富山市の土地購入ガイド
富山市で土地を購入したいと考えても、「価格の相場はいくらか」「どのエリアが人気なのか」「災害リスクや将来性は大丈夫か」と迷うことが多いでしょう。地元の情報が少なく、どのエリアを選べばよいか判断に困る方も少なくありません。
この記事では、富山市の土地価格相場、エリア別の特徴、土地選びのチェックポイント、購入時の注意点を、富山県の公式地価情報や不動産取引データを元に解説します。
初めて富山市で土地を購入する方でも、価格感と選び方の基準を把握し、適切なエリアを選べるようになります。
この記事のポイント
- 富山市の土地価格相場は坪単価約11.2万円(SUUMO掲載物件平均)、公示地価ベースでは7万0214円/㎡(2024年)
- 富山市の基準地価は前年比+1.16%上昇。富山県全体は下落傾向だが、富山市は上昇している
- 富山駅周辺は都市開発が進み利便性が高く人気。桜町エリアは616,000円/㎡と県内最高値
- 藤木小学校エリア、今泉西部、秋吉など子育て世帯向けの分譲地も人気が高い
富山市の土地価格相場
(1) 公示地価・基準地価の目安
富山市の土地価格は、公示地価・基準地価を参考にすることで大まかな相場が分かります。2024年のデータをもとに解説します。
富山市の地価(2024年):
| 指標 | 価格 | 前年比 |
|---|---|---|
| 基準地価(平均) | 7万0214円/㎡ | +1.16% |
| 住宅地 | 約6万円/㎡前後 | 上昇傾向 |
| 商業地(桜町1丁目) | 61万6000円/㎡ | 県内最高値 |
(出典: 土地代データ「富山市の土地価格相場」)
富山市は、富山県全体の基準地価が-0.18%下落している中で、+1.16%上昇しています。県内では富山市と舟橋村のみが上昇傾向です。
(参考: 富山県「令和6年地価公示の概要」)
(2) 坪単価・㎡単価の計算方法
土地価格は「坪単価」または「㎡単価」で表示されます。計算方法を理解しておくことで、物件比較が容易になります。
単位変換の計算式:
- 坪単価 = ㎡単価 × 3.3(1坪 ≒ 3.3㎡)
- ㎡単価 = 坪単価 ÷ 3.3
例:
- 基準地価7万0214円/㎡ → 坪単価は約23.2万円
- SUUMO掲載物件の坪単価11.2万円 → ㎡単価は約3.4万円
SUUMO掲載物件は郊外の広い土地が多く、㎡単価が公示地価よりも低くなる傾向があります。
(3) 地価の推移と動向
2024年の富山市の地価動向を見ると、富山駅周辺の住宅地で上昇率が高くなっています。
地価上昇エリアの例:
- 奥田本町: 前年比+4.91%(県内住宅地トップ)
- 富山駅周辺: 都市開発により利便性が向上し、住宅需要が高まっている
一方で、郊外エリアは横ばいまたは微減の傾向です。交通利便性や生活施設へのアクセスが地価を左右します。
エリア別の特徴と人気エリア
(1) 富山駅周辺エリア(利便性・価格高め)
富山駅周辺は、北陸新幹線の開業以降、都市開発が進み、商業施設・公共施設が集積しています。利便性が高い反面、土地価格も県内で最も高い水準です。
富山駅周辺の特徴:
- 商業地(桜町1丁目): 616,000円/㎡(県内最高値)
- 交通: 北陸新幹線、JR高山本線、富山地方鉄道が利用可能
- 生活施設: 商業施設、病院、学校が徒歩圏内
- 価格帯: 高め(利便性重視の方向け)
(2) 人気住宅地(藤木小学校、今泉西部、秋吉等)
子育て世帯向けの分譲地として、藤木小学校エリア、今泉西部、秋吉などが人気です。学校・公園・商業施設が近く、住環境が整っています。
人気住宅地の特徴:
- 藤木小学校エリア: 教育環境が良く、子育て世帯に人気
- 今泉西部・秋吉: 新興住宅地として開発が進む
- 土地面積: 100〜200㎡台の物件が中心
