結論:この診断で3分判定
開業時に固定電話が必要かどうかは、事業内容や取引形態によって大きく異なります。まずは以下の診断で、あなたのケースに固定電話が必要かどうかを判定してみましょう。
固定電話が必要になる3つのケース
1. 法人口座開設時の審査
銀行で法人口座を開設する際、固定電話番号の有無が審査に影響することがあります。携帯電話番号でも法的には問題ありませんが、金融機関によっては固定電話番号を求められるケースが報告されています。特にメガバンクや地方銀行では、事業の実在性を確認する手段として固定電話番号の登録を推奨している場合が多いようです。
2. BtoB取引での信頼性確保
企業間取引(BtoB)では、取引先から固定電話番号の提示を求められることがあります。携帯電話のみでは「実体のない事業者ではないか」と警戒されるリスクがあるため、特に初回取引時には固定電話番号があると信頼性の担保につながります。請求書や見積書に記載する連絡先としても、固定電話番号の方が受け入れられやすい傾向があります。
3. 許認可業種の要件
一部の許認可が必要な業種(建設業、宅地建物取引業、人材派遣業など)では、事業所の固定電話番号が申請要件に含まれる場合があります。法人名義で新規電話番号を取得する場合、登記簿謄本の写し(3ヶ月以内に取得したもの)と申込み担当者の身分証明書(運転免許証やパスポートなど)が必要です。
携帯電話で代用できるケース
一方で、以下のようなケースでは固定電話なしでも支障がないと考えられます。
ネット完結型ビジネス
ECサイト運営、Webデザイン、プログラミング、ライティングなど、顧客とのやり取りがメール・チャット中心で完結する事業では、固定電話の必要性は低いでしょう。問い合わせフォームやメールアドレスを明記しておけば、信頼性の面でも大きな問題にはなりません。
個人事業主でBtoC中心
美容師、整体師、コンサルタントなど、個人顧客を相手にするサービス業では、携帯電話のみで運営している事業者も多く見られます。予約管理アプリやLINE公式アカウントを活用すれば、固定電話がなくても顧客対応は十分可能です。
クラウド電話サービス利用
050番号やクラウド型IP電話を利用すれば、固定電話回線を引かなくても電話番号を取得できます。初期費用を抑えつつ、複数端末での着信対応が可能になるため、リモートワーク中心の事業者には適しています。
開業時に固定電話が必要かどうかは、「誰と」「どのように」取引するかで判断しましょう。BtoB取引が中心で、法人口座開設や許認可申請を予定しているなら固定電話の導入を検討する価値があります。逆に、ネット完結型やBtoC中心の事業なら、携帯電話や050番号で代用しつつ、必要に応じて後から固定電話を追加する方法も現実的です。
固定電話が必要と判断した方は、初期費用を抑えながら信頼性のある固定電話番号を取得できる方法があります。特にフレッツ光と同時に申し込む光回線電話(ひかり電話)なら、電話加入権不要で月額500円台から利用可能です。
よくある勘違い:固定電話の要否判断
開業時の固定電話に関しては、いくつかの誤解が広まっています。ここでは代表的な勘違いを解消しておきましょう。
電話加入権は必須ではない
「固定電話を引くには電話加入権(施設設置負担金)39,600円が必要」という認識は、もはや過去のものになりつつあります。ひかり電話では電話加入権を購入する必要はありません。光ファイバーケーブルを利用するためです。
また、従来型の固定電話でも以下のプランなら電話加入権は不要です。
- 加入電話ライトプラン:電話加入権不要、基本工事費4,950円(派遣工事あり)または1,100円(派遣工事なし)
- INSネット64ライト:電話加入権不要、契約料880円、基本工事費4,950円(派遣工事あり)または1,100円
光回線電話(ひかり電話)なら、施設設置負担金不要で契約料880円、工事費22,000円(標準例)で導入できます。フレッツ光と同時申し込みの場合、工事を一本化できるため時間短縮にもなります。
法人登記に固定電話は義務ではない
「法人登記には固定電話番号が必須」と思い込んでいる方も多いのですが、これは法的要件ではありません。登記上は携帯電話番号を記載することも可能です。会社法や商業登記法に、固定電話番号の記載義務は定められていません。
ただし、実務上は以下の点に注意が必要です。
銀行口座開設時の実務では固定電話が有利
法人口座を開設する際、金融機関によっては固定電話番号の有無を審査項目に含めているケースがあります。携帯電話番号のみでは「実体のない法人ではないか」と警戒され、追加の証明書類を求められたり、審査に時間がかかったりする可能性があります。
