東急不動産ホールディングスとは?企業概要と事業内容
東急不動産ホールディングス(証券コード:3289)の株式投資を検討する際、「株価はどう推移しているのか?」「株主優待の内容は?」と疑問に感じる方は少なくありません。
この記事では、東急不動産HDの企業概要、株価動向、株主優待制度、不動産株投資の特徴を、公式IR情報やYahoo!ファイナンスのデータを元に解説します。初めて不動産株への投資を検討する方でも、投資判断の材料を得られるようになります。
この記事のポイント
- 東急不動産HDは証券コード3289で東証プライム市場に上場している大手不動産会社
- 2025年11月現在の株価は1,356円で、2026年3月期第1四半期は営業利益412億円(前年比+30.3%)と好調
- 株主優待は100株以上でホテルハーヴェスト宿泊優待券、500株以上を3年以上保有で長期保有優待プログラムが利用可能
- 不動産株の配当利回りは2.0-3.0%程度で、REITを利用すれば少額から複数の不動産に分散投資が可能
- 金利上昇局面では不動産株の株価が下落するリスクがあり、投資判断は自己責任で専門家への相談を推奨
(1) 東急不動産HDの基本情報(証券コード3289、東証プライム市場)
東急不動産ホールディングスは、東京証券取引所プライム市場に上場している大手不動産会社です。証券コード3289で、リアルタイムの株価はYahoo!ファイナンス等で確認できます。
基本情報:
- 社名: 東急不動産ホールディングス株式会社
- 証券コード: 3289
- 市場: 東証プライム市場
- 設立: 2013年10月1日(東急不動産と東急リバブルの経営統合により設立)
- 本社: 東京都渋谷区道玄坂一丁目21番2号
- 代表者: 代表取締役社長 星野浩明
- 従業員数: 連結約12,000名(2024年3月末時点)
(2) 主要事業セグメント(都市事業、住宅事業、ウェルネス事業、リゾート事業等)
東急不動産HDは、以下の5つの事業セグメントを展開しています。
| セグメント | 主要事業内容 | 代表的な施設・サービス |
|---|---|---|
| 都市事業 | オフィスビル・商業施設の開発・運営 | 渋谷ヒカリエ、二子玉川ライズ |
| 住宅事業 | 分譲マンション・戸建住宅の開発・販売 | BRANZ(ブランズ)シリーズ |
| 管理受託事業 | 不動産管理・仲介 | 東急コミュニティー、東急リバブル |
| ウェルネス事業 | スポーツ施設・シニア住宅の運営 | 東急スポーツオアシス |
| リゾート事業 | リゾートホテル・ゴルフ場の運営 | ホテルハーヴェスト、東急リゾートタウン |
(出典: 東急不動産ホールディングス公式IR)
(3) 不動産大手5社における位置づけ
日本の不動産大手5社は、三井不動産、三菱地所、住友不動産、東京建物、東急不動産ホールディングスです。note記事によると、2024年1月~2025年1月の株価動向では、5社とも比較的横ばいで推移しています。
東急不動産HDは、都市開発・住宅事業に加え、リゾート事業やウェルネス事業など多角的な事業展開が特徴です。
東急不動産HDの株価動向:2025年最新の推移と業績
東急不動産HDの株価動向と業績を、公式IR情報とYahoo!ファイナンスのデータを元に解説します。
(1) 2025年11月現在の株価(1,356円、執筆時点)
Yahoo!ファイナンスによると、2025年11月12日時点の東急不動産HD株価は以下の通りです。
- 株価: 1,356円
- 前日比: +7.5円(+0.56%)
- 始値: 1,350円
- 高値: 1,359円
- 安値: 1,345円
- 出来高: 約150万株
※株価はリアルタイムで変動します。最新の株価はYahoo!ファイナンスでご確認ください。
(2) 2026年3月期第1四半期業績(営業利益412億円、前年比+30.3%)
東急不動産ホールディングス公式IRによると、2026年3月期第1四半期(2025年4-6月)の業績は以下の通りです。
| 項目 | 2026年3月期Q1 | 2025年3月期Q1 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 営業収益 | 2,885億円 | 2,690億円 | +7.3% |
| 営業利益 | 412億円 | 316億円 | +30.3% |
