戸建てに防水パンがない場合の対処法|リスクと後付け方法を解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/5

広告

無料査定依頼キャンペーン 【ノムコム】

戸建てに防水パンがない理由と最新トレンド

戸建て住宅の洗濯機置き場に防水パンがなく、「水漏れしたらどうしよう」と不安を感じる方は少なくありません。

防水パン(洗濯機パン)は、洗濯機の下に設置する受け皿で、水漏れ時に床への浸水を防ぐ設備です。本記事では、防水パンがない戸建てのリスク、後付け設置の方法と費用、代替策を解説します。

戸建て住宅所有者・購入検討者が、適切な判断と対策を取れるようになります。

この記事のポイント

  • 2023年時点で首都圏の新築戸建ての約27%が防水パンを非設置(デザイン重視のトレンド)
  • 1階に洗濯機を置く場合は階下への被害がないため必須ではないが、2階以上や無垢材床の場合は設置を推奨
  • 防水パンがない場合、水漏れ時の床の腐食・階下への浸水リスク、洗濯機の直置きによる床のへこみが発生
  • 後付け設置の費用は基本工事で2万〜5万円、排水管工事含めると5万〜10万円程度
  • 代替策として水漏れセンサー・かさ上げ台・防水マットの使用が可能

(1) 2023年時点で首都圏の新築戸建ての約27%が防水パンを非設置

2023年時点で、首都圏の新築戸建ての約27%が防水パンを設置していません。

これは、デザイン重視のユーザーが増加し、防水パンのないスッキリとした洗濯機置き場を好む傾向が強まっているためです。

(2) 防水パンなしが選ばれる理由:デザイン重視、掃除しやすい、大型洗濯機に対応

防水パンなしが選ばれる主な理由は以下の通りです。

  • 見た目がスッキリ: 防水パンの縁がないため、洗濯機置き場が広く見える
  • 掃除しやすい: 洗濯機下の掃除がしやすく、ホコリやカビが溜まりにくい
  • 大型洗濯機に対応: ドラム式洗濯機など大型機種も設置しやすい

これらのメリットから、防水パンなしを選択する施主が増えています。

(3) 2020年以降の傾向:ドラム式洗濯機の普及と防水パンのサイズ問題

2020年以降、ドラム式洗濯機の普及により、従来の防水パンのサイズに収まらないケースが増えました。

このため、防水パンを設置しない選択が増加しています。ドラム式洗濯機は横型ドラムで洗濯する大型洗濯機で、従来の縦型洗濯機用の防水パンでは対応できないことが多いのが理由です。

防水パンの役割と必要性:階数・床材による違い

(1) 防水パンの3つの役割:水漏れ防止、排水機能、防振・防音

防水パンには以下の3つの役割があります。

役割 内容
水漏れ防止 洗濯機からの水漏れ時に床への浸水を防ぐ
排水機能 排水トラップを内蔵し、排水ホースを適切に接続
防振・防音 洗濯機の振動を吸収し、床への負担を軽減

これらの役割により、床の腐食や階下への漏水を防ぎます。

(2) 1階に洗濯機を置く場合:階下への被害がないため必須ではない

1階に洗濯機を置く場合、階下への被害がないため、防水パンは必須ではありません。

ただし、床材が無垢材や天然木など水に弱い素材の場合は、水漏れ時の床の腐食リスクがあるため注意が必要です。

(3) 2階以上に洗濯機を置く場合:階下への水漏れリスクが高く設置を推奨

2階以上に洗濯機を設置する場合、防水パンなしだと階下への水漏れリスクが高くなります。

階下への浸水は、天井や壁のシミ、電気設備の故障を引き起こし、損害賠償の可能性もあります。このため、2階以上に洗濯機を置く場合は防水パンの設置を強く推奨します。

(4) 床材による判断:無垢材・天然木は水に弱いため要注意

床材の種類により、水への耐性が異なります。

床材 水への耐性 防水パンの必要性
無垢材・天然木 弱い 推奨
複合フローリング 中程度 状況次第
クッションフロア 強い 低い

無垢材や天然木の床材は水に弱く、水漏れ時に変色や腐食が起きやすいため、防水パンの設置を推奨します。

(5) 保険の適用条件:防水パンの設置が条件に含まれる場合がある

住宅の保険によっては、防水パンの設置が適用条件に含まれる場合があります。

購入時や保険加入時に、防水パンの有無が保険適用に影響するか確認することを推奨します。

防水パンがない場合のリスクとデメリット

(1) 水漏れ時のリスク:床の腐食、階下への浸水、損害賠償の可能性

防水パンがない場合、水漏れ時に以下のリスクがあります。

  • 床の腐食: 水が床材に浸透し、腐食やカビの原因に
  • 階下への浸水: 2階以上の場合、階下の天井や壁にシミができる
  • 損害賠償: 階下への被害が大きい場合、修繕費用の負担が発生

