融機関によっては相続人全員の印鑑証明書を求められます。
「口座凍結前に引き出せる」→ 実際は凍結されると一切取引不可
金融機関が死亡事実を知った時点で、口座は即座に凍結され、引き出し、振込、口座振替など一切の取引ができなくなります。凍結前に引き出すことは、後の遺産分割でトラブルになる可能性があるため推奨されません。
ここはケースで変わる
相続手続きの進め方は、以下のケースによって大きく変わります。
遺言書の有無
遺言書がある場合は、遺産分割協議書は不要です。ただし、自筆証書遺言の場合は家庭裁判所での検認が必要です。
相続人の人数と関係性
相続人が多いほど、遺産分割協議や書類収集に時間がかかります。また、疎遠な相続人がいる場合は、連絡を取るのに時間がかかることがあります。
金融機関の数
複数の金融機関に口座がある場合は、それぞれに個別に手続きが必要です。並行して進めることで期間を短縮できますが、手間は増えます。
相続財産の額
相続財産が基礎控除(3,000万円 + 600万円 × 相続人の数)を超える場合は、相続税の申告が必要です。税理士への相談も検討しましょう。
自分で進める?代行サービスを使う?
銀行口座の相続手続きは、自分で進めることも、代行サービスを使うこともできます。それぞれのメリット・デメリットを理解して、自分に合った方法を選びましょう。
自分で進める場合
メリット
- 費用を抑えられる(実費のみ)
- 自分のペースで進められる
デメリット
- 時間と手間がかかる(戸籍収集、書類作成、窓口訪問など)
- 戸籍収集や書類作成に慣れていないとミスしやすい
- 平日に役所や銀行に行く必要がある
- 複数の金融機関がある場合は特に負担が大きい
向いている人
- 時間に余裕がある
- 費用を最小限に抑えたい
- 相続人が少なく、協議がスムーズに進む見込みがある
代行サービスを使う場合
メリット
- 戸籍収集から書類提出までワンストップで対応してもらえる
- オンライン完結で、平日に時間が取れなくても進められる
- 専門家のサポートで安心(ミスや漏れを防げる)
- 複数の金融機関をまとめて対応してもらえる
- 手続きの進捗をオンラインで確認できる
デメリット
- 費用がかかる(数十万円前後が一般的)
- ただし、銀行の相続代行サービスより安い場合も多い
向いている人
- 平日に時間が取れない会社員や共働き世帯
- 遠方在住で何度も帰省できない
- 相続手続きが初めてで不安
- 複数の金融機関がある
- 手続きを確実に、早く終わらせたい
自宅にいながら相続手続き【相続ナビ】のような代行サービスでは、戸籍収集から銀行口座の名義変更、相続登記まで、相続手続き全般をオンラインで代行してもらえます。初回相談・見積りは無料で、手続きの進捗もオンラインで確認できるため、仕事や家事と並行しながら安心して進められます。
まとめ:今日できる最短の一歩
銀行口座の相続手続きは、以下の5つのステップで進みます。
- 金融機関への連絡と口座凍結
- 戸籍謄本等の収集
- 遺産分割協議書または遺言書の準備
- 金融機関への書類提出
- 金融機関の審査と払戻し・名義変更
今日から始められる最短の一歩は、以下の3つです。
- まず金融機関に連絡する:口座凍結の手続きを進める
- 相続人を確定する:誰が相続人なのかを確認する
- 戸籍収集を開始する:早めに着手することで全体の期間を短縮できる
時間がない場合や、手続きに不安がある場合は、代行サービスの利用も検討しましょう。専門家のサポートを受けることで、確実に、早く、安心して相続手続きを完了できます。