特に初めての法人口座開設では、固定電話番号があると手続きがスムーズに進む傾向があるようです。とはいえ、これはあくまで金融機関の内部基準であり、法律で義務付けられているわけではありません。
ひかり電話でも「市外局番」は取得可能です。03(東京)、06(大阪)、052(名古屋)など、地域に応じた市外局番の固定電話番号を取得できるため、事業の所在地を明確に示すことができます。
開業スタイル別のおすすめパターン
固定電話の導入方法は、業種・規模・予算によって最適な選択肢が異なります。ここでは代表的なパターンを紹介します。
急ぎ・低コスト重視:光回線電話(ひかり電話)
開業準備で予算を抑えたい、できるだけ早く固定電話番号を取得したいという方には、光回線電話(ひかり電話)が適しています。
コスト例
- 工事費:22,000円(フレッツ光との同時申込の場合、標準例)
- 月額基本料:550円程度
- 電話加入権:不要
ひかり電話を利用するには、フレッツ光(インターネット接続サービス)の契約が必要です。すでにフレッツ光を利用中の方なら、追加で光電話サービスを申し込むだけで固定電話番号を取得できます。新規開業でインターネット回線も同時に引く場合、工事を一本化できるため初期費用と時間の節約になります。
新規設置工事は新規開業・初回導入向けで所要時間1〜4時間程度です。工事日程さえ調整できれば、申込から比較的短期間で固定電話の利用を開始できます。
複数回線・FAX必須:ひかり電話オフィスタイプ
事務所で複数の電話回線を使い分けたい、FAXも併用したいという場合は、ひかり電話オフィスタイプ(ひかり電話オフィスA)が選択肢になります。
特徴
- 複数チャネル・ナンバーディスプレイ標準装備
- 法人向け機能が充実(転送電話、迷惑電話ブロックなど)
- 電話番号を複数取得可能(代表番号+部署別番号など)
ただし、ひかり電話オフィスA(エース)の利用には、本サービスに対応した通信機器が必要です。従来のアナログ電話機では利用できない場合があるため、導入前に対応機器を確認しておきましょう。
月額料金は基本プランより高めになりますが、複数回線を別々に契約するよりはトータルコストを抑えられる可能性があります。SOHO・中小企業で本格的な電話環境を整えたい方に向いています。
信頼性優先・停電対策:従来型加入電話
災害時の業務継続を重視する、停電時でも電話が使えることが必須条件という場合は、従来型の加入電話(アナログ回線)を検討する価値があります。
コスト例
- 電話加入権:39,600円(税込)
- 契約料:880円
- 停電時も利用可能
ひかり電話は光回線に依存するため、停電時は使えません。一方、従来型のアナログ回線なら、電話線から電源供給を受けるため停電時でも通話が可能です。医療機関、防災関連事業、高齢者向けサービスなど、緊急時の連絡手段確保が重要な業種では、アナログ回線の方が安心できるでしょう。
月額基本料はひかり電話より高めですが、信頼性と安定性を最優先するなら選択肢に入ります。ただし、初期費用の電話加入権が高額になる点は注意が必要です。
固定電話を持たない場合の代替手段
固定電話の導入コストや維持費を避けたい、あるいは事業スタイル的に固定電話が不要と判断した場合、以下の代替手段があります。
直接代替:050番号・クラウド電話
050番号は、IP電話サービスで取得できる電話番号です。市外局番(03や06など)ではなく「050」で始まる番号になりますが、固定電話に近い機能を低コストで実現できます。
メリット
- 初期費用ほぼゼロ(サービスによっては完全無料)
- 月額数百円〜利用可能
- スマホアプリで発着信できる
- 複数端末での着信対応が可能
デメリット
- 市外局番が取得できない(050で始まる番号のみ)
- 信頼性は従来型固定電話より劣る(一部の取引先や金融機関では受け入れられない可能性)
- 緊急通報(110番・119番)に対応していないサービスが多い
ネット完結型ビジネスや、顧客との連絡手段が主にメール・チャットという事業者には十分な選択肢になります。ただし、法人口座開設時の審査では固定電話番号(市外局番)を求められるケースがあるため、事前に確認しておきましょう。
間接代替:バーチャルオフィス・転送サービス
バーチャルオフィスや電話転送サービスを利用すると、実際に固定電話回線を引かなくても市外局番の電話番号を借りることができます。
メリット