特に2階以上に洗濯機を設置する場合は、これらのリスクが深刻です。

(2) 洗濯機の直置きによる床のへこみと跡

洗濯機を床に直置きすると、洗濯機の重量(50〜80kg程度)により、床にへこみや跡が残る可能性があります。

長期的な床の劣化リスクがあるため、かさ上げ台の使用を検討しましょう。

(3) 排水ホースの接続トラブル:排水不良や逆流のリスク

防水パンがない場合、排水ホースの接続が不適切だと、排水不良や逆流が起きる可能性があります。

排水トラップの適切な配置と、排水ホースの定期的な点検が重要です。

(4) 掃除のしづらさ:洗濯機下のホコリ・カビの蓄積

防水パンなしの場合、洗濯機を直置きすると、洗濯機下の掃除がしづらくなります。

ホコリやカビが蓄積しやすく、衛生面でのリスクがあります。かさ上げ台を使用することで、掃除のしやすさが向上します。

(5) 後悔した事例:2階以上での水漏れ、無垢材床の変色

後悔した事例として、以下が報告されています。

  • 2階以上での水漏れ: 階下への浸水で、天井修繕費用が数十万円発生
  • 無垢材床の変色: 水漏れ時に床材が変色し、張り替えが必要に

これらの事例から、階数と床材の確認が重要であることが分かります。

防水パンの後付け設置:方法・費用・工事の流れ

(1) 後付け設置の費用相場:基本工事2万〜5万円、排水管工事含めると5万〜10万円

防水パンの後付け設置の費用相場は以下の通りです。

工事内容 費用相場
基本工事(本体+設置) 2万〜5万円
排水管工事含む 5万〜10万円

排水管工事が必要な場合は、費用が増えます。執筆時点(2025年)の相場であり、複数業者への見積もり依頼を推奨します。

(2) 工事の内容:洗濯機の移動、排水管の接続、防水パンの設置

後付け設置の工事内容は以下の通りです。

  1. 洗濯機の移動
  2. 既存の排水口位置の確認
  3. 防水パンの設置
  4. 排水管の接続
  5. 洗濯機の再設置

工事時間は通常1〜2時間程度です。

(3) 排水管工事が必要なケース:既存の排水口位置が合わない場合

既存の排水口位置が防水パンの排水口と合わない場合、排水管工事が必要になります。

この場合、床下の配管を延長・移動する工事が発生し、費用が5万〜10万円程度に増えます。

(4) DIYでの設置は可能か:排水管工事は資格が必要なため専門業者を推奨

防水パン本体の設置はDIYでも可能ですが、排水管工事は資格が必要なため専門業者を推奨します。

不適切な工事により水漏れが悪化する可能性があるため、リフォーム業者や工務店に依頼することをおすすめします。

(5) 複数業者への見積もり依頼の重要性

後付け設置の費用は業者により異なるため、複数業者への見積もり依頼を推奨します。

3社程度から見積もりを取ることで、適正価格を判断できます。

防水パンなしの代替策と対処法

(1) 水漏れセンサーの設置:数千円で水漏れを早期検知

水漏れセンサーは、水漏れを検知してアラームで知らせる装置です。

数千円で購入でき、洗濯機の下に設置することで、水漏れを早期に検知できます。後付け可能で、手軽に導入できる対策です。

(2) かさ上げ台(置き台)の使用:排水ホース接続や掃除のしやすさ向上

かさ上げ台(置き台)は、洗濯機を高い位置に設置するための台です。

排水ホースの接続がしやすくなり、洗濯機下の掃除もしやすくなります。床のへこみ防止にも効果があります。

(3) 排水トラップの適切な配置:臭気・害虫の侵入防止

排水トラップは、排水管から臭気や害虫の侵入を防ぐための水を溜める構造です。

U字型が一般的で、適切に配置することで、排水機能を確保できます。

(4) 防水マット・防水シートの敷設:簡易的な水濡れ対策

