TSマンションとは:全国に点在する同名物件の実態
「TSマンション」で物件を探している方にとって、「どこにあるのか」「築年数はどれくらいか」「価格相場はいくらか」といった疑問は重要です。
この記事では、全国に点在するTSマンションの実態と、中古マンション選びの基本ポイントを解説します。立地・築年数・管理状態の確認方法、価格相場の調べ方、内覧時のチェックリストまで、納得のいくマンション選びができるようになります。
この記事のポイント
- TSマンションは大阪、東京、愛知など全国複数地域に点在する同名物件
- 物件検索時は「TSマンション」だけでなく所在地(都道府県・市区町村)を明確に指定することが重要
- 中古マンション選びでは立地・築年数・管理状態の3点が最重要ポイント
- 1981年6月以前の建築確認は旧耐震基準の可能性があり、住宅ローン控除等に影響
- 国土交通省「土地総合情報システム」で実際の取引価格を確認可能
(1) 全国のTSマンションの所在地(大阪、東京、愛知等)
「TSマンション」という名称の物件は、全国に複数存在します。
主な所在地:
| 都道府県 | 市区町村 | 最寄り駅 |
|---|---|---|
| 大阪府 | 大阪市都島区 | 大阪メトロ谷町線「都島」駅徒歩3分 |
| 東京都 | 立川市羽衣町 | JR南武線「西国立」駅徒歩4分 |
| 愛知県 | 豊田市 | (最寄り駅情報は不動産会社で確認) |
その他、福島、愛媛、宮崎などにも「TSマンション」という名称の物件が存在する可能性があります。
(2) 各地のTSマンションの特徴(築年数・構造・アクセス)
大阪市都島区のTSマンション:
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 竣工年 | 1973年11月(築52年、2025年時点) |
| 構造 | 鉄筋コンクリート造、5階建 |
| 最寄り駅 | 大阪メトロ谷町線「都島」駅徒歩3分 |
出典:賃貸住宅サービス
東京都立川市のTSマンション:
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都立川市羽衣町2丁目43-6 |
| 最寄り駅 | JR南武線「西国立」駅徒歩4分 |
出典:タウンハウジング
地域により築年数・設備・家賃が大きく異なるため、個別確認が必須です。
(3) 物件検索時の注意点(所在地の明確化)
「TSマンション」という名称だけで検索すると、複数の異なる物件がヒットします。
物件検索時の注意点:
- 所在地を明確に:都道府県・市区町村・丁目まで指定
- 築年数を確認:1973年築と最近の物件では設備・耐震性能が大きく異なる
- 最寄り駅を確認:通勤・通学の利便性を判断
- 契約前に現地確認:同名物件の混同を避けるため必ず内見
中古マンション選びの基本ポイント
(1) 立地の重要性(駅距離、生活利便性)
立地はマンション選びの最重要ポイントです。
立地評価の基準:
- 駅距離:徒歩10分以内が推奨(資産価値を維持しやすい)
- 通勤・通学時間:主要駅へのアクセス
- 生活利便性:スーパー、病院、学校等の距離
- 周辺環境:治安、騒音、日当たり
駅近物件は価格が高めですが、通勤・通学の利便性や資産価値の維持を重視する場合は検討の価値があります。
(2) 築年数と耐震基準
マンション購入時、築年数と耐震基準の確認は必須です。
| 基準 | 建築確認時期 | 特徴 |
|---|---|---|
| 旧耐震基準 | 1981年5月以前 | 震度5程度の地震に耐える設計 |
| 新耐震基準 | 1981年6月以降 | 震度6強〜7程度の地震に耐える設計 |
重要なポイント:
- 住宅ローン控除:新耐震基準適合が要件(旧耐震の場合、耐震基準適合証明書が必要)
- フラット35:新耐震基準適合が要件
- 地震保険:旧耐震の場合、保険料が高額になる可能性
大阪市都島区のTSマンション(1973年築)は旧耐震基準の可能性があるため、耐震診断結果の確認が推奨されます。
(3) 管理状態の確認
マンションの管理状態は資産価値に直結します。
確認事項:
- 修繕積立金:国土交通省ガイドライン(1㎡あたり月額約250〜340円)と比較
- 管理費:共用部分の清掃・設備保守の費用
- 長期修繕計画:25〜30年の計画があるか、適切に見直されているか
- 大規模修繕の履歴:過去の修繕内容、次回予定時期
(4) 価格の妥当性
マンション価格は、立地・築年数・管理状態により大きく異なります。
価格判断のポイント:
- 周辺相場との比較:同じエリアの類似物件と比較
- 実際の取引価格:国土交通省「土地総合情報システム」で確認
- 坪単価:専有面積あたりの価格(1坪=約3.3㎡)
立地・築年数・管理状態の確認方法
(1) 立地評価の基準(通勤・通学時間、周辺環境)
立地を評価する際は、以下の基準で確認します。
| 項目 | 評価基準 |