- 価格帯: 中程度(バランス重視の方向け)
(参考: アットホーム「富山市の土地探し」)
(3) 郊外エリア(広い土地・価格控えめ)
富山市の郊外エリアは、200㎡以上の広い土地が多く、価格も控えめです。車移動が中心の生活になりますが、ゆったりとした住環境を求める方に適しています。
郊外エリアの特徴:
- 土地面積: 200㎡以上の広い物件が豊富
- 価格帯: 低め(コスト重視の方向け)
- 交通: 車移動が中心
- 生活施設: ロードサイド型の商業施設が多い
土地選びのチェックポイント
(1) 用途地域・接道義務の確認
土地を購入する際は、用途地域と接道義務を確認してください。これらは建物の種類や規模に影響します。
用途地域:
- 住居系: 第一種低層住居専用地域、第二種住居地域など
- 商業系: 近隣商業地域、商業地域
- 工業系: 準工業地域、工業地域
用途地域により、建築できる建物の種類・高さ・容積率が制限されます。都市計画図で確認してください。
接道義務:
- 建物を建てる土地は、4m以上の道路に2m以上接する必要がある
- 接道義務を満たさない土地は、建築確認が下りない
(参考: 建築基準法第43条)
(2) 交通利便性・生活施設へのアクセス
交通利便性と生活施設へのアクセスは、日常生活の利便性に直結します。
チェック項目:
- 最寄り駅までの距離・所要時間
- スーパー・コンビニへの徒歩圏内
- 病院・学校・公園の距離
- 駐車場の確保(富山市では車が必須)
富山市では車移動が中心のため、駐車場の確保が重要です。土地面積が十分あるか確認してください。
(3) 災害リスク・ハザードマップの確認
富山市の一部地域では、河川氾濫や土砂災害のリスクがあります。購入前に富山市のハザードマップで確認してください。
確認項目:
- 洪水浸水想定区域
- 土砂災害警戒区域
- 過去の災害履歴
(参考: 富山市防災マップ)
富山市の土地購入時の注意点
(1) 相場価格と実際の取引価格の違い
公示地価・基準地価は標準的な土地の指標価格であり、実際の取引価格とは異なります。
取引価格を左右する要因:
- 接道状況: 道路の幅、接道の長さ
- 形状: 正方形・長方形は利用しやすく高価格
- 日当たり: 南向き・角地は高価格
- 用途地域: 住居専用地域は住環境が良く高価格
公示地価はあくまで目安として参照し、実際の物件を複数比較して相場を把握してください。
(2) 土地の形状・日当たり・道路付けの重要性
土地の形状・日当たり・道路付けは、建物の設計や住環境に大きく影響します。
チェック項目:
- 形状: 正方形・長方形が理想。不整形地は建築制限がある
- 日当たり: 南向き・南東向きが人気
- 道路付け: 南側道路・東側道路が日当たりが良い
- 高低差: 平坦な土地が理想。高低差がある場合は造成費用が必要
(3) 専門家への相談の推奨
土地購入は、法的制限・災害リスク・将来性など、専門知識が必要です。契約前に以下の専門家への相談を推奨します。
- 宅地建物取引士: 物件情報の確認、相場の妥当性
- 建築士: 建築制限、建物の配置計画
- 土地家屋調査士: 境界の確認、登記手続き
まとめ:富山市で土地を購入するために
富山市の土地価格相場は、坪単価約11.2万円(SUUMO掲載物件平均)、公示地価ベースでは7万0214円/㎡(2024年)です。富山市の基準地価は前年比+1.16%上昇しており、特に富山駅周辺の上昇率が高くなっています。
富山駅周辺は利便性が高く人気ですが、価格も高めです。藤木小学校エリア、今泉西部、秋吉など子育て世帯向けの分譲地も人気があります。郊外エリアは広い土地が手頃な価格で購入できます。
土地選びの際は、用途地域・接道義務、交通利便性、災害リスクを確認し、不動産会社や専門家に相談しながら進めることで、失敗のリスクを抑えられます。