| 営業利益率 | 14.3% | 11.8% | +2.5pt |
| 経常利益 | 374億円 | 293億円 | +27.5% |
2026年3月期第1四半期は、営業利益が前年比+30.3%と大幅に増加し、営業利益率も11.8%から14.3%に改善しています。これは過去最高水準の業績です。
(出典: 東急不動産ホールディングス公式IR)
(3) 2024年の不動産セクター動向と今後の見通し
note記事によると、2024年の不動産セクターは市場全体に比べて劣後しており、不動産大手5社の株価は比較的横ばいで推移しました。
主な要因:
- 金利上昇: 2024年3月に日本銀行がマイナス金利政策を終了し、2024年7月に追加利上げを実施。金利上昇局面では不動産株の株価が下落する傾向
- 新築供給減: 建築資材の高騰や人手不足により新築供給が減少
- 需要の二極化: 好立地物件は需要が高いが、郊外物件は低迷
今後の見通しについては、日銀の金融政策や不動産市場の動向により変動するため、さくら事務所等の専門メディアで最新情報を確認することを推奨します。
株主優待制度の詳細:ホテル割引から長期保有プログラムまで
東急不動産ホールディングス公式IRを元に、株主優待制度の詳細を解説します。
(1) 100株以上の株主優待内容(ホテルハーヴェスト宿泊優待券等)
100株以上の株主には、以下の優待が提供されます。
優待内容:
- ホテルハーヴェスト宿泊優待券: 全国20ヶ所以上のリゾートホテルで利用可能な宿泊割引券
- 東急スポーツオアシス優待: スポーツ施設の利用割引
- 東急リゾートタウン優待: ゴルフ場やスキー場の利用割引
- シェアオフィス優待: 東急不動産が運営するシェアオフィスの割引
優待券の内容例:
- 1泊2食付き宿泊: 通常価格から3,000-5,000円割引
- スポーツ施設: 月会費から10-20%割引
※優待内容は変更される可能性があります。最新情報は公式IRでご確認ください。
(2) 500株以上の長期保有優待プログラム(WELコイン付与)
500株以上を3年以上保有している株主には、長期保有優待プログラムが提供されます。
WELコインとは:
- 東急不動産グループの施設・サービスで利用できるポイント(1ポイント=1円相当)
- ホテル宿泊、スポーツ施設、ゴルフ場、シェアオフィス等で利用可能
付与ポイント:
- 500株以上を3年以上保有: 年間3,000ポイント
- 1,000株以上を3年以上保有: 年間5,000ポイント
長期保有優待プログラムは、株主優待に加えて追加のメリットが得られるため、長期投資を検討する方に適しています。
(3) 権利確定日と株主優待の受取方法(3月末・9月末の年2回)
権利確定日:
- 3月末: 3月31日時点で株主名簿に記載されている株主
- 9月末: 9月30日時点で株主名簿に記載されている株主
受取方法:
- 権利確定日の約2-3ヶ月後に優待券が郵送される
- 優待券を利用してホテル・施設を予約
- 施設利用時に優待券を提示
権利確定日の2営業日前(権利付き最終日)までに株式を購入すれば、株主優待の権利が得られます。
不動産株投資の特徴とREIT(リート)との違い
不動産株投資の特徴と、REIT(リート)との違いを解説します。
(1) 不動産株の特徴(配当利回り2.0-3.0%、景気敏感株)
不動産株は、以下のような特徴があります。
メリット:
- 配当利回りが高い: 一般的に2.0-3.0%程度で、銀行預金や国債より高利回り
- 株主優待がある: ホテル宿泊割引、スポーツ施設割引等の特典
- 流動性が高い: 証券取引所で売買可能で、現金化が容易
- 少額から投資可能: 100株から購入でき、数万円から投資できる
デメリット:
- 景気敏感株: 不動産市場の動向や金利変動に影響を受けやすい
- 金利上昇リスク: 金利が上昇すると不動産の資産価値が下がり、株価も下落する傾向
- 業績変動リスク: 分譲マンション販売等の業績により株価が変動
(2) REITとは何か(少額から分散投資可能)
REIT(リート)とは、不動産投資信託のことで、複数の不動産に投資する投資信託です。
REITの仕組み:
- 投資家から資金を集める
- オフィスビル・商業施設・マンション等の不動産を購入
- 賃料収入を投資家に分配
REITのメリット:
- 少額から投資可能: 数万円から購入できる
- 分散投資: 複数の不動産に分散投資できるため、リスクが低減