- 月額数千円で市外局番の固定電話番号を取得
- 郵便物転送・電話転送がセットになっている場合が多い
- 一等地の住所・電話番号を利用できる
デメリット
- 法人口座開設には使えない場合がある(金融機関がバーチャルオフィスの利用を認めないケース)
- 電話対応は転送先(携帯電話など)で行うため、応答品質は自分次第
- サービスによっては初期費用や保証金が必要
起業初期でオフィスを持たずに事業をスタートしたい方、都心の住所・電話番号を名刺やWebサイトに記載したい方には便利なサービスです。ただし、金融機関によってはバーチャルオフィスの住所・電話番号では口座開設を認めないケースもあるため、事前に利用可能かどうか確認が必要です。
現状維持:携帯電話のみで開業
固定電話を持たず、携帯電話のみで事業を運営する選択肢もあります。
向いているケース
- ネット完結型ビジネス(EC、Webサービス、デザイン、ライティング等)
- 個人事業主でBtoC中心(美容、整体、コンサルティング等)
- コスト最小化を優先(初期投資を極力抑えたい)
携帯電話のみで開業した場合、固定費(月額基本料)や初期費用(工事費、機器費用)を削減できます。スマホ一台で完結するため、場所を選ばずに事業活動ができるのもメリットです。
ただし、前述の通り法人口座開設や取引先との信頼関係構築においては、固定電話番号がある方が有利になる場面もあります。事業の成長段階に応じて、後から固定電話を追加する方法も検討しておくとよいでしょう。
注意点:開業時の固定電話で見落としがちなこと
固定電話を導入する際、以下の点を見落としがちです。事前に確認しておくとトラブルを避けられます。
法人名義の場合は登記簿謄本が必要
法人名義で新規電話番号を取得する場合、登記簿謄本の写し(3ヶ月以内に取得したもの)と申込み担当者の身分証明書(運転免許証やパスポートなど)が必要です。登記直後で登記簿謄本がまだ手元にない場合は、申込前に法務局で取得しておきましょう。
工事に1〜4時間かかる
新規設置工事は新規開業・初回導入向けで所要時間1〜4時間程度です。工事当日は立ち会いが必要になるため、スケジュールに余裕を持って申し込みましょう。繁忙期(引っ越しシーズンなど)は工事日程が数週間先になることもあります。
停電時の利用可否を確認
ひかり電話は光回線に依存するため、停電時は使えません。災害時の業務継続や緊急連絡手段として固定電話を重視する場合は、従来型のアナログ回線を選ぶか、携帯電話との併用を検討しましょう。
番号ポータビリティの可否
既存の固定電話番号を引き継ぎたい場合、番号ポータビリティ(番号そのままでサービス変更)の可否を確認しておきましょう。NTT加入電話からひかり電話への移行は可能ですが、一部の番号(0120等の特番)は対象外です。また、他社IP電話からの番号引き継ぎはできない場合が多いため、事前に確認が必要です。
電話番号を使って事業を行う場合、総務省への「電気通信番号使用計画」の届出と認定が必要な場合があります。通常の固定電話番号取得では不要ですが、電話転送サービスや音声案内サービスを自社で提供する場合は該当する可能性があるため、事業内容に応じて確認しておきましょう。
まとめ:あなたに合った固定電話の選び方
開業時に固定電話が必要かどうかは、業種と取引形態で判断しましょう。
固定電話が必要なケース
- 法人口座開設を予定している
- BtoB取引が中心
- 許認可業種で固定電話番号が要件になっている
- 取引先や顧客から信頼性を求められる
固定電話なしでもOKなケース
- ネット完結型ビジネス
- 個人事業主でBtoC中心
- 初期コストを最小限に抑えたい
- 携帯電話や050番号で代用可能
固定電話が必要と判断した場合、光回線とセットで導入するのが最もコストパフォーマンスに優れています。ひかり電話なら電話加入権不要で月額550円程度から利用でき、工事もフレッツ光と同時に行えるため手間がかかりません。
法人口座開設を予定しているなら、開業前に固定電話番号を取得しておくことをおすすめします。審査時に固定電話番号があるとスムーズに進む傾向があるためです。
開業準備で忙しい中、固定電話の手続きは後回しにしがちですが、事業開始後にバタバタと手配するよりも、事前に導入しておく方が安心です。特にフレッツ光と同時申し込みなら、工事を一本化できて時間短縮にもなります。
固定電話番号の取得を検討している方は、まず光回線電話(ひかり電話)の導入条件を確認してみましょう。電話加入権不要で初期費用を抑えられ、工事も比較的短期間で完了します。
