親が亡くなって遺産整理が必要になったとき、「費用はどれくらいかかるの?」「銀行と司法書士、どちらに頼めばいいの?」と迷っていませんか。
遺産整理業務の費用は、依頼先によって大きく異なります。銀行のパック料金は110万円以上かかることもあれば、司法書士への個別依頼なら30〜50万円で済む場合もあります。
この記事では、遺産整理業務の費用相場から、費用を抑える具体策まで、あなたが適切な判断をするための情報を網羅的に解説します。
結論:遺産整理業務の費用感(ケース別)
遺産整理業務の費用は、依頼先と遺産額によって大きく変わります。
ケース別の費用目安:
- 銀行パック:110万円〜(遺産額による)
- 司法書士個別依頼:30〜50万円前後
- オンライン代行サービス:数十万円前後
遺産額8,000万円の場合の比較例:
銀行パック:124万9,000円(税別)
- 財産比例報酬112万円 + 相続登記報酬12万9,000円
- ※登記手数料・税務申告費用・戸籍収集費用は別途
司法書士個別依頼:32万9,000円(税別)
- 戸籍収集3万円 + 相続登記12万9,000円 + 遺産分割5万円 + 預金株式手続き12万円
銀行パックは手続き全体を一括で任せられますが、費用は割高です。司法書士への個別依頼は費用を抑えられますが、複数の専門家とやり取りする必要があります。
最安ルート(節約の要点3つ)
費用を最小限に抑えたいなら、以下の3つを実践しましょう。
1. 銀行パックではなく手続きごとの積算方式を選択
銀行パックは財産比例報酬として遺産額の0.3〜1.8%を請求されます。遺産額が大きいほど費用が膨らみます。
手続きごとの積算方式(司法書士への個別依頼)なら、必要な手続きだけを依頼できるため、費用を大幅に抑えられます。
2. 自分で戸籍謄本など書類取得を行う
戸籍謄本(1通450円)、除籍謄本(1通750円)などの書類取得を自分で行えば、代行費用(通常3万円前後)を節約できます。
本籍地の市区町村役場で取得できますが、郵送請求も可能です。
3. 必要な手続きだけを個別料金制で依頼
全ての手続きを依頼するのではなく、自分ではできない専門的な手続き(相続登記、遺産分割協議書作成など)だけを依頼しましょう。
預金の名義変更や解約などは、相続人自身で行うこともできます。
価格だけで決めると失敗しやすい点
「安ければいい」と価格だけで決めると、思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。
銀行パックは高額だが手間が少ない
銀行パックは110万円以上と高額ですが、手続き全体を一括で任せられるため、複数の専門家とやり取りする手間がありません。
平日に何度も役所や銀行に行く時間がない方には、トータルで見ると割安に感じる場合もあります。
個別依頼は安いが複数の専門家とやり取りが必要
司法書士への個別依頼は費用を抑えられますが、相続登記は司法書士、相続税申告は税理士、というように複数の専門家とやり取りする必要があります。
連絡調整の手間がかかるため、忙しい方には負担になる場合があります。
自分で手続きすると時間がかかる
費用を最小限に抑えるため、全て自分で手続きしようとすると、数十時間以上の時間がかかります。
戸籍収集だけでも、複数の本籍地を遡る場合は1〜2ヶ月かかることもあります。相続登記義務化の期限(3年以内)がある中、自分で手続きすると間に合わないリスクがあります。
「銀行パックは高すぎる」 「でも自分で手続きする時間もない」
そんな方には、オンライン完結型の相続手続き代行サービスがおすすめです。
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費用の内訳(何にお金が乗るか)
遺産整理業務の費用は、以下の項目で構成されます。
財産比例報酬(遺産額の0.3〜1.8%)
銀行パックの場合、遺産額に応じた財産比例報酬が発生します。遺産額8,000万円の場合、112万円(税別)が一般的です。
遺産額が大きいほど費用が高くなるため、遺産額1億円超の場合は150万円以上になることもあります。
相続登記報酬(10〜15万円)
不動産の相続登記(名義変更)には、司法書士への報酬として10〜15万円程度がかかります。
銀行パックの場合、この費用が別途発生する場合と、パック料金に含まれる場合があります。見積もり時に確認しましょう。
戸籍収集費用(3万円前後)
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本を取得する費用です。
代行を依頼する場合、3万円前後が相場です。自分で取得すれば、実費(1通450〜750円)のみで済みます。
遺産分割協議書作成(5万円前後)
相続人全員で遺産の分け方を決め、遺産分割協議書を作成する費用です。