防水マットや防水シートを洗濯機の下に敷くことで、簡易的な水濡れ対策が可能です。

ただし完全な防水にはならないため、2階以上や無垢材床の場合は防水パン設置を推奨します。

(5) 定期的な点検とメンテナンス:排水ホースの緩み、洗濯機の水漏れ確認

防水パンなしの場合、定期的な点検とメンテナンスが重要です。

  • 排水ホースの緩みや亀裂の確認
  • 洗濯機の給水ホース・排水ホースの接続部分の点検
  • 洗濯機周辺の水漏れの有無の確認

月1回程度の点検を推奨します。

まとめ:状況別の判断基準と購入時の確認ポイント

防水パンがない戸建てのリスクは、階数と床材により大きく異なります。1階に洗濯機を置き、床材が水に強い複合フローリングやクッションフロアの場合は問題ない可能性が高いです。ただし水漏れセンサーと排水トラップの適切な配置、定期的な点検は必須です。

2階以上や無垢材床の場合は、階下への水漏れリスクや床の腐食リスクが高いため、防水パンの設置を検討すべきです。後付け設置の費用は基本工事で2万〜5万円、排水管工事含めると5万〜10万円程度です。

新築購入時や中古物件購入時は、洗濯機置き場の階数・床材・防水パンの有無を確認し、リフォーム業者や建築士に相談しながら、適切な対策を取りましょう。

広告

無料査定依頼キャンペーン 【ノムコム】

広告

よくある質問

Q1戸建てに防水パンは必要ですか?

A11階に洗濯機を置く場合は階下への被害がないため必須ではありませんが、2階以上に置く場合や無垢材など水に弱い床材の場合は設置を推奨します。2023年時点で首都圏の新築戸建ての約27%が防水パンを非設置としており、階数・床材・洗濯機の種類により判断が異なります。複合フローリングやクッションフロアの1階なら、水漏れセンサーと排水トラップの適切な配置で代替可能です。

Q2防水パンがない場合のデメリットは何ですか?

A2主なデメリットは、水漏れ時の床の腐食・階下への浸水リスク、洗濯機の直置きによる床のへこみ、排水ホースの接続トラブル、掃除のしづらさ(洗濯機下のホコリ・カビ)です。2階以上に設置する場合は階下への損害賠償リスクもあります。無垢材や天然木の床材は水に弱いため、水漏れ時に変色や腐食が起きやすく、特に注意が必要です。

Q3後から防水パンを設置できますか?費用はいくらですか?

A3後付け設置は可能です。基本工事で2万〜5万円、排水管工事を含めると5万〜10万円程度が相場です(2025年時点)。工事内容は洗濯機の移動、排水管の接続、防水パンの設置です。排水口位置が合わない場合は排水管工事が必要となり、費用が増えます。複数業者への見積もり依頼を推奨します。工事時間は通常1〜2時間程度です。

Q4防水パンの代わりになる対策はありますか?

A4代替策として、水漏れセンサー(数千円)の設置で早期検知、かさ上げ台で排水ホース接続の改善、防水マット・防水シートの敷設で簡易的な水濡れ対策が可能です。排水トラップの適切な配置と定期的な点検(月1回程度)も重要です。ただし完全な防水にはならないため、2階以上や無垢材床の場合は防水パン設置を推奨します。

Q5新築戸建てで防水パンなしを選んでも大丈夫ですか?

A51階に洗濯機を置き、床材が水に強い複合フローリングやクッションフロアの場合は問題ない可能性が高いです。ただし水漏れセンサーと排水トラップの適切な配置、定期的な点検は必須です。2階以上や無垢材床の場合は、階下への水漏れや床の変色といった後悔事例もあるため、防水パン設置を検討すべきです。購入時に保険の適用条件も確認しましょう。

R

Room Match編集部

Room Matchは、不動産の購入・売却・賃貸に関する実践的な情報を提供するメディアです。住宅ローン、物件選び、不動産会社の選び方など、実務担当者に役立つ情報を分かりやすく解説しています。

関連記事