なぜ徳島県の不動産市場を理解することが重要なのか
徳島県で不動産の売却や購入を検討する際、「どのエリアを選べばいいのか」「価格相場はどのくらいか」と悩む方は少なくありません。
この記事では、徳島県の不動産市場の特徴、エリア別の価格相場、物件選びのポイント、売却の流れと諸費用について、国土交通省や徳島県の公式データを元に解説します。
不動産取引が初めての方でも、徳島県の市場動向を把握し、失敗しない物件選び・売却の判断ができるようになります。
この記事のポイント
- 徳島県の2025年公示地価は平均5万9338円/m²(坪単価19万6159円/坪)で前年比-0.38%と微減傾向
- 売却相場は戸建て931万円、マンション1,210万円、土地740万円(2024年時点)
- 土地取引が消極的で売れにくい状況が続き、成約件数減少、在庫件数増加の傾向
- 売却には最も多い期間で6ヶ月、仲介なら3〜4ヶ月〜1年、買取なら最短1週間が目安
- 複数社の査定比較と地域密着型の不動産会社の活用が売却成功のカギ
徳島県の不動産市況の特徴(地方都市としての市場動向)
徳島県は四国の地方都市として、大都市圏とは異なる不動産市況を持っています。国土交通省の統計によると、2005年〜2024年の土地取引の件数・面積データが公開されており、四国地方全体の取引動向を把握できます。
徳島県の不動産市場の主な特徴は以下の通りです。
- 市街地と郊外で価格差がある:徳島市中心部と郊外エリアでは、利便性や商業施設の有無により価格相場が大きく異なります。
- 地域密着型の不動産会社が多い:大手チェーンだけでなく、地元の不動産会社が強みを持つケースが多く、複数社への査定依頼が重要です。
- 取引のスピード感:大都市圏と比べて取引件数が少なく、売却には十分な期間を見込む必要があります。
価格下落トレンドと取引の消極的な傾向(2024年時点)
徳島県の不動産市場は、2024年時点で以下のような課題を抱えています。
- 土地取引が消極的:成約件数が減少し、成約単価も下落、在庫件数が増加している状況です。
- マンション価格の下落:5年前(2019年)と比べてマンション市場価格が-14.4%下降しており、価格下落トレンドが続いています。
- 売却期間の長期化:買い手が見つかりにくく、売却には時間がかかるケースが増えています。
このような市況を踏まえると、売却を検討する場合は余裕を持った計画と、複数の不動産会社への相談が不可欠です。
徳島県の不動産相場とエリア別の特徴
公示地価と土地価格(2025年:平均5万9338円/m²、前年比-0.38%)
徳島県の土地価格相場によると、2025年の最新公示地価は以下の通りです。
| 項目 | 価格 |
|---|---|
| 平均公示地価 | 5万9338円/m² |
| 坪単価 | 19万6159円/坪 |
| 前年からの変動率 | -0.38% |
(出典: 徳島県の土地価格相場・公示地価・基準地価マップ・坪単価ランキング|2025年[令和7年])
2024年第1四半期の土地取引価格は、平米単価で3万3225円/m²、坪単価では10万9837円/坪となっています。公示地価は国が定める基準価格であり、実際の取引価格はこれよりも低めになるケースが多いです。
物件種別ごとの売却相場(戸建て931万円、マンション1,210万円、土地740万円)
徳島県の不動産相場によると、2024年時点の売却価格相場は以下の通りです。
| 物件種別 | 売却価格相場 |
|---|---|
| 戸建て住宅 | 約931万円 |
| 中古マンション | 約1,210万円 |
| 土地 | 約740万円 |
(出典: 徳島県の不動産相場と相談できる会社がわかる | イエウール)
マンション価格は5年前(2019年)と比べて-14.4%下降しており、価格下落トレンドが続いています。購入を検討する場合は、今後の価格動向も考慮した上で判断する必要があります。
エリア別の価格ランキングと市街地・郊外の違い
徳島県内でもエリアによって価格相場が大きく異なります。主なエリアの特徴は以下の通りです。
- 徳島市中心部:商業施設や駅が近く、利便性が高いため価格は高め。公示地価も県内で最も高い水準。
- 徳島市郊外・周辺市町村:自然環境が豊かで静かな住環境。価格は中心部より低めだが、車が必須のエリアも多い。
- 南部・西部エリア:価格は県内で最も低めだが、取引件数も少なく、売却には時間がかかる可能性がある。
エリア選びでは、利便性(駅・商業施設までの距離)、将来性(人口動向、開発計画)、自然環境(静かさ、景観)のバランスを検討することが重要です。