司法書士や行政書士に依頼する場合、5万円前後が一般的です。
預金・株式手続き(1件2〜3万円)
銀行口座や証券口座の名義変更・解約手続きの費用です。金融機関1件あたり2〜3万円が相場です。
複数の銀行に口座がある場合、その分費用が増えます。
よく見落とす追加コスト
見積もり時に見落としがちな追加コストがあります。
銀行パックには登記手数料・税務申告費用・戸籍収集費用が含まれていない
銀行パックのパック料金には、以下の費用が含まれていない場合があります。
- 登記手数料(司法書士への報酬):10〜15万円
- 税務申告費用(税理士への報酬):150万円前後
- 戸籍収集費用:3万円前後
銀行パックは「110万円〜」と提示されていますが、実際には150万円以上かかる場合もあります。
残高証明書発行手数料などの実費
金融機関や証券会社から残高証明書を取得する際、発行手数料(1件数百円〜数千円)がかかります。
複数の金融機関を利用している場合、合計で数万円になることもあります。
相続税申告費用(別途税理士へ150万円前後)
相続税が発生する場合、税理士への相続税申告費用が別途必要です。
相続税申告の税理士報酬は、遺産額や相続人の数によって変わりますが、一般的に150万円前後と言われています。
銀行パックでは、この費用は含まれていないことが多いです。
登録免許税(固定資産税評価額×0.4%)
不動産の相続登記には、登録免許税がかかります。固定資産税評価額の0.4%です。
例えば、固定資産税評価額が1,000万円の不動産なら、登録免許税は4万円です。
この費用は、専門家への報酬とは別に、国へ納める税金です。
「安い」の定義(総額/月額/手間コスト)
「安い」の定義は、金額だけでなく手間や時間も含めて考える必要があります。
総額で比較:
- 銀行パック:110万円〜
- 司法書士個別依頼:30〜50万円前後
- オンライン代行:数十万円前後
金額だけ見れば、司法書士個別依頼が安く済みます。
手間コストで比較:
- 銀行パック:手間が少ない(窓口1つで完結)
- 司法書士個別依頼:複数の専門家とやり取り必要
- オンライン代行:手間が少ない(オンライン完結)
銀行パックやオンライン代行は、複数の専門家とやり取りする手間がありません。
時給換算で比較:
自分で全ての手続きを行う場合、数十時間以上の時間がかかります。
もしあなたの時給が3,000円なら、30時間の手間は9万円の価値があります。この場合、代行費用を払った方が総合的に安くなる計算です。
安くする具体策
費用を抑えるための具体的な行動を紹介します。
銀行パックを避け、手続きごとの積算方式を選ぶ
銀行パックは財産比例報酬で割高になります。手続きごとの積算方式(司法書士への個別依頼)を選ぶことで、費用を大幅に抑えられます。
例えば、遺産額8,000万円の場合、銀行パック124万9,000円 → 司法書士個別依頼32万9,000円と、約92万円の差が出ます。
自分で書類取得を行う
戸籍謄本(1通450円)、除籍謄本(1通750円)などの書類取得を自分で行えば、代行費用3万円前後を節約できます。
本籍地の市区町村役場で取得できます。郵送請求も可能です。
必要な手続きだけを依頼
全ての手続きを依頼するのではなく、自分ではできない専門的な手続きだけを依頼しましょう。
- 必ず依頼すべき:相続登記(司法書士)、相続税申告(税理士)
- 自分でもできる:預金の名義変更・解約、戸籍謄本の取得
申し込み前に揃えるもの
遺産整理業務を依頼する前に、以下の情報を準備しておくと、見積もりがスムーズに進みます。
被相続人の基本情報:
- 氏名
- 生年月日
- 死亡日
- 最後の本籍地
- 最後の住所
相続人全員の情報:
- 氏名
- 生年月日
- 住所
- 被相続人との続柄
遺産の内容:
- 不動産(所在地、固定資産税評価額)
- 預貯金(銀行名、支店名、口座番号、残高)
- 株式・投資信託(証券会社名、銘柄、評価額)
- 生命保険(保険会社名、保険金額)
- 負債(借入金、住宅ローンなど)
すでに取得済みの戸籍謄本:
すでに一部の戸籍を取得している場合、それを提出すれば、不足分のみ代行してもらえます。
プラン選びのコツ(迷う人向け)
どのプランを選ぶべきか迷っている方へ、判断基準を紹介します。
銀行パック vs 個別依頼 vs オンライン代行:
| 項目 | 銀行パック | 個別依頼 | オンライン代行 |
|---|---|---|---|
| 費用 | 110万円〜 | 30〜50万円 | 数十万円 |
| 手間 | 少ない | 複数とやり取り | 少ない |
| 期間 | 数週間〜数ヶ月 | 数週間〜数ヶ月 | 数週間〜数ヶ月 |
遺産額が大きい場合は銀行パックも選択肢
