高崎市の土地価格相場:公示地価と実勢価格の実態
群馬県高崎市で土地を購入する際、「相場はどれくらいか」「今買い時か」と疑問に感じる方は少なくありません。土地価格には公示地価と実勢価格があり、両者には乖離があるため注意が必要です。
この記事では、高崎市の土地価格相場、エリア別の価格差、地価推移、土地購入時の注意点を、国土交通省 不動産情報ライブラリ等の公的機関のデータを元に解説します。
この記事のポイント
- 2025年公示地価は住宅地平均19.1万円/坪(前年比+0.3%)、2024年実勢価格は14.0万円/坪(前年比-18.23%)で乖離がある
- 高崎駅周辺は坪単価41.6万円と再開発で上昇中、郊外は坪7.2万円〜で下落傾向と二極化
- 1983年からの地価推移では1992年ピーク(26.3万円/m²)、2015年最安値(6.0万円/m²)、2020年→2025年で住宅地は坪4,928円上昇
- 土地購入時は建ぺい率・容積率、建築条件の有無、駐車スペース確保(1台約4.5坪)を確認
- 駅周辺の再開発で上昇期待がある一方、郊外は人口減少で下落懸念がある
(1) 2025年公示地価:住宅地平均19.1万円/坪、前年比+0.3%
高崎市の2025年公示地価は以下の通りです。
| 項目 | 坪単価 | 前年比 |
|---|---|---|
| 住宅地平均 | 19.1万円 | +0.3% |
| 全用途平均 | 27.2万円 | +0.58% |
(出典: トチダイ 高崎市の土地価格相場)
公示地価は国土交通省が毎年3月に公表する標準地の価格で、土地取引の目安となります。高崎市の住宅地は緩やかな上昇傾向にあります。
(2) 全用途平均:27.2万円/坪、前年比+0.58%
全用途(住宅地、商業地、工業地等)の平均坪単価は27.2万円で、前年比+0.58%と微増しています。
(3) 2024年実勢価格:坪単価14.0万円、前年比-18.23%
一方、2024年第1四半期の実勢価格(実際の取引価格)は坪単価14.0万円(4.2万円/m²)で、前年比-18.23%と大幅に下落しています。
(出典: 高崎市公式ホームページ)
(4) 公示地価と実勢価格の乖離
公示地価(19.1万円/坪)と実勢価格(14.0万円/坪)には約5万円/坪の乖離があります。実際に土地を購入する際は、実勢価格を参考にすることをお勧めします。
エリア別の土地価格:高崎駅周辺と郊外の二極化
高崎市の土地価格はエリアにより大きく異なり、駅周辺と郊外で二極化しています。
(1) 高崎駅周辺:坪単価41.6万円(再開発で上昇中)
高崎駅周辺の平均坪単価は41.6万円です。再開発により新築マンションが増加しており、地価は上昇傾向にあります。
(出典: SUUMO 高崎市の土地価格相場)
(2) 郊外(吉井町、上里見町等):坪7.2万円〜(下落傾向)
郊外エリア(吉井町、上里見町等)の坪単価は7.2万円〜と、駅周辺の約6分の1です。人口減少により下落傾向にあります。
(3) 最高地点と最低地点の価格差:約850倍
高崎市内の地価は、最高地点(高崎市八島町)が51.7万円/m²、最低地点(倉渕町)が61円/m²で、約850倍の価格差があります。
(4) 駅距離別の価格分布
駅徒歩30分以内の土地価格は以下の通りです。
| 駅距離 | 坪単価 | 価格帯 |
|---|---|---|
| 〜10分 | 32万円〜 | 3,000万円〜5,700万円 |
| 10〜30分 | 7.2万円〜 | 200万円〜1,500万円 |
(出典: SUUMO 高崎市の土地価格相場)
駅から離れると価格は大きく下落します。
高崎市の地価推移:過去40年の動向と今後の見通し
高崎市の地価は、過去40年で大きく変動しています。
(1) 1983年からの推移:1992年ピーク(26.3万円/m²)、2015年最安値(6.0万円/m²)
