東京都の土地購入ガイド:エリア別の価格相場と選び方のポイント

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/20

広告

ノムコムが運営する不動産資料請求・見学予約キャンペーン【マンション】

東京都で土地を購入する前に知っておくべきこと

東京都で土地を購入する際、「どのエリアを選べばいいのか」「予算はどれくらい必要か」「どんな手続きや費用がかかるのか」と迷う方は少なくありません。東京都は日本最大の都市圏であり、エリアによって土地価格や利便性、建築制限が大きく異なります。

この記事では、東京都の土地市場の特徴、エリア別の価格相場、土地購入時の注意点や流れを、国土交通省の地価公示東京都財務局の基準地価格などの公式データを元に解説します。

注文住宅を建てる方も、土地投資を検討している方も、東京都の土地市場の全体像を把握し、納得のいく選択ができるようになります。

この記事のポイント

  • 2025年の東京都の土地価格は前年比+7.44%上昇、住宅地は+5.71%と上昇傾向が続いている
  • 23区内は土地供給が限られており、予算4,000万円以下では狭小地が中心になる傾向がある
  • 多摩地域では同じ予算でより広い土地が見つかるケースが多い
  • 用途地域(全13種類)や建築制限を事前確認し、希望の家が建てられるか法令上の制限を把握することが重要
  • 土地代以外に不動産取得税、登記費用、測量費用など、土地代の5~10%程度の諸費用が必要

1. 東京都の土地市場の特徴

東京都は日本最大の都市圏であり、土地市場には以下のような特徴があります。

  • 高額な土地価格: 全国平均と比較して圧倒的に高い地価水準
  • 強い需要: 人口集中により土地需要が安定的に高い
  • 狭小地の多さ: 23区内では土地供給が限られており、狭い敷地が多い
  • エリアによる価格差: 都心3区と多摩地域では価格が大きく異なる
  • 厳しい建築制限: 用途地域や防火地域により建築の自由度が制限される

東京都の土地関係資料集「東京の土地2024」によると、23区の土地取引件数は年間を通じて活発で、特に世田谷区、杉並区、大田区などの住宅エリアで取引が多い傾向があります。

2. 東京都の土地価格相場

東京都の土地価格は、エリアによって大きく異なります。以下、2025年の最新データを元に解説します。

(1) 2025年の地価動向

2025年の東京都の地価は、前年に引き続き上昇傾向にあります。

項目 価格 前年比
基準地価平均 130万1762円/m² +7.74%
住宅地平均 46万6352円/m²(坪単価約154万円) +5.71%
商業地平均 - +10.44%

(出典: 東京都財務局「東京都基準地価格」2025年版

商業地は+10.44%と特に高い上昇率を示しており、渋谷の大規模再開発(渋谷サクラステージ2024年7月開業)など、再開発プロジェクトの影響が大きいと考えられます。

(2) 23区と多摩地域の価格差

23区内と多摩地域では、土地価格に大きな差があります。

エリア 住宅地の平均価格イメージ 特徴
都心3区(千代田・中央・港) 非常に高額 ビジネスエリア、住宅向け土地供給は限定的
副都心エリア(新宿・渋谷・池袋) 高額 利便性が高く、再開発による地価上昇傾向
城南・城西エリア(世田谷・杉並・目黒・大田) 比較的高額 人気住宅地、閑静な住宅街が多い
城東・城北エリア(江東・足立・葛飾等) 中程度 23区内では比較的手頃、下町エリア
多摩地域(八王子・立川・町田等) 手頃 同じ予算でより広い土地が見つかる

23区内は土地供給が限られているため、予算4,000万円以下では土地面積が狭くなる傾向があります。一方、多摩地域では同じ予算でより広い物件が見つかるケースが多いです。

(3) 人気エリアの価格帯

人気住宅エリアの土地価格の目安(2025年時点)は以下の通りです。

  • 世田谷区: 坪単価150-300万円程度(エリアにより大きく変動)
  • 杉並区: 坪単価120-250万円程度
  • 目黒区: 坪単価200-400万円程度
  • 大田区: 坪単価100-200万円程度
  • 多摩主要都市(八王子・立川等): 坪単価30-80万円程度

これらの価格は目安であり、駅からの距離や土地の形状、用途地域により大きく変動します。最新データは国土交通省の地価公示で確認することをおすすめします。

3. エリア別の特徴と選び方

東京都を主要エリアに分類し、それぞれの特徴を解説します。

(1) 都心3区(千代田・中央・港):ビジネスエリア

都心3区はビジネスエリアとして機能しており、住宅向けの土地供給は限定的です。

主な特徴:

  • 非常に高額な地価(住宅地でも坪単価300万円以上が一般的)
  • ビジネス・商業施設が集積
  • 住宅向けの土地は少なく、タワーマンション等が中心
  • 通勤時間を最小限にしたい方向け

向いている方:

  • 都心勤務で通勤時間を重視する方
  • 高額予算が確保できる方

(2) 副都心エリア(新宿・渋谷・池袋):利便性と再開発

副都心エリアは交通利便性が高く、再開発により地価上昇が続いています。

主な特徴:

  • 交通アクセスが非常に良い(複数路線が利用可能)
  • 商業施設・文化施設が充実
  • 渋谷では大規模再開発が進行中(地価上昇率が高い)
  • 住宅向けの土地は限定的で、マンションが中心

向いている方:

  • 利便性を最優先する方
  • 都市生活を満喫したい方

(3) 城南・城西エリア(世田谷・杉並・目黒・大田):人気住宅地

城南・城西エリアは閑静な住宅地が多く、ファミリー層に人気があります。

主な特徴:

  • 閑静な住宅街が広がる
  • 緑が多く、公園や学校が充実
  • 世田谷区、杉並区、目黒区、大田区などが該当
  • 土地価格は比較的高額だが、住環境の良さから人気が高い
  • 不整形地や旗竿地でも設計の工夫(3階建て、中庭設置等)で暮らしやすい家づくりが可能

向いている方:

  • 子育て世帯
  • 閑静な住環境を重視する方
  • 都心へのアクセスと住環境のバランスを求める方

(4) 多摩地域:広さと価格のバランス

多摩地域(23区外)は、同じ予算でより広い土地が見つかるケースが多いです。

主な特徴:

  • 23区内と比較して土地価格が手頃
  • 広い敷地を確保しやすい
  • 自然環境が豊か
  • 主要駅(八王子、立川、町田等)周辺は利便性が高い
  • 車が必要なエリアもある

向いている方:

  • 広い敷地でゆったり暮らしたい方
  • 予算を抑えたい方
  • 自然環境を重視する方

4. 土地購入時の注意点

東京都で土地を購入する際は、以下の点に注意が必要です。

(1) 用途地域と建築制限の確認

用途地域とは、都市計画法に基づき地域の用途を分けたもので、全13種類あります。用途地域により建築制限(建ぺい率・容積率・建物の高さ等)が異なるため、購入前に必ず確認が必要です。

用途地域の主な種類:

  • 第一種低層住居専用地域: 低層住宅専用、建物の高さ制限あり
  • 第一種中高層住居専用地域: 中高層住宅専用、一部店舗併用可
  • 準工業地域: 住宅と工場が混在可能
  • 商業地域: 商業施設中心、住宅も建築可能

用途地域は、東京都の都市計画情報インターネット提供サービスや市区町村の都市計画課で確認できます。希望の家が建てられるか、事前に確認することが重要です。

(2) 土地の形状による制約(不整形地・旗竿地)

東京都、特に23区内では、土地供給が限られているため、不整形地や旗竿地(敷地延長)が多くあります。

不整形地・旗竿地の注意点:

  • 建築面積や間取りに制約が出る場合がある
  • 日当たりが悪くなる可能性がある
  • 設計の工夫(3階建て、中庭設置、スキップフロア等)で暮らしやすい家づくりは可能

不整形地や旗竿地は価格が割安になることもあるため、建築の専門家に相談し、どのような家が建てられるかを事前に確認することをおすすめします。

(3) 防火地域の確認

東京都の多くのエリアは防火地域または準防火地域に指定されており、建物の構造や材料に制限があります。

防火地域の制限例:

  • 一定規模以上の建物は耐火建築物にする必要がある
  • 建築費用が通常より高くなる場合がある

防火地域の指定は、東京都の都市計画情報や市区町村の都市計画課で確認できます。

(4) 現地調査の重要性

良い土地が見つかったら、必ず現地に足を運び、以下の点を確認しましょう。

  • 周辺環境: 騒音、治安、商業施設・学校の有無
  • 日当たり: 周辺の建物による影響
  • 道路状況: 前面道路の幅員、交通量
  • 地盤: 地盤の強度(地盤調査が必要な場合もある)
  • 上下水道・ガス: インフラの整備状況

5. 土地購入の流れと費用

土地購入の基本的な流れと、土地代以外に必要な諸費用を解説します。

(1) 土地購入の基本的な流れ

土地購入は以下のステップで進めます。

  1. 予算とエリアの決定: 希望エリアと予算を明確にする
  2. 物件探し: 不動産会社や不動産ポータルサイトで土地を探す
  3. 現地調査: 気になる土地を実際に見学し、周辺環境を確認
  4. 用途地域・建築制限の確認: 希望の家が建てられるか確認
  5. 購入申し込み: 買付証明書を提出
  6. 売買契約: 重要事項説明を受け、契約を締結
  7. 住宅ローン申し込み: 金融機関に融資を申し込む
  8. 決済・引き渡し: 残代金を支払い、所有権移転登記を行う
  9. 建築計画: 建築会社と打ち合わせ、建築確認申請を行う