物件選びで失敗しないためのポイント
エリア選びの基準(利便性、将来性、自然環境)
物件選びで最も重要なのはエリアの選定です。以下の3つの基準で比較しましょう。
- 利便性:駅、スーパー、病院、学校までの距離。徳島県は車社会のため、駐車場の有無も確認。
- 将来性:人口動向、再開発計画、インフラ整備の予定。将来的に資産価値が維持されるエリアか。
- 自然環境:静かさ、景観、災害リスク(浸水想定区域、土砂災害警戒区域等)。
エリアごとの特性を理解した上で、自分のライフスタイルに合った場所を選ぶことが失敗しないポイントです。
新築と中古の比較(マンション価格5年間で-14.4%下降)
新築物件と中古物件、どちらを選ぶべきかは予算と目的によります。
新築のメリット:
- 設備が最新で、修繕費用が当面かからない
- 住宅ローン減税などの優遇措置を受けやすい
新築のデメリット:
- 価格が高い
- 購入直後から資産価値が下がりやすい
中古のメリット:
- 価格が新築より低く、予算を抑えられる
- 実物を見て判断できる(日当たり、眺望、周辺環境等)
中古のデメリット:
- 修繕費用がかかる可能性がある
- 築年数によっては住宅ローン減税の対象外
徳島県ではマンション価格が5年間で-14.4%下降しているため、中古物件を割安で購入できる可能性があります。ただし、築年数や修繕履歴を確認し、将来の修繕費用も見込んでおく必要があります。
市場動向を踏まえた購入タイミングの検討
徳島県の不動産市場は、2024年時点で以下の状況です。
- 公示地価は前年比-0.38%と微減
- 土地取引が消極的で在庫件数が増加
- マンション価格は5年間で-14.4%下降
この状況から、購入者にとっては「買い手有利」の市場と言えます。ただし、今後の価格動向は人口減少や経済状況に左右されるため、長期的な視点での判断が重要です。
購入を検討する際は、以下のポイントを確認しましょう。
- 最新の公示地価・取引価格を確認(徳島県ホームページで公開)
- 複数の物件を比較し、相場感を掴む
- 宅地建物取引士など専門家に相談し、客観的なアドバイスを受ける
徳島県で不動産を売却する方法と流れ
仲介と買取の違い(仲介:3〜4ヶ月〜1年、買取:最短1週間)
不動産を売却する方法は大きく分けて「仲介」と「買取」の2種類があります。
| 項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 売却先 | 個人の買主 | 不動産会社 |
| 売却期間 | 3〜4ヶ月〜1年 | 最短1週間 |
| 売却価格 | 市場価格に近い | 市場価格より低め(7〜8割程度) |
| 仲介手数料 | 発生する | 不要 |
(出典: 【SUUMO】徳島県の不動産売却)
仲介のメリット:
- 市場価格に近い価格で売却できる
- 複数の買主候補から選べる
仲介のデメリット:
- 売却に時間がかかる(徳島県では最も多い売却期間が6ヶ月)
- 仲介手数料がかかる
買取のメリット:
- 最短1週間で売却可能
- 仲介手数料が不要
- 内覧対応などの手間が少ない
買取のデメリット:
- 売却価格が市場価格より低め
急いで売却したい場合は買取、時間をかけても高く売りたい場合は仲介を選ぶのが基本です。
媒介契約の種類と選び方(専属専任53.8%が選択)
仲介で売却する場合、不動産会社と「媒介契約」を結びます。媒介契約には3種類あります。
徳島県で不動産売却をした人の53.8%は専属専任媒介契約を選択しており、次いで一般媒介契約、専任媒介契約が選ばれています。
| 契約種類 | 複数社への依頼 | 自己発見取引 | REINS登録義務 | 報告義務 |
|---|---|---|---|---|
| 専属専任媒介 | × | × | 1週間以内 | 2週間に1回以上 |
| 専任媒介 | × | ○ | 2週間以内 | 2週間に1回以上 |
| 一般媒介 | ○ | ○ | なし | なし |
専属専任媒介契約:1社に絞ることで、不動産会社が積極的に販売活動を行う。報告義務があるため進捗が把握しやすい。
専任媒介契約:1社に絞るが、自分で買主を見つけることも可能。専属専任と同様に報告義務がある。
一般媒介契約:複数社に依頼できるが、不動産会社の販売意欲が低下する可能性がある。報告義務がないため進捗が見えにくい。
徳島県では専属専任媒介契約を選ぶ人が最も多く、不動産会社の積極的なサポートを受けられる点が評価されています。
不動産会社選びのポイント(複数社の査定比較、地域密着型の活用)
売却成功のカギは不動産会社選びです。以下のポイントを押さえましょう。
