東京で戸建てを購入する理由:価格高騰下でも選ばれる背景
東京都内での戸建て購入を検討する方にとって、価格の高さは大きな課題です。2025年4月時点で東京都の新築戸建て平均価格は6,000万円を超え、23区内では8,667万円と過去最高を記録しています。それでも戸建てが選ばれる理由は、マンションにはない自由度と資産性にあります。
この記事では、東京の戸建て市場の最新動向、エリア別の価格相場、物件選びのポイントを、アットホームやLIFULL HOME'S等の調査データを元に解説します。
初めて戸建てを購入する方でも、必要な予算とエリア選定の基準を正確に把握できるようになります。
この記事のポイント
- 東京都の新築戸建て平均価格は6,000万円超、23区内は8,667万円(2025年)と過去最高
- 中古戸建ては新築と比較して20〜30%程度価格が低く、コスト削減の選択肢
- 戸建ては管理費・修繕積立金の強制支払いがなく、間取り変更・増築の自由度が高い
- 駅近物件が少なく、10年を目安に修繕費用が発生するため計画的な資金準備が必要
- 諸費用は建築費合計の1割程度を見込み、住宅ローンは家計の負担にならない返済計画が重要
(1) 管理費・修繕積立金の強制支払いがない自由度
マンションでは毎月の管理費・修繕積立金が必須ですが、戸建てにはこの強制的な支払いがありません。センチュリー21理想空間によると、戸建ては自己責任で修繕費用を準備する必要があるものの、自分のペースで修繕計画を立てられる利点があります。
ただし、10年を目安に修繕箇所が出てくるため、計画的な資金準備が不可欠です。マンションの修繕積立金以上に、将来を見据えた貯蓄が求められます。
(2) 間取り変更・増築の柔軟性
戸建ての大きなメリットは、リフォーム・増築・ソーラーパネル設置などの自由度の高さです。マンションでは管理規約により制限されますが、戸建ては所有者の判断で自由に改変できます。
特に東京都内ではM-LINEが指摘するように、3階建てにすることで各階ごとに空間を分け、限られた敷地を有効活用できます。
東京の戸建て市場概況と価格相場
東京の戸建て市場は、2020年から2024年にかけて年々上昇傾向が続いています。アクティエによると、価格推移は以下の通りです。
| 年 | 平均価格 |
|---|---|
| 2020年 | 2,648万円 |
| 2021年 | 2,691万円 |
| 2022年 | 2,960万円 |
| 2023年 | 3,295万円 |
| 2024年 | 3,469万円 |
(出典: アクティエ)
この4年間で約800万円上昇しており、今後も上昇傾向が続く可能性があります。
(1) 東京都の新築戸建て平均価格:2025年4月時点で6,000万円超
LIFULL HOME'Sの調査によると、2025年4月時点で東京都の新築戸建て平均価格は6,000万円を超えています。全国平均の3,603万円と比較して大幅に高く、東京都内での戸建て購入には相応の資金準備が必要です。
(2) 23区内の新築戸建て:2025年10月時点で8,667万円(過去最高)
日本経済新聞によると、2025年10月の東京23区の新築戸建て平均価格は8,667万円で、2014年の調査開始以来最高値を記録しました。都心部の高級物件が価格を押し上げている状況です。
(3) 価格推移:2020年(2,648万円)→2024年(3,469万円)と年々上昇
前述の表の通り、東京の戸建て価格は年々上昇しています。2024年の新設住宅着工戸数は79万2,098戸で前年比3.4%減となり、価格高騰・物価高の影響で建築数が減少しています。
(4) 中古戸建ては新築と比較して20〜30%程度価格が低い
中古戸建ては新築と比較して20〜30%程度価格が低く、コスト削減の有力な選択肢です。ただし、修繕箇所の確認と計画的なメンテナンス資金準備が必要です。
エリア別の特徴と相場:23区・多摩エリアの比較
東京都内でも、23区内と多摩エリアでは価格帯が大きく異なります。