- 安定収入: 賃料収入が分配金として定期的に支払われる
- 流動性が高い: 証券取引所で売買可能
REITのデメリット:
- 株主優待がない: 不動産株のような株主優待制度はない
- 金利上昇リスク: 金利が上昇すると不動産価格が下がり、分配金も減少する可能性
(3) 不動産投資・株式投資・REITの比較(流動性、初期費用、リスク)
CREALの情報を元に、3つの投資方法を比較します。
| 項目 | 不動産投資 | 不動産株 | REIT |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 数百万円〜数千万円 | 数万円〜 | 数万円〜 |
| 流動性 | 低い(売却に数ヶ月) | 高い(即日売買可能) | 高い(即日売買可能) |
| 収益 | 家賃収入 | 配当金+値上がり益 | 分配金 |
| 配当利回り | 3-5%程度 | 2-3%程度 | 3-4%程度 |
| リスク | 空室リスク、修繕費 | 株価変動、業績リスク | 不動産価格変動、金利リスク |
| 株主優待 | なし | あり | なし |
| 管理の手間 | 多い(管理・修繕) | 少ない | 少ない |
流動性を重視するなら不動産株やREIT、安定収入を重視するなら不動産投資が向いています。
東急不動産HD株への投資判断:配当利回りとリスク評価
東急不動産HD株への投資判断のポイントを解説します。
(1) 配当利回りと配当性向の推移
不動産株の配当利回りは一般的に2.0-3.0%程度です。東急不動産HDの配当利回りは株価により変動するため、Yahoo!ファイナンス等で最新情報を確認してください。
配当性向:
- 配当性向とは、純利益のうち配当金に回す割合を指します
- 不動産株の配当性向は30-40%程度が一般的
- 配当性向が高いほど株主還元に積極的と言えますが、成長投資に回す資金が少なくなる可能性
配当金は業績により変動する可能性があるため、過去の配当実績や会社の方針を確認することが重要です。
(2) 金利上昇局面における不動産株のリスク(日銀の政策変更の影響)
不動産株は金利上昇局面で株価が下落するリスクがあります。
金利上昇が不動産株に与える影響:
- 借入コスト増加: 不動産開発の借入金利が上昇し、利益が圧迫される
- 不動産価格下落: 金利上昇により不動産の資産価値が下がる
- 需要減少: 住宅ローン金利が上昇し、マンション・戸建住宅の需要が減少
2024年3月に日本銀行がマイナス金利政策を終了し、2024年7月に追加利上げを実施したことで、不動産セクターは市場全体に比べて劣後しました。今後も日銀の金融政策が不動産株の株価に影響を与える可能性があります。
(3) 投資判断のポイント(専門家への相談推奨)
東急不動産HD株への投資を検討する際は、以下のポイントを確認してください。
確認ポイント:
- 業績推移: 営業利益・経常利益・純利益が安定しているか
- 配当利回り: 他の投資先と比較して魅力的か
- 株主優待: 自分にとって利用価値があるか
- 金利動向: 日銀の金融政策により金利が上昇する可能性があるか
- 不動産市場: 新築供給・価格動向・需要の二極化等の市場トレンド
投資判断の注意点:
- 株式投資にはリスクがあり、元本割れの可能性があります
- 投資判断は自己責任で行ってください
- 証券会社やファイナンシャルプランナー等の専門家への相談を推奨します
- 最新の株価・業績は公式IRやYahoo!ファイナンスで確認してください
まとめ:東急不動産HD株を検討する際のポイント
東急不動産ホールディングス(証券コード:3289)は、都市開発・住宅事業・リゾート事業など多角的な事業を展開する大手不動産会社です。2025年11月現在の株価は1,356円で、2026年3月期第1四半期は営業利益412億円(前年比+30.3%)と好調な業績を記録しています。
株主優待は100株以上でホテルハーヴェスト宿泊優待券、500株以上を3年以上保有で長期保有優待プログラムが利用可能です。不動産株の配当利回りは2.0-3.0%程度で、流動性を重視する投資家に適しています。
ただし、金利上昇局面では不動産株の株価が下落するリスクがあるため、日銀の金融政策や不動産市場の動向を注視することが重要です。投資判断は自己責任で行い、証券会社やファイナンシャルプランナー等の専門家への相談を推奨します。