複数社の査定を比較する:
- 1社だけでは適正価格が分からない
- 少なくとも3社以上の査定を取り、相場感を掴む
- 査定価格だけでなく、根拠や販売戦略も確認
地域密着型の会社を活用する:
- 徳島県では地域密着型の不動産会社が多く、地元の買主ネットワークを持つ
- 大手と地域密着型、両方に査定を依頼して比較
担当者の対応を確認する:
- 説明が丁寧か、レスポンスが早いか
- 売主の希望を汲み取ってくれるか
- 宅地建物取引士の資格を持っているか
不動産会社選びに迷ったら、宅地建物取引士など専門家に相談することをおすすめします。
売却時の諸費用と税金の注意点
売却時にかかる費用(仲介手数料、抵当権抹消費用、印紙代等)
不動産売却時には、売却価格以外に以下の諸費用がかかります。
| 費用項目 | 内容 | 目安額 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 売却価格の3%+6万円+消費税(上限) | 売却価格の3〜4% |
| 抵当権抹消費用 | ローンが残っている場合の抵当権抹消手続き | 1〜3万円 |
| 契約印紙代 | 売買契約書に貼付する印紙 | 1〜3万円 |
| 司法書士費用 | 登記手続きの代行費用 | 5〜10万円 |
| 測量費用 | 土地の境界確定が必要な場合 | 30〜50万円 |
| 残置物撤去費用 | 不要な家財を処分する場合 | 10〜30万円 |
| 転居費用 | 引っ越し代 | 10〜30万円 |
(出典: 徳島県で不動産の売却・査定におすすめの不動産会社ランキング&売却相場情報サマリー | ホームズ)
仲介手数料は売却価格の3%+6万円+消費税が上限です。例えば、売却価格が1,000万円の場合、仲介手数料は最大で39万6,000円(税込)となります。
譲渡所得税の計算と確定申告
不動産売却で利益が出た場合、譲渡所得税が発生します。
譲渡所得の計算式:
譲渡所得 = 売却価格 - (取得費 + 譲渡費用)
税率:
- 短期譲渡所得(所有期間5年以下):所得税30% + 住民税9% = 39%
- 長期譲渡所得(所有期間5年超):所得税15% + 住民税5% = 20%
計算例(長期譲渡所得):
- 売却価格:2,000万円
- 取得費:1,500万円
- 譲渡費用:100万円
- 譲渡所得:2,000万円 - (1,500万円 + 100万円) = 400万円
- 税金:400万円 × 20% = 80万円
売却益が出た場合は、翌年の確定申告が必要です。詳細な計算は税理士への相談を推奨します。
専門家(税理士、宅建士)への相談の重要性
不動産売却では、以下の理由から専門家への相談が重要です。
税理士への相談:
- 譲渡所得税の正確な計算
- 特別控除(3,000万円控除等)の適用可否
- 確定申告の代行
宅地建物取引士への相談:
- 売却価格の妥当性
- 媒介契約の選び方
- 契約内容の確認
不動産取引は金額が大きく、税金や法律の知識が必要です。専門家に相談することで、トラブルを避け、安心して売却を進められます。
まとめ:徳島県で不動産取引を成功させるステップ
情報収集から契約までの流れ
徳島県で不動産取引を成功させるためには、以下のステップを踏みましょう。
購入の場合:
- 最新の公示地価・売却相場を確認(徳島県ホームページ等)
- 希望エリアの物件を複数比較
- 不動産会社に相談し、内覧を実施
- 住宅ローンの事前審査を受ける
- 売買契約を締結し、決済・引き渡し
売却の場合:
- 複数社(最低3社以上)に査定を依頼
- 媒介契約を締結(専属専任・専任・一般から選択)
- 販売活動を開始(内覧対応等)
- 買主が見つかったら売買契約を締結
- 決済・引き渡し、確定申告
市場動向を踏まえた長期的な視点での判断
徳島県の不動産市場は、2024年時点で以下の状況です。
- 公示地価は前年比-0.38%と微減
- 土地取引が消極的で売れにくい
- マンション価格は5年間で-14.4%下降
このような市場動向を踏まえ、購入・売却の判断を長期的な視点で行うことが重要です。
購入を検討する場合:
- 価格下落トレンドが続いているため、割安で購入できる可能性がある
- ただし、将来的な資産価値の維持を考慮し、エリア選びを慎重に
売却を検討する場合:
- 売れにくい状況が続いているため、十分な期間を見込む
- 複数社の査定を比較し、適正価格で売り出す
- 必要に応じて買取も検討
信頼できる不動産会社や専門家(宅地建物取引士、税理士等)に相談しながら、無理のない計画を立てましょう。
