空き家の売却・活用方法|不動産会社の選び方と注意点を徹底解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/7

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空き家問題の現状|2025年問題と空き家の急増

空き家を相続や親の介護施設入居で所有しているが、管理負担やコスト、どう活用すべきか悩んでいる方は少なくありません。

この記事では、空き家の売却・活用方法(そのまま売却、更地、賃貸、リフォーム等)、不動産会社の選び方、税制・補助金制度を、国土交通省・国税庁などの公式情報を元に解説します。

空き家を所有する方が、売却・活用の選択肢を正確に比較検討し、自分の状況に合った最適な方法を選べるようになります。

この記事のポイント

  • 2023年時点で空き家は900万戸(総住宅数の13.8%)に達し、2025年問題で急増の懸念
  • 売却方法は主に3つ:そのまま売却、更地にして売却、不動産会社への買取依頼
  • リフォーム費用は戸建て500万~2000万円、マンション250万~1000万円が目安
  • 相続空き家を売却する場合、条件を満たせば最大3,000万円の特別控除を受けられる
  • 空き家バンク(LIFULL HOME'S等)で全国の空き家物件を検索・活用できる

(1) 空き家の現状(900万戸、総住宅数の13.8%)

owners-style.netの調査によると、2023年時点で空き家は900万戸に達し、総住宅数の13.8%(約7戸に1戸)が空き家となっています。

1988年から2018年の30年間で空き家が2倍以上に増加しており、今後も増加傾向が続く見込みです。

(2) 2025年問題(団塊世代が75歳以上)と空き家急増の懸念

2025年問題とは、団塊世代(1947-1949年生まれ)が75歳以上となり、社会保障費増大や空き家急増などの社会的影響が懸念される問題です。

不動産会社の6割が空き家物件を取り扱っているものの、「活用経験あり」は25.1%にとどまっており、空き家の有効活用が課題となっています。

(3) 2025年4月の建築基準法改正の影響

2025年4月の法改正で、建築確認申請の対象が拡大され、省エネ基準も強化されます。空き家をリフォームする際の建築確認や省エネ基準が変更される可能性があるため、リフォーム費用が増加する可能性があります。

最新情報は自治体や建築士に確認することを推奨します。

空き家の売却方法|そのまま売却・更地・買取の選択肢

(1) そのまま売却(古家付き土地として売却)

建物を解体せず、そのまま「古家付き土地」として売却する方法です。解体費用がかからず、固定資産税の負担も抑えられます。

購入者は建物をリフォーム・リノベーションして住むか、解体して新築するかを選択できます。立地が良い場合や建物がまだ使用可能な場合に適しています。

(2) 更地にして売却(解体費用と税負担の増加)

建物を解体して更地にして売却する方法です。土地のみの価格で売却でき、購入者が新築しやすくなります。

ただし、解体費用(木造住宅で100万~200万円程度)がかかり、更地にすると固定資産税の軽減措置(住宅用地の特例)がなくなるため、税負担が最大6倍に増加します。

売却までの期間が長引くと税負担が増えるため、買主が決まってから解体する方が安全です。

(3) 買取依頼(不動産会社への直接売却)

不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。仲介手数料がかからず、最短数日で売却が完了します。

売却価格は市場価格の7~8割程度になることが多いですが、早急に現金化したい場合や、購入希望者が見つかりにくい物件に適しています。

(4) 売却手順(査定→媒介契約→価格決定→売買契約)

三井のリハウスによると、空き家の売却手順は以下の通りです。

  1. 査定依頼:複数の不動産会社に査定を依頼し、相場を把握
  2. 不動産会社選定:査定額、対応、実績を比較して選定
  3. 媒介契約:専任媒介契約、一般媒介契約から選択
  4. 売却価格決定:査定額を参考に売り出し価格を設定
  5. 買主交渉:内覧対応、価格交渉
  6. 売買契約:契約書締結、手付金受領、決済・引き渡し

仲介手数料は物件価格の3%+6万円+消費税が上限です(宅地建物取引業法で規定)。

空き家の活用方法|賃貸・リフォーム・空き家バンクの活用

(1) 賃貸として活用(家賃収入の確保)