(1) 23区内:6,000万〜8,000万円の範囲、都心高級物件が価格を押し上げ
CLEVER HOMEによると、23区内の新築一戸建ては6,000万〜8,000万円の範囲が中心です。小規模戸建てでも8,000万円を超えるケースがあり、都心高級物件が価格を押し上げています。
(2) 多摩エリア:23区内と比較して割安、通勤利便性と価格のバランス
多摩エリアは23区内と比較して割安で、通勤利便性と価格のバランスを重視する方に適しています。具体的な価格帯はエリアにより異なるため、複数の不動産会社に相談することを推奨します。
(3) 年収別の購入可能エリア:諸費用は建築費合計の1割程度を見込む
Renoduceによると、諸費用は建築費合計の1割程度を見込む必要があります。年収別の購入可能エリアは個別の条件により異なるため、ファイナンシャルプランナーへの相談を推奨します。
戸建てのメリット・デメリット:マンションとの比較
戸建てとマンションには、それぞれメリット・デメリットがあります。
(1) メリット:管理費・修繕積立金なし、間取り変更・増築・ソーラーパネル設置の自由度
戸建ての主なメリットは以下の通りです。
- 管理費・修繕積立金の強制支払いがない
- 間取り変更・増築の自由度が高い
- ソーラーパネル等の設置が自由にできる
(2) デメリット:駅近物件が少ない、10年を目安に修繕箇所が出てくる
一方、デメリットも存在します。
- 駅近物件が少なく、マンションと比べて駅からの距離は遠くなりがち
- 10年を目安に修繕箇所が出てくるため、計画的な資金準備が必要
(3) 将来の資産価値:駅からの距離が遠い物件は売却時に需要が限定される可能性
駅からの距離が遠い物件は、将来の売却時に需要が限定される可能性があります。資産価値を重視する場合は、交通アクセスの良いエリアを優先することが重要です。
物件選びのポイント:新築・中古・注文住宅の選択肢
戸建てには、新築・中古・注文住宅の3つの選択肢があります。
(1) 新築戸建て:建築後1年未満かつ未入居、価格は6,000万円超が目安
新築戸建ては建築後1年未満かつ未入居の一戸建て住宅を指します。東京都内では6,000万円超が目安です。
(2) 中古戸建て:新築と比較して20〜30%程度価格が低く、コスト削減の選択肢
中古戸建ては建築後1年以上経過または入居済みの一戸建て住宅です。新築と比較して20〜30%程度価格が低く、コスト削減の選択肢となります。
(3) 注文住宅:土地代の高さがデメリット、3階建てで空間を有効活用
注文住宅は自由設計が可能ですが、東京都の土地代の高さがデメリットです。3階建てにすることで、限られた敷地を有効活用できます。
(4) 住宅ローン:家計の負担にならない返済額、余裕を持った返済期間設定
住建ネットによると、住宅ローンは毎月家計の負担にならない程度の返済額にとどめ、余裕を持った返済期間を設定することが大切です。
まとめ:東京で戸建てを購入する際の流れと専門家への相談
東京で戸建てを購入する際は、予算計画からエリア選定、物件見学、契約まで、複数のステップを踏む必要があります。
(1) 購入の流れ:予算計画→エリア選定→物件見学→契約
購入の流れは以下の通りです。
- 予算計画: 諸費用は建築費合計の1割程度を見込む
- エリア選定: 通勤利便性・子育て環境・資産価値等を総合的に判断
- 物件見学: 新築・中古・注文住宅の選択肢を比較
- 契約: 契約内容を宅地建物取引士と確認
(2) 諸費用の準備:建築費合計の1割程度を見込む
諸費用には仲介手数料、登記費用、税金等が含まれます。建築費合計の1割程度を見込んでおくと安心です。
(3) 専門家への相談推奨:宅建士、税理士、ファイナンシャルプランナー
東京で戸建てを購入する際は、宅地建物取引士、税理士、ファイナンシャルプランナー等の専門家への相談を推奨します。税制や住宅ローンの審査基準は改正される可能性があり、最新情報は各専門家にご確認ください。
信頼できる不動産会社や金融機関に相談しながら、無理のない資金計画を立てましょう。