遺産額が1億円を超える場合、財産比例報酬は高額になりますが、複雑な相続手続きを全て任せられるメリットがあります。
相続税申告が必要な場合、銀行が提携する税理士を紹介してくれるため、連絡調整の手間が省けます。
遺産額が小さい場合は個別依頼が有利
遺産額が数百万円程度の場合、財産比例報酬は相対的に割高になります。
司法書士への個別依頼なら、必要な手続きだけを依頼できるため、費用を抑えられます。
平日に時間が取れない人はオンライン代行が便利
仕事が忙しく、平日に役所や銀行に行く時間が取れない方には、オンライン完結型の代行サービスがおすすめです。
自宅にいながら手続きを進められ、複数の専門家とやり取りする手間もありません。
代替案とのコスパ比較
遺産整理業務の方法は1つではありません。代替案とのコスパを比較しましょう。
銀行パック vs 司法書士個別依頼 vs オンライン代行:
| 項目 | 銀行パック | 司法書士個別依頼 | オンライン代行 |
|---|---|---|---|
| 費用 | 110万円〜 | 30〜50万円 | 数十万円 |
| 手間 | 少ない(窓口1つ) | 複数とやり取り | 少ない(オンライン) |
| 平日の通院 | 必要 | 必要 | 不要 |
| 適した人 | 遺産額大、手間最小 | 費用重視、時間あり | 平日時間なし |
安さ優先ならこの代替/安心優先ならこの代替
安さ優先:司法書士個別依頼(30〜50万円)
費用を最小限に抑えたいなら、司法書士への個別依頼を検討しましょう。必要な手続きだけを依頼できるため、無駄な費用がかかりません。
ただし、複数の専門家とやり取りする手間がかかります。
安心優先:銀行パック(110万円〜、手間が少ない)
「費用は高くても、手間を最小限にしたい」「確実に手続きを完了させたい」という方には、銀行パックがおすすめです。
窓口1つで全ての手続きを任せられ、複数の専門家とやり取りする必要がありません。
バランス重視:オンライン代行(数十万円、手間が少ない)
費用と手間のバランスを重視するなら、オンライン完結型の代行サービスがおすすめです。
銀行パックより安く、複数の専門家とやり取りする手間もありません。平日に役所へ行く必要もありません。
どれが正解かはケースで変わる
どの方法が最適かは、あなたの状況によって変わります。
遺産額が大きい(1億円超):銀行パックも選択肢
遺産額が大きく、相続税申告が必要な場合、銀行パックで全て任せるのも選択肢です。
複雑な相続手続きを確実に完了させられます。
遺産額が中程度(数千万円):オンライン代行がバランス良い
遺産額が数千万円程度なら、オンライン代行がバランス良い選択肢です。
費用を抑えつつ、手間も最小限に済みます。
遺産額が小さい(数百万円):司法書士個別依頼が有利
遺産額が数百万円程度なら、司法書士への個別依頼が費用対効果が高いです。
必要な手続きだけを依頼し、費用を抑えましょう。
平日に時間が取れない:オンライン代行が便利
仕事が忙しく、平日に役所や銀行に行く時間が取れない方には、オンライン完結型の代行サービスが便利です。
向いている人/向いていない人
遺産整理業務の依頼先別に、向いている人・向いていない人を整理しました。
銀行パックが向いている人:
- 遺産額が大きい(1億円超)
- 手間を最小限にしたい
- 費用よりも確実性を優先したい
- 相続税申告が必要で税理士も紹介してほしい
司法書士個別依頼が向いている人:
- 費用を最小限に抑えたい
- 時間に余裕がある
- 複数の専門家とやり取りする手間を厭わない
- 遺産額が小さい(数百万円程度)
オンライン代行が向いている人:
- 平日に役所や銀行に行く時間が取れない
- 費用と手間のバランスを重視したい
- 遠方在住で実家に何度も帰省できない
- オンラインで手続きを進めたい
「遺産整理業務の費用を抑えたい」 「でも手間も最小限にしたい」
そんな方には、オンライン完結型の相続手続き代行サービスがおすすめです。
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まとめ:今日やることチェックリスト
遺産整理業務の費用を抑えるために、今日やるべきことをまとめました。
✓ 遺産の内容を確認
不動産、預貯金、株式、生命保険など、遺産の内容を把握しましょう。
✓ 遺産額を概算
遺産額がどれくらいになるか、概算を出しましょう。固定資産税評価額や残高証明書を確認します。
✓ 銀行パック vs 個別依頼 vs オンライン代行を比較
遺産額や平日の時間の有無によって、最適な依頼先を選びましょう。
✓ 見積もりを取る
複数の依頼先から見積もりを取り、費用と手間を比較しましょう。
相続手続きは期限があります(相続登記は3年以内)。今日から一歩ずつ進めていきましょう。