空き家を賃貸物件として活用することで、家賃収入を得られます。売却せずに資産を保有したい場合や、将来的に自分や家族が使用する可能性がある場合に適しています。

ただし、賃貸に出す前に必要最低限のリフォーム(水回り設備交換、壁紙張り替え等)が必要です。入居者募集、管理、修繕対応などの管理負担も発生します。

(2) リフォーム・リノベーション(費用相場:戸建て500万~2000万円、マンション250万~1000万円)

リショップナビによると、空き家のリフォーム費用相場は以下の通りです。

リフォーム内容 費用相場
戸建て全面リフォーム 500万~2000万円
マンション全面リフォーム 250万~1000万円
水回り設備交換のみ 100万円超
構造補強・耐震改修 追加費用

費用は築年数や建物の状態により大きく異なるため、事前に複数の業者から見積もりを取ることが重要です。

国や自治体の補助金制度を活用すると、リフォーム・改修費用を削減できる場合があります(詳細は後述)。

(3) 空き家バンクの活用(LIFULL HOME'S、アットホーム等)

空き家バンクとは、自治体や民間企業が運営する空き家情報の登録・検索プラットフォームです(地方移住促進が目的)。

LIFULL HOME'S 空き家バンク国土交通省の空き家・空き地バンク総合情報ページでは、全国の空き家物件を検索でき、一般の不動産サイトにない物件も見つかります。

購入・賃貸の両方に対応しており、地方移住希望者や空き家を探している方に有効です。

空き家購入時の注意点|建物状態・残置物・税金の確認

(1) 建物状態のチェック(床・柱・屋根・水道管、雨漏り、シロアリ被害)

akisapo.jpによると、空き家購入前に床・柱・屋根・水道管の状態、雨漏り、シロアリ被害を専門家(ホームインスペクター、建築士等)に依頼してチェックすることが重要です。

エアコンや給湯器などの設備は、築年数が古くなくても数年使用していないと故障する可能性があります。排水詰まりやシロアリ被害は素人の内覧では発見困難なため、専門家の調査が必須です。

(2) 残置物の処理費用(所有権が残っているため勝手に処分不可)

残置物とは、前所有者や居住者が残した家財道具や遺品です。所有権が残っているため勝手に処分できず、処分費用が追加でかかる可能性があります。

契約前に、残置物の所有権と処分費用の負担を明確にしておくことが重要です。

(3) 新耐震基準の確認(1981年5月以前の建物は住宅ローン控除不可)

新耐震基準とは、1981年6月1日以降の建築確認で適用される耐震基準です。住宅ローン控除を受けるには、新耐震基準を満たす必要があります。

1981年5月以前の建物は原則として住宅ローン控除を受けられません。購入前に建築年月日を確認し、税理士や宅地建物取引士に相談することを推奨します。

(4) 融資の難しさ(担保価値不足)

空き家の築年数や土地の状態によっては、希望額の融資に必要な担保価値が不足し、住宅ローンの審査が通りにくい場合があります。

金融機関に事前相談し、融資可能額を確認しておくことが重要です。

不動産会社の選び方と税制・補助金|仲介手数料・特別控除・補助金制度

(1) 仲介手数料(上限3%+6万円+消費税)

不動産会社経由で空き家を売却する場合、仲介手数料がかかります。上限は物件価格の3%+6万円+消費税です(宅地建物取引業法で規定)。

例えば、1,500万円の空き家を売却する場合、仲介手数料は(1,500万円×3%+6万円)×1.1=56.1万円が上限です。

(2) 相続空き家の3,000万円特別控除(空き家特例)

**相続空き家の3,000万円特別控除(空き家特例)**とは、被相続人が一人暮らしをしていた家を相続し、一定要件のもと売却した場合の譲渡所得控除制度です。

条件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます(2025年時点)。主な要件は以下の通りです。

  • 被相続人が一人暮らしをしていた家(老人ホーム入居前含む)
  • 相続開始から3年以内の売却
  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋
  • 売却価格が1億円以下