高崎市の地価は1992年にピーク(26.3万円/m²)に達し、その後バブル崩壊で大幅に下落しました。2015年には6.0万円/m²まで下がり、その後緩やかに回復しています。
(出典: トチダイ 高崎市の土地価格相場)
(2) 2020年→2025年で住宅地は坪4,928円上昇
2020年から2025年の5年間で、住宅地の坪単価は4,928円上昇しました。これは年平均で約1,000円/坪の上昇ペースです。
(3) 駅周辺の再開発による上昇期待
高崎駅周辺は再開発が進んでおり、新築マンション建設が活発です。今後も地価上昇が期待されます。
(4) 郊外の人口減少による下落懸念
一方、郊外エリアは人口減少により下落懸念があります。エリアにより見通しが大きく異なるため、個別の判断が必要です。
高崎市で土地を購入する際の注意点:建築条件・用途地域・駐車スペース
高崎市で土地を購入する際には、以下の点に注意が必要です。
(1) 建築条件付き土地のメリット・デメリット
建築条件付き土地とは、土地購入後、一定期間内に指定業者と建築契約を結ぶ条件付きの土地です。
メリット:
- 土地と建物をセットで購入でき、手続きがスムーズ
- 建築会社が決まっているため、計画が立てやすい
デメリット:
- 建築会社が限定され、自由設計ができない
- 指定期間内に建築契約を結ばないと、土地購入契約が白紙になる場合がある
自由設計を求める場合は、「建築条件なし」の土地を選ぶことをお勧めします。
(出典: 竹並建設 高崎市の土地価格)
(2) 建ぺい率・容積率の確認
建ぺい率は敷地面積に対する建築面積の割合、容積率は敷地面積に対する延床面積の割合です。用途地域により制限されるため、希望する建物が建てられるか事前に確認しましょう。
(3) 群馬県の車社会:駐車場1台あたり約4.5坪必要
群馬県は車社会のため、駐車スペースの確保が重要です。駐車場1台あたり約4.5坪(約15m²)必要で、複数台所有する場合はさらに広い敷地が必要になります。
(4) 地盤状況と災害リスクの確認
土地購入前に、地盤状況や災害リスク(洪水、土砂災害等)を確認することをお勧めします。ハザードマップは高崎市公式ホームページで確認できます。
土地価格の種類と違い:公示地価・基準地価・実勢価格
土地価格には複数の種類があり、それぞれ異なる目的で使用されます。
(1) 公示地価:国土交通省が毎年3月に公表、土地取引の目安
公示地価は、国土交通省が毎年3月に公表する標準地の価格です。土地取引の目安として活用されます。
(2) 基準地価:都道府県が毎年9月に公表、公示地価を補完
基準地価は、都道府県が毎年9月に公表する基準地の価格です。公示地価を補完する役割を果たします。
(3) 実勢価格:実際の取引価格、公示地価より低い場合が多い
実勢価格は、実際の土地取引で成立した価格です。公示地価より低い場合が多く、高崎市では公示地価19.1万円/坪に対し、実勢価格は14.0万円/坪です。
(4) 固定資産税評価額との違い
固定資産税評価額は、固定資産税の計算基準となる価格で、公示地価の約70%が目安です。土地取引の参考にはなりません。
(出典: 高崎市公式ホームページ 土地の価格の種類)
まとめ:高崎市で土地を購入する際の判断基準
高崎市の土地価格相場は、2025年公示地価で住宅地平均19.1万円/坪(前年比+0.3%)、2024年実勢価格で14.0万円/坪(前年比-18.23%)と乖離があります。高崎駅周辺は坪単価41.6万円と再開発で上昇中ですが、郊外は坪7.2万円〜で下落傾向と二極化しています。
土地購入時は、建ぺい率・容積率、建築条件の有無、駐車スペース確保(1台約4.5坪)、地盤状況と災害リスクを確認しましょう。駅周辺の再開発で上昇期待がある一方、郊外は人口減少で下落懸念があるため、用途や予算、利便性の優先度に応じて判断することが重要です。
土地購入は個別の条件により判断が異なるため、専門家(宅建士、建築士)への相談を推奨します。信頼できる不動産会社や建築会社に相談しながら、納得のいく土地選びを進めてください。