|---|---|
| 駅距離 | 徒歩10分以内が理想 |
| 主要駅へのアクセス | 乗り換え回数、所要時間 |
| 買い物施設 | スーパー・コンビニの距離 |
| 医療機関 | 病院・クリニックの有無 |
| 教育機関 | 学区、学校の評判 |
内見時に周辺を歩いて確認することをおすすめします。
(2) 築年数と耐震基準の関係(1981年6月基準)
前述の通り、1981年6月が新耐震基準の分岐点です。
築50年以上の物件(1975年以前)の注意点:
- 設備の老朽化(配管、電気設備等)
- 旧耐震基準の可能性(耐震診断結果の確認を推奨)
- 住宅ローン控除の適用条件が厳しい
大阪市都島区のTSマンション(1973年築)は築52年のため、これらのリスクに特に注意が必要です。
(3) 管理状態のチェックポイント(修繕積立金、管理費)
修繕積立金・管理費は、購入後のランニングコストに大きく影響します。
国土交通省ガイドライン(適正額の目安):
- 修繕積立金:1㎡あたり月額約250〜340円
例:専有面積60㎡のマンションの場合
- 適正額:60㎡ × 250〜340円 = 15,000〜20,400円/月
チェックポイント:
- 修繕積立金が適正額より大幅に少ない場合、将来の大規模修繕時に一時金徴収のリスクあり
- 管理費が高額すぎる場合、管理組合の運営を確認
- 重要事項説明書で必ず確認
価格相場の調べ方と適正価格の判断基準
(1) 国土交通省「土地総合情報システム」の活用
国土交通省「土地総合情報システム」では、実際の不動産取引価格を検索できます。
活用方法:
- 都道府県・市区町村・地区を選択
- 物件種別(マンション)を選択
- 取引時期を指定して検索
- 取引価格、専有面積、築年数を確認
このデータを活用することで、不動産会社の査定額が妥当かどうかを客観的に判断できます。
(2) 不動産ポータルサイトでの相場確認
不動産ポータルサイト(SUUMO、HOMES等)でも、エリア別の相場を確認できます。
確認方法:
- エリア(都道府県・市区町村)を指定
- 築年数・間取りで絞り込み
- 複数の物件価格を比較
最新の市場動向を把握するために、複数のサイトで確認することをおすすめします。
(3) エリア・築年数・間取り別の価格比較
価格は立地・築年数・間取りにより大きく異なります。
価格比較の例:
| 条件 | 価格帯(目安) |
|---|---|
| 都心・駅近・築浅 | 高め |
| 郊外・駅遠・築古 | 低め |
| 中間(バランス型) | 中間 |
自分の予算と優先順位(立地重視か価格重視か)に応じて選びましょう。
内覧時のチェックリストと注意点
(1) 建物・設備の老朽化チェック
内見時に以下をチェックします。
建物のチェックポイント:
- 外壁:ひび割れ、タイルの剥がれ
- 配管:給排水管の劣化(築30年以上は要注意)
- 電気設備:配線の状態、容量
- 窓・サッシ:開閉のスムーズさ、隙間風
(2) 共用部分の管理状態
共用部分の状態は、管理組合の運営状況を反映します。
確認事項:
- エントランス:清掃状態、セキュリティ
- 廊下・階段:清掃状態、照明
- エレベーター:メンテナンス状況
- 駐車場・駐輪場:整理整頓、空き状況
(3) 日当たり・眺望・騒音の確認
生活の快適性に直結する要素です。
確認事項:
- 日当たり:午前・午後の日照状況
- 眺望:窓からの景色、プライバシー
- 騒音:道路・鉄道・近隣からの騒音
- 風通し:窓の配置、換気の良さ
平日・休日、昼・夜で異なる場合があるため、可能であれば複数回訪問することをおすすめします。
(4) 重要事項説明書での最終確認
契約前に、重要事項説明書で以下を必ず確認します。
確認事項:
- 修繕積立金・管理費の額
- 大規模修繕の履歴と予定
- 管理組合の運営状況
- 駐車場・駐輪場の利用条件
- 耐震診断結果(旧耐震の場合)
まとめ:自分に合ったマンション選びのステップ
「TSマンション」は全国に複数存在し、地域により築年数・設備・家賃が大きく異なります。物件検索時は、所在地(都道府県・市区町村)を明確に指定することが重要です。
中古マンション選びでは、立地・築年数・管理状態の3点が最重要ポイントです。特に、1981年6月以前の建築確認は旧耐震基準の可能性があり、住宅ローン控除やフラット35の利用に影響します。
マンション選びのチェックリスト:
- 所在地の明確化(同名物件の混同を避ける)
- 耐震基準の確認(1981年6月が分岐点)
- 修繕積立金・管理費の適正額(国土交通省ガイドライン参照)
- 大規模修繕の履歴と予定
- 内覧時の建物・設備・共用部分のチェック
最新の取引価格は国土交通省「土地総合情報システム」で確認し、具体的な購入判断は宅地建物取引士やマンション管理士等の専門家に相談することをおすすめします。
納得のいくマンション選びを実現するために、焦らず慎重に検討を進めましょう。