(2) 土地代以外の諸費用(不動産取得税、登記費用等)

土地を購入する際は、土地代以外に以下の諸費用が必要です。一般的には土地代の5~10%程度を見込みます。

項目 内容 目安額
不動産取得税 土地評価額×3%(令和9年3月31日までの軽減税率) 評価額により変動
印紙税 売買契約書に貼付 1-3万円程度
登記費用 登録免許税・司法書士報酬 10-30万円程度
仲介手数料 物件価格の3%+6万円+消費税(上限) 物件価格により変動
測量費用 境界確認・測量が必要な場合 30-100万円程度
造成費用 整地・擁壁工事等が必要な場合 内容により大きく変動

(出典: 一般的な不動産取引の諸費用)

注意点:

  • 不動産取得税の軽減税率(3%)は令和9年3月31日までの時限措置です
  • 測量費用や造成費用は土地の状態により大きく変動するため、事前に見積もりを取ることが重要です

(3) 測量と境界確認

土地を購入する際は、測量と境界確認が必要になる場合があります。

測量の目的:

  • 土地の正確な面積を確定する
  • 隣地との境界を明確にする
  • 将来のトラブルを防ぐ

測量は土地家屋調査士に依頼し、費用は土地の規模や形状により30-100万円程度が目安です。

6. まとめ:東京都で理想の土地を見つけるために

東京都の土地市場は、高額な地価と強い需要が特徴で、2025年も前年比+7.44%の上昇傾向が続いています。23区内は土地供給が限られており狭小地が多い一方、多摩地域では同じ予算でより広い土地が見つかるケースが多いです。

土地を購入する際は、用途地域や建築制限を事前確認し、希望の家が建てられるか法令上の制限を把握することが重要です。また、不整形地や旗竿地でも設計の工夫で暮らしやすい家づくりは可能です。

土地代以外に不動産取得税、登記費用、測量費用など、土地代の5~10%程度の諸費用が必要になるため、予算計画は余裕を持って立てましょう。

地価は経済状況や金融政策により変動する可能性があるため、国土交通省の地価公示東京都財務局の基準地価格で最新情報を確認し、宅地建物取引士や税理士などの専門家に相談しながら、納得のいく土地選びを進めましょう。

広告

ノムコムが運営する不動産資料請求・見学予約キャンペーン【マンション】

広告

よくある質問

Q1東京都の土地価格相場はどのくらいですか?

A12025年の東京都の基準地価平均は130万1762円/m²で、前年比+7.74%上昇しています。住宅地の平均は46万6352円/m²(坪単価約154万円)で、前年比+5.71%上昇しています。23区内は土地供給が限られており価格が高く、都心3区では坪単価300万円以上が一般的です。多摩地域では同じ予算でより広い土地が見つかるケースが多く、坪単価30-80万円程度が目安です。価格は経済状況や金融政策により変動するため、国土交通省の地価公示や東京都財務局の基準地価格で最新データを確認することをおすすめします。

Q2土地購入時に土地代以外にどんな費用がかかりますか?

A2土地購入時には、土地代以外に以下の諸費用が必要です。不動産取得税(土地評価額×3%、令和9年3月31日までの軽減税率)、印紙税(1-3万円程度)、登記費用(登録免許税・司法書士報酬で10-30万円程度)、仲介手数料(物件価格の3%+6万円+消費税が上限)、測量費用(境界確認・測量が必要な場合は30-100万円程度)、造成費用(整地・擁壁工事等が必要な場合、内容により大きく変動)などです。一般的には土地代の5~10%程度を見込むことが推奨されます。

Q3用途地域とは何ですか?どう確認すればよいですか?

A3用途地域とは、都市計画法に基づき地域の用途を分けたもので、全13種類あります。用途地域により建築制限(建ぺい率・容積率・建物の高さ等)が異なるため、購入前に必ず確認が必要です。例えば、第一種低層住居専用地域では低層住宅専用で建物の高さ制限があり、商業地域では商業施設中心ですが住宅も建築可能です。用途地域は東京都の都市計画情報インターネット提供サービスや市区町村の都市計画課で確認できます。希望の家が建てられるか、事前に確認することが重要です。

R

Room Match編集部

Room Matchは、不動産の購入・売却・賃貸に関する実践的な情報を提供するメディアです。住宅ローン、物件選び、不動産会社の選び方など、実務担当者に役立つ情報を分かりやすく解説しています。

関連記事