詳細は国税庁の公式サイトで確認するか、税理士に相談してください。

(3) 国や自治体の補助金制度(リフォーム・改修費用の削減)

国や自治体では、空き家のリフォーム・改修費用を補助する制度を設けている場合があります。補助金額や要件は自治体により異なるため、各自治体のホームページで確認してください。

主な補助金制度の例:

  • 耐震改修補助金
  • 省エネリフォーム補助金
  • 空き家再生補助金

申請には期限や書類提出が必要なため、早めに確認することを推奨します。

(4) 不動産取得税・固定資産税

空き家を購入・所有する際には以下の税金がかかります(2025年時点)。

税金 内容 税率・目安
不動産取得税 不動産取得時に一度だけ課される地方税 固定資産税評価額×3%
固定資産税 毎年1月1日時点の所有者に課される地方税 固定資産税評価額×1.4%(標準税率)

住宅用地の特例により、固定資産税は通常1/6に軽減されますが、更地にすると軽減措置がなくなり、税負担が最大6倍に増加します。

まとめ|空き家を売却・活用する際の判断ポイント

空き家は2023年時点で900万戸に達し、2025年問題で急増が懸念されています。売却方法は、そのまま売却、更地にして売却、不動産会社への買取依頼の3つが主な選択肢です。

活用方法としては、賃貸として家賃収入を得る、リフォーム・リノベーションして資産価値を高める、空き家バンクで購入者を探すなどがあります。リフォーム費用は戸建て500万~2000万円、マンション250万~1000万円が目安です。

相続空き家を売却する場合、条件を満たせば最大3,000万円の特別控除を受けられます。税制や補助金制度は自治体により異なるため、宅地建物取引士や税理士に相談しながら、自分の状況に合った最適な方法を選びましょう。

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よくある質問

Q1空き家を売却する際の主な方法は何ですか?

A1主に3つの方法があります。1つ目は、建物を解体せずそのまま「古家付き土地」として売却する方法で、解体費用がかからず固定資産税の負担も抑えられます。2つ目は、建物を解体して更地にして売却する方法で、土地のみの価格で売却できますが、解体費用(100万~200万円程度)と固定資産税の増加(最大6倍)に注意が必要です。3つ目は、不動産会社に直接買い取ってもらう方法で、仲介手数料がかからず最短数日で売却できますが、売却価格は市場価格の7~8割程度になります。

Q2空き家のリフォーム費用はどのくらいかかりますか?

A2戸建て全面リフォームは500万~2000万円、マンション全面リフォームは250万~1000万円が目安です。水回り設備交換のみなら100万円超、構造補強や耐震改修が必要な場合は追加費用がかかります。費用は築年数や建物の状態により大きく異なるため、事前に複数の業者から見積もりを取ることが重要です。国や自治体の補助金制度を活用すると、リフォーム・改修費用を削減できる場合があります。

Q3相続空き家の3,000万円特別控除とは何ですか?

A3被相続人が一人暮らしをしていた家を相続し、一定要件のもと売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる税制優遇制度です(2025年時点)。主な要件は、相続開始から3年以内の売却、昭和56年5月31日以前に建築された家屋、売却価格が1億円以下などです。詳細は国税庁の公式サイトで確認するか、税理士に相談してください。

Q4空き家購入で住宅ローン控除は受けられますか?

A4新耐震基準を満たす空き家(1981年6月以降の建築確認)なら受けられる可能性があります。1981年5月以前の建物は原則として住宅ローン控除を受けられません。購入前に建築年月日を確認し、税理士や宅地建物取引士に相談することを推奨します。また、築年数や土地の状態によっては、担保価値が不足して住宅ローンの審査が通りにくい場合もあるため、金融機関に事前相談が必要です。

Q5空き家バンクとは何ですか?

A5自治体や民間企業が運営する空き家情報の登録・検索プラットフォームです。地方移住促進を目的としており、LIFULL HOME'Sやアットホーム等で全国の空き家物件を検索できます。購入・賃貸の両方に対応しており、一般の不動産サイトにない物件も見つかります。地方移住希望者や空き家を探している方に有効な手段です。

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Room Match編集部

